【未界域暗黒界92】デッキ紹介
さて、つい少し前の2024年10月1日に施行された制限改訂によって、私が愛用していた<永遠の淑女 ベアトリーチェ>が禁止カードになってしまいました。なんということでしょう。当然の措置ですね。
<デモンスミス>の登場によって明らかに出しやすくなったという背景はありつつも、そもそもがフリーチェーンで2枚も好きなカードを墓地に落とせるという時点でやりすぎなカードではありました。妥当な禁止行きです。
ですが<永遠の淑女 ベアトリーチェ>を失ってしまったことにより、不幸にも弱体化してしまったデッキがあります。<デモンスミス>?いいえ、「No.92GS」です。とても悲しい。
〈以前執筆しました【No.92GS 2024年Ver.】デッキ解説記事はこちらから〉
さて、では<永遠の淑女 ベアトリーチェ>に追悼の意を示しながらも、今後の「No.92GS」の方を見ていきましょう。
現状(惨状)
そもそも【No.92GS】は盤面に展開しきった「オルフェゴール」と<幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ>を使い、相手ターンに<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を出すことを目的としたデッキです。その性質上、素引きしたくないカードが多かったため、レベル3のモンスターを大量に使う【レベル3GS】に構築を寄せ、展開途中に<永遠の淑女 ベアトリーチェ>を使うことで手札誘発をいなしつつ、<オルフェゴール・ディヴェル>を墓地へ送る役割を持っていました。
また、次のターンに追加で<妖精伝姫-シラユキ>を墓地に落とすことで、<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>の攻撃力上昇のために必要な除外ゾーンのカードを増やすという役目も担っていました。
今回<永遠の淑女 ベアトリーチェ>が禁止になってしまったことで「オルフェゴール」と「幻影騎士団」をつなぐには「スクラップ」のような、展開力が豊富なものの、誘発に弱い初動に頼る必要があります。
また、火力の増強に関してはかなり不安定になってしまいます。
しかし、<永遠の淑女 ベアトリーチェ>が制限になった時から、私はずっとリペアを考えていました。考えた結果生まれた「オルフェゴール」にも「幻影騎士団」にも全く頼らない完全に新しい<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を活かせるデッキをお伝えしていきます。
前提条件
過去にも記しましたが<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>は出たら強いものの、それなりの欠陥を抱えているモンスターです。詳しくは、「【No.92GS】デッキ解説」をご拝読していただきたいのですが、最大限活躍するために、
- No.92を比較的楽な条件で出せて、出すことにメリットがある。
- エンドフェイズに発動する効果を活用しつつ、攻撃力の上昇も状況によっては狙うことができる。
- 上述の2つを安定して行える。
この3点に関して、なんと今年はとあるカードによってテコ入れが入っています。
<ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>の登場です。
ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ
闇属性ランク8のXモンスターで、起動効果で素材を使うことでデッキから「RUM」をサーチすることができます。今まで<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を出すために、ランク8闇属性である<宵星の機神ディンギルス>に<RUM-幻影騎士団ラウンチ>を使っていました。
そのために様々なカードを経由していたわけですが<ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>は<RUM-幻影騎士団ラウンチ>の条件である素材問題さえ解決すれば、今までより圧倒的に少ないデッキスロットで<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を出せます。
これを軸に様々なデッキを考えました。先程の条件に加え、
- ランク8を無理なく出すことができる。
- <ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>の素材を別で減らすことができる。
そう、【未界域暗黒界】です。
未界域暗黒界とNo.92のシナジー
手札を捨てながら特殊召喚する【未界域】と、手札から捨てられたことでアドバンテージを稼ぐ【暗黒界】の相性の良さから、リメイクストラクにも採用されたセットです。【暗黒界】にも【未界域】にも特殊召喚しやすいレベル8が存在するため、ランク8を立たせることは問題ありません。
また、【未界域暗黒界】は手札の調整のために<鎖龍蛇-スカルデット>を採用することが多いデッキです。リンク4モンスターがいるのなら<世海龍ジーランティス>を使い盤面を出し直すことで、<ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>の素材を0にすることができます。
また、<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を出しやすいだけではなく、デッキを掘り続けることが得意なため、デッキに<妖精伝姫-シラユキ>を1枚採用でも問題なく落とせる可能性があったり、<終わりの始まり>を採用することでデッキを回しながら除外ゾーンを無理なく貯めるという挙動が可能になります。
デッキレシピ
未界域暗黒界92
プレイヤー:Hearth
モンスター
計29枚
魔法
計16枚
エクストラデッキ
計15枚
デッキレシピ解説
基本的には単純な【未界域暗黒界】であり、手札によって大きく展開が左右されるデッキとなっています。手札に引き込んだ「暗黒界」を「未界域」で墓地に落とすことで、アドバンテージを稼ぎ圧倒的な展開力でデッキをぶん回していきます。
本当に回ると1ターンでデッキ枚数を残り3枚とかにもできるくらいの展開力があるデッキです。
目指す盤面としては<召命の神弓-アポロウーサ>+<暗黒界の龍神王 グラファ>+<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>となります。
盤面が余っているなら<S:Pリトルナイト>も立てられますね。
展開途中で、<暗黒界の導師 セルリ>や<毘龍之謙>が相手の盤面に行くことが多いため、<暗黒界の軍神 シルバ>で相手のハンデスを狙ったり<三戦の才><三戦の号>を意図的に使いこなすことができます。 <暗黒界の門><闇の誘惑><終わりの始まり>で除外ゾーンを8枚以上にするのを狙い、<閃刀姫-アザレア>で<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を爆破することでワンショットも可能になります。夢がありますね。 普通の【未界域暗黒界】と比較してメインデッキのノイズは1枚しかなく、そのノイズも<鎖龍蛇-スカルデット>で感じにくくすることができたり、アタッカーとして運用できなかったとしても、<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>のエンドフェイズ時効果で相手のセットカードに強く出られるため、こちらを採用するメリットも十分あるかと思われます。
EXデッキの枠がかなり厳しいので、後攻での<No.100 ヌメロン・ドラゴン>のプランを減らしてもう少し汎用的なEXデッキにするのもありかもしれません。
展開例
手札によって、あまりに展開が左右されるため固有ルートを紹介することはできませんが、どのように妨害盤面を立てるかを簡単に説明していきます。(1)ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナを出す。
<ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>だけは、<世海龍ジーランティス>を出す前に出しておかなければならないため、序盤はランク8を立てる動きを積極的に狙っていきます。<未界域のビッグフット>は「未界域」の共通効果で特殊召喚できたり、<未界域のチュパカブラ><未界域のジャッカロープ>の効果で特殊召喚することもできます。
「暗黒界」側では、場に存在する「暗黒界」を手札に戻すことで墓地から特殊召喚できる<暗黒界の魔神王 レイン><暗黒界の龍神 グラファ>を活用していきます。基本的に「暗黒界」カードをサーチするときや手札から捨てるときは、<暗黒界の魔神王 レイン>をメインに墓地に送るプレイングを徹底するといいでしょう。
(2)鎖龍蛇-スカルデットを出す。
<世海龍ジーランティス>を出すためにL4のモンスターを盤面に用意する必要があります。手札の質を上げてさらなる展開をするために採用しているのが<鎖龍蛇-スカルデット>です。基本的には4体でリンクして出します。手札からモンスター1体を特殊召喚できる効果があるため、<ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>を後回しにして、手札からレベル8を供給するのも選択肢の一つです。
盤面にモンスターを4体素材として並べるのは、一見大変そうに見えますが、「未界域」以外にも、盤面に出がちなレベル4で出せる<No.60 刻不知のデュガレス>で手札を増やしつつ捨てることで展開するというのもよく使います。
そして、<暗黒界の軍神 シルバ>が手札から捨てられると場に出せるため、<暗黒界の軍神 シルバ>を出して墓地の<暗黒界の魔神王 レイン>に変換、というのも頻繁にありますね。 <暗黒界の導師 セルリ>を経由することで、相手の手札を2枚減らすこともできるため、基本的には<暗黒界の軍神 シルバ>を使いまわします。
(3)世海龍ジーランティスを出す。
<鎖龍蛇-スカルデット>の旨味を吸い尽くしたら<世海龍ジーランティス>を出しましょう。<暗黒界の導師 セルリ>や<毘龍之謙>を相手の盤面に送って手札を捨てるという戦術を取っていますが、<世海龍ジーランティス>の効果を使うとそれらも自分の場に帰ってきます。お互いの場で合計5体になっているというのを確認して<世海龍ジーランティス>の効果を使うと無駄がないですね。
(4)召命の神弓-アポロウーサを出す。
合計5体のモンスターが自分の盤面に並ぶわけですが、<ギミック・パペット-ファンタジクス・マキナ>は残しておく必要があるため、残り4体で<召命の神弓-アポロウーサ>を出すといいでしょう。同名素材がいると出せないため、<I:Pマスカレーナ>を経由して出すこともあります。(5)暗黒界の龍神王 グラファを出す。
<召命の神弓-アポロウーサ>を出すまでの難易度は高くないですが、<暗黒界の龍神王 グラファ>以降の妨害は手札がある程度応えてくれている必要があります。
各種ドローカード・サーチカードを駆使して、デッキから無理やり<暗黒界の登極>を持ってきましょう。<暗黒界の術師 スノウ>からサーチすることもできますし、このデッキには<闇の誘惑><貪欲な壺><手札抹殺><終わりの始まり><暗黒界の文殿>を積んでいるだけでなく、相手の場でモンスター効果を起動させるため、<三戦の才><三戦の号>も無理なく使用できます。また「未界域」もデッキを掘るのに役立ちます。
とにかく盤面を埋めないように試行錯誤しながら展開とドローを繰り返し、融合の準備もしてしまいましょう。
後は余ったリソースで<No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー>や<S:Pリトルナイト>を出してターンを返して展開終了です。
<終わりの始まり>で除外枚数を稼ぐこともできるため、<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>も火力がばっちり上がります。
まとめ
以上で、今恐らく一番<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を強く使いこなせる【未界域暗黒界92】の紹介を終わります。<虎菱之玄><毘龍之謙>の来日で今一番強いこのデッキ、<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>を使いたい人も、【未界域暗黒界】の新しい可能性を試したい人も、是非検討してみてはいかがでしょうか?
私はそろそろ来そうな<No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon>の強化を夢見ながらこのデッキを擦っていこうとおもいます。
ただしソリティアがとても長いので、そこだけはご注意を。
それではご拝読あり難うございました!