1.始めに
こんばんは。八坂です。クラシックコレクション環境も始まって間もないですが、もう7弾の発売も月末に控えていて忙しいですね。とは言っても生憎首都圏や大阪では緊急事態宣言によりプレイする機会も限られていますが、カード自体は面白いものも多いのでリモートを中心に遊んでいきたいです。
さて、クラコレ環境と言う事ですが、その前に6弾環境についていつも書いてる環境まとめを書いていきたい...と思っていました。(過去形)
過去形なのは間に合わなかったのもそうですが、本来なら環境中期だった事と、大型大会により発売直前まで環境が目まぐるしく動いていたので追いきれなかったというのが大きいです。
一応追いきれないなりに、このデッキはどんなデッキでどう変化していって最終的な形はどうなったのか等々纏めていたところ、いくつかのデッキでデッキタイプとして特徴的な変化が起こっていることがわかりました。
今回は書けなかった環境まとめに変わりまして6弾環境で生まれたあるデッキタイプについての話をしていこうと思います。
2.ワントップ型ジエスモン
こちらをご覧ください。これら直近の大会で結果を残した<ジエスモン>の構築です。細部は違いますが、それまでの順当進化と比べるとレベル5,6を極限まで絞って下のレベルとシスタモンを最大限取っていることがわかります。この様な型は大体7月ごろから数を増やしていました。
これを見てレベル3を厚めにとって事故率を下げてるんだなと判断するのは簡単ですが、そこからもう一歩踏み込んでみてみましょう。
ちなみにこういった構築は特別新しい訳ではありません。黎明期に順当進化のバランスを探っていくうえで試され、そして消えていったものでした。
なぜかと言えば理由は簡単で、進化ラインを太くとった構築と比べて成長事故こそ少ないものの究極体に進化できる確率が低く、ちゃんと進化できた順当進化に有利が付かなかったからです。
それがなぜ今になって勝つようになったのか。考えられる理由は3つあります。
1つは環境の問題。今弾から登場した絆デッキは、従来の順当進化よりも安定する上に順当進化に劣らない爆発力もあり、事故率の高い従来の順当進化で相手取るには事故負けが無視できない課題でした。
そのため環境中期にはジエスモンも含めて従来型の順当進化は数を減らしており、絆を含めたアグロ系デッキが多い環境になっていました。なのでアグロ展開に強い動きができる事が大きな意味を持っていました。
また環境トップの一角である<ベルスターモン>はコントロール型が多いですが、DPラインで言えば高くはないのでアグロデッキ同様に低いDPを咎める戦い方が有効だったりします。
2つ目は以前までと比べて進化ラインのカードパワーが十分に高くなった事。<ハックモン>のサーチの性能が非常に高いのは見ればわかりますが、シスタモンズや<バオハックモン>、<セイバーハックモン>等の性能も単なる進化元とは一線を画した性能をしています。
まず<シスタモンブラン>はDP3000と登場時ワンドロー、条件付きでブロッカー。
<ノワール>は普通に登場しても都合3コストDP5000な上、横のハックモン名称をDP+2000する効果のせいでコストに対するDP効率が非常に良いです。
バオハックモンは進化コストこそ2で平均的ですが、自ら殴りに行くのに十分なDP6000とノワールでDPを上げられるシナジーがあり、さらに進化すればDP5000以下を消滅と、アグロ系の動きに対してかなり強い性能をしています。
セイバーハックモンが強いのは言わずもがな。進化時に横に並べられる効果はコストを払ったくせに打点が増えないという進化の持つ根本的な弱点を解決しています。ほっといたらジエスモンに進化して手が付けられなくなる点も憎らしいほど強力。
そしてこれらをどれでもサーチできるのがハックモンで、もちろんシスタモンとのシナジーもあります。
あとは好みですが、1つ目のレシピでは成長期の2コス3000ラインを多く取って、絆デッキに必要不可欠なアグモン、ガブモンのDP2000ラインに強く出られる様にしていますし、2つ目のレシピの<ST1アグモン>と<ダークティラノモン>、<ST7ジオグレイモン>なども赤のアグロ展開では非常に強力な布陣です。
これらにより、ジエスモンへの最速進化と言う理想的な展開ができなくとも、環境に多いアグロ系デッキに対して引けを取らないゲーム展開ができるデッキになっていると言えます。
3つ目は使い手の練度でしょうか。引ければ進化、引けなければアグロ展開と簡単には言いますが、実際の対戦で自分の手札、盤面の状況、相手のデッキ等を全て顧慮して臨機応変にゲームプランを修正するのは簡単ではありません。使いこなすにはそれなりの腕が要ります。環境終盤になってこの型が台頭してきたのは、使い手が習熟してきた事も一因としてあると思います。
3.ワントップ型の拡張
先程は<ジエスモン>を例に挙げましたが、この構築の型には拡張性があります。要は進化すればゲームを支配できるだけのリターンのあるレベル6(7)と、環境次第としてもレベル3〜4までで十分に戦えるだけの充実した低レベル帯があればどの色でも理論上再現可能だからです。例えば紫の<タイタモン>は比較的ワントップに近い構築が多いです。
タイタモン自体の性能はジエスモン程ではありませんが、<オーガモン>や<ギンカクモンプロモート>等レベル4でやれる事が多く、究極体に頼らなくても戦える強みがあるためだと思います。
あと個人的に期待しているのはクラコレの<オーガモン>。発表直後に紫の<最強グレイモン>などと騒がれた割に使われていないカードですが、これの強みは進化元効果が中々強い事で、進化元として順当進化に採用出来る一方でマッチアップやゲーム展開によっては2点パンチのアグロ展開に切り替えて器用に戦える強力なカードだと思います。逆にこれを主役にするとうまくいかない気がします。だって最強グレイモンも今は主役じゃないでしょう。
またクラコレ環境では青も<イッカクモン>や<ズドモン>と言った、単体で非常に強力な低レベル帯を獲得しました。現状では<青絆>が強すぎるせいで影を潜めていますが、ジエスモンレベルの強い究極体が来れば下でも上でも器用に戦えるワントップ型の構築が組めそうです。
他の色は現状パッと思いつくものは無いですが、同じ様な視点があれば今後出てくるカードについて違った評価ができると思います。
4.最後に
とは言え、下の世代で戦えるかどうかは環境次第な所もあるので簡単ではないですが、従来のとにかく究極体に進化する事を目指す構築ではなく、色々な世代で器用に戦う構築があるんだなと言う事を今回は記事にしました。自分でデッキを組む際に、或いは今後デッキレシピを見る時に今回話した様な事を思い出すと見方が変わるかも知れません。
正直ジエスモンについては記事にするのが遅すぎてもう知ってる人も多い可能性は否めないですがまあ、それはそうと今回の記事が誰かの学びになります様に。