
(ヴァイスシュヴァルツ基礎第一)
ここで言うサプライとはスリーブやプレイマット等、ゲームに使うもののうちカード本体以外のものを指します。ルール的に言えば、応用フロアルール上、「対戦中に使用出来る道具」の項に該当する話です。興味がある方はこちらも一読ください。
共通するのは「ゲームを円滑に進める」こと
サプライを利用する目的は基本的にゲームを円滑に進めるためです。本来の目的を忘れないように気を付けましょう。
スリーブを使わない場合
スリーブの基本は2重から3重
まずは馴染みの無い人にはすこしびっくりするかもしれない話ですが、基本的に2重以上がおすすめです。カードの上にスリーブ、その上にまたスリーブということですね。スリーブの上にスリーブを重ねるのですが、このメリットについても触れていきます。ちなみにヴァイスシュヴァルツの公式ルールでは現在、1重から3重の3択から選ぶ必要があります。(スリーブをつけないこと及び4重以上のスリーブをつけることが禁止されている)
このスリーブのメリットはスペーサとしての役割が大きいです。つまり2重目とカードの間を埋める役割ですね。
平面の話であればインナースリーブが無いとカードの位置がズレやすくなります。マーキングに繋がることは少ないですがスリーブに跡がつくことでマーキングになりえますし、なにより移動することでカードが痛む機会が増えます。インナースリーブがあると比較的動きは小さくなりますし、1枚挟んでいる分カードも痛みづらくなります。
個人的に大きいと思っているのは三次元の話、つまり厚みの観点ですね。この後つけるスリーブの端にも厚さが存在しますが、その厚さはかなり小さいです。ファローシャッフルをする際に端の厚みが重要である話は先に述べましたが、差し込みのしやすさは端以外の1枚1枚の厚みが厚いほど容易になります。このスリーブ付きカード1枚の厚みを出す観点でインナースリーブの効果は大きく、構成によってはインナースリーブのあるなしでかなり変わります。もしもシャッフルにやりづらさを感じた場合はインナースリーブを見直してみてください。
この2重目の大きな役割は、透けないことと強度です。透けないこととはすなわちカードの裏面が完全に隠れる役割で、このおかげでカード自体が裏からマーキング出来る状態になってしまってもキャラスリを付けることで問題なく使用し続ける事が可能となっています。またスリーブを全てつけた際に1枚1枚の強度を支えているのがこの2重目で、かなり固いものが多いです。これのおかげでカードが守られていると言っても過言では無いので、2重目を省略するのはあまりおすすめではありません。
2重目は注意事項がいくつかあります。
ちなみに反射するイメージの無い無地の黒のスリーブでも、材質や光沢によってはめちゃくちゃ反射してしまうので、1度確認することがおすすめです。
基本的に同一の手順や環境で作成されているので、市販されているキャラスリを使っていれば、開けた時点でマーキングになっていることは少ないです。気を使って欲しいのはその後の劣化です。
1番よくあるのが折れですね。スリーブの。折れ目がキャラスリについてしまうと途端に、めちゃくちゃ目立つマーキングになってしまいます。他にも印刷の一部が削れてしまうことがあります。いずれにしても裏面から判別できるようになってしまった時点で交換をするしかありません。
この時の交換用として、キャラスリはデッキで使う枚数よりも少し多めに入っている場合が多いです。余ったから捨てるのではなく、交換用に保管しておくと、長く使えます。
何故かと言うと、初版と同じ環境で再販スリーブを刷るのが極めて困難だからなんですよね。機械も季節も印刷も全て再現するのはほとんど不可能です。そして、これらひとつが少し異なるだけでも、組み合わせるとマーキングになってしまうのがキャラスリの恐ろしいところです。特に印刷はかなりネックなようです。そのためスリーブの再販は自分は1度も見たことがありません。
ちなみに再販でなくてもこういったことは起こる可能性があり、サイズのばらつきが大きいことから販売元の企業が交換対応を行っているスリーブが存在したケースもあります。ブシロード以外だと、会社のロゴを全面に押し出したスリーブながら、マーキングの可能性を理由に販売中止になったスリーブも存在するようです。カードゲームにおいてマーキング出来ないスリーブというのはそれだけ重要な観点で、プレイヤーとしても重視する必要があります。
どんなにスリーブを重ねても、1番外側のスリーブの損傷はかなり激しくなります。これは何重にしても解決しない課題ですが、これの影響をなるべく緩和するのがオーバースリーブの役割です。オーバースリーブは透明なので傷がついても目立ちづらく、目立ってきても判別には使いづらい特徴があります。柄付きのキャラスリよりもだいぶマーキングに使いづらいのでキャラスリの上に着けるのです。
その性質上、損傷はかなり激しく、スリーブの交換周期は1番短くなります。頻繁に替えるようにしてください。またマーキングに使われづらいのはどのスリーブも満遍なく損傷している場合に限ります。数枚が損傷した時にそこだけ新品に替えてしまうと、妙に綺麗すぎるという点でマーキングになってしまいます。なので少し勿体なくてもフルで替えるようにしましょう。
このように交換頻度が非常に高くなるのがオーバースリーブです。なのでオーバースリーブはなるべく、安価で常に手に入りやすいものを選ぶのがおすすめです。加えて常に手に触れる部分なので質までこだわるとほとんど選択肢が無くなるのですが、具体的なオススメスリーブは聞いてもらえれば紹介します。とにかく消耗品なので、常に補充出来るようにしておきましょう。
スリーブその他
一旦真横から見て、それぞれのカードが判別つかない状態であれば問題ないです。しかし色合いが微妙に見えてしまっている場合、これはマーキング状態なのであまりよくありません。
これはスリーブの構成を見直すことである程度ケアできる問題なので、使うスリーブを見直しましょう。いちばん簡単なのはオーバースリーブを厚く硬いものにすることで、横から全く見えなくなります。またインナースリーブを色つきのものや大きなものに変えることで解消することもあります。いずれにしてもこういったマーキング状態も起こりうるということを認識しておくのが大事です。
センターマーカー
これは新しめのプレイヤーは存在すら知らないかもしれませんが、前列中央を明示するためのカードサイズのマーカーです。公式のセンターマーカーも昔配っていました。カードサイズであれば良いので、他のカードゲームのカードを使う人もいます。とにかく中央だと分かれば問題無いです。大体必要になるのはほとんど初ターンだけなので、コミュニケーションで補うのもありです。
1点注意があるとすれば、センターマーカーにヴァイスシュヴァルツのカードだけは使わないでください。裏面でもダメです。これはゲームに関係ないカードがプレイエリアに存在することが問題なので、必ず他のゲームのカードを選ぶようにしてください。特に表だと普通に空見するので混乱の元です。
プレイマット
カードを動かすエリアに敷くマットで、多くのカードゲームで一般的かと思います。必ず必要なものではありませんが、あった方が良いのでラバー製のものを用意するのがオススメです。必要な理由としてはプレイエリアが明確になる点と、スリーブの損傷を抑えられる点が大きいです。プレイエリアに関しては、視界をプレイマット上に限定することが出来るので、意識をその上に集中させることが出来ます。境界が分からないとその先にあったのかということになるので、あった方がプレイはやりやすいと感じます。また基本的にはスリーブの損傷を抑えられるメリットが大きいですね。オーバースリーブは損傷が酷くなりがちという話をしましたが、プレイマットを使うだけでだいぶ緩和することが出来ます。
またこれはプレイマットの柄によりますが、自分はセンターマーカーとしての役割も期待できる、中央の枠が印刷されたプレイマットを使うようにしています。これによりセンターマーカーやコミュニケーション無しで初ターン配置出来ています。ただ中央が明示されたものって凄く選択肢少ないんですけどね。
あとはスリーブとの色合いの話ですが、なるべくスリーブが目立つようなプレイマットが好ましいです。極端な話が、スリーブもプレイマットも迷彩柄だったらかなりやりにくさを感じると思いますし、対戦相手は尚更です。迷彩柄は言い過ぎにしても、無地のスリーブ無地のプレマで色も揃えてみたいなのは、相手からすると特に見づらいので、避けた方が良いです。処理ミスや不正にも繋がるので、私は相手に使用を避けて欲しいです。
ダイス
時計
先攻後攻マーカー
まず第1にこれはフロアルール上、使用を許可されている道具ではありません。禁止もされていないですし問題無いと思うのでじきに許可されるのだと思ってますが、現状は非公式です。
問題なのが、マーキングの問題です。これは持ち主にが行うマーキングではなく、相手側が利用するタイプのマーキングなので、先攻後攻マーカーを使ってる人に不正する意図は無いと思うのですが、それを利用して不正出来てしまうという点が問題です。
マーキング自体はデッキのマーキングと同じく、裏から何らかの違いにより判別できてしまう状態を指しますが、先攻後攻マーカーはこの状態になりやすいです。まずデッキのマーキングは50枚から数枚を判別するのに対して、マーカーは2枚から1枚を判別すれば良いという簡単さです。2枚の差異に注目すれば良いのでデッキのマーキングと比べると格段にやりやすいです。
またマーカーのスリーブに気を使い続けることの難しさがもうひとつの理由です。デッキのスリーブかそれ以上に気にしなければならない先攻後攻マーカーのスリーブを、継続的に気にし続けられるでしょうか。多くの人は難しいんじゃないかなと思います。
なので先攻後攻マーカーを使う場合は、常にマーキングにならないように注意することが大切です。
ちなみに記事中ではデッキの中のクライマックスとそれ以外のカードで先攻後攻を決めるのを推奨していますが、これはそもそもデッキとして使ってるんだからマーキングできる状態では無いはずということと、仮にできる状態であっても50枚の中から適当に2枚選ぶのでそれらがその時に判別できる確率は低いからというのが理由になります。いずれにしてもマーキングにならなければ問題ありません。
気をつけて欲しいのは、プレマの色と先攻後攻カードの色です。何を言ってるのか分からないかもしれませんが、「先攻後攻マーカーの表の色合いに大きな差があった場合、プレイマットの色によっては、カードの影に反射してマーキングが出来る場合がある」ということです。
真っ白なプレイマットだとわかりやすいのですが、全面青のカードと赤のカードを白のプレイマットの上に持っていってください。相手の角度によっては青っぽい/赤っぽいが分かることがあります。これを避けてくださいということです。
イラストの無い白背景同士のマーカーや、先攻も後攻も似た色合いのカードを使えば問題ないんですけどね。これは気にしている人は少ないですけど、1度マーキング出来ないか確認してみてください。
という事でサプライ編でした。
応用フロアルールに書いてあることは最低限で、実際に気にしないといけないことは結構多いので、知識として認識しつつ、遊んでいく経験の中で自分なりの方法を確立していければ良いなと思います。