
ホロライブトリオ考察 前編
まずはレギュレーションについて簡単に。
TD7つ+ブースター144種。約300種のカードプールからデッキを3つ用意して競うレギュレーションです。全員が同じタイトルを使用し、かつ同じカードはチームで4枚までということで、これまでに無い新しいレギュレーションだったと思います。特に発売から1週間後にそのプールの理解が求められるという点では、MTGの大型大会に似たものを要求されていると感じました。
カードプールの話の前に、調整方法についても触れておこうと思います。カードプールが公開された日の夜にチームメンバーの3人で相談するタイミングを作ったのですが、開始5分でこれは無理だと感じました。私が充分な時間を必要とするプレイヤーであることもありますが、3人でも容易ではないと感じたわけです。デッキリストの案自体は結構出てきたのですが、1番難しいと感じたのは環境の把握の方です。出てくるリストの案はどれも我々が考えたもので、そのリストだけを仮想敵とするのはとても愚かです。環境把握に必要なのは強いリストではなく使用者が多いリストであり、これを3人で全て用意するのは至難の業です。さらに環境把握を誤ると使うリストの選定基準も誤りとなり、取り返しのつかないことになります。ここらへんはリスト公開前に考えていたことですが、開始5分で、うんやっぱ無理だよねと再認したわけです。
結局他のチームと共有し、6人で考察をはじめました。なるべく違う思考を持ったチームと共有するべきで、結果的に6人とも異なるデッキを使っていたので、大成功だったと思います。色々な考え方をするプレイヤーが6人も集まれば、流石に当日初見のデッキはほとんどありませんでした。
ネオスタンダードも人生も同じですが、限りある時間の有効活用と、それを実現出来る環境作りは非常に大事だなと感じました。
では本題となるカードプールの考察を。
各レベル帯に関して、どのレベル帯も様々な選択肢があります......
で終わっては意味が無いのですが、最初から色々な選択肢が用意されているプールというのはかなり特殊です。普通のプールはいくつかしか選択肢が無い事が多いのですが、ホロライブはかなり多くの選択肢が用意されており、最初からトリオを行う想定で作られたプールなのかなと思います。
そして面白いのが、実は様々な選択肢が無いレベル帯があるところです。それがレベル0です。このレギュレーションにおけるレベル0には明確に環境が存在しており、最初にレベル0の3人での分配イメージが固まりました。
ホロライブトリオにおけるレベル0
ヴァイスシュヴァルツにおけるレベル0は、ほとんど上から引かなければいけないことから、最も構築による影響が大きいレベル帯だと思います。有効なカードを大量に採用しなければいけず、採用以外のソリューションを用意しづらい項目です。ホロライブにおけるレベル0を考えた時、まずはオーソドックスに強いカードを探しました。これはどのプールでも同じで、オーソドックスに強いカードが強く使えるプール、環境であれば、それを軸に組むのが強いことが多いです。
オーソドックスに強いカードを探したところ、すぐに見つかりました。それが3000の<霞>です。3000も強いですが、そもそも霞がネオスタンダードでも遜色ないテキストということで、まずはここからスタート。
そしてホロライブにとって最重要だったのが、霞が強い環境なのかという観点で、結論全く問題なく霞の強みを発揮出来る環境でした。ここがホロライブトリオ環境考察のスタート地点になりました。
霞が強すぎる
ホロライブトリオは<霞>の強さを存分に発揮出来る環境という話をしましたが、一応その根拠を書いておきます。霞の環境内での評価をする時に確認しているリストです。
- 霞が単体で踏める環境なのか
- 霞がキャラを踏める環境なのか
- 霞テキスト以外の環境での立ち位置
2.はテキストの話です。<霞>がキャラを踏めないのは主に<移動>や<中学生>が採用される場合です。特定のカードとはいえ、環境的にこういったリバース避けのカードが多いと、相対的に<霞>の評価は下がります。ですがホロライブのプールは移動が少なく、トリオなので採用されている事も少ないので、ほとんど気にしなくて良いと言えます。
3.は実は1番重要で、<霞>テキストを使わない中盤以降の強さのお話です。いくら強くてもレベル0でしか生きないカードはカードとしての評価は微妙になります。特に<純移動>が採用されづらいのはここらへんが要因です。ホロライブにおける3000は先に述べたように高い水準で、中盤以降も相手のレベル1以上のアタッカーを要求することが出来ます。
こういった観点で、強みを遺憾無く発揮出来る上に天敵がほとんどいないので、<霞>が強すぎる環境だと結論づけました。お察しかもしれませんが、そもそも3000が大きい環境なんですよね。なのでここから考えていきます。
余談ですが、ここまで書いて、<霞>に関する考察記事を1本書いた方が良いと感じましたので、執筆をはじめました。
ということで<霞>が強すぎるホロライブトリオ環境におけるレベル0の構成について考えることになります。考え方は大きく3つ。
1.霞に寄せる
1番素直な構成。強いカードを強く使う構成で、デッキ全体として<霞>を使っていることを意識したフェアゲームを押し付けるような構成に出来ると、強力なデッキが作れそうです。2.霞をメタる
環境的に強い<霞>も、意識すれば弱体化させることが出来ます。<霞>が3000あるならばこちらは3500を超えるアタッカーで固めようという構成です。レベル0の数字を意識することで、どの構成にあたってもレベル0では優位にたちやすいといえます。その分後半腐りやすいカードが増えるので、手札の入れ替えを意識したデッキ構成が求められます。3.霞は諦める
環境であることを認めた上で、割り切る選択肢。トリオなので<霞>4のデッキに当たる確率は最大でも33%なので、割り切るのも一つの手です。ただマッチングした場合は序盤の主導権を握られてしまうことは必至です。<霞>避けはおろか、<霞>を踏み返すのすら負担になります。なのでフェアゲームを仕掛ける構成よりも、強いカードで制圧して序中盤をひっくり返せるような構成が良いと思います。レベル0の3構成が決まり、あとは分担して、上を決める作業ですが、レベル0の時点でかなり方向性が決まったので、あまり悩むところはありませんでした。ということで僕らのチームが選択したのが以下のリストです。
デッキレシピ1(宝チョイス)
レベル0
計18枚
デッキレシピ2(宝電源)
レベル0
計17枚
レベル3
計10枚
デッキレシピ3(8チョイス)
レベル0
計18枚
各レシピについての解説はしませんが、書いておきたいことが数点。
1つ目はレベル2とレベル3の環境の話で、実はレベル0の霞のようにレベル2とレベル3にもホロライブトリオ最強生物が存在しています。
レベル2は<ガッツンダー>です。レベルが下がる<ルーナ>以外全てのデッキに対して汎用的に強く出れるので、記憶が満たせるならばこちらもフェアゲームを押し付ける強力なデッキが作れます。
レベル3は<ハイライト>です。レベルが下がる<ルーナ>以外全てのデッキに対して汎用的に強く出れるので、3デッキ全てに搭載したいくらいのカードです。
色々なデッキタイプにあたる可能性があるので、こういった汎用的な強みを発揮出来るカードが強い環境でした。
余談ですが、<ルーナ>強かった説ありますね...全く考えていませんでした。
流石にここまで負けるデッキを組んだ覚えは無いので、大会後にチームで反省を行ったのですが、結論から言うと調整不足でした。<ココ>は強力な詰めではあるものの、相手の山依存になってしまう運要素が多く、バーンが飛ばず詰めきれないゲームが多かったとのことでした。調整の過程で自分がやられまくったので問題視していませんでしたが、確かに運要素が高い詰めであることを十分共通認識化し切れていなかったと反省しました。今組み直すなら上は<扉連動>(2バーン)に変えるという話だったので、これは立派な反省事項だと思い書きました。そもそも<霞>4の時点でフェアゲームでの勝ちを目指すので、運要素が高い<ココ>よりも、確実にキャンセル要求数を増やす<扉連動>の方が相応しかったと反省しました。
長くなりましたが今回はここまで。
次回は私の使用した8チョイスのデッキに関して書いていこうと思います。