
メモリアル2014(オールドスクールパーティ2014)考察
今回は2019年に開催されたメモリアルカップ2014で優勝した、「8扉艦隊これくしょん」を交えながら、メモリアルカップ2014の考察をいきます。この年はそもそも特殊な年で、さらにメモリアル特有の環境なので、当時を経験した人でも改めてメモリアルの環境でとなると、なかなか上手く勝てないかもしれません。
環境考察
2014年はWS史において非常に重要な年のひとつです。いわゆる現代WSがはじまった年です。それまでは基本的に8扉出来るタイトルが強く、連動ではなく扉でリソースを維持するのが基本の戦い方でした。2種の扉が無いタイトルはそれだけで少し割引という評価になっていたのが良い思い出です。現代WSの始まりが、2014年3月28日発売の、艦隊これくしょんです。理由は2つあり、ひとつは<島風>の収録です。今でも互換名として使われる通り、<島風>はリバースすることでノーコストで手札の増える1連動として、この後活躍していくことになります。他のタイトルが連動を搭載していない時代にいち早く連動を搭載できたことで、抜群の安定感を強みに出来ました。この後発売されるタイトルは、このような手札の増える1連動が収録されていくことになります。ちなみに互換名として有名なのは<島風>だけでなく、<霞>や<榛名>、<武蔵>など多くあり、互換名として残るほど初出の、そしてカードパワーの高いカードが多く収録されていたことが分かります。
2つ目は<初風>の存在です。それまで8扉で手札を作ってきた環境デッキたちを軒並み一掃するほどの影響力がありました。自分は<島風>で手を稼ぎつつ<初風>で扉をシャットアウトする。他のデッキはリソースを連動に頼らざるを得なくなり、一気に現代WSが広まっていくことになります。もっとも<島風><赤城>という艦隊これくしょんの構成が最適過ぎて、他のタイトルはかなり厳しい時代でした。
転機はニセコイの発売と艦隊の規制。これによりただでさえカードパワーの高いニセコイを止められる存在はいなくなり、ニセコイ1強環境になることになります。2014年末はニセコイ1強環境だったと言えるでしょう。年明けを待たずに規制され、全国大会は地区とは全く違う環境で行われた挙句、3勝3敗の規制後ニセコイが優勝するというような、類を見ない特殊な環境だったと言えます。今のタイトル抽選制度が導入されたのは、2015年最初の地区からでした。 このような史実を踏まえた上で、メモリアルカップではここから更に特別な環境になります。まず前期に規制された艦隊これくしょんですが、実は後期に追加が来ることになります。なかでも強力だったのが今でも最強のシステムと名高い<冬のひととき 暁>です。「暁」とよく呼ばれますが、実は<輝きあずさ>の方が先だったりします。そしてこのカードの追加により、再び艦隊これくしょんはネオスタンダードで活躍できるようになります。実際ニセコイ環境でも最後の地区では艦隊これくしょんが入賞しているくらいです。それくらい<暁>というカードが偉大なわけです。その活躍あってか、2015年前期には艦隊これくしょんはさらに規制強化されることになります。
そして本題ですが、今回のメモリアルカップではなんと艦隊これくしょんの規制がありません。このような史実とはかなり異なった環境で行われるということがわかると思います。特に史実では規制された後に追加が来て、その時点でネオスタンダードで活躍していたのに、今回は無規制かつ追加後、つまり幻のフルパワー艦これが使えるわけです。これは使わない訳にはいかないでしょう。
というのは僕の勝手な意見ですが、いずれにしてもニセコイ艦これ環境なのが、この2014年の環境です。他のタイトルを使う場合もこの2つは仮想敵としておいた方が良いです。
デッキレシピ
デッキコンセプト
デッキコンセプトは、<隼鷹>を活かしたメタビート。回復を縛って溢れるカードパワーで押し込むことを狙います。そもそもこの8扉艦これというデッキ、元々艦これ初弾の時点でデッキとして存在していました。しかし時代は大艦これ時代。みな<初風>を置くデッキだったのでこの8扉の艦これはネオスでは全く活躍できませんでした。そのためこれも幻のデッキになりそうでしたが、黒限の大会では<初風>率が下がると思い結果を残せたので、幻でなくて済みました。
後期はニセコイ環境なので艦これが数を減らし、実はこの8扉艦これの立ち位置は良くなっていました。もっともさすがにニセコイの方が強かったので、この環境でも活躍できませんでした。ここに<暁>が追加された無規制艦これが使えるようになっているということで、これでフルパワーニセコイに勝ちたいと思って組んだレシピがこちらになります。
基本となる動きは<響>→<ヴェールヌイ>を狙います。ちょっと意味わからないくらいのコスパをしていて、回復をメタり思い出圧縮しつつ早出しできるというようなデザインで、これの成功率が<暁>によって飛躍的に上昇しているので、これを押し付けていきます。8扉なのでリソースはかなり余裕があり、後半は<隼鷹>でクライマックス無しでソウル押しができます。1の扉連動がは純ストックを作りやすい、山を作りやすい連動なので、山を強くしてキャンセルで戦います。<隼鷹>+扉8戻りの2-2-2が非常に強力だと考えてください。狙った訳では無いですがチャンプが多くなるので、<万里花>連パンに対しても強いのが追い風です。
回し方
マリガンでは、0で使いたいのが<暁><響><ドジ>なので、これら3種以外は全て切ります。<天龍><龍田>はコスパ自体は微妙なので、マリガン前からキープする価値はありません。0では<響>→<ヴェールヌイ>を狙います。追加前はマリガンで<ヴェールヌイ>を落とすしか無かったのに、<暁>があるのでだいぶ成功率が上がっています。また<ドジ電>もカードが強いので積極的にアタックして問題無いです。
1では<天龍><龍田>の複数面連動を狙います。<天龍>で拾いたいのは主に<隼鷹>。とにかく<隼鷹>だけは手に用意して、あとは8戻りを狙いましょう。<龍田>は前列でも連動出来るので、アタッカーにしても良いです。とにかく山作りを意識して1リフを狙います。
2ではクロックを通過し、<隼鷹>を配置してアタックするだけです。カードパワー高すぎてチャンプしてても打点レース有利になれることがほとんどです。ここがこの8扉艦これの強みですね。
3では後がないので各レベル3で相手のクロックを詰めましょう。ワンショットというよりはヒールメタで縛る感じなので、自分の山を作りつつダメージを詰めましょう。だいたい相手のヒールが間に合わなくて艦これ側が勝ちます。<隼鷹>がとても偉大というわけです。
採用カード紹介
飛鷹型軽空母2番艦 隼鷹
このデッキはこのカードを最大限強く使うように組まれたデッキです。知らない人には強さが分からないかもしれませんが、この全体ソウル+1というのが非常に強力なテキストです。システムのソウルが軒並み2になるのが大きく、これ1枚でソウル負けすることがなくなります。一方で面取りで使うと過剰になりがちなので、システムで山を作ってキャンセルをしつつ、打点負けしないというのが1番活かす使い方かなと思いました。なので今回はメインアタッカーが登場コストがかからないものを採用し、ストックは全て詰めに使えるよう組んでいます。陽炎型駆逐艦1番艦 陽炎
知名度は低いですが、このデッキのメインエンジンです。感触としては初弾ミルキィの<活発ネロ>。1コストと2コストが選んで使えるということは、つまりストックがかなり綺麗に使えるということなんですよね。<隼鷹>と組み合わせればパワーも気にならないですし、ドロー機会も増えます。山を作って手札を維持してアタックという強い動きを実現している強力なエンジンです。大和型戦艦2番艦 武蔵
<武蔵>互換の初出です。表記11000もこれが初めてでしたね。このデッキはストックを沢山積むデッキでは無いので、2コストで2点以上ダメージを与えられる可能性を評価して採用しています。ショットなのも<隼鷹>との相性が良いですね。このデッキでは<武蔵>の期待値をあげるために<響>を思い出に送る他に、<龍田>のストブで0のキャラを埋めるようにしています。キルラキルもそうですが、このようにレベル0のキャラを減らす動きができると、<武蔵>の期待値は飛躍的に上昇します。<武蔵>互換は2点以上ダメージを与えるならば強いと評価しています。
ということで今回はフルパワー艦これを紹介しました。幻のデッキで勝てるのはメモリアルの楽しさのひとつです。2014はニセコイと艦隊が目玉なので、ここら辺のカードパワーを実感したいのであれば、2014のメモリアルカップがオススメです。