挨拶
こんにちは、トコです。今回は前回の記事の続編としてネオスタンダード向けのデッキ構築の応用編をお送りしたいと思います。 前回の記事からあまり間を置かないようにしたかったんですが、気が付いたら「Key 20th Anniversary」や「ロストディケイド」が発売してました......。時の流れが早すぎる......。
さて前回はタイトルを選んでから形(デッキ)にしていく部分の筆者なりのやりたい事をご紹介させて頂きました。 今回は応用編として、基本編で出来上がったデッキを試して感じた部分を改修したり、メタについて筆者が考えているような部分をご紹介したいと思います。
※筆者が考えている・感覚的に感じている部分を記事にしていますので、全ての読者に適していない表現が一部あるかもしれませんが予めご了承ください。
目次
テキスト・ルール(条件)を正しく理解する
改修というかこれも前提として知っておけば構築の一歩になりますが、まず自分が使用したカードの効果(いわゆるテキスト)、解決ルールや処理の順番等を正しく理解することが重要です。効果の解決タイミング(例えば場に出した時と控え室に置かれた時を勘違いしていた)や、解決対象(例えば特徴指定で回収と思ったらレベル指定での回収だった)、強制 or 任意の効果解決(「する」と「しても良い」の違い)等、一つの勘違いが構築や発想を大きく変えてしまう事があります。
また、解決タイミングが重なった時にどういったルールで処理解決されていくか等も理解しておくと1枚1枚のカードが「どういった場面で役立つ」「どういった時には解決できない」というタイミングによる良し悪しが見えてくるので、構築だけでなくプレイングも絡めたカード採用の判断基準の要素になる場合もあります。
そういったテキストやルールを正しく理解することはデッキを作成(改修)していく際に重要な要素になりますのでしっかりと確認しておきましょう。
例えば前回サンプルとしてあげた「SAO 10th Anniversary」の初期構想デッキで言えば下記のようなカードの解決タイミングや強制等を正しく理解できているか等でしょうか。
また、この解決タイミングを理解しておくと山札のリフレッシュ直前(例えば山札1枚)の時に、この連動効果がどのように解決されるかも理解できるかと思います。
1コスト払うよりも先に上述した山札の確認から選択する効果までを解決するため、まず山札が無くなって山札がリフレッシュされます。その後、まだ効果の解決途中になるのでリフレッシュポイントの前に1コスト払うかの選択が発生します。
その後はトリガーチェック前にリフレッシュポイントが発生してトリガーチェックに入りますが、コストを払う選択ができるのはリフレッシュ後なので、もし以前にトリガーしたCXを戻したい意図で連動していた場合はそれでは間に合わない事になります。
こういった一長一短な部分を正しく理解した上で採用を決めていくように筆者は心がけています。
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フェアリィ・ダンス キリト&リーファ
この連動も<Alicization Dividing キリト&アリス>と同じでストック【2】+手札1枚のコストが書いてありますが、支払いタイミングを確認していくと相手がリバースした時にとありますので、要はバトルの結果が出た後に支払う事が出来る効果になります。 相手キャラが居ないとそもそも発動できない効果ですが、相手のカウンターやアタックでダメージが入ったかどうかの状況を見てから使用が決められたり、自身のアタック後なので自身のトリガーでストック1個分は稼げるという点、手札から捨てるカードは特徴や種類が縛られていない等がポイントになってきます。 プレイングとしてもコストを使用しなければ手札にあるイベントカウンター等にコストを回せるため、テキストを正しく理解しておくことで幅が広がっていくと思います。 |
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子供時代 キリト
最終的にはいったんデッキから外れたカードも少し触れておくと、例えば<子供時代 キリト>のように効果を複数持っていて解決のタイミングが同じだった場合、自分で解決の順番を選ぶことができます。 例えば山札残1でメイン中に無くしてリフレッシュポイントをヒールしたいけど、1ドローしたらCX入れ替えられないといった場合、先にCX交換の効果を使用してから1ドローして手札を交換する効果を解決する選択をすることができます。 |
環境(よく使用されるデッキ)を考える
環境という言葉は色々な場面で使用されますが、ここではよく使用されているタイトル(デッキ)の意味で使用したいと思います。この辺りはカードゲームをしたことのある皆さんは自然と考えている部分かもしれませんね。
WSは平時では公式大会や公認ショップ大会や非公認大会など大小多数の大会が開かれていて、大会によっては使用されたタイトルの分布・統計データ、入賞されたデッキ等を公式サイトで公開してくれています。
現在では情勢の影響でBCFやWGP等の公式大会が中止になったり形を変えて実施されていて、ここ数年のように簡単に見つけられたりはできませんが、それでも対戦動画を公開してくれていたり、オンライン上で大会を開いてくれたりしている方々も居らっしゃいますのでそういったところから情報を集められるかと思います。
環境というのは言い換えれば大会でよく使用されるタイトルやデッキのことですが、そのタイトル・デッキが選ばれることには必ず理由があります。そして、その理由も色々とあると思いますが、最終的には使用していて「勝ちやすい」からだと筆者は考えています。
つまり環境に選ばれている理由を考えていければ自分が作るデッキを強くしていく(自分のデッキに生かしていける)部分が見つかったり、逆にそれに対応するための手段を考える事ができるようになってきます。
1点注意としては前回の記事のタイトル選びでも書いたようにWSは公式戦のルールとして「1敗した人が予選を突破する際の抽選において全勝で予選を抜けたタイトルと被らないものから優先して選ばれる」というものがあるため、使用タイトルが分散しやすく1タイトルだけが特出して人数が多いという状況になりにくいということでしょうか。
1タイトルの強い理由だけを考えるのではなく、数タイトルからそのデッキの特徴ともいえるような動きや効果といった使用される理由の部分を意識していく事が大切と考えています。
デッキの紹介や回し方、何を考えて採用しているか等の紹介はそれだけで記事になる量なのでここでは割愛しますが
上述したようにそういった内容をブログや動画配信等で公開してくれている方はたくさんいらっしゃいますので「このタイトルはよく名前を聞くけど実際どんな動きをして何が強いと言われてるのか分からない」といった場合等は探してみて頂ければと思います。
メタを考える
メタって言葉がいつの間にか使っていた言葉なので実際に正しい意味とは異なるかもしれませんが、筆者が考えているメタとは「相手がしたいことを意識的に妨害すること」になります。言い換えると相手のやりたい事に対する対策という感じです。なのでメタという言葉は対策という言葉に置き換えて読んで頂けるとこの場は分かりやすいかと思います。メタは例えば相手に強力なリバース時連動がある場合に、いかにしてリバースされない状態を作るかを考えるように「相手がその行動を行なってくることを前提にして狙いを外すための手」を考える事になります。
当然ながら意識していても完璧に防げるとは限りませんし、メタの動きの更にメタったデッキ等もあるので簡単ではありません。
そしてメタというのは相手を理解していないと成立しません。なぜなら「相手がしたいことを意識的に妨害すること」なので、相手がしたいことが分からないと意識的に妨害できないためです。
「環境を考える」で、そのタイトル(デッキ)の強さの理由が分かってくるとそれに対応するための手段を考える事ができるようになってきますと書きましたが、それがメタです。
メタの簡単な具体例をあげると下記等でしょうか。
【1】リバースしない
相手ターン中でも高いパワーを維持できるようにする、パワーで勝てない相手にフロントアタックしてキャラを残さない、カウンターイベントや助太刀、他カードの効果で場からいなくなる。【2】回復や効果ダメージを防ぐ
タイトルは限られますがCharlotteや艦隊これくしょん等、それらの妨害するための効果が収録されている一部タイトルを使用する。バトル中にダメージを与えられなくなるカウンターイベントを採用する。メタは構築だけでなく実際のゲーム中のプレイングにも存在しますが、そのカードを採用していないとできないような動き等もありますので筆者は構築を改修する際に意識しています。ここからは筆者のメタの考え方等をご紹介したいと思います。
メタは相手がしたいことを意識的に妨害することと書きましたが、当然ですが妨害できる事とできない事が存在します。相手の行動すべてをメタする(メタる)ことはできません。
そのため、メタを考える際に重要になるのは「どこを妨害すればそのデッキの強みを大きく削ぐことができるのか」だと筆者は考えています。
例えばCX連動によって相手ターン終わりまでソウル減や相手にフロントアタックをさせない効果を付与する効果やマーカーを貯めてダメージカードを減らしてきて最終的にダメージレースで勝つことを狙うデッキには、そこを妨害できれば有利になってきます。そのためには相手のキャラを手札に戻したり一度思い出に送って場に出しなおさせるような効果が有効です。
想定するカード
対処するカード
例えば最近発売した「Key 20th Anniversary」の<幸せな日常 乙坂 有宇>は<"大切な何か"友利 奈緒>に対して対象に選ばれない効果を付与しますので、こうなると上記で書いたような手札に戻す効果1枚では友利を狙う事ができなくなってしまいますので、数枚採用したり使いまわしができるような形を考えたり別の部分をメタする(こちらも対象に選ばれないを付与することで友利のフロントアタックできない効果に選ばれないようにする)ようなことを考えていきます。
また、メタには上記で挙げたソウル減やフロントアタックをさせない連動の例のように「相手が行動を行なった後を考えて対策するもの」と「相手にその行動をさせない(効果を発動させない)」ものがあります。
「相手にその行動をさせない」というのはそもそも連動をさせない、相手の狙った行動をさせないようなイメージですが「効果の解決条件を正しく理解して解決できないようにする」という解釈でとらえると分かりやすいですね。
最初に具体例を書いたリバースされないようにキャラを舞台から居なくしたりするプレイングもそうですが普段あまり意識しないような、効果を解決するのに必要な条件を理解する事が大切です。
例えば効果の解決に特徴参照が必要だったり、早出しの条件にクロックが必要なカード等は現状一部のタイトルだけになってきますが対策ができるものが存在しています。
想定するカード
対処するカード
自分が選んだタイトルの中で相手に対してどういった影響を与える行動ができるかという部分を意識して効果を見てみると新しい発見等があるかもしれませんね。
【初心者・中級者向け】ネオスタンダード向けデッキ構築【応用編・後編】に続きます。