「フェンリルガモン:建御雷神」
今回はシークレットクライシスのSEC、<フェンリルガモン:建御雷神>のデッキを紹介したいと思います。シークレットクライシス発売記念大会でも優勝出来た構築なのでデッキパワーは申し分ないと思います。
早速ですがリストはこちら。
デッキレシピ
メインデッキ
計50枚
リストの見るべきポイントは2つ、レベル4の選択とサーチカードの選択です。
デッキ解説
解説に入る前に<建御雷神>と従来の<フェンリルガモン>との違いについて説明しましょう。どちらも最後まで進化すれば勝ちなのは変わりませんが、揃える枚数と対策の難易度が違います。従来のフェンリルガモンの必要カードはフェンリルガモンまでの進化ルートと<永住瑛士>、あとは即座にゲームを終わらせるためには<ディノビーモン>や<ブラックテイルモン>あたりの速攻持ちです。
対して建御雷神側は瑛士と進化ルートに加えて<カヅチモン>と建御雷神の2種が必要になります。
速攻持ちが必要無いので必要カードの種類はざっくり1種類多いと考えて良いでしょうか。枚数の違いとかはともかく。
そして対策の難易度で見ると、従来のフェンリルガモンは除去を消滅に頼っているため消滅耐性に弱く、またメタ生物も2面立てられると突破が難しくなります。
有効なメタは効果登場メタとメモリー+メタの2種類。緑の<ラピッドモンX抗体>あたりには立てられてもおかしくない範囲です。
また<BT16インペリアルドラモン>の効果登場/進化メタ効果や<ミラージュ>のメモリー+も厳しい範囲です。
総じて比較的対策は容易だけど、それを補って余りある速度と攻撃力があるデッキという印象的です。
対して建御雷神側は除去にDPマイナスが入るようになった他、後述する<ドルガモン>、<デクスドルガモン>のお陰で強制アタックの獲得とメタ生物に対してかなり強くなりました。
またメモリーもほぼ無視して動くためその辺りの対策も必要ありません。
総じてメタに対する突破力と言うか対応力がかなり上がったと思われます。
さて、対応力が上がったとは言え必要カードが1種ないし2種多いと言うのは実際のところ非常に大きなデメリットです。速度を犠牲に対応力を上げたデッキなんていくらでもあるわけで、得られるメリットがそれだけならフェンリルガモンにこだわる理由はあまりないでしょう。
建御雷神の強みは、必要枚数が多い代わりに動き出す直前までサーチができる事です。
従来のフェンリルガモンなら動き出すターンはメモリーが大事なので、進化以外にメモリーを使う余裕はほぼないでしょう。つまりサーチは前のターンまでに済ませておかないとちょっと厳しいです。
建御雷神なら最終的にジョグレスまでいければメモリーをいくら使ってもターンが返らないので、進化の直前、と言うか<ティラノモン>や<九狼城>、<ヘルガルモン>などでメモリーが相手側に渡ってからでも効果での手札破棄から進化が繋がるので、動き出しのターンのサーチ枚数が非常に多いです。
参考までに動き出しのターンの理想的な展開パターンを紹介します。
(1)1返しから<ルガモン>をバトルエリアへ。メインフェイズ開始時効果でメモリー+1。
(2)九狼城ディレイ効果でティラノモン2コスト登場。4枚サーチ。
(3)ヘルガルモン進化で1ドロー。ターン終了時効果で2ドローとドルガモン含めて3枚まで手札を破棄。
(4)<バウモン>効果でドルガモンに進化1ドロー。進化時効果でデクスドルガモン破棄して1ドロー。
(5)破棄したデクスドルガモンに進化1ドロー。進化時効果で<ソルガルモン>破棄。
(6)破棄したソルガルモンに進化1ドロー。<フェンリルガモン>含む2枚破棄してティラノモン蘇生。4枚サーチ手札1枚破棄。ルガモン効果でメモリー+1。
(7)破棄したフェンリルガモンに進化。カヅチモン蘇生してジョグレス。
この場合ソルガルモン進化までのドローは7枚、サーチが8枚あるため、フェンリルガモンならトップ15枚、カヅチモンも7枚ドローするまでの間に引ければ良いわけです。見切り発車で片付けるには多すぎるドロー枚数ではないでしょうか。
また、カヅチモンだけ引きたいならティラノモンの部分をドルガモンにすれば2枚ほどドローを増やせます。
ちなみにここまででメモリーの動きは
(1)1→2→
(2)0→
(3)-3→
(4)-5→
(5)-5→
(6)-8→-7→
(7)-10→-3→-2
以上でぴったり使い切れます。
レベル3からの進化に2+3+3で8コストかかるので相手側の2から動き出す感覚を意識するとうまくいきます。
この辺りの動きができると従来のフェンリルガモンよりかなり大量にデッキを掘れるので速度を損なわずに動くことができると思います。
ポイントは手札を破棄する効果から動き出して手札破棄を連鎖して進化を繋げ続ける事です。
さて、この辺りの認識を共有したところで改めて採用カードを見ていきましょう。
リストの見るべきポイントは2つ、レベル4の選択とサーチカードの選択です。
レベル4
ルガルモンを不採用にして<ドルガモン>、<デクスドルガモン>を採用しています。ド級のルガモン、ドルガモンと名前からして進化先である事は明らかなのでレベル4枠の正統後継者であると言えます。
それはそれとしてドルガモンとルガルモンを比較すると、ドルガモンの長所は強制アタック、衝突、登場時効果持ち、デクスドルガモン込みの消滅耐性が主なところ。
あと黒が出る点も後々活かすアイデアがあります。
対してルガルモンはDPアップとメモリー+。<BT15>なら1枚で2ドローできるあたりでしょうか。
この辺りは建御雷神を頼りに走り出すのでなければ色々と小回りの効く動きができるのですが、建御雷神まで走り切るなら正直無駄になります。メモリーなんていくらでもありますからね。
この構築では建御雷神まで走り切る事を前提に組んでいる以上ルガルモンを採用するメリットは薄く、ドルガモンとデクスドルガモンを使った新しい動きを入れた方が強いと認識しています。
これらの強みは後々紹介しますが、一度使えば抜けなくなる強さです。
サーチカード
<トレーニング>無しで<九狼城>が入っている点がポイントですね。これらを比較すると、まず九狼城が一方的に優れている点はデッキを掘れる枚数とセキュリティ効果です。
逆にトレーニングが優れているのはサーチ範囲とコストですね。いやサーチ範囲はこのデッキではトレーニングとメモブが拾えるくらいか...
違うのは九狼城が登場サポートでトレーニングが進化サポートである点です。
先程紹介したように、このデッキでは動き出してからは進化を全て<バウモン>効果で済ませられるためトレーニングを挟む余地がありません。
先に使って動き出しに大きいコストを使うのも良いですが、手札を捨てられる動きで大きいコストを使えるのは<ヘルガルモン>くらいで、結局のところコストの無駄が大きくなりがちです。
別に10使わなくても進化はできるのでそこで満足するのも良いですが、使える分は使い切った方が強いに決まってるので、そこを最適化するなら九狼城の方が優れていると考えます。
あと九狼城自体が手札を捨てられるカードなので動き出しとして使えるのも嬉しい。
勿論トレーニングも便利なカードなのでデッキに入っていればそれ相応に使い所はあるのですが、それである必要がないカードをデッキに入れるよりも強い動きを最適化するカードを入れたいのでデッキに入らないと考えます。
この構築で出来る動きを色々
採用カードで出来る事を具体例で紹介します。1.ドルガモンで安全に1点削る
<建御雷神>の基本的な勝ちルートは、動き出しの前に1点削っておいてセキュリティが4枚の相手をセキュリティ破棄+連携2点+破棄+ダイレクトアタックで決めるというものです。なので序盤に1点削るのは結構重要なのですが、意外と簡単にいかないものです。
そこで役に立つのが<ドルガモン>+<デクスドルガモン>。
デクスドルガモンのトラッシュ効果は戦闘での消滅でも有効なため、ドルガモンの進化時で破棄しておいて安全にアタックを通す動きが有効です。
2.連携先の用意
勝ちルートに連携が必要なので<建御雷神>の横に1体デジモンを立てる必要があるのですが、<ソルガルモン>の進化時で消滅してしまう相手デジモンがいると立てることが出来ません。そこで登場時に手札を捨てられるデジモンである<ティラノモン>かドルガモンの登場から動き出す事で、連携の相方を用意しつつドローやサーチをしながら進化を繋げることが出来ます。
メモリーが3あって相方が欲しいだけなら<ルガモン>を登場してから動き出すのでもいいです。
また、<ドルガモン>の衝突と<デクスドルガモン>の進化時効果を使うと割と簡単に小粒を複数焼く事ができるため、それで露払いをしてから動くのでもいいです。
ヌメウッコあたりには特に有効かも知れません。
3.手札破棄からの進化連鎖
このデッキにおける手札破棄での初動になるのは<ティラノモン>登場、<ドルガモン>登場、<ヘルガルモン>登場or進化からの消滅、<九狼城>の使用です。レベル3からの合計進化コストは8コストなので、これらの行動で相手側の2になるようにコストを使えば無駄の無い展開ができます。また、ルガモンの進化元のメモリー+を含めれば3まで行っても良いです。
九狼城とティラノモンはサーチしながら動けるので強いですが、一応サーチ対象がない場合は手札を捨てられない事には注意しましょう。
4.アナログ+ヘルガルモンのテクニック
<アナログの少年>がある状態で<ヘルガルモン>のターン終了時効果を使ってメモリーを+する事で、ターンを返さず育成を構える動きは従来のフェンリルガモンでもあった強い動きですが、<建御雷神>では更に応用した動きがあります。<九狼城>あたりで出した<ティラノモン>から進化させたヘルガルモンをターン終了時で消滅させ、消滅時効果とアナログの少年を誘発。消滅時効果を先に処理する事で手札を破棄、進化を繋げてジョグレス進化まで済ませてからずっと誘発待ちになっていたアナログを解決する事で、メモリーが2になってからメモリーを+出来るためメモリーを1や0まで回復することができます。
回復しすぎると<ソルガルモン>の効果が使えなくなるみたいな落とし穴もありますが、後述する特定対面での対策として役に立つテクニックなので覚えておきましょう。
5.九狼城の魔狼
ディレイ効果の幅が異常に広いすごいカード。<ティラノモン>を使いまわせばサーチの加速、うっかりDMIAになってしまった<瑛士>を1コストでサルベージ、<ヘルガルモン>を5コストで使いまわす事で育成を残しながらドロー加速+盤面処理などなど使ってみないとわからない強さ。
また次に紹介する<スカルバルキモン>と合わせると<九狼城>だけでゲームエンドまで持っていく準備が整います。
6.スカルバルキモン
<スクランブル>との組み合わせが話題になっていたカードですが、概ねおもちゃとの見方が一般的かと思います。ですがこの構築ではプレイングの幅を大幅に広げられる強力なカードです。
まず、この構築では手札破棄での進化連鎖を最大限に生かす事をコンセプトにしています。
そのため、<バウモン>が進化元にある事、つまり育成を構えられている事が前提条件になります。
それは育成エリアを非常に大事に、と言うよりは慎重に扱わないといけないという事。一応<アナログの少年>+<ヘルガルモン>など育成エリアの隙をカバーできるカードを多めに積んでいるのですが、プレイングがシビアな事は否めませんでした。
その弱点を解決できるカードが<スカルバルキモン>です。
スカルバルキモンが手札にあるなら、九狼城のディレイで<ティラノモン>を2コスト登場、<瑛士>をマインドリンク。
<ソルガルモン>進化でスカルバルキモンを捨てればジョグレス進化まで間に合います。
あくまでパーツが揃っている前提ですが、九狼城と瑛士さえあればいとも容易くゲームエンドの圧をかけられるため、育成エリアを盤面の取り合いや見切り発車のドロー加速に使えてプレイングの幅が広がります。
正直まだ<建御雷神>の認知度が低く、進化連鎖や建御雷神のワンキル性能だけで勝てるゲームも多いためここまで必要になる事は多くないかもしれませんが、今後必ず役に立つ強力カードだと思っています。
また、トラッシュに2セット目があればの話ですが、建御雷神が立った横に立っているレベル4に対しても同じ動きが出来るため、建御雷神2体目を立てる動きも場合によっては可能です。
セキュリティ5枚から即座に勝てる可能性があるので知っておいた方がいいでしょう。
採用を検討しているカード
カヅチモン4枚目
多分必要だけど入れるスペースを見つけられていないカード。多分<メモブ>と入れ替えるべき。
BT16ウッコモン
前まで入っていたけど序盤以外は使いにくい事から抜いたカード。<スカルバルキモン>を使うプランなら育成が<ウッコモン>でも構わないので戻してもいいかもしれない。
クールボーイ
メモブで加えられて<ボーイ>で加えられないカードは<ティラノモン>しかいないため、サーチの質としては十分。
<スカルバルキモン>もなんかX抗体持ちなのでばっちり拾える。2コストの行動を増やせる事と、<デクスドルガモン>進化でドローを加速できる事と、進化連鎖中に誘発させてジョグレス後に解決する事で4.と似た使い方が出来ます。 4.をやるにあたって5枚目のアナログとして数えられる。
メタルインパルス
<ドルガモン>から色を確保できる。BT17で増えた<奇跡の究極騎士>や<始祖への回帰>など、進化させる事で消滅を回避するギミックを全部嘲笑う事ができるスーパーカード。
手札を捨てる事が出来るので進化を連鎖させてジョグレスまで繋ぐ事で使用コストを無視出来るのがポイント。
厄介な対面の対策
厄介な各対面の対策を知ってる限り書いていきます。知りたい場面があったら聞いてくれれば答えます。インペ+始祖構え
まずインペの効果進化/登場メタはこちらの手札破棄より発揮が遅いので連鎖してる限りは関係ないです。安心してジョグレスまで繋ぎましょう。攻略には4.で紹介したテクニックを使います。
<ヘルガルモン>の消滅、手札破棄から進化を繋げてジョグレス進化した後に<アナログ>でメモリー+を2枚分解決するとメモリー0で<建御雷神>と横に<ソルガル>で出したレベル4と相手のDP1000になった<パラディン>が残るのでレベル4をソルガルに進化させると6000以下消滅で取れます。
この構築では採用していませんが、メモリー+の手段は<クールボーイ>でもいいです。
あとは<メタルインパルス>で退化させるのでも良いですね。
奇跡の究極騎士構え
バトル消滅ならディレイできないので<ドルガモン>で強制アタックを付与しましょう。<建御雷神>になってしまうと消滅させてしまうので、<フェンリルガモン>+<カヅチモン>の状態で止めてドルガモン込みの12000<フェンリルガモン>でブロックして取るのがいいでしょう。
メモリーをがめる事はできないので<究極騎士>を使われそうなら育成で進化を進めておくなどの工夫は必要です。
<シクウォグレ>や<シクメタガル>?、それはちょっと強くて困る。
多分進化してるから<メタルインパルス>なら取れそう。
デクスドルゴラモン構え
特別なギミックが無ければ<建御雷神>のDP-16000で取れます。<ズバゴーン>とかでDPが上がってると厄介。簡単にワンキルできるデッキではないはずなので、<ドルゴラモン>が立った時点で<ヘルガルモン>を使って<デクス>に進化させてしまいましょう。
デクスドルゴラモンはデクスドルゴラモンになれないので消滅耐性は無くなったようなものです。
マグナモンX抗体
強制アタックを付与して<建御雷神>まで進化すればDP17000は越えられないはずなのでブロックすれば勝手にアーマーパージしてくれます。その後<マグナモンX>に進化し直したら超えてくるかもしれないので<ティラノモン>を横に立たせておくと少し安心です。タイラントカブテリモン
強制アタックで17000ブロックすれば基本取れるはず。育成に<テントモン>がいる場合だけダメなので育成から出てきたばかりのターンを狙いたいところ。
あと<メタルインパルス>なら何も怖くないです。
こんなところにしますか。
従来のフェンリルガモンとは全く違うデッキになったことはわかると思います。
と言うか他のデジカのデッキ全てと比べても考える事が全然違うので難しいですが、その分とんでもないデッキパワーを秘めているので研究を進めて使いこなせるようになりましょう。
それでは今回はこの辺で。結構頑張って研究したので今回の記事は拡散してくれると嬉しいです。それでは!