【14ページ目】ねへほもん | WIXOSS|ウィクロス | トレカ通販・買取ならカードショップ -遊々亭-

【14ページ目】ねへほもん | WIXOSS|ウィクロス

WIXOSS|ウィクロス 遊々亭Blogです。遊々亭一押しのプレイヤーさん達による攻略情報やゲームに関する様々な情報、担当のおすすめなど、WIXOSS|ウィクロスに関する情報を配信していきます。Twitterでも情報配信中です!
遊々亭@WIXOSS|ウィクロス担当アカウント@yuyuWixoss 遊々亭公式アカウント@yuyuteiNews

ねへほもん アーカイブ

タイトル一覧へ ≫

【第311話】Q.スノボクイーンはカード名に《スノークイーン》を含みますか?

    posted

    by ねへほもん

    タイトルトップ.jpg
    【第311話】Q.スノボクイーンはカード名に《スノークイーン》を含みますか?
    どうも、ねへほもんです。
    新型コロナウイルスの影響が長引き、筆者を含めたカードゲーム業界でも、大会の中止等、大きな影響が出ています。
    筆者自身、長らく対戦の機会がなく、"Stay Home"の日々を送っていますが、明るい話題も出始めました。

    「リンカーネイション」収録カード先行公開

    「コリジョン」に引き続き、限定条件の無い、汎用的な強化カードが多数収録されます。
    どのルリグでも採用可能な分、可能性は無限大ということで、家に居る間に色々と使い道を考えられてはいかがでしょうか?
    今回は、現在公開されているカードの中で、「スーパーレア」「姉妹」の2つの視点から、筆者が注目しているカードをいくつかご紹介します。

    1.スーパーレア
    SR コードアンチ ヘルボロス
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精械:古代兵器
    色:赤
    レベル:4
    パワー:12000
    【常】:対戦相手のエナゾーンにあるカードは【マルチエナ】を失い対戦相手の効果を受けない。
    【自】《ターン1回》:対戦相手のシグニ1体がバニッシュされたとき、そのシグニよりパワーの低い対戦相手のシグニ1体をバニッシュする。
    【起】《ターン1回》《赤》:あなたのトラッシュからレベル3以下の赤のシグニ1枚を場に出す。
    ライフバースト:あなたのトラッシュから共通する色を持つシグニ2枚を手札に加える。
    元の蘇生能力に加え、除去やマルチエナ封じといった攻めに適した「赤」の能力を持って蘇りました。
    なお、蘇生の起動能力はメインフェイズにしか使えません。
    アタックフェイズにも使えると勘違いして、記事の大半を書き直したブロガーが居るらしいですが、皆さんはお気をつけください。

    蘇生対象にクラス指定が無いため、どの赤デッキでも活躍が見込めますが、古代兵器らしく、<APEXキー>優羽莉に採用するのが筆者のイチオシです。
    自動能力をトリガーさせるには、別の手段でシグニを除去する必要があります。
    シグニゾーンがヘルボの分だけ狭くなるため、シグニ以外での除去手段として、<APEXキー>があると自動能力を使いやすいです。
    また、運よく相手ターンまでヘルボが生き残れば、<APEXキー>と連動して、防御にも使える可能性がある意味でも噛み合っています。
    ベストラ>・<ネフティス>の盤面除去と<モンデス>・<オズマ姫>の手札補充という優秀な下級シグニがおり、蘇生能力も活躍が見込めます。

    SR 羅植姫 リカブト
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精羅:植物
    色:白
    レベル:4
    パワー:12000
    【自】《ターン1回》:あなたのターンの間、対戦相手のシグニ1体が効果によって場を離れたとき、【エナチャージ1】をする。
    【自】:このシグニがアタックしたとき、手札を1枚捨ててもよい。そうした場合、あなたのシグニゾーンにあるカードの数以下のレベルを持つ対戦相手のシグニ1体をトラッシュに置く。
    ライフバースト:対戦相手のレベル3以下のシグニ1体をトラッシュに置く。
    エナチャとアタック時除去を併せ持つ、新規の植物シグニが登場します。
    植物というだけあって、ユキと相性が良く、通常ならアタック時にLv3以下シグニしか除去できないところ、シードもシグニゾーンにあるカードに含まれるため、Lv4シグニも除去することができます。
    特に<デンドロ>と相性が良く、<デンドロ>の起動で減ったエナをリカブトで補給でき、<デンドロ>で加えた手札をリカブトのアタック時のコストに出来るため、お互いを補完し合えます。

    面白いところでは、優羽莉での採用も考えられます。
    APEXキー>でシグニを除去し、リカブトで【エナチャージ1】をした時、<アカズキン>が居れば更に【エナチャージ1】をすることができます。
    血晶武装もシグニゾーンにあるカードに含まれるため、シグニが3体残る前提ではありますが、一応Lv4シグニも除去することができます。

    その他、ライズの下敷きやアクセ、チャームもシグニゾーンにあるカードに含まれるため、色々なデッキで活躍が見込めます。
    とはいえ、シグニに付属する都合上、シグニ除去に弱いという弱点があるため、やはりユキに入れるのが一番かとは思います。

    なお、名称にリカブトを含むため、妹の<ドライ=アコニチン>と一応関係はありますが、パワー0の除去はルール処理のため、エナチャが出来ない等、あまり相性は良くありません。
    基本的にキーセレ用のカードとなるかと思います。

    SR コードVL 健屋花那
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精械:電機
    色:白
    レベル:4
    パワー:12000
    【自】《ターン1回》:このシグニより低いレベルを持つあなたのシグニ1体がバニッシュされたとき、エナゾーンからそのシグニを場に出してもよい。
    【自】《ターン1回》:このシグニがアタックしたアタック終了時、そのアタックによって対戦相手にダメージが与えられていない場合、このシグニより低いレベルを持つあなたのシグニ1体をアップする。
    【出】《白》《無》:あなたのトラッシュからレベル3以下のシグニ1枚を場に出す。
    ライフバースト:あなたのトラッシュからレベル3以下のシグニ1枚を手札に加えるか場に出す。
    自身はサポートに徹し、下級シグニを強化するという、珍しい能力を持ったLv4シグニです。
    自身は盤面を空ける能力を持っていませんが、2番目の自動能力により、隣のシグニを連パンさせることで疑似的に点数要求に繋げられます。
    2つの自動能力の存在から、バニッシュとダウンには強い一方で、隣のLv3シグニ2体を<ハッピー5>で止められると、本来2面防御のみのはずが3面防御になる場合もあるため、相手の防御手段を読んで使う必要があります。

    また、強化する先が下級シグニである都合上、Lv4シグニで盤面を空けるデッキとは相性が悪く、汎用的なようで案外採用デッキを選ぶ面があります。
    電機シグニであるため、にじさんじでの採用が第一に思い浮かびますが、個人的にはエマでの採用を推したいです。
    エマは<神話の本>や<ウーゴ冒険記>といった、下級シグニを起点に攻めることが可能であるため、健屋花那の疑似バニッシュ耐性を活かしやすいです。
    健屋花那が囮になってバニッシュされると、4回目のアタック前に<最初の朝>が着地し、蘇生するスペースが空くため、相手としてはどのシグニも迂闊にバニッシュできなくなります。

    後は出現時やLBの蘇生能力を防御に使うという発想もあります。
    例えば、偶数軸のデッキに<アルババ>を採用し、<ワールドエンドキー>や<アウェイク>で健屋花那を蘇生→<アルババ>を蘇生→<アルババ>でLv2シグニを釣り上げと進めて3面防御することが考えられます。
    LBはサーバントも回収可能というのが優れているため、健屋花那を採用したデッキでは、Lv3以下のサーバントから使用するように心がけましょう。

    SR 聖墓の蒼天 ムンカルン
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精像:天使
    色:青
    レベル:4
    パワー:12000
    【自】:このシグニが対戦相手の効果によって場を離れたとき、対戦相手の手札を見ないで1枚選び、捨てさせる。
    【自】:このシグニがアタックしたとき、対戦相手の手札を見て1枚選び、捨てさせる。
    ライフバースト:あなたのトラッシュからそれぞれ同じレベルのシグニ2枚を手札に加える。
    他の2枚のSRと比べると、テキストはシンプルですが、これまた強力な能力を持ちます。
    特にライフ0の状態で出されると、攻撃を通せばピーピングハンデスでサーバントを抜かれ、除去してもランダムハンデスで抜かれる可能性があり、厄介なことこの上ありません。
    単にアタック時にハンデスするだけであれば、他のシグニ同様除去すれば話が済みますが、除去された時にランダムハンデスを行えるのが、このシグニ最大の特徴と言えるでしょう。

    天使シグニであるため、当然青タマでの採用が第一に浮かびますが、筆者は赤ルリグとの組み合わせを推したいです。
    3面除去は余裕だけど、それ以外にデッキとして強みを持たせたいという時に、空いた盤面にムンカルンを立てれば、火力に加えてハンデスでもプレッシャーを掛けられます。
    青エナは<焼風水月>で消費でき、追加でハンデスを入れられるという意味でも好相性です。
    青デッキだと、<モーセス>との相性が良く、まずムンカルンで相手の手札を把握し、次のターンに<モーセス>を出せば、起動能力で確実にハンデスを決められます。

    2.姉妹シグニ
    リンカーネイションは、ヘルボロスに代表されるように、過去弾で登場したシグニが多数リニューアルされて登場します。
    中には、特定の名称を持つお陰で、過去弾と「姉妹」の組み合わせで使えるシグニが存在します。
    新シグニは全てキーセレで使用可能ですが、オールスターでは特定の「姉妹」の組み合わせで使えるため、より活躍の幅が広がるでしょう。
    代表例はこちら。
    出現時能力の使用には<アダマスフィア>が必要でしたが、除去を連発して一気にライフを削る赤デッキの都合上、<アダマスフィア>はレベルが高くて登場タイミングが遅いという難点がありました。 結果、<アダマスフィア>はトラッシュでお留守番することが多かったですが、遂に低レベルのアダマスフィアが登場し、セットで盤面に並べやすくなりました。

    C 中装 アダマスフィア
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精武:アーム
    色:赤
    レベル:2
    パワー:5000
    【自】:あなたが手札を1枚捨てたとき、ターン終了時まで、あなたのすべての赤のシグニのパワーを+2000する。
    【出】《赤》手札を1枚捨てる:対戦相手のパワー7000以下のシグニ1体をバニッシュする。
    出現時で1面焼くと、自動能力がトリガーし、全体パンプも可能です。
    とはいえ出現時能力のコストが重く、やはりトラッシュでお留守番することになりそうですが、新規アダマスが本領を発揮するのは4ターン目以降。
    オリハル>の隣に立てると、<オリハル>の常時能力のお陰で、パワー15000のシグニまでバニッシュすることが出来ます。
    序盤はトラッシュに置いて<オリハル>をサポートし、Lv4以降は逆に隣に居る<オリハル>からサポートを受けられ、ウィクロス界で一番息の合った姉妹と言えるでしょう。

    C 幻怪 ニホニンギョ
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精生:怪異
    色:緑
    レベル:2
    パワー:5000
    【自】:このシグニがアタックしたとき、ターン終了時まで、あなたの他の緑のシグニ1体のパワーを+4000する。その後、そのシグニのパワーが10000以上の場合、ターン終了時まで、そのシグニは【ランサー】を得る。
    ライフバースト:カードを1枚引く。
    ニホニンギョが、<以前>と真逆のパンプ能力を持つ、Lv2の緑怪異としてリニューアルされます。

    オールスターだと、<オキクドール>がトラッシュとデッキ内の2箇所にニホニンギョを参照する都合上、ニホニンギョ名称のシグニが増えるのは大歓迎です。
    オキクドール>から呼ぶのは<黒ニホニンギョ>の方が強いですが、トラッシュに置く方は緑で十分です。
    色的にはアイヤイが相性が良いでしょう。

    キーセレだと、パワー条件が厳しいながら、ノーコストでランサーを付与できるため、序盤の火力アップに使えます。
    翠子なら、<弾丸雨注>のパンプを入れれば、2ターン目でも簡単にランサー条件を達成できます。

    C 羅菌 バオバブーン
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精羅:微菌
    色:緑
    レベル:1
    パワー:2000
    【起】《アタックフェイズアイコン》手札からこのカードを捨てる:【エナチャージ1】
    ライフバースト:【エナチャージ1】
    手札から捨ててエナを伸ばすという、元の<バオバブーン>と同様の能力を有したLv1シグニが登場します。
    Lv1シグニのため、採用枠を取りやすいというのが大きな利点で、特にオールスターでの活躍が期待できます。
    除外ではなく、手札から捨てるという点については、
    • ある程度の枚数までエナを伸ばせれば十分というデッキ→1度使えれば十分で、リフレッシュ後の2周目以降は引く必要がないため、除外する<旧バオバブーン>の方が強い
    • デッキを何回転もさせる中で、終始エナが欲しいデッキ→除外せずに使いまわせる新バオバブーンの方が強い
    と使い分けましょう。
    さて、姉妹シグニ特集ということでしたが、妹シグニはこちらです。
    「<アダンソニア>を出す→新バオバブをサーチして出す→<アダンソニア>自動でエナ置き」という2アド稼ぎムーブがLv3の時点で可能になるため、大幅に強化されています。
    どちらも限定が無く、バオバブーンは不要ならエナに変換できて使い勝手が良いため、色々なデッキで活躍が見込めるでしょう。

    キーセレはエナより手札の方が優先されることが多く、単体で使われることは少ないでしょうが、<クロケル>や<シャハラザ>の自動能力を誘発出来るため、ピルルクで採用すると面白そうです。

    C コードアート C・M・R
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精械:電機
    色:緑
    レベル:2
    パワー:5000
    【常】:対戦相手のターンの間、対戦相手は自分の効果によってカードをデッキからエナゾーンに移動できない。
    【起】《ターン1回》エナゾーンからすべてのカードをトラッシュに置く:この方法でカードが1枚以上トラッシュに置かれた場合、対戦相手のレベル3以下のシグニ1体をエナゾーンに置く。
    妹は<コードアート D・C>で、どちらもLv3以下のシグニをバニッシュすることができます。
    どちらもLv2シグニであるため、セットで速攻デッキに投入できるという意味では除去能力と噛み合っています。
    起動能力でエナを全て払う必要があり、不用意に使うとグロウコストが不足するおそれがありますが、夢限のように小刻みにエナを支払うデッキであれば微調整がしやすいです。
    キーセレ視点では、限定無しの下級シグニでは除去範囲が広いため、夢限の新しい下級の主軸となるかもしれません。



    今回はここまで。
    日々新たなカードが公開されていますが、いずれも限定が無く、「このルリグだとどんな使い方が出来るだろうか・・・?」と考えるネタが尽きません。

    おわりに
    本日紹介した以外にも、こんな妹シグニが存在します。
    リンカーネイションでは、《讃の遊 スノボクイーン》というシグニが登場します。
    微妙に名称が違うため、一見<ユキンコ>と組み合わせられないように思えます。
    しかし、こんな考え方をする人が居ました。
    スノボ.jpg
    Q.これは、カード名に《スノークイーン》を含むのではないだろうか・・・?
    A.ダメです

    (おわり)

【第310話】キーセレにトラッシュ肥やしと盤面除去を兼ね備えたエニグマが出たと聞いたので、採用してみた

    posted

    by ねへほもん

    ウリスタイトル.jpg
    【第310話】キーセレにエニグマが出たと聞いたので、採用してみた
    1.逆流する因果
    「因」と「果」

    原因なくして、何の結果も起こらない。
    何か原因があるところには、何らかの結果がもたらされる。
    受験時代は現代文、英文読解、数学の証明、今ではビジネス上でのプレゼンと、「因」と「果」が紡ぐ論理の螺旋階段から逃れることは出来ない。
    論理的思考が出来てこそ、一人前の大人、一人前のビジネスマンとして認められる。
    突飛な発想など必要ない。
    日々頭が凝り固まってゆく。

    だが、ふと思うことがある。
    因果律を捻じ曲げたい。
    可視領域の「因」を遥かに上回るような巨大な「因」の渦に巻き込まれれば、そこに待つのは無秩序の世界。
    そこに待つ勝利を掴み取る者は、論理では知り得ない。
    ただ偶然の天秤に、委ねるのみ。

    そしてまた、ここに因果を捻じ曲げた者が、もう一人。

    「本戦に出ることが重要なのではない。本戦内で勝てる実力を有することが重要だ。」

    そう言い放つ者が居た。
    その名を、ねへほもんという。

    「可能な限り本戦に近い環境で予選を突破する」という命題を己に課していた。

    具体的には、
    • 本戦に近いカードプール→コリジョン
    • 本戦は1日限り→予選も一発勝負
    この2点だ。

    数百人の猛者が押し寄せる本戦で、頭一つ抜き出たいのならば、それ相応の覚悟が求められよう。
    彼は挑んだ。
    3月8日、「最初で最後の世界予選」の舞台に立ったのだ。
    その日は、世界本戦登録最終日という土壇場であった。

    1回戦 エマ ×
    ははっ、何と滑稽な。
    所詮はただの自己陶酔。
    くだらぬ幻想は、偶然の天秤に弾かれてしまった。

    後攻1ターン目、盤面ゼロ

    彼の世界予選は、開始1分、後攻1ターン目で幕を閉じた。
    先2で3点素通り、先3で<ネクスト・フューチャー>からの猛ラッシュ。
    LBも無い、サーバントも無い、全ての偶然が敵対した彼に、勝つ術など残っていなかった。

    この日のルールは、「全6回戦の総合成績で上位2位が本戦進出」というもの。
    5勝1敗は最低ライン。その中で、オポネントの勝負になるのだから、1回戦負けの時点で絶望的だ。
    そもそもここから5連勝なんて・・・

    「諦めたら、そこで試合終了です」

    決して、諦めなかった訳ではない。

    2回戦 青タマ 〇
    ただ、大会が続々と中止になるこのご時世。

    3回戦 翠子 〇
    少しでも長く、ウィクロスを楽しみたい。

    4回戦 エマ 〇
    折角組んだデッキの真価を見たい。
    それだけだった。

    5回戦 ウリス 〇
    ただ、無心で走り続けていた。
    1人、また1人。追い抜いてなお遠い先頭集団。
    どうしてだろう。背中が、見えてきた気がする。

    4勝同士の全勝卓が時間切れ両負けという波乱が起こり、4勝1敗が5人。
    大混戦の行方は、最終戦に持ち越された。
    彼の目に、光が戻りかけた刹那。

    6回戦 下階段

    彼にとって、勝つことは前提条件であった。
    とは言っても最終戦。相手も相当の強敵だ。
    だが、それだけでは足りない。

    オポネントが・・・欲しい・・・

    5人で唯一の、最後のオポネント3点欠損が、トドメとなった。
    掴みかけた蜘蛛の糸は、戦わずして掌から離れていった。

    6回戦 リル 〇

    自信はあった。
    だからこそ、惜しい。悔しい。
    負けるのが後1戦遅ければ。いや、1戦どころの差では無いだろう。
    完全に見放されたからこそ、諦めが付くというものだ。
    光など、初めから差してはいなかった。
    • 1回戦負け→オポネント不足
    • 最後下階段→オポネント不足
    明らか過ぎる因果が、彼に絶望を叩き付けたのだ。
    結果発表の前。

    「5勝1敗が3人、オポネントで3位」

    本文まで作成した結果報告ツイートが、送信の時を今か今かと待ちかねていた。

    「2位 ねへほもん選手」

    深層の因果が、表層の因果を歪めた瞬間であった。
    1回戦負けと最終戦のオポネント、2つの枷が外れたのは何故か?
    それは、彼1人の力では成し得なかった。
    過去の対戦相手6人、全ての戦績が合わさって大きな流れが生まれたのである。

    「対戦相手に敬意を払うこと」

    よく使われる言葉だが、彼にとって、今日ほどその重みを痛切に感じた日は無いだろう。
    無論、彼を直接応援するという意図で戦った者は居ないだろう。
    だが、彼が対戦した6人の1勝1勝は、彼の力となった。
    かつての対戦相手の力を受け、1人で越えられない因果律を壊した彼は、世界へと旅立っていったのだ------
    (完)
    2.「華代の攻撃を凌ぎ切れ!」
    すみません、筆者の世界予選が劇的な顛末を遂げたため、つい小説口調で語り過ぎてしまいました。
    「デッキ枚数が1枚ズレて勝ち」とか、試合中で偶然を拾ったことは何度もあるのですが、盤外で劇的な逆転劇が起こるのは珍しいです。
    では本題、解説編へ。

    今回のテーマは、「対華代を取りたい!」でした。
    コリジョン環境でも、引き続き華代の隆盛が続いています。
    アリョーヌ>の介入で、序盤にリソース消費を抑えた盤面要求が可能となりました。
    結果、従前の初動であった<ララルーキー>が不要となり、空いた枠に<歌舞熱曲>を入れ、トドメ1点のルリパンを確実に通す構築が流行りました。

    筆者自身、ユキ、優羽莉、アルフォウ、遊月と、様々なデッキを組みましたが、最後は対華代がネックでした。
    一発勝負という自分ルールを定めて挑んだ世界予選、当然華代への警戒は怠れません。
    その一方で、自分らしいデッキ、使い慣れたデッキで挑みたいという思いもありました。
    結果浮上してきたのが、やはりこちら。
    権利戦ウリス.jpg

    ウリスは「ディスペア」でラス盾に強LBを埋める都合上、ラスト1点に追い込ませてからが勝負という面があり、無策では「バーニング」でラス盾割り→<歌舞>でトドメという流れで敗れてしまいます。
    そこで思い出したのが、ウリスの"代名詞"というべきあのカード。
    「ディスペア」の上からライフを重ね、2点目を積めれば、耐えられる余地があります。
    具体的には、
    1. 「ディスペア」で回復
    2. 何らかの手段で2点目のライフを積む
    3. 「バーニング」で割られ、残り1点に
    4. アーツ1回の使用制限の中で、気合でラス盾を守り抜けば、<歌舞>の1点をラス盾で受けられる
    何らかのとか気合とか、ご都合主義過ぎる用語が飛び交っています。
    カードプールの限られたキーセレで、そんな都合の良いカードがある訳・・・
    ありました。
    10039.jpg
    対華代を取るという発想から生まれた1枚。
    従前の<ハナレキー>と比較してみましょう。

    (例)こちらLv3、ライフ3枚。相手のアタックフェイズで3面要求を仕掛けられた状態。<爛漫>宣言はケアし、ガードは可能。
    • ハナレキー>→<ハッピー5>で1面止め、2点受けて残り1点という状態でLv4へグロウ。「ディスペア」が腐り、次に「バーニング」でライフが0、そのまま<歌舞>で敗北
    • ウリカニキー>→そのターンは3面受け、ライフ0に。Lv4へグロウしたターンに「ディスペア」使用、更に<ウリカニキー>起動でアタックフェイズに回復し、ライフ2で相手にターンを渡す
    当然「ディスペア」の存在は相手も承知の上。
    「バーニング」を合わせたい、あわよくば「ディスペア」を使う暇を与えずに勝利したいと策を凝らしてきます。
    敢えてライフ0点まで追い込まれることで、Lv4グロウ直後に「ディスペア」を使用でき、かつそのLBを別のカードで蓋をすることが出来ます。
    ラス盾を<アンミラ>・<ティアマー>という強いシグニにキープできるため、ラス盾死守が命題の<歌舞>採用型は勿論、ラストLBで盤面防御をこなし、トドメの<爛漫>ルリグアタックの攻防に備え、サーバント回収に<ハッピー5>を回せるという意味では、どの型の華代にも有効だと思いました。

    さて、<ウリカニキー>型にはもう1つ課題が。 ライフ2点をキープ→「バーニング」で残り1点→盤上の3面要求をアーツ1枚で捌き、<歌舞>に備えてラス盾を死守
    爛漫>のアーツ制限と<ゆきめキー>のキー無効の存在から、アーツ1枚で3面防御を決めるということも重要任務に浮上しました。
    アウェイク>でも良いと思いつつも、<ウリカニキー>を活かした更なる防御手段を閃きました。
    1. ウリカニキー>の起動を毎ターン使用し、序盤の盤面要求に繋げつつ、<ミミック>をトラッシュに落とす
    2. Lv4へグロウ、直後に<ウリカニキー>を破棄し、<ウトゥルスキー>に変更
    3. ウトゥルスキー>の起動回収で、<ミミック>を回収
    4. ミミック>でデッキトップに<アンミラ>or<ティアマー>を設置し、返しに<リーサル・ブラック>で埋める
    我ながら美しい噛み合いだと思いました。
    ウリカニキー>破棄後のルリグアタックで盤面が確実に1面空くため、<ウトゥルスキー>の3面蘇生がより狙いやすくなる点でも噛み合っています。
    ウトゥルス蘇生がきちんと3面防御に使えるのなら、<華代キー>時代よりも防御面数が1面増え、起動の2枚回収及び蘇生効果で<アンミラ>をトラッシュから呼び戻すことが出来ます。

    「バーニング」等LBをケアする相手で無ければ、<ウリカニキー>で<アンミラ>・<ティアマー>をLBに埋め、更に防御面数が増やせます。
    対華代のみならず、様々な対面で耐久力を高められると気付き、<ウリカニキー>型ウリスの作成に本格着手しました。

    3.構築のポイント
    ルリグデッキ
    サーベイジ・イリュージョン
    対華代、最も勝敗に関わるのは、Lv4グロウ直後の攻防ですが、「序盤のライフレースで華代に追随する」というのも、重要なポイントの1つとなります。
    こちらのライフキープは勿論、相手のライフを割ることも、<ゆきめキー>を<ハッピー>アンコールに回させキー無効を防ぐ、<焼風水月>や<メンダコギロチン>を防御に使わせ、ライフクラッシュ・シグニ回収といった攻撃に向かわせないという効果があります。

    まさに「攻撃は最大の防御」。
    そしてそれを体現する攻防一体のアーツ、それが<サーベイジ>でした。

    守ってはバニッシュ+蘇生で2面防御、攻めてはこちらがLv2の状態で使用することで、こちらのLv3のターンの要求が1面分増えます。
    この2面防御という数値は丁度良く、後攻の対華代でLv4まで生き残るための分水嶺になります。
    具体的な計算では、相手が先攻2,3,4ターン目までに盤面で要求できるのは、3点×3ターン=9面。ダメージを7点に抑えれば耐えられるのなら、必要な防御面数は2面。
    後はLBで盤面要求が狂うというプラス要素と、<爛漫>宣言のルリグアタックが通るというマイナス要素が両面あり、運次第としか言えないものの、2面防御が1つの目安と言えるでしょう。

    ウパで華代に後攻を取った時は攻防兼用の活躍を見せてくれ、こちらのLv4グロウ後は、相手も残りライフが黄色信号となり、明らかに防御面を気にしている様子でした。
    計算通り勝利でき、世界予選への手応えを感じました。
    予選では華代との対面はなかったものの、対エマで<ネクスト・フューチャー>絡みの猛攻を凌ぐために活躍してくれました。たった2コスト、序盤から使いやすいのが偉い。

    セレクト・ハッピー5
    ウリカニキー>の破棄が無いなら抜いても良いかなと思いつつ、やはり続投となった1枚。
    ルリグ止めを持つ相手、優羽莉の<アカズキン>のように単騎で大量打点を叩き込む相手には、<ウリカニキー>を<ハッピー>のアンコールで破棄するという選択肢も必要です。
    対華代でも、自ターンにサーバントを回収し、アーツ1回制限を器用に立ち回る運用も可能です。
    一瞬<アウェイク>の採用が浮かびつつも、<ウトゥルスキー>破棄込みの0エナ2面防御はやはり強力でした。

    Lv1シグニ達
    このデッキ一番の自由枠で、構築上最も悩んだ部分です。
    ハナレキー>を抜いたことで、発動時に落とした3枚の中からLv1シグニを拾うという手札事故対策に頼れず、Lv1シグニの枠を増やす必要が生じました。
    また時々、Lv3のリミット6盤面で、手札にLv3,2,2しか持っていないという事案も生じたため、3ターン目でもLv1シグニの重要性は残ります。
    脱線しますが、Lv2のターンに<サーベイジ>を使う場合、よほどパワーラインを気にする場合以外は、<スワード>よりも<ベビドラ>を蘇生した方が、リミット超過を起こしづらいです。

    結果、今回はサーバント以外に12枠と、過去のウリスの構築よりは層を厚くしています。
    問題は構成。容易にパワー5000を達成出来る<ベビドラ>は4枚、<ウリカニキー>起動でエナに落としやすくなった<ガルグ>は2枚で十分。
    手札を切る機会の減った<ボラゴ>は、Lv4グロウ時に回収し、<アンミラ>の除去範囲を広げる程度の役割に留まるため1枚と、7枠埋まりました。
    検討の結果、残り5枠に以下を採用しました。

    幻竜 ナーガ
    終盤にエナが余りがちということで、採用率が低下していましたが、このデッキ、及び環境的に価値が高まったと思い、3枠取りました。
    このデッキとの相性という意味では、<ウリカニキー>の起動がエナコストであるため、序盤から一定量のエナが必要となります。
    環境との相性という意味では、対華代でこちらがLv2のターンに<サーベイジ>を使う想定であるため、序盤のエナ補給手段の存在は大きいです。
    下の2枚との兼ね合いで、3枠という微妙な枚数に落ち着きましたが、2枚同時に引くとデッキトップが龍獣以外で両方腐るリスクがあり、1エナ増やせれば十分という程度なので、4枠も要らないかなと思いました。

    幻竜 エキドーナ
    能動的にターン終了時にトラッシュに送れるため、<ウトゥルスキー>の蘇生面数を増やせます。
    特に<On>のLB回収が発動しない場合は、華代のリソースがカツカツになりがちであるため、1エナ削りも馬鹿に出来ません。

    幻竜 チビドラ
    完全に好みが分かれる1枚かと思いますが、いざという時の手札補給手段として優秀です。
    ウトゥルスキー>蘇生で、相手にアタックトリガー持ちがおらず、何を蘇生しても3面防御になるという場面では、<チビドラ>を蘇生し、後続を確保するという択が生まれます。
    また、後述の<リョーマ>で龍獣をデッキ内に戻していれば、ヒット率が上がる意味でも、今弾で価値が上がったかなと思います。

    その他ピン投
    幻竜 ギヴル / 幻竜 ヒュドラー / 幻竜 ベルゼブブ / 弩書 ザ・ロウ
    ギヴル>は<アンミラ>のパワーダウンのパターンを増やすため、いざという時トラッシュに置きたい1枚。
    序盤に引いてもアタッカーとして優秀ですが、手札が厳しくなるためまぁ1枚。

    ヒュドラー>は<アンミラ>・<ウトゥルスキー>のどちらで蘇生しても、7000というダウン幅が光ることがあります。
    トラッシュ送りでエナを与えないという点も優秀で、実戦でも相手のエナを縛って勝った場面がありました。

    ベルゼブブ>はかつてのアタックトリガーの主軸、2面立ての可能性があるため最低2枚でしたが、新顔の<ティアマー>、<リョーマ>が共にアタックトリガー持ちのため、1枠に落ち着きました。

    龍獣主体のデッキだと、<ザロウ>は手札で腐りやすく、1枚で十分だと感じました。
    2体に重ねて出すという手札消費が重く、<アンミラ>の弾が減るのは痛いです。
    こちらが盤面を埋まった状態での<ウトゥルスキー>蘇生になり得る、サーバントを拾える、後述の<リョーマ>と併せて盤面のパワーラインを引き上げると、様々な役割が存在するため、1枚は必須です。
    解説済の<ミミック>を除けば、残り1枚、ピン投が放置されていますが、筆者一番のお気に入りなので最後に取っておきます。

    今弾の新顔
    幻武竜 リョーマ
    ベルゼブブ>では手札1枚要求が重かったですが、トラッシュの整備は必要ながらも、<リョーマ>でノーコストで1面除去できるようになりました。
    トラッシュをガンガン肥やす<ウリカニキー>とも当然相性バッチリです。
    3ターン目に4レベルのシグニを揃える必要があり、試行錯誤が必要でしたが、Lv2を5枠、Lv3を4枠取ればそこそこの確率で揃うようになりました。

    起動のパンプは詰めの盤面で力を発揮し、2回使えばパワー17000と、相手のLBやアーツの除去範囲を掻い潜れます。
    トラッシュ送りについても、ライフ0に追い込まれた場面で、1回目の起動でリフレッシュに入れ、2回目の起動のコストに<アンミラ>or<ティアマー>を払いつつトラッシュを肥やし、リフレッシュを気にせず、「ディスペア」を使うという使い道があります。
    ベルゼブブ>込みでLv3のアタック時要求は3枚程度が丁度良く、<ザロウ>・<リョーマ>×2でオーバー12000の3面を作る可能性を考えれば、2枠が丁度良いと判断しました。

    罠書竜 ティアマー
    元阪神の桧〇選手と響きが似ているので、勝手に「代打の神様」と呼んでいます(どうでもいい)
    手札補充、アタック時除去、パワー指定の無い除去LBと、<アンミラ>には無い役割を備えています。
    特に対翠子では、攻めては真ん中の常時パンプを逆用し、<ティアマー>を真ん中に立てるだけで点数要求になり、受けてはパンプでケアされやすい<アンミラ>に代わって「ディスペア」の埋め先となってくれます。
    出現時の手札補充は、トップ3枚から龍獣2枚が見えないケースがあり、過信は禁物な一方、起動で手札を切れるため、ついでに<アンミラ>のパワーダウンを誘発できるのは<ペイモン>には無い利点です。

    この記事の締めとして、<ティアマー>と相性抜群な最後の1枠<幻竜 ニーズヘッグ>と共に、オススメの2面要求パターンをご紹介します。
    ニーズヘッグ>、ウリスを組んだことがある人でも、使ったことが無い人は多いでしょう。
    筆者自身、今回が初採用でした。
    では、どう使うかご覧いただきましょう。

    (相手盤面:パワー12000のシグニ1体と、任意のパワーのシグニ1体)
    • アンミラ>を出し、出現時に<ニーズヘッグ>蘇生。<アンミラ>でパワー12000のシグニを6000ダウン、<ニーズヘッグ>でもう一方に1000ダウン。
    • 1000ダウンさせたシグニの前に<ティアマー>を出し、出現時能力を使用。<アンミラ>でパワー12000のシグニを再度6000ダウンし、バニッシュ。
    • アタックフェイズ突入。たった1000でもパワー増減があったことには違いないため、<ティアマー>のアタック時除去条件は達成済。
    アンミラ>×2→<ガルグ>の12000ダウン2面には無い利点としては、アタック時要求が絡められ、盤面埋めに強いことと、一方のシグニのパワーが任意で良いことが挙げられます。
    リルやナナシのライズシグニには特に有効、汎用枠だと素材使用後の<ザロウ>にも効きます。
    ボラゴ>を絡めたパワー1000除去が困難となったため、序盤のパワー1000除去としても通用なので、ウリスに1枚<ニーズヘッグを激推しします。


    小説パートで無駄に頑張り過ぎた感もありますが、ここまで長い記事をお読みいただきありがとうございました!
    今弾の強化で、<ウリカニキー>2面防御、<リーサル>&<ウトゥルスキー>3面防御という理想展開になれば、最大14面防御を叩き出せるようになり、ウリスの耐久力に更に磨きが掛かりました。
    カードプールが広がり、構築面で多数のピン投シグニを入れやすいというウリスの利点が活かしやすくなったため、筆者的には構築を練るのが非常に面白かったです。

    「キーセレでも<エニグマ>、使ってみませんか?」

    では(^^)/

【第309話】群雄割拠極まるコリジョン環境でもシードを埋めまくればバトルに勝てるのか?-後編-

    posted

    by ねへほもん

    タイトルトップ.jpg
    【第309話】シードを埋めまくればバトルに勝てるのか?-後編-
    前回のカード紹介に引き続き、今回はユキの構築を考察します。
    ユキというデッキはルリグデッキとメインデッキの連動性が強く、「このカードを入れるならシードを増やす」など、考慮すべき要素が多いです。
    構築難易度は高いですが、その分考え甲斐のあるルリグと言えます。

    ルリグデッキ
    デッキのコンセプトとも言うべき<カーニバル -K->と、手札・エナ枚数に応じて柔軟に除去効果を選べる<ブリーディング・フォース>は確定。
    イクエス・ディフェンス>や<プロミス・フリーダム>といったルリグ止めを入れやすいのは白ルリグの利点。
    グズ子の「ダイレクト」等の存在を考えると1枚は欲しいです。

    コインに余裕があるならば、能力消しが利けば2面防御が可能な<イクエス>の方を優先したいです。
    問題は残り2枠。以下の3つが主な候補となります。

    三焼揃踏
    3面除去するには、<カーニバル -K->破棄まで待つ必要があるのは難点ですが、たった1エナで3面守れるのはやはり魅力的。
    アタック時トリガー持ちが多く、<カーニバル -K->の破棄だけで有効な防御になる相手であれば、エクシード1の上書き効果でこちらのシグニのパワーを調整し、相手2体・こちら1体を巻き込んで除去するという使い道も可能です。

    余程3面除去が通りづらい環境にならない限りは、採用して良いかと思います。
    というか、<蟹キー>をデッキのコンセプトにした時点で、このカードの爽快3面除去もコンセプトの一部のようなもの。入れましょう!

    実戦で使用する際は、最後まで残すと相手が2体以下の盤面でアタックすることでケアできるため、最後の1枚には残さないようにしましょう。
    ライフ1点確保して、除去の通りが良い<ブリフォ>を残せるのが理想ですね。

    ホワイト・シーディング
    昔はユキの代名詞のようなカードで、採用の要否検討に挙がるのが驚かれるかもしれませんが、実は採用の優先順位は落ちています。
    こちらの開花の様子を見れば、どの面を開花させたいかは容易に想像がつくため、開花させたそうな面に立っているシグニは放置し、他の面を除去することで、防御面数を削ることが可能です。

    また当然ながら、防御に有効なシードを埋められる運も必要となります。
    御伽原江良>はコスパの高い除去性能で、かつ相手の盤面埋めケアにもなる強力な新入りですが、開花時能力を持たないという弱点があります。
    ギバラ>に枠を割けば割くほど、埋まるシードの質が下がってしまいます。

    ドーナ SUPPORT
    10021.jpg
    初動として非常に優秀な1枚。
    ユリ>をデッキから掘り出すのみならず、植物シグニをエナに置くことで、<ユリ>のバウンス条件を達成できるという点でも噛み合っています。
    ホワイト・シーディング>との比較では、

    攻撃面:<ラティナ>・<ユリ>を加えれば、序盤の要求点数を増やせる。
    防御面:1面のみに対し、<ホワイト・シーディング>は上手くハマれば2面、<カーニバル -K->で<デンドロ>をコピーできれば3面防御も可能。
    アドバンテージ:どちらもコインベット前提だと、<ドーナキー>は白1コストで3枚増えるため+2、<ホワイト・シーディング>はシードを1枚増やせるため+1となる。
    枚数面のみならず、序盤の盤面を安定できるという質の面では<ドーナキー>優位。

    メリット・デメリット双方があり、どちらを採用するかは環境によっても左右されます。
    例えば対華代1つとっても、<Nig>が多く採用される構築が主流であれば、序盤から守れる<ドーナキー>の方が優位です。
    今は、従来序盤に使用していたキー・アーツの枠を抑え、<焼風>クラッシュ→<歌舞>ルリグ3連パンを決める構築が主流なので、そこまで必要度は高くないです。
    とはいえ序盤のライフ維持は相変わらず重要なので、対華代単体なら<ドーナキー>の方が強いです。

    で、結局結論は?
    どう見ても<ドーナキー>推しの論調ですよね?
    実際、筆者も最初は<ドーナキー>を入れていました。
    結果、頭の中で考えるだけでなく、実際に回すことの重要性を改めて思い知らされました。

    ドーナキー>回収→<カーニバル -K->2枚回収と続けると、手札が溢れる

    何と単純なことに気付かなかったのか・・・
    恥ずかしい限りです。

    まぁ、<蟹キー>を入れた時点で、<デンドロ>書き換えからの防御面数増加はコンセプトの一部。入れて当然と言えば当然です。
    とはいえ、「トゥルース」と合わせ、2回分の有効なシードを確保するという課題は残ったまま。
    ホワイトシーディング>の採用により、メインの構築に大きな制約が課されることとなります。

    続いてメインデッキの考察です。

    メインデッキ
    サーバント
    ルリグ止めアーツを入れやすいのが白デッキのメリットです。
    カーニバル -K->でサーチできることも考えると、8枚あれば十分です。
    対華代を考慮するなら、レベルはバラすのが基本ですが、<蟹キー>のサーチを考え、Lv4サーバントは最低2枚欲しいです。
    入れすぎると、<爛漫>Lv4宣言で狙い撃ちにされるため、華代が強い現環境なら2枚で良いでしょう。

    Lv1シグニ
    ひとまず<ゼフィラン>・<ユキヤナギ>各4を採用。
    後は序盤の安定度やエナの必要度に応じ、<アジサイ>・<パンジー>を数枚採用します。
    ドーナキー>があれば枚数を抑えられるという意味では、実はルリグデッキと連動しています。

    Lv2シグニ
    ユキの序盤のエンジンこと<ユリ>は4枚。
    バウンス軸で攻めるため、ルリグアタックでサーバントを要求せずとも、相手の手札が潤沢だと考えると、<ラティナ>も好相性です。

    そう、ラティナが好相性!!!

    と、めっちゃ推したいところですが、1つ致命的な弱点があります。

    植物ではない

    ユキヤナギ>4投で、頻繁に出すことになったため、デッキ内を植物で固める価値が増したと言えます。
    当初、デッキの植物は7割程度で良いかなー?と思っていましたが、<ラティナ>採用だと<ユキヤナギ>のヒット率は下がってしまう。
    後は、2ターン目に出した<ラティナ>が残ると3ターン目に<イジュ>でバウンスできないという問題も。
    植物で固めれば固めるほど強くなるユキ。残念ながら、<ラティナ>は今回不採用としました・・・

    今弾では<ワールドエンドキー>が登場し、他シグニとクラスを共有しづらいという、今までの弱みが強みに変わりつつあります。期待しましょう!
    さて、<ラティナ>を不採用にしたと言っても、序盤の盤面空けが<ユリ>4枚のみでは、序盤の打点がいかにも貧弱です。
    しかし前編で紹介したユキ向けのカードの中に、Lv2のシグニは居ませんでした。
    これは困った・・・

    えっと、無駄に長い前振りは鬱陶しいですよね。
    お察しの方も多いでしょうが、答えはきちんと用意しています。

    羅水植 マリモ
    さりげなく、緑にユキの強化が眠っていました。
    効果でカードが置かれた時にランサーを持つというもの。
    ゼフィラン>、<ユキヤナギ>、<アジサイ>とエナ置きの手段が多いユキには好相性です。
    緑エナの消費が一見難しそうですが、<ユリ>や<デンドロ>起動は色に関係なく、植物シグニ指定である他、開花も無1コストのため、そこで消費できます。
    エナチャのついでにランサー付与。
    序盤のエナが薄い状況下では有難い限りです。

    後、<蟹キー>があるなら<サンザカ>は1枚欲しいです。除去をバニッシュに頼る赤ルリグに活躍が見込めます。

    Lv3シグニ
    イジュ>は1エナ1面バウンスという除去性能を持ちつつ、シードで埋めても優秀で、4枚確定です。
    後は今までだと<アキザクラ>でしたが、素引きしても使える<オドリコソウ>の登場により、枠の奪い合いが始まりました。
    ただ、本当の競合相手はLv3シグニ同士ではありません。

    裏では熾烈なLv4シグニとの枠の奪い合いが!

    どういうことかと言うと、3ターン目に除去能力を使える<イジュ>は特別招待枠として、<アキザクラ>も<オドリコソウ>も、開花の使える4ターン目以降に本領発揮となります。

    活躍するタイミングがLv4シグニと同じ以上、Lv4シグニよりも優先して活躍できるというアピールが出来ない限り、Lv3シグニの枠自体がLv4シグニに奪われてしまいます。
    蟹キー>で任意のLv4シグニをサーチできるのがユキの強みです。
    「ピンなら活躍してやるぜぇ!」というLv4シグニが多数エントリーする中で、枠を勝ち取れるLv3シグニは現れるのでしょうか・・・?

    Lv4シグニ
    はい、激戦区のLv4ですね。
    あぁ、何度悩まされたことか。
    盤面空けのみならず、手札補充、LB、シードと様々な役割をこなすLv4シグニ。
    何を入れれば良いのやら・・・?
    まずはエントリー選手の紹介から。

    スイレン>:アタック時除去、シード、LBのいずれを取っても優秀。永遠の看板シグニ。

    御伽原江良>:彗星の如く現れた<スイレン>の対抗馬。出現時のエナチャと併せると、<満開ユキ>と合わせて差し引きノーコスト除去が可能。黒ルリグ相手だと、蟹キー>コピーで相手の蘇生を妨害することも可能。

    デンドロ>:<蟹キー>コピー+開花で防御面数を増やせます。<蟹キー>でサーチし、さっさとトラッシュに落とせば良いので、2枚あれば十分です。

    アミィ>:赤シグニでありながら、除去に赤エナを要さず、自身がエナに行けば<三焼>のコストになれる。<蟹キー>でサーチできる。ユキと相性抜群な、ピン投シグニ界代表です。R-1優勝待ったなし。
    手札補充も強力で、あろうことかサーバントも拾えます。

    アネモネ>:LBとシードの質はピカイチ。素引きしたら弱そうだと一瞬抜いたこともありますが、すぐに後悔しました。
    バニッシュされたら後続を呼ぶという疑似バニッシュ耐性は、<デンドロ>コピー+開花の多面防御を実現させるべく、盤面を維持するためには不可欠です。
    ユキヤナギ>の登場で、植物単の構築に近づいている点も追い風で、デッキトップが植物以外で手札の捨て損になるというリスクが低下しました。

    サイサ>:<蟹キー>の<デンドロ>コピーは<ホワイトシーディング>、「トゥルース」の2回で十分。2回は攻めに回せます。
    攻めのコピー先として最適なのがこちらの<サイサ>。アタックするだけで全体をトラッシュ送りにするという脅威的な能力を持ちます。
    耐性が無いため、簡単に止まるのが現実ですが、単なるノーコスト除去として気楽に使えつつ、相手には全面トラッシュ送りのプレッシャーを与えられると思えば十分強力です。
    パワー15000が相手の除去手段を掻い潜る可能性があること、LBが防御に機能し得る点を考慮しても、1枠なら余裕で割きたいシグニと言えます。

    鈴鹿詩子>:アンコール&ベットを防ぐという、一見地味で、忘れると勝敗に直結しかねない能力を持ちます。
    直接の盤面空けは出来ませんが、手札補充が可能なため、後続シグニで盤面を空ければ良いです。


    えっ、7体も居るの・・・?
    アミィ>、<サイサ>、<詩子>は最大1枚、<デンドロ>は2枚として、残りは4枠取ってもおかしくない主役達。
    仮に全部4枠取ると、Lv4だけで17枠取ることになり、まぁパンクします。
    ひとまずメタを考慮外とし、手札補充が<アミィ>、<デンドロ>と被る<詩子>は不採用とします。
    残りの枠については、単に盤面に出せればOKではなく、<ホワイトシーディング>→「トゥルース」で使える有効シードを埋められるよう、シードの枚数にも配慮が必要なのがツラいところ。

    なんか愚痴っぽくなりましたが、完成した構築はこちら。
    デッキレシピ
    ユキ1.jpg

    基本は上記の方針に沿ったものですが、いくつかポイントを挙げておきます。

    サーバント7枚
    気合で枚数を抑えました。
    サーバントを抱える以前に、下級でしっかりエナを貯め、Lv4以降の攻防の基盤を確保することが重要です。
    最悪なのが、サーバントを大量に引いた結果、盤面埋めに使うことになり、エナが貯まらず、手札のサーバント維持も中途半端になると言う展開。
    結果、Lv4グロウ以降も思った攻めやアーツ使用が出来ず、ユキ本来の力が出せずに負けるという展開が目に見えています。

    先攻なら1回ガード出来ずとも、ルリグアタックで貯めたエナを<イジュ>・<ユリ>で放出することで点数を巻き返せる、位の気概で行きましょう!
    という精神論で終わるのは宜しくないので、サーバントをキープするための方策をお示しします。
    • 2ターン目までは1回ガードできれば十分。特に先攻で無理に2回ガードを狙うと、手札かエナの一方が不足しかねません。
    • 3ターン目は<蟹キー>発動で<Q2>をサーチ。
    • 4ターン目以降は<イクエス>と<アミィ>の回収で不足分を賄えます。「サーバントを多く入れ、どこかで引く」ではなく、「毎ターン確実に1回分のガード手段を確保する」という感覚が正しいです。
    ホワイトシーディング>や<ユキヤナギ>でデッキボトムが把握できるため、慣れれば次にどの程度の確率でサーバントが引けるかが計算できるようになります。
    ちなみに枚数比はLv1が2枚、Lv3が3枚、Lv4が2枚です。
    植物Lv1が10枚と引けないリスクがあるためLv1、<蟹キー>サーチ用にLv4を採用するのはご納得かと思いますが、Lv3を増やしたのは<アミィ>の回収を意識してのこと。
    T2以外だと、Lv3シグニは<イジュ>しか居ないため、このデッキではLv3が最も薄いです。<アミィ>はレベルの異なるシグニを回収するため、上4枚のレベルは出来るだけバラけた方が良い。
    つまり、デッキ内のレベル間の枚数比を揃えるべきと考え、レベル調整が容易なサーバントでLv3を増やしました。

    スイレン>×2、<ギバラ>×2、<アネモネ>×3
    除去能力を持たない<アネモネ>が最大勢力というまさかの結果に。
    アネモネ>が最も優秀というよりは、「アネモネの疑似耐性を残しつつ3面要求できる程度のパワーが無ければ、コリジョン環境で生き残れない」という危機感が勝りました。
    はっきり言って、バウンスを軸とするユキ相手であれば、毎ターン手札に戻る除去手段を出し直すだけで、ユキの盤面は容易く無の荒野と化します。
    蟹キー>で<デンドロ>にコピーする隙など与えてはくれません。
    アネモネ>1体を立ててようやく1面残るか、位に思った方が良いでしょう。
    シードやLBが強力なことを考えても、割ける限り<アネモネ>には枠を割きたいです。

    元々<スイレン>×4だったのが、<スイレン>×2、<ギバラ>×2に変わったと思えば、別に除去力は落ちていません。
    と言っても、計4枚のアタッカーを考えもなく出しまくると、すぐに攻めの手が途切れてしまいます。
    蟹キー>コピーを併用し、上手くアタッカーを温存する運用が求められます。<サイサ>が縁の下の力持ちということです。

    後、<スイレン>・<ギバラ>が2枚ずつに抑えられた裏で、<オドリコソウ>は0枚となっています。
    Lv4が激戦区過ぎるのでやむなし。

    さて、筆者が饒舌に語り尽くしたユキですが、実戦では活躍できたのでしょうか?
    発売日、バッチリ構築を固め、<ユキヤナギ>・<ギバラ>を真っ先に集め、BOX争奪戦に臨みました。
    にじさんじ、グズ子と順調に勝ち進んだ末に待っていたのは・・・

    華代さんに負けました...

    Lv4すらグロウ出来ず・・・
    ルリグデッキが全て重く、序盤に使いづらいのが難点ですね。
    華代に少し寄せようと、別の構築案を模索し、試作したのがこちら。
    ユキ2.jpg
    緑ピルルクに倣い、<永遠タマキー>+<ナンバーバインド>の構成に。
    欠点は何となくお察しでしょうが、

    エナが足りない

    永遠タマキー>発動で2エナ、回収したアーツの発動コストも追加で掛かります。
    そこで、<蟹キー>が抜け、価値の下がった<ホワイトシーディング>を抜き、アドバンテージを稼げる<ドーナキー>を採用しました。
    更にメインデッキで、除去コストが軽い<ギバラ>4投、更に<オドリコソウ>がシード兼、開花時のエナチャで賄おうと試みましたが、まだ苦しいです。

    後、実際に使ってみると、<蟹キー><サイサ>の補助が無い分、盤面要求も苦しいことに気づきました。
    うむ、何とかならんものか・・・?

    最後に、上のルリグデッキ解説で、敢えて<バインド>を省いた理由を。
    ユキはバウンスが軸で、相手に4,4,3の盤面を作られ、結果1面防御に留まることが多いためです。
    バインド>で華代に寄せた結果、他ルリグへの勝率が下がることも懸念されます。

    実情を出し切った結果、少し煮え切らない形となりましたが、ユキの解説はここまでです。
    シード、<蟹キー>コピー、<蟹キー>破棄からの<三焼>と、トリッキーかつ豪快な動きを見せるのは、使っていて非常に面白いです。
    構築・プレイング共に突き詰める要素は多いと思いますので、是非改良してみてください!
    では(^^)/

ウィクロスパーティーに出よう!ver2024

by からばこ

READ MORE

ざっくり分かるデッキの組み方講座〜ディーセレ編

by からばこ

READ MORE

「理解すればディーセレが確実に強くなる!!」ダメージレース基礎講座(前編)

by しみずき

READ MORE

人気のあのカードについて教えて!シリーズまとめ

by -遊々亭- ウィクロス担当

READ MORE

【ディーヴァ】ゲームが上手くなるために!プレイング、立ち回り記事まとめ

by -遊々亭- ウィクロス担当

READ MORE