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サプライ編(ヴァイスシュヴァルツ基礎第一)

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    by K

    サプライ編
    (ヴァイスシュヴァルツ基礎第一)
    今回はヴァイスシュヴァルツ基礎のサプライに関する事を書いていきます。


    ここで言うサプライとはスリーブやプレイマット等、ゲームに使うもののうちカード本体以外のものを指します。ルール的に言えば、応用フロアルール上、「対戦中に使用出来る道具」の項に該当する話です。興味がある方はこちらも一読ください。


    共通するのは「ゲームを円滑に進める」こと

    サプライを利用する目的は基本的にゲームを円滑に進めるためです。本来の目的を忘れないように気を付けましょう。


    スリーブを使わない場合
    WS裏面画像.jpg
    スリーブを使わなくても対戦は行えますが、かなり不便です。その逆がそのままスリーブを使うメリットと言えるので、先にスリーブを使わない場合のデメリットからお話します。

    シャッフルがしづらい
    これはトライアルデッキ買ったままで発売記念大会に出ようとした事のある同志なら伝わるかなと思いますが、スリーブを使わない場合めちゃくちゃシャッフルがしづらいです。無作為化するためのシャッフルとしてファローシャッフルを組み合わせる方法が特に優秀なのですが、これはデッキを2つの束に分けてカードの端と端を密着させて差し込むシャッフルです。しかしスリーブを付けない場合の1枚1枚のカードは横から見ると長方形であり、カードの厚みがカードの端まで均等になっています。このため差し込むシャッフルを行うのはほとんど不可能です。これにより無作為化を行うための時間がとても長くなってしまうのがスリーブを使わないデメリットの1つです。

    カード自体に傷がつく
    これは当たり前なのですが、カードを頻繁に動かすゲームなのでスリーブを使わないとカードの損傷が大きいです。ちなみに別にスリーブを使ってもカードの損傷は防げません。あくまで損傷を軽くできるという事です。

    カードに傷がつくことによりマーキングが行える状態になる
    カード自体に傷がつくのは完全には防げないですが、使わない場合のデメリットとして大きいのは、上記の傷つきやすい性質上、裏や横から、表を見なくてもカードの種類が判別出来てしまうマーキング状態になりやすい事です。マーキング状態になると正常なゲームが行えなくなるので、特にカードが頑丈でないヴァイスシュヴァルツでは深刻な問題です。ちなみにプラスチック製のトランプはこの問題を強度でカバーしており、短い時間であればマーキング不能な状態を保つことが出来ます。もちろんその後すぐ廃棄になってしまうのですが。また、同じブシロードから発売されているカードゲームでもヴァンガードは強度の面である程度カバー出来ていますが、裏面端が傷つきやすくそれが目立ちやすいのでノースリーブはおすすめ出来ません。同社の過去のタイトル、バディファイトというゲームはこの点が素晴らしく、強度に加えてマーキングになりづらいデザインや構造をしていたので、ノースリーブでも結構遊ぶことが出来ました。これは対象年齢が低いことを考慮しての設計かなと思いますが、非常に良い紙質のカードゲームとして有名です。


    スリーブの基本は2重から3重
    toy_trading_card_sleeve.png
    ここからは実際にどんなスリーブ構成を選択するのかの話をしていきます。
    まずは馴染みの無い人にはすこしびっくりするかもしれない話ですが、基本的に2重以上がおすすめです。カードの上にスリーブ、その上にまたスリーブということですね。スリーブの上にスリーブを重ねるのですが、このメリットについても触れていきます。ちなみにヴァイスシュヴァルツの公式ルールでは現在、1重から3重の3択から選ぶ必要があります。(スリーブをつけないこと及び4重以上のスリーブをつけることが禁止されている)


    1重目
    これはインナースリーブと呼ばれることが多く、カードの上につけるスリーブです。カードのサイズとほとんど変わらない大きさのものが一般的です。これはカードの位置がズレないようにという理由が大きく、フロアルールにも例示してあります。有色のものもありますが主流は透明なものです。
    このスリーブのメリットはスペーサとしての役割が大きいです。つまり2重目とカードの間を埋める役割ですね。
    平面の話であればインナースリーブが無いとカードの位置がズレやすくなります。マーキングに繋がることは少ないですがスリーブに跡がつくことでマーキングになりえますし、なにより移動することでカードが痛む機会が増えます。インナースリーブがあると比較的動きは小さくなりますし、1枚挟んでいる分カードも痛みづらくなります。
    個人的に大きいと思っているのは三次元の話、つまり厚みの観点ですね。この後つけるスリーブの端にも厚さが存在しますが、その厚さはかなり小さいです。ファローシャッフルをする際に端の厚みが重要である話は先に述べましたが、差し込みのしやすさは端以外の1枚1枚の厚みが厚いほど容易になります。このスリーブ付きカード1枚の厚みを出す観点でインナースリーブの効果は大きく、構成によってはインナースリーブのあるなしでかなり変わります。もしもシャッフルにやりづらさを感じた場合はインナースリーブを見直してみてください。


    2重目
    フロアルール上はレギュラーサイズと呼ばれているスリーブで、現状発売されているスリーブの中で1番多いのがこのサイズのスリーブです。カード自体よりはかなり大きく、インナースリーブを入れてちょうど良いサイズです。多くのものが透明ではなく、無地では無い柄付きのものが多いです。キャラクターの写っているものが多いのでキャラスリサイズとしばしば形容されます。
    この2重目の大きな役割は、透けないことと強度です。透けないこととはすなわちカードの裏面が完全に隠れる役割で、このおかげでカード自体が裏からマーキング出来る状態になってしまってもキャラスリを付けることで問題なく使用し続ける事が可能となっています。またスリーブを全てつけた際に1枚1枚の強度を支えているのがこの2重目で、かなり固いものが多いです。これのおかげでカードが守られていると言っても過言では無いので、2重目を省略するのはあまりおすすめではありません。

    2重目は注意事項がいくつかあります。

    反射に気をつける
    カードの裏面側、つまり絵柄の付いている側は反射するデザインのスリーブも存在しますが、不正に繋がるので反射しないものを選びましょう。起こる不正としては、デッキトップのカードを少し手で浮かせて、その下のスリーブをに写る反射を見てください。カード詳細までは分からなくとも絵柄全体の色合いは分かってしまうことがあります。これはつまりカードを浮かせるだけでそのカードが分かってしまう不正に繋がるので、反射するものは選ばないようにしましょう。
    ちなみに反射するイメージの無い無地の黒のスリーブでも、材質や光沢によってはめちゃくちゃ反射してしまうので、1度確認することがおすすめです。

    マーキングにならないように注意
    カードの裏面が傷付くとマーキングに繋がりやすく、それを隠すためのキャラスリである話をしました。つまりキャラスリがマーキングになっていないかは常に気にする必要があります。
    基本的に同一の手順や環境で作成されているので、市販されているキャラスリを使っていれば、開けた時点でマーキングになっていることは少ないです。気を使って欲しいのはその後の劣化です。
    1番よくあるのが折れですね。スリーブの。折れ目がキャラスリについてしまうと途端に、めちゃくちゃ目立つマーキングになってしまいます。他にも印刷の一部が削れてしまうことがあります。いずれにしても裏面から判別できるようになってしまった時点で交換をするしかありません。
    この時の交換用として、キャラスリはデッキで使う枚数よりも少し多めに入っている場合が多いです。余ったから捨てるのではなく、交換用に保管しておくと、長く使えます。

    全て初版限定である
    プレミアスリーブと言って、過去販売されていたスリーブにプレミアムな値段がつくことが、スリーブでは特に多いのですが、その理由は全て初版限定だからなんです。過去にデザインの違いなどがなく完全な再販が行われたスリーブは、自分はひとつも知りません。
    何故かと言うと、初版と同じ環境で再販スリーブを刷るのが極めて困難だからなんですよね。機械も季節も印刷も全て再現するのはほとんど不可能です。そして、これらひとつが少し異なるだけでも、組み合わせるとマーキングになってしまうのがキャラスリの恐ろしいところです。特に印刷はかなりネックなようです。そのためスリーブの再販は自分は1度も見たことがありません。
    ちなみに再販でなくてもこういったことは起こる可能性があり、サイズのばらつきが大きいことから販売元の企業が交換対応を行っているスリーブが存在したケースもあります。ブシロード以外だと、会社のロゴを全面に押し出したスリーブながら、マーキングの可能性を理由に販売中止になったスリーブも存在するようです。カードゲームにおいてマーキング出来ないスリーブというのはそれだけ重要な観点で、プレイヤーとしても重視する必要があります。

    枚数を数えやすいデザインのスリーブを選ぶ
    これはあくまでおすすめですが、裏向きでカードの枚数が視覚的にわかりやすい柄のスリーブを好んで使うようにしています。初期手札を初めとして、裏向きのままカードの枚数を数える機会は多くあります。1枚でも間違えたまま処理してしまうとゲーム上取り返しのつかないことになることも少なくありません。特に無地のスリーブはこの観点で少し使いにくいと考えています。


    3重目
    キャラスリの上につけるサイズの透明なスリーブで、オーバースリーブと呼ばれます。スリーブの上にスリーブ、その上にさらにスリーブ?と思うかもしれませんが、オーバースリーブの主な役割は、キャラスリを傷から守ることでマーキング可能な状態を避けることです。
    どんなにスリーブを重ねても、1番外側のスリーブの損傷はかなり激しくなります。これは何重にしても解決しない課題ですが、これの影響をなるべく緩和するのがオーバースリーブの役割です。オーバースリーブは透明なので傷がついても目立ちづらく、目立ってきても判別には使いづらい特徴があります。柄付きのキャラスリよりもだいぶマーキングに使いづらいのでキャラスリの上に着けるのです。
    その性質上、損傷はかなり激しく、スリーブの交換周期は1番短くなります。頻繁に替えるようにしてください。またマーキングに使われづらいのはどのスリーブも満遍なく損傷している場合に限ります。数枚が損傷した時にそこだけ新品に替えてしまうと、妙に綺麗すぎるという点でマーキングになってしまいます。なので少し勿体なくてもフルで替えるようにしましょう。

    このように交換頻度が非常に高くなるのがオーバースリーブです。なのでオーバースリーブはなるべく、安価で常に手に入りやすいものを選ぶのがおすすめです。加えて常に手に触れる部分なので質までこだわるとほとんど選択肢が無くなるのですが、具体的なオススメスリーブは聞いてもらえれば紹介します。とにかく消耗品なので、常に補充出来るようにしておきましょう。


    スリーブその他
    透明なスリーブは伸びる
    インナースリーブやオーバースリーブは、その材質のおかげで時間と共に多少伸びます。カードをプレイするうちに1番最適な形状に変化するので、大会に出る際は出来れば全て新品の状態ではなく、多少最適になった状態で臨みたいところです。

    横マーキング
    これは正直カードデザインの問題でもあるのですが、他のカードゲームと違ってヴァイスシュヴァルツには、カードイラストの枠がありません。イラストがその分大きいのですが、これが横から見るとマーキングになってしまう場合があります。
    一旦真横から見て、それぞれのカードが判別つかない状態であれば問題ないです。しかし色合いが微妙に見えてしまっている場合、これはマーキング状態なのであまりよくありません。

    これはスリーブの構成を見直すことである程度ケアできる問題なので、使うスリーブを見直しましょう。いちばん簡単なのはオーバースリーブを厚く硬いものにすることで、横から全く見えなくなります。またインナースリーブを色つきのものや大きなものに変えることで解消することもあります。いずれにしてもこういったマーキング状態も起こりうるということを認識しておくのが大事です。

    センターマーカー
    これは新しめのプレイヤーは存在すら知らないかもしれませんが、前列中央を明示するためのカードサイズのマーカーです。公式のセンターマーカーも昔配っていました。
    カードサイズであれば良いので、他のカードゲームのカードを使う人もいます。とにかく中央だと分かれば問題無いです。大体必要になるのはほとんど初ターンだけなので、コミュニケーションで補うのもありです。
    1点注意があるとすれば、センターマーカーにヴァイスシュヴァルツのカードだけは使わないでください。裏面でもダメです。これはゲームに関係ないカードがプレイエリアに存在することが問題なので、必ず他のゲームのカードを選ぶようにしてください。特に表だと普通に空見するので混乱の元です。


    プレイマット
    カードを動かすエリアに敷くマットで、多くのカードゲームで一般的かと思います。必ず必要なものではありませんが、あった方が良いのでラバー製のものを用意するのがオススメです。
    必要な理由としてはプレイエリアが明確になる点と、スリーブの損傷を抑えられる点が大きいです。プレイエリアに関しては、視界をプレイマット上に限定することが出来るので、意識をその上に集中させることが出来ます。境界が分からないとその先にあったのかということになるので、あった方がプレイはやりやすいと感じます。また基本的にはスリーブの損傷を抑えられるメリットが大きいですね。オーバースリーブは損傷が酷くなりがちという話をしましたが、プレイマットを使うだけでだいぶ緩和することが出来ます。
    またこれはプレイマットの柄によりますが、自分はセンターマーカーとしての役割も期待できる、中央の枠が印刷されたプレイマットを使うようにしています。これによりセンターマーカーやコミュニケーション無しで初ターン配置出来ています。ただ中央が明示されたものって凄く選択肢少ないんですけどね。

    あとはスリーブとの色合いの話ですが、なるべくスリーブが目立つようなプレイマットが好ましいです。極端な話が、スリーブもプレイマットも迷彩柄だったらかなりやりにくさを感じると思いますし、対戦相手は尚更です。迷彩柄は言い過ぎにしても、無地のスリーブ無地のプレマで色も揃えてみたいなのは、相手からすると特に見づらいので、避けた方が良いです。処理ミスや不正にも繋がるので、私は相手に使用を避けて欲しいです。


    ダイス
    thumbnail_saikoro.jpg
    サイコロですが、これは対戦を補助するものとして使用が認められています。キャラを選ぶ系の能力が複数あると、サイコロがあった方がわかりやすいことがあります。ただ使い方には制限があるので、詳しくは応用フロアルールを参照ください。


    時計
    kaden_digital_tokei.png
    時間を計るタイマーも利用が認められています。この重要性は他の記事に譲りますが、とにかく時間切れしないようにタイムマネジメントしようという事です。フリー対戦では必須では無いですし、スマートフォンでも代用できるので、自分なりの回答を用意すれば十分です。


    先攻後攻マーカー
    これは先攻や後攻を決めるために捲るマーカーですが、以前、先攻後攻の記事を書いた時から公式含めて先攻後攻マーカーを推す動きが増えたことで、今では一般的になりました。しかし元々先攻後攻マーカーを用意することは自分は推奨しておらず、その理由と注意点を話していこうと思います。
    まず第1にこれはフロアルール上、使用を許可されている道具ではありません。禁止もされていないですし問題無いと思うのでじきに許可されるのだと思ってますが、現状は非公式です。
    問題なのが、マーキングの問題です。これは持ち主にが行うマーキングではなく、相手側が利用するタイプのマーキングなので、先攻後攻マーカーを使ってる人に不正する意図は無いと思うのですが、それを利用して不正出来てしまうという点が問題です。
    マーキング自体はデッキのマーキングと同じく、裏から何らかの違いにより判別できてしまう状態を指しますが、先攻後攻マーカーはこの状態になりやすいです。まずデッキのマーキングは50枚から数枚を判別するのに対して、マーカーは2枚から1枚を判別すれば良いという簡単さです。2枚の差異に注目すれば良いのでデッキのマーキングと比べると格段にやりやすいです。
    またマーカーのスリーブに気を使い続けることの難しさがもうひとつの理由です。デッキのスリーブかそれ以上に気にしなければならない先攻後攻マーカーのスリーブを、継続的に気にし続けられるでしょうか。多くの人は難しいんじゃないかなと思います。
    なので先攻後攻マーカーを使う場合は、常にマーキングにならないように注意することが大切です。

    ちなみに記事中ではデッキの中のクライマックスとそれ以外のカードで先攻後攻を決めるのを推奨していますが、これはそもそもデッキとして使ってるんだからマーキングできる状態では無いはずということと、仮にできる状態であっても50枚の中から適当に2枚選ぶのでそれらがその時に判別できる確率は低いからというのが理由になります。いずれにしてもマーキングにならなければ問題ありません。

    気をつけて欲しいのは、プレマの色と先攻後攻カードの色です。何を言ってるのか分からないかもしれませんが、「先攻後攻マーカーの表の色合いに大きな差があった場合、プレイマットの色によっては、カードの影に反射してマーキングが出来る場合がある」ということです。
    真っ白なプレイマットだとわかりやすいのですが、全面青のカードと赤のカードを白のプレイマットの上に持っていってください。相手の角度によっては青っぽい/赤っぽいが分かることがあります。これを避けてくださいということです。
    イラストの無い白背景同士のマーカーや、先攻も後攻も似た色合いのカードを使えば問題ないんですけどね。これは気にしている人は少ないですけど、1度マーキング出来ないか確認してみてください。


    という事でサプライ編でした。
    応用フロアルールに書いてあることは最低限で、実際に気にしないといけないことは結構多いので、知識として認識しつつ、遊んでいく経験の中で自分なりの方法を確立していければ良いなと思います。

ヴァイスシュヴァルツ基礎とは

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    by K

    ヴァイスシュヴァルツ基礎とは
    これはまぁいつか書かなければいけない内容だったので今回書き始めることが出来て良かったです。こんにちは。
    今回はヴァイスシュヴァルツの基礎とは何かについてのお話をします。実際の基礎の内容については連載の形を取ろうと思います。


    ヴァイスシュヴァルツ基礎とは
    読んで字のごとく、ヴァイスシュヴァルツの基礎だと僕が感じている内容です。

    ヴァイスシュヴァルツについて、当たり前ですけど普通の未経験の人は、何も分からない状態です。これはつまりヴァイスシュヴァルツ初心者の状態ですね。みんなスタートラインは同じです。
    ところが基本的に即実戦に放り込まれるんですよね。まぁヴァイスシュヴァルツに限らず色んなゲームがこのパターンなのですが。もちろん学問的に学ばなくても実戦の中で知識を身につけて普通にゲーム出来るようにはなります。

    しかし、そのゲームの構造を知った上で、あえてヴァイスシュヴァルツの基本的な部分について書いてみたのがこの記事です。実戦の中で身につける知識とはかなりの差があります。

    基礎はゲームシステムの話、実践で求められるのは最新の話
    基礎はあくまでゲームシステム上こういう考え方が基本になりますということ。しかし実戦では最新のカードパワーを使って戦うので、この通りに行かない事が多々あります。半年以内に勝ちたいのならば、学ぶべきは基礎でなく最新の技術です。

    基礎は変わらない、実戦で求められるものは常に変わり続ける
    基礎はあくまでゲームシステム上の話なので、この先ずっと使える知識です。もちろんそのままは使えませんが。対して実戦で求められるのは追加され続ける最新のカードパワーに適応する力なので、身につけるだけでなく常に発揮し続けてついて行く事が求められます。

    実戦で求められるものも、元を辿れば基礎である
    これが1番重要で、みんな同じように実戦しているように見えて、基礎があって実戦している人とそうでない人がいるって所ですね。基礎があって実戦している人は論理的な裏付けがあるので、考えをしっかり持つことが出来ます。一方で基礎なしに実戦している場合、それはなぜそれが良い選択肢なのかは分からないけど、勝率は出せている状態になります。どちらもその環境で活躍できているのでしょうし、外見で見えるのはせいぜい勝率くらいのものなので、差異を感じることはなかなかないと思います。
    これの差が出てくるのが、環境が変わった時なんですよね。基礎があって実戦していた人は、環境の変化に強いです。こうだったものがこう変化したから、今度はこれをこう使おうとなるわけです。一方基礎なしに実戦していた場合、環境が変わってとにかくこれまで通り勝てなくなった時に、拠り所が無いんですよね、どこからやれば良いのか分からない。それでもセンスのある人は次の束を見付けて身につけられるんですけど、一般的には路頭に迷うことになります。

    ビギナーだけでなく、経験者にも
    基礎という名前からビギナー向けをイメージするかもしれませんが、広く色々なプレイヤーに一読して欲しい内容になっています。全て書いてある通りに押し付ける訳ではありませんが、新しい気付きや視点があると思うので、ふと立ち返るところとして使ってもらえればと思います。


    ということでこれからのシリーズの題材、ヴァイスシュヴァルツ基礎とは、即実戦に使える訳では無い知識で、身につけると長く使える知識です。

D4DJ調整記 東京地区後追記

    posted

    by K

    D4DJ調整記 東京地区後追記
    前編後編を読んでない方はまずそちらからどうぞ。

    主に抽選の観点からこのデッキの立ち位置はとても良いと考えており、先日の東京地区も同じ50枚で臨んだところ、嬉しいことに優勝出来ました!


    デッキレシピ
    レベル2
    1
    クライマックス
    8

    事前にチーム内で話していた想定が、予選1敗のオーバーロードだけ全勝と被っての1被り抽選上がりのプランだったのですが、まさにその通りになりバンドリとD4DJは被らなかったので、かなり作戦通りでうまくいきました。決勝トーナメントは助け合いながら全勝出来て運にも恵まれていました。

    当日の簡単なレポートを追記しておきます。

    1回戦目 8チョイスチェンソーマン ○
    チェンソーマンはD4DJと同じ時期に研究していたタイトルなのでその分の利も多かったです。1周目に構成を確認し、4-4の8チョイスである事が分かったので、<後列焼き>や<確定バーン>に怯える必要がなく、上の詰めもロングレンジではないので無理に先に走らなくても連パンのターンは貰えることを確信しました。この時にチェンソーマンには<光景>が無いのでストック圧縮ルートも取りやすいのが良いですね。
    1連動>の比較だと数字はチェンソーマンに分がありますが連打は宝のこちらに分があり、踏み合いに持ち込めれば連打が難しいチェンソーマンに対してD4DJ側に有利がつくのでそのルートで。想定通り連動で踏みつつストックや手札を増やせるこちらの方が次第に有利になっていき相手が先に3に上がる展開。ヒールを出させてストックを消費させたので、それを踏むためにも3に上がって<りんく>2面。チェンソーマンにも<椎名>があるので打たれてキャンセル次第で耐えられる展開にはなりましたが、ストックを消費させた後のチェンソーマンは山が弱く、仮に耐えても返しに決め切る力がないので、そのターンに勝てましたが返しも比較的安泰な展開でした。 <宝連動>連打の強さで勝てたゲームだったと思います。
    2回戦目 ヘブンバーンズレッド ○
    6チョイス2風のタイプ。<光景>が無いのでストック積むゲームを意識し、タイトルパワー差で勝つことを念頭におきつつも、上の詰めが<1点連打>であったり<大活躍>があったりと安定して勝つのは少し苦労するマッチング。
    実際のゲームではこちらの<宝連動>のタイミングで1の後半まで打点が入ってしまい、<1連動>2面+<大活躍>で返される展開。これをされると手札は連動や<大活躍>で稼がれてしまうので打点だけを見てゲームエンドのターンからの逆算で戦っていきます。ヘブバン側の弱みとして<1連動>が山を壊してしまうというのがあり、2周目の山をかなり壊していたので、<大活躍>は無視して打点を入れるプランに。次のターンにも<大活躍>を張り替えられ<思い出拳>を構えられましたが、相手は山を作りきれていないので<一時的思い出送り>で<大活躍>を消しての<りんく>2面でオーバーキル。
    このゲームはゲームエンドに必要な札を逆算し、相手の山が強くなる前に<りんく>2面でゲームを終わらせられたのが良かったです。
    3回戦目 D4DJ ○
    ミラーと言えど相手は門宝の違うタイプ。手の質が低い事や3の詰めが強力である事を念頭に戦ってました。
    このゲームは後攻2ターン目の<4ルックイベント>がクラマクラマクラマイベントで失敗したのが激痛で、2周目開始時ハンド3枚で流石に負けを覚悟していました。唯一よかったのが宝を持ってリフした点。ゲームを勝つ事から逆算した場合さらにリソースを稼ぐ必要があり、宝は必要だと手札に残したプレイングが非常に良かったと思います。相手は1レベが絆セットを使うタイプだったのですが、トップチェックが失敗してこちらの<宝連動>が帰ってきました。ダイレクト2個もキャンセルすることが出来たので、キャンセル2つ+<宝連動>帰ってくるで完全に逆転しました。再度打った<宝連動>により<りんく>2面には十分なリソースを稼ぐことができ、次のターンに相手の3連動を喰らわないよう、しっかり2レベ後半から決められました。
    このゲームはどんなに辛くても<宝連動>をゲーム中打つ回数を逆算して握れたのが良かったです。
    4回戦目 転生したらスライムだった件 ×
    詰めが弱く、山も強くキープ出来ないので有利対面だと思ってます。が、ちょっと相手のプレイと配置が完璧過ぎてノーチャンでした。
    宝連動>のターンに2つドラ乗ってノーキャンで1-6まで入ってしまい、強めの山で<ミュウラン>を展開出来るように。それでも<ミュウラン>1枚しか持ってないしストック3枚だからとそこまで強い動きにはならないはず...と期待するも<ドキテマ>+<妹子>で3面<ミュウラン>。トリガーせずに<ミュウラン>3面山3/7の完成。
    ただ1周目<ミュウラン>の弱みとしてサーチの質の低さがあり、今回は助太刀が3枚控えに。連打させたくなかったので埋まってしまった<比例応援>を掘るため3アンコしつつ<控え集中>で拾おうとするもリフ間際ヒットせず。仕方なく<サーチ集中>も捻ることになり結果的に2面処理できたもののこちらのストックは3になってしまいました。3/7の山でしっかり3キャンされ2-0での8バックを決められてしまいます。3アンコから<サーチ集中>を捻られるものノーヒットだったので、門ケアが出来ていない状態でアタックさせられたので弱みを突きつけた形ですがこのターンもトリガーせず強い山で返されます。仕方なく打点を進めるためクライマックスを切って1-1-1を作るも2キャン。次に2回目の連動をされて助太刀も握られたのでもう面ではなく打点のゲームシフト。とはいえ打点を入れないと勝てないので1-1-1で殴って2-4まで。これを1点ヒールされて<光景>ケアまでされました。
    この時点で相手2-4こちら3-2だったので、次の<ミュウラン>連動を許したらさらに勝てなくなるということで<りんく>2面並べつつ宝を貼って面取りに行きます。結果的に<ミュウラン>こそ倒したものの2点すら入らず全キャンされ、早出しヒールに踏まれ返されることになります。
    3-2からですが転スラは詰めるデッキでないことは分かっていたので、平パンで1キャン要求。これを満たして3-5で流石にファイナルターン。相手2-4から<連パン>一面で詰めに行くも、全キャンされて相手を3にあげられず負けました。リフ後の配置勝負に持ち込めただけ良かったかなと思ってます。
    5回戦目 アイドルマスター ミリオンライブ! ○
    上が門の形でロングレンジで切られることだけ意識するも、途中はずっと有利で<光景>も無いのでストック積む事を意識。
    メインプラン通り<宝連動>でリソースを稼いでいき、途中ミリオンの集中3ヒットによって山札が弱くなったのを確認して、無理矢理3に上がっての<りんく>2面で2-3から理論上勝ち。山札でちょっとでも隙を見せるとしっかり咎められるデッキである事が生きました。
    決勝T 1回戦目 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ×
    決トナ上がって1戦目。詰めが強く山も操作しやすいので、打点とんとんで進めて最後2の後半から走る事を意識。<由美子>や<ダンまち>のようなストックヒールの詰めって、2の後半から無理矢理走るのめちゃくちゃ苦手なので、主導権はこちらにあります。
    控え7ストック4で2-6、面にはレベル1が複数というおあつらえ向きの面を作ってくれたので、<光景>+<りんく>2面で詰めに行きました...が、チョイスが引けずトリガーもしなかったので、1点バーンの手札が1枚足りず3-6までしか届かず負けました。
    反省としては残1のクライマックスが手札だったようなので<光景>があまり意味なかった事ですね。普通に面並べた方が勝ってたと思います。チョイス引ければそれでも足りてたんですけど、甘かったです。そもそもボトムクライマックスと仮定した場合、<黒りんく>からアタックするのも選択肢でしたね...これは行けるやろで3-6までしか届かなかったゲームで猛省です。拾ってくれた隣に感謝。
    決勝T 2回戦目 スパイファミリー ○
    上が扉で下が門の形。プールが門連動依存度高いので、そこを上手くいじめるのと、上の<扉連動>をくらう前に終わらせることを意識。
    集中>2面+<門連動のチェンジ>で8500を作られるも、それを難なく触れるのが<宝連動>の強み。毎ターン常に触ってるとスパイファミリーはとても辛いです。最後は2の後半から<白りんく>2面で綺麗に決めることができました。門連動は一時的に思い出に行ってもらったので2周目の配置に連パンできたのが良かったですね。
    決勝T 準決勝 チェンソーマン ○
    こちらは宝ストブの形。<宝連動>を連打されると流石に負けるのですが、1回3面連動されたくらいなら耐えるように立ち回れれば、安定して連パンできます。このゲームはまさにそれで、1と2がそこまで強く無いチェンソーマンに対して<宝連動>で山を作って打点を入れていきます。先に上げさせることに成功したので<宝連動>を打ってもらい、良い感じで3レベに。連パンでしっかり決めました。相手の詰めを耐えるプランでしたが、2から決めるプラン以外も実践出来たのが良かったなと思います。
    決勝T 決勝 8電源ホロライブ ○
    上の詰めが弱く、必ず連パンさせてくれる相手。一方で防御力が高く<プリシラ>や<ルーナ>でしっかり構えられると大変です。なので最初から連パン多面は狙わず、<宝連動>連打によるダメージレースで勝つことを意識してプレイしました。8電源ホロライブは詰めを耐えるのは得意ですが、ヒール量や詰めが少ないので、ダメージレースで押されて刻まれるのが苦手なんですよね。
    宝連動>で吊り出した<ゼロツー>が9000になる事を強みに、相手の面をひたすら触っていきます。相手は面を作るためにも止めるためにもクライマックスが必要なのでかなり大変です。2に上がられて<ルーナ>多面からのキャンセル連打だけは負け筋なので、うまく1リフさせてあげて、<ルーナ>が出るまでにリソースを溜め切りました。
    相手が<ルーナ>2面+<応援>2面で135と150を作ってきた時にはこちらは純ストック14枚で手札も潤沢という状況に。対して手札の増える行動の少ないホロライブは手札が3枚程度だったので、これは踏む価値がある展開と判断。Tipsに書いた横入れ替え+比例応援で、140の<ゼロツー>+155の早出しヒールで両方踏みました。この効果もあって最後は相手3-2から<りんく>2面で無事詰め切れました。
    相手のデッキの特性を理解し、クリティカルなタイミングで面を踏めたのが良かったなと思います。
    ということで、またもや7勝2敗という成績ですが優勝出来ました!自分で50枚作ったデッキで結果残せるのはこの上ない喜びです!


    終わりに
    ということで今回はD4DJのリストの、研究開始から大会に持っていくまでを書きました。これまでこういった過程から結論までを書いたことがなかったので今回かけてよかったです。
    D4DJのネオス構築は一旦ここで終了です。が、まだ触れてない電源や扉、使いこなせていないプラ2や門など、やりたいことは沢山あるので、水面下で続けようと思っています。


    私事ですが、前回の記事を出してからD4DJに興味を持ってくれるプレイヤーが結構増えたみたいで、記事を書いてよかったなと思っています。非常に考え甲斐のある良いプールなので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください。 それではお疲れ様でした!また次回の記事で!

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