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【1ページ目】攻略コラム:2024年12月 | ヴァイスシュヴァルツ

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攻略コラム:2024年12月 アーカイブ

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『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【3】

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    by 攻略コラム

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    『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【3】
    目次
    プレイで意識すること
    1周目の重要性
    2周目以降は<エリア>と<樹里>で有利を取れることが確定したので、1周目についての考察も行いました。誰がなんと言おうと、このデッキは1周目がとにかく大事だと思っているので、ここを外さないことは重要事項でした。2から3周目にキャンセルで捲ることも出来るミラーではありますが、そのキャンセル率を上げるのは1周目です。1周目のパフォーマンスがその後に大きな影響を与えているので、後半キャンセルするためにも1周目が最重要です。

    ネオスタンダードにおいてはレベル0の動きでその後の勝率が大きく変わると考えているので、タイトルカップにおいてもレベル0を重要視して採用カードやレベル0の採用総数を調整していました。<中央4000>やストック相殺の採用など。しかしこれらのアプローチはいずれも限定的かつ確率的なもので、結局上から引けるかは運になってしまうというのがネックで、なかなか有利を確立させることは出来ませんでした。4500に割られない面なんて作れないので、ここを重視すること自体少し無理があったかなと。
    長らくこの状態から抜け出せなかったのですが、別の方の記事で、0を軽視し1を重視する考え方を読みました。読んだ時は0の方が大事だと思うけどなという感覚でしたが、それから少し時間をおいて、気が付きました。
    重要なのは1周目。これまで重視してた0は確率的な話なので安定しなかった。この1を重視する考え方は、寄せるほどでは無い。では単に両方やれば良い。0で有利にならないゲームは1で有利を取れるようなスキルを身につけよう。0と1を合わせて1周目であり、ふたつを組み合わせればかなり有利になれる。

    ということで、自分の0を重視する考えに1を重視するエッセンスを追加しました。具体的には、採用枚数やカードは特別いじらずに、タイトルカップを意識しない構築で。この構築だとマリガン前にだいたい0で優位を広げられそうかそうでないかが分かる。このマリガン前の時点で、0で有利を作るか1で有利を作るかを決定していました。0で優位を作る場合は電源受けが大事なので控え室を肥やす目的で多くのカードをマリガンしますが、マリガン前の時点であまり0が引けてない場合は0の動きが渋くなるのは諦めて、1で強い動きが出来るよう1連動に寄せたマリガンをしています。これをすると0での動きは弱くなりアタック数も稼げないのですが、結果的に1レベ先上がりするので先に蓋をするような展開になります。<灯織>を活かした動きでは無いですが、ミラーであればこれでも間に合いますし、<灯織>を活かせるゲームでは通常通り生かすので、プレイを変えることにより、より優位を広げやすい展開が増えたということになります。
    最終的には0を絞るような構築になりました。確率を増やすよりも強いカードを採用した方が良いと考えたからですね。レベル0が16枚で、1の手出ししたいカードも4枚しか入ってないので、1周目に手にあって嬉しいのは20枚という計算。40%しか無いのでマリガン前に引いたこれらのカードはいたずらに切らず、電源ケアとして有効な枚数だけ切りあとは温存するようなマリガンが、結果的に1番安定しました。ネオスに比べて、<1連動の真乃>や<立ち集中>をマリガンでキープするようなタイミングが増えました。

    レベル0
    レベル0は前述した通り、8電シャニにとって非常に重要なレベル帯です。ここのパフォーマンスによってかなり勝率が変わってきます。しかしながらそれはネオスタンダードでの話で、タイトルカップにおいては相対的に重要度が下がります。何故かと言うと、ネオスタンダードにおいてレベル0が重要なのは、他のデッキに比べて主張点となるのがレベル0だからです。他のレベル帯は他のデッキの方が強いこともあり、だからこそ主張点であるレベル0でどれだけのパフォーマンスが出せるのかが重要なのです。
    ここで良いパフォーマンスが出来ないと、他のレベル帯で捲られやすいということですね。対してタイトルカップ、ミラーにおいては、かなり話が変わってきます。簡単のため同じ50枚と想定すると、お互いのデッキの強みや弱みも同じです。強いレベル帯でどれだけパフォーマンスが出せるかはもちろん良いに越したことはありませんが、同様に弱いレベル帯でのパフォーマンスの差も、ゲームに影響を与えるわけです。つまりネオスに比べて、レベル0で出さなければいけないパフォーマンスのハードルが、ミラーにおいては減少するというお話です。これは他のタイトルカップでも頻出する攻略法です。

    このミラーにおいて面白いのが、レベル0でのパフォーマンスが重要であるものの、レベル0が長引くのは逆に弱い動きというところ。通常重要なレベル帯は有利な側は長引かせたいものなのですが、レベル0はそうでは無いんですよね。短いレベル0帯で相手よりも強い行動がしたいミラーです。ですがここにも矛盾があって、レベル0での強い行動は基本的にはストックを積む行動で、アタック数を増やす行動です。これは相手を先に1に上げる行動で、しかもこちらの面は埋まっているのでダイレクト枠は作りづらく、返しにレベル0が継続するリスクの高い行動なんですよね。ここは展開次第でケアしようと動ける話ではありますが、それでも配置依存が強く、安定する話ではありません。

    なのでレベル0において強い行動をすることに一貫するのもリスクがあり、また相手の強いパフォーマンスをレベル1から切り返す逆転要素にもなるのが、このミラーにおけるレベル0の攻防です。なのでレベル0での強いパフォーマンスではなく、レベル1まで見据えたようなゲームプランを、マリガン前から意識するのが、このタイトルカップにおけるひとつ重要な事です。


    レベル0からレベル1にかけて、大きな分岐となるクロックが1-1です。1-1ではレベル置き場に黄色のレベル3を置きながら赤を発生することが出来るので、ここまで来ればこの後はほとんどフルパフォーマンスをことが出来ます。
    また次の分岐が1-0で、これはかなり中途半端な難しいクロックです。電源によってレベル2を登場させることができるようになる点は好都合ですが、<1連動の真乃>の経験と赤発生を両立することが出来ないクロックです。ミラーにおいて<1連動の真乃>はひとつ重要な要素でなるべく温存したいのですが、1-0で経験を満たしていない状態で<真乃>を使ってしまうと、相手のレベル0にこちらの1の<真乃>が処理されてしまうという、かなり損な交換になります。かといって<真乃>を温存してもそのターンの動きは弱くなりますし、相手もレベル0でアタックすることが許されてましまうので、レベル1に上がったとはいえかなり難しい中途半端なクロックです。
    0-6以前のクロックは大差ないですが、0-3を下回ると次のターンも1-1になれないリスクが大きくなります。0-4以降は、電源で出して強力なカードが<灯織>くらいなので、価値の低いターンになりがちです。ただこの場合は<灯織>2面をおけると少し話が違ってきます。返しと行きで<灯織>を3から4回使うことが出来るので、1周目の山を高速で終わらせることが出来るようになるので、次のターンに1キャンでもすれば1リフ出来るようになる切り返し方は、頭に入れておくべき事項です。

    レベル0の攻防は、基本的にこれらのクロック事情を鑑みて行われます。先攻1ターン目のダイレクト2点が入った場合、後手はクロックドロー後にクロックが3枚になるので、レベル0停滞のリスクが低いので思い切って3パンすることが肯定されます。一方先攻1ターン目のダイレクトをキャンセルした場合、後手3パンには相手をレベル1にあげたのにこちらはもう一ターンレベル0というリスクが出てきます。このもう一ターンレベル0は大きなリスクであり、相手にレベル2複数面を許したり、<真乃>連動2回を許すことになるので、絶対に避けなければいけません。とはいえ後手3パンしなければ良い話ですし、後手という不利な状況からキャンセルという強い行動で少し有利になっているので、状況は良好です。

    このように後手にはゲームプランをある程度決められる主導権があるミラーなので、ここまで理解していれば、先後の差はあまり大きくないミラーと言えます。先後の差が少ないというのも、参加したいタイトルカップの条件のひとつですね。

    レベル1
    レベル1はレベル2のキャラを電源で出すことが出来るようになるので、面形成に電源を絡めつつ、純ストックを作ってレベル2に備える動きになります。レベル0での動きの延長でもあるのでレベル0でのパフォーマンスの良さが、このあとも影響してきます。が、レベル1でのパフォーマンスも積み重なるので、レベル0の動きで負けていてもレベル1での動きで巻き返すことは可能です。特に白電源連動セットはとても重要で、なるべく毎ターン連動したいところです。クライマックスをトリガーする場合に後列に出したいことを考えると、<連動>は<2/2真乃>スタンドインが安定です。トリガーした電源をツインドライブで吐く動きが出来れば、十分な状況と言えます。電源をトリガーしないような山の時は、前は<小糸>と<1真乃>で埋めつつストブする連動が強力です。純ストックを作りつつ圧縮率をあげるような動きで、この後のタイミングでは<小糸>が有効に思い出に飛ぶタイミングは少ないので、このタイミングに並べる価値があります。
    これはネオスも同じですが、レベル1で電源が絡まなかったとしても負けでは無いので、先を見据えて冷静にストックを積みながら8戻りするのが重要です。8戻りした山でキャンセルして電源が絡めば、2周目以降にもちゃんと逆転できます。とにかく山を疎かにすることだけは、負け筋なので避けましょう。

    レベル2
    先に書いた面のやり取りは、主にこのタイミングで重要になってきます。基本的にアンコール持ちでアタックし合うだけのミラーなので大きな差が付きづらく、一見するとキャンセル数の差で優劣が決まるタイミングです。

    まずレベル1の段階で、黄色の<エリア>をレベル置き場に置いておきます。最悪手札やクロックから控えに落ちるのでも良いですが、レベル置き場において置くのがいちばん綺麗です。レベル2に上がったらそれを控えに落とし、手打ち電源で後列に配置しましょう。この時<1連動の真乃>が8000になっていることが重要です。
    次にアタックトリガーの電源では、前を<真乃>以上のアタッカー3面で埋めることを意識して出してください。これをすることで、8000オーバー3面かつ<2レベ真乃>115を作ることが出来ます。これを相手が3面割るのは大変です。まず<真乃>115を踏むには<真乃>だけでは足りず、<めい>が必要になります。さらに3面目の8000を踏むのもレベル1では出来ないので、高確率で1面帰ってきます。この時点で、アンコール持ちで踏み合うはずのミラーがひとつ有利になっています。
    また次のターンは、後列の<エリア>を前に移動して10000のアタッカーとしてアタックに参加しましょう。間違えても温存はしないでください。前で10000でアタックしつつ返しに隣にパンプしている状況が強力です。この状況でも<2/2真乃>11500と<エリア>10000。もう一面が<1連動真乃>だとしても8000なので、やはり1面帰ってくることになります。
    前列に配置すると割られるので、その次のターンは面の数字が低くなります。ではどうするかと言うと、また後列に<エリア>を配置するわけです。これで最初のターンと同じ価値を見出し続けています。リソース勝負が続く限りこれで十分に思います。
    たったこれだけのことですが、ミラーにおいては絶大な影響があります。1面チャンプ強要はとても強力なので、これを繰り返すだけでミラーはかなり有利になります。

    考えられる対抗策として、<灯織>2面配置があります。少しその場で考えられるプレイヤーはこのソリューションをとることが多いのですが、これは実は解決策ではなく対処療法に過ぎません。無視して<エリア>を後列→前列→再登場を繰り返しましょう。
    なぜなら、この交換自体が既に得だからです。<灯織>2面によって3面割り合いになっていますが、これはそもそも元々踏み合うゲームなのでこちらが不利になっている訳ではありません。こちらは電源を綺麗に使った動きになっていますが、相手は後列を<灯織>で埋め続けることを強要され続けているので、この交換はかなり有利なんですよね。

    また手アン3面という対抗策もあり、この場合は<エリア>のパンプがあまり価値がないものになります。しかし3面維持は4枚中3枚登場するという難易度や、キャラを手出しする自由度が全くなくなること、毎ターン手札が3枚ずつ減っていくことなど、維持するのが難しいので、長期的な解決策にはなりにくいです。この場合もやはりこちらの方がストレスなく動けるので、ストレス無く動ける分で有利を取っていきましょう。

    レベル3
    レベル3になるともうゲームも終盤で、ヒール量の確保出来るデッキでは無いので、残りターンの奪い合いになります。<>の着地がひとつキーポイントで、相手の面に<>がいないなら、細かく打点を詰めていく動きが有効です。<>がいる場合は1パン2点を通しに行くか、<バウンス>で一気に詰めるかの選択になります。またこちら側も返しに倒されないよう、<>を配置することが重要です。<>を配置できない場合、返しに詰められても仕方ないと思います。
    また数字の面では、<>と<エリア>を配置することで、<めぐる>や<ふゆこ>を14000の状態で返す動きが効果的です。14000はミラーだとかなり触りにくい数字で、特に端の14000はかなり帰ってきます。1面帰ってきたら御の字なので、積極的に作りたい盤面です。


    実際にタイトルカップに参加してみて
    幸か不幸かタイトルカップに参加する機会を得られたので参加してきましたが、今回は概ね想定通りでした。8電源の占める割合が多く、残りはそれをメタるような構図で、最初の記事にあげたようなアーキタイプがどれも見られたので、十分考慮できていたかなと思います。レベル0の宝連動を使うコンセプトは想定してなかったので、いくつかそういった想定外のデッキを確認した時は、なるほどと感じ面白かったです。
    8電源ミラーにおいても概ね想定通りで、領域移動は局所的には強いけどデッキにすると難しいよねーというゲームが思い通りに実現できたり、<エリア>1500重いよねーと押し付けて後半はほとんど3面割られることが無く、終始有利で進めることが出来ました。終盤も<>配置だけでかなり圧を出す事が出来、こちらは<バウンス>で対応という動きも出来ました。こうやって想定通りのメタが上手く機能すると、タイトルカップってめちゃくちゃ楽しんですよね。


    ネオスタンダードにおける敗因の分析と難しさ
    ということでタイトルカップに誇りを持って臨んだ結果でしたがいかがでしたでしょうか?難しさや考えることの多さ、何より面白さを知っていただければ幸いです。自分としてもこうやって挑戦した記録を事細かに残せて良い機会になりました。
    さて、仙台で1枚目の盾を取った後、「ミラー勝てるならシャニマス使った方が良いんじゃない?」と言われたのが、この後ネオスでシャニマスを使い続けるきっかけです。それまではシャニに勝てる1001デッキを使ってたものの、デッキパワーとしてはシャニマスの方が強く、タイトルカップ優勝を機にネオスでもシャニマスを使うようになります。
    その後の地区ではシャニマスミラーで3回全部先攻で負けることになります。全部同じパターンで、1周目の打点レースを優位に進められましたが、2レベル先上がりを活かした<美希>配置によって、面のゲームではなく打点のゲームにもっていかれ、山を作る所までいかずに両方負けました。早いゲームでは1面帰ってくることのリターンが少ないんですよね。全て後手3パン、全てソウル減無しのデッキに<美希バーン>止められなくて負けてます。

    この辺り結構難しい問題で、仮想敵の限られるタイトルカップではタイトルカップ用構築で臨めるので、研究成果が出やすいんですよね。想定外のゲームは起こりづらく、起こればそれは研究不足ですし、研究を重ねることによって更なる改善が行えるので。
    仮想敵が日に日にアップデートされていくネオスタンダードではこれがかなり難しくなります。プールやデッキが増え続けるネオスタンダードではメタの解析も重要ですが、メタに結論が出ることはなく、ある程度そのデッキ自体のデッキパワーも求められます。そしてそのデッキパワーの評価は環境によるので、環境が少しづつ変化していくネオスタンダードではミラーも見つつ自分の強い動きを高い評価に維持し続ける必要があるということです。

    ネオスタンダードの難しさを理解したところでタイトルカップに戻ると、タイトルカップは基本的にカードプールの追加が無いので結論を確立しやすく、その結論は長持ちしやすい特性があります。なので他の研究に移りやすく、非常に着手しやすいレギュレーションだなと改めて思いました。
    一方で「タイトルカップを勝てるならミラーを勝てるからネオスタンダードでも同様」というのはかなり論理の飛躍、事実との乖離があることを痛感しました。構築や環境が違うのはもちろんのこと、タイトルカップの優位を、増え続ける別タイトルの新デッキに対しても維持し続けることは容易ではなく、ネオスタンダードにおいては更なる改善をし続ける事が重要というわけです。そういう意味ではネオスタンダードの延長としてタイトルカップに出場する場合、構築は意図的にネオスタンダード用のものを使用し、相手のデッキも分からない想定でマリガンする方がより練習になるように思いました。


    という事で3回に渡り、タイトルカップの研究過程と成果、そしてネオスタンダードとの違いまで書いてきました。
    タイトルカップの研究をこうして記事に残せる機会ってとても少ないですし、ネオスタンダードとの違いにおいて新たな知見を得たので、書いてよかった記事だなと思っています。

    それではまた!

WGP札幌地区優勝 「8電源 シャニマス」

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    by 攻略コラム

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    WGP札幌地区優勝 「8電源 シャニマス」
    こんにちは。ブロガーのイチです。今日はWGP2024年で使用している8電源シャニマスについて記事にしていこうと思います。といってもすでにたくさん入賞しているデッキタイプで、同じ遊々亭ブロガーのらびっとさんやKさんがデッキのコンセプトや採用カードについて触れている記事を出していただいています。
    なので今回は選択した理由、強みや弱み、札幌地区で使用したデッキの紹介、大会レポートを書かせていただければと思います!是非よろしくお願いいたします!


    WGP2024でシャニマスを選択した理由
    BCF2024が終わり、7月に新しく制限改定が行われました。お手軽面取りヒールのアリスギア、お手軽山破壊の青ブタとプロセカに制限がかかりました。
    それと同時にBCF後半にアリスギアに強いという立ち位置で流行した<イベント>+<エクスタシーモード>という強力な耐久プランを持つ8電源シャニマスにも制限がかかりました。そのため、直近の環境でも「極めて丸く誰でも戦いやすい環境」が出来上がったかのように思われました。
    しかしそこから約2カ月、8電源シャニマスのリペアが研究され、「環境トップクラスのエンジンと0レべアタッカーを用いる丸いデッキ」が誕生し、現在も環境トップに君臨している状況だとわかりました。今期新しいタイトルや新規のデッキタイプが出てきたとしてもこの強みが通じないデッキは出てこないだろうと考え使用しました。

    というわけで、WGP2024環境で8電源シャニマスを選択した理由は「序盤とエンジンが強く他デッキに比べてこけて負ける頻度が少ない」ためです。
    ただし8電源シャニマスにも明確に厳しい状況があり、それを見つけて改善していくのに7月から9月までの期間を使用した、という経緯になっています。


    シャニマスの強み
    ここではすでに環境で流行っている8電源シャニマスの強みについて説明していきます。
    強みのすべてを記載することは難しいので、ここでは具体的な強みを3点あげて説明していこうと思います。

    序盤のシステムアタッカーが強力
    採用されているシステムアタッカーのラインが3500以上ある点が強力です。ヴァイスにおいて0レべはほとんどサーチや回収ができないレベル帯であり、引いたカードで戦うことを強いられています。
    シャニマスは採用されている0レべのほとんどが3500以上のパワーを出すことができ、次の0レべにつながるようなシステム効果を持つキャラで構成されています。
    要は「何を引いても基本アタッカーとして運用でき、相手のキャラの生存を許さず楽なゲームをさせない点」が強力です。
    ここにプラスして強力なエンジンである<伸ばす手に乗せるのは 風野灯織>のパワー上昇が入るため、過去トップクラスの序盤の性能を誇っていると思います。
    2種類のアンコールアタッカーとそれを支える1連動
    シャニマスは強力なシステムアタッカーとエンジンを持っているため、対戦相手は0レべでは有利が取りづらく、必然的に1レべが重要になってきます。
    1レべで面を作り打点を捲る必要がある対戦相手は「電源特有の打点の低さを利用し1レべでリソースを稼ぎつつ山を作ること」を大まかなプランに沿えることが多いです。
    前期でアリスギア相手にプロセカや青ブタが無理やりストックを積んでいるシーンを思い浮かべていただければわかりやすいと思います。
    しかし、8電源シャニマスはこのプランに対して<1連動>が各種2/2を即スタンドさせるため大幅な有利を作らせない点が強力です。
    うらうらクルル 櫻木真乃>はパワーの高さから生存率が高くツインドライブでストックを綺麗にしながら打点を上げることができ、<今のうちは走らない 和泉愛依>は12500という驚異のラインを押し付けることから面の取り合いに貢献できます。
    どちらもアンコールを持っていることからゲームでの活躍期間が長く、弱みである打点の低下や面負けのリスクを減らせる点が強力です。
    基本は1レべに上がった直後に連動で2/2アンコールを起こして打点維持に努めましょう。
    ダメージレースに関係する3種の緑キャラ
    序盤では安定してダメージを与え、1レべ以降は2/2アンコールで舞台やダメージを押し付けやすいです。相手としてはゲームに勝つためにどこかで打点を捲る必要が出てきます。

    1つ目の方法は最終ターンのロングキルを狙うこと。最近のデッキでいえば「扉型のウマ娘」や「リゼロ」あたりが該当するでしょう。ここに対して2レべ以降の電源で<ROOKIE! 市川雛菜>を出すことでロングキル率を軽減することができます。細かい打点で刻むことができなければ耐えた次のターンにヒールで戻すだけでも勝てるゲームが増え、細かい打点は「ROOKIE! 市川雛菜」と合わせてキャンセル率を上げて対応します。相手目線でも確率の低いロングキルを狙うよりも一ターン耐えてから倒すプランに切り替わりやすく、結果としてシャニマスの強力な詰めを放つ1ターンをもらいやすくなります。

    2つ目の方法は無理やりクロックやストックで圧縮して耐久すること。これは狙ってできるデッキもあれば一週目の配置から偶然できるようになるデッキもあります。
    これに対しては<アンシーン・ダブルキャスト 黛 冬優子>を駆使して戦っていきます。
    ストック圧縮こそ崩せませんが、リフ後のクロックを再度山札に戻してダメージを入れるプランは相手もせっかく圧縮してできた山を有効活用できず、止めても次の山までの枚数が増えることからリソースを払わざるをえない状況にできます。
    特に相手のリフ後に「アンシーン・ダブルキャスト 黛 冬優子」を使用し、そのターンで7点以上入るとヒール込みのリソースを再度山に戻すことができるので強力です。嵌ってしまえば理不尽を感じるゲーム展開になるでしょう。

    3つ目の方法は面を固めて被ダメを減らし、ロングゲームでバグを待つこと。直近でいえば「ストブ枝ウマ娘」や「8電シャニマス」、「二乃」あたりはここに分類されると思います。
    8電シャニマスはエンジンの関係で山札がいつでも強いわけではなく、急に山札が弱くなることや、面で負けると打点が減りやすい傾向があるためロングゲームは不得意だと考えています。
    このプランに対しては<メイ・ビー 和泉愛依>が強力です。1ターンに与えるダメージを多くすることでショートゲームを目指し、詰めのコスパの良さで相手と戦うことができます。
    シャニマスには即スタンドさせる連動があるため2レべになった直後から4パンできるようになります。デッキ内に入っているレベルの高いキャラが多いことやトップチェックが容易なことも相まってダメージレースを押し込むことができます。

    緑のキャラはシャニマスに必要な部分を補うカードパワーがあると考えているため、序盤中盤終盤と強みを理解して戦っていきましょう!
    シャニマスの弱み
    シャニマスの弱みについても触れていきましょう。実際細かいところやパワーラインを抑えるだけでも違いますが、書き始めるときりがありません。今回は最大の弱点である<エンジン>のデメリットを確認していきます。

    エンジンのデメリット
    • 山を削ってしまう。
    • 返しのパワー補強はない
    • 控え室にキャラがない場合に起動しない
    • 確定サーチではない
    山を削ってしまう点はハンド増強のため使用した結果、山の強さが激変するリスクを常に抱えることです。8電シャニの一番の問題だと考えています。
    ここはプレイの方針(一枚で止める、使う場面を選ぶ)である程度は緩和できるものの、不利なゲームではどうしてもリスクを取らざるを得ないことが多いです。

    返しのパワー補強がない点はアンコールアタッカーを採用することができるため、そこまで大きなデメリットととらえていません。
    しかし往復で面を取る系のデッキには弱点となることもあり、今期二乃や大活躍を採用したデッキはこの弱点が明確に出るマッチアップだと思っています。

    控え室にキャラがないと起動しない部分は体感で20試合に1回程度起きる現象で、自ターン開始時に控え室にキャラを作る意識を持つことや、ハンドカットドローを抱えることで軽減することができます。2週目頭のハンドが薄いタイミングでこれが起きるとゲームメイクが崩れかねません。慣れが必要な部分です。

    確定サーチではない部分はゲームプランを作成する上で大きなデメリットになっており、ピン投のカードの活躍をコントロールしにくいことや理想の動き通りにプレイするのがそもそも難しい部分でもあると思っています。扱いが難しい1枚採用のカウンターやピンポイントでしか役に立たないシステムカードの評価は低いです。


    札幌地区で使用したデッキの紹介
    レベル1
    8
    クライマックス
    8


    テンプレの8電源シャニマスに緑を少し多めに採用しているくらいのデッキです。
    人によって枚数配分が異なりやすいカードに注目していきます。


    • サクサクの縁側ー 和泉愛依 3枚
    • 名古屋地区までは4枚採用していた51枚目のカードです。大変強いので<レベル応援>を1枚でも許容できる人はこちらを採用したほうが丸いデッキになると思います。
      パワー良し、重いデッキの潤滑油で腐りにくいです。<1連動>で真っ先に埋めます。

    • ジャンプ!スタッグ!!! 芹沢あさひ 3枚
    • 0から1を安定させたい人は4枚採用しましょう。52枚目のカードで名古屋地区まで4枚採用していました。0レべの二ターン目に使うプランを重めにするなら4枚のほうが良いです。
      個人的に<ツインドライブ>を評価していることや<灯織>が出てくる場合はクロックコストが重たいことから3枚で妥協し後半の性能を上げる方針を取りました。

    • セピア色の孤独 福丸小糸 4枚
    • 圧縮要素+多パンの裏目の初パン電源をケアできる優秀なアタッカーです。基本いつでも腐らず相手を割ることができるので個人的には高評価です。
      たくさんドラを乗せてシャニマスの強みを押し付けていきましょう。
      美希バーン>に動きを寄せる関係で思い出に置きたいことから4枚採用しています。

    • 夢に向かって あさひ&冬優子&愛依 3枚
    • 青色は緑発生に重きを置くからこちらを選択。パワーが低く控え室に0レべがいないと効果の失敗があることから若干評価は低めです。マリガンで<ツインドライブ>や<オカケン>を切っても許されるため複数枚採用しているほか、中盤での電源の受け作成、過剰電源処理とハンドに一枚あると役立つシステムという立ち位置です。

    • マイ・ピュア・ロマンス 桑山千雪 2枚
    • 2枚あると拾いやすく使いやすいのでオススメです。常にハンドにあると強いのに1枚だと拾えないので素引きやルックで持って来るために枚数は増やしましょう。一時期専用の<サーチ融合>を採用していたくらい評価は高いです。
      終盤に2枚使うことでトップを4枚見て<美希バーン>の打点を確定させたり、2レべ相手に打点を調整しやすくなったりと詰めのレベルが一段階上がる点が魅力です。

    • アンシーン・ダブルキャスト 黛 冬優子 2枚
    • ネオス環境において<うらうらクルル 櫻木真乃>を触れないデッキが一定数存在するためそこで得たハンドリソースを早期に打点に還元できるよう枚数を増やしています。パワーラインが低いウマ娘やチェンソーマン、プロセカや青ブタといった圧縮形タイトルにはガンガン投げて打点を詰めましょう。山が固まりきったら負けます。
      また、相手が門を使用するデッキに対しても戻り枚数が少ない山で打点を与え続けることができるので有利な試合展開が作りやすいです。

    • 283プロダクション 0枚
    • 広島地区でお守り用に一枚入れていましたが地区大会に出て抜く決心がついた一枚です。
      ミラーが多い環境で打っても勝てないゲームが多く、序盤から握るストレスや貫通するリスクなど様々な状況を考慮して最終的に使わない判断をしました。
      10月中旬時点までは無選抜の人は全く見ていませんでしたが、最近はちらほら増えてきているようにも思えます。空いた枠に緑のカードや0レべのキャラ、3レべの択増加をしているプレイヤーが多いです。
      もしも入れる場合は<キネマ・リリック>と合わせて探しに行きやすい構築にするのがおすすめです。

    • メイ・ビー 和泉愛依 2枚
    • シャニマスはそもそも2レべ以降の電源のバリューが低いので枚数は多めのほうが好みでした。<めぐる>や<冬優子>を出すよりも強いと思っています。
      1レべのレベル置き場に刺して2レべ直後に控え室に落とすことを心掛けています。
      スタンドさせるように1枚、アタック中に捲ってもう1枚着地させるための2枚です。
      ミラーで面の取り合いになる場合に11000+<キネマ・リリック>の13500ラインを抜けるパワーになるので最終ターンまで腐らず、3コスアンコールすることも多いです。

    • ROOKIE! 市川雛菜 2枚
    • ほとんどのデッキでは1枚採用で最終ターンの電源で出すことが多いと思います。
      緑の枚数を増やしたことで<逆圧縮>と<美希バーン>が使いやすくなり、レベル置き場に緑を置く機会も増えました。1レべでは美希バーンを置いてリフ後に落とすプレイを心掛けますが、2レべでは3週目の控え室に<レベル応援>が落ちるようにしまっておくことが多いです。
      2レべでレベル置き場にしまっておいても打点レース次第では早期に着地させる択を残すため2枚採用にしています。最終ターンは2面並べて耐えるプランを取りましょう。

    • Beautiful Sunset 白瀬咲耶 0枚
    • 無選抜のためデッキ採用を考えることができる1枚。選抜段階でも<ソウル減>と合わせた耐久力が売りだと思っていたので早出しヒールやイベントカウンターが減った今採用は難しいと思います。また着地したいタイミングが2レべの前半のみという短いタイミングであること、美希バーンの着地タイミングと被ることを理由に不採用となりました。

    WGP札幌 結果
    予選
    8宝ホロ 後○
    8門兎 先○
    8枝るろ剣 後○
    リンクマクロス 後○

    決勝
    8電シャニ 後○
    ストブ枝ウマ娘 後○
    8宝メイドラゴン 後○
    8電シャニ 後○



    大会レポート
    8宝ホロライブ
    0の<ファウナ連動>と<アキロゼ連動>が入った8宝でした。先攻<Summer Splash Party! 博衣こより>からアタックされ二ターン目には0連動にも繋がるいいスタートでした。こちらは<灯織>が立たず<うらうらクルル 櫻木真乃>も2レべメタで割られる展開でした。1連動をたくさん引いていたため、<逆圧縮>と<美希バーン>の押し付けで勝利しました。
    8宝のように序盤で上手く圧縮を決められると後半厳しいデッキ相手はなるべく「うらうらクルル 櫻木真乃」を立てて打点を作り押し込むゲーム展開を意識しましょう。このルートは自分の山も弱くなるので、アキロゼ多面のロングレンジバーンをされていたら厳しかったと思います。
    8門うさぎ
    3レべの採用カード種類がとにかく多かった記憶があります。門採用のため打点レースを意識して<逆圧縮>で詰めていくプランを選択。先攻を取れたこともありダメージレースは有利に進みましたが最終ターンで2トリして2-4からロングキルゲームへ。何とか耐えましたが負けてもおかしくない展開のゲームとなりました。今期どうしても相手の山札を弱くするのにリソースを使うとロングキルが通りやすくなる試合展開は運が絡むことが多く、個人的には今もなお課題として残っています。
    8枝るろ剣
    遊々亭のデッキ紹介と似た型でした。<2/0の連動>でダメージレースは押されるもののこちらもしっかり打点を押してトントンのゲームへ。この試合はお互いリソースが少ないながら打点を作るゲームになったので2/2をアンコールする面の取り合いのプランが刺さり勝利しました。後攻でも多パンすることで被ダメを減らせるシャニマスの強みが生きたと思います。1点バーンがメインのデッキは<レベル応援>の価値が高く、クロックに刺さっても舞台に出せる2枚採用が生きて良かったです。
    リンクマクロス
    最終戦は階段でした。相手は先攻ながらも0レべやイベントを引くことができず、何とか連動でゲームを持たせているような展開でした。多パンや<逆圧縮>も相まってダメージを押しきって勝利しました。多パンエンジン+ツインドライブ+逆圧縮の理不尽パンチはこの後制限されると思います。
    8電シャニ
    後手2ターン目には1-6まで飛んでいき厳しい展開へ。即2まで飛んだこともあり控え室が弱く電源のバリューで勝つことも難しかったです。
    運よく相手が0-5で止まってこちらの<1連動>を返してもらったことや相手の1レべが飛んだことも相まって打点レースがトントンまで戻るゲームへ。このゲームはお互い<逆圧縮>は絡みませんでしたが、<美希バーン>の+1パンと<レベル応援>2面の多数ルックのおかげでぎりぎり耐えることができて勝利しました。8電源シャニマスはカウンター自体を採用しにくいと考えていましたが、上手く使えるプレイヤーは面取りルートを強化することができるのでミラーでの課題を頂く試合となりました。
    ストブ枝ウマ娘
    ウマ娘相手は逆圧縮と<うらうらクルル 櫻木真乃>を使うゲームを意識しています。ハンド枚数を稼ぐことができ<逆圧縮>も刺せる形になり勝利しましたが、逆圧縮を多数使用すると山札が弱くなってしまうので、相手が打点を作れるデッキの際は注意しなければなりません。
    今期ウマ娘に一度負けていることからも不安を持つ対面でした。<サトノダイヤモンド>は山を作る速さが早いので、今期対面した時のプランはきちんと持っておくべき仮想敵だと再認識しました。
    8宝メイドラゴン
    0レべから多パンできキャラも帰ってくる理想のゲーム展開となりました。8宝ホロ同様一週目を上手く超えた8宝は圧縮率からも負けやすいので<逆圧縮>+<うらうらクルル 櫻木真乃>を意識してハンド枚数を稼いでいきます。
    リフ後にクロックを逆圧縮→弱くなった山にダメージが通る→通った部分を再度逆圧縮という理不尽な行動でダメージを押し続け勝利。最後は2-0から発砲されましたが危うく負けかねないほどだったので、メイドラゴンの詰めは甘くないと実感しました。
    8電シャニ
    最終戦も8電源シャニマスのミラーとなりました。ミラーは<1連動>が生存するとリソースが大きく離されるので大事に使用するのがポイントだと思います。
    相手は<灯織>の着地が遅れていたこともあり1連動3面+電源で灯織出しを選択。こちらは連動がなかったものの1連動を3枚集めすべて割り切る展開に。ほとんどの場合ここで1連動が返ってくるのですが、アンコール+連動で3面割られて面が触れない展開に突入。今後の面でのリソースは負けるためダメージを押しきるプランに切り替えて勝利へ。<美希バーン>を絡めることでダメージレースを優位に進める事こそできましたが、「打点が抜け続けるミラーのゲーム展開では何もできない。」という今期の難点を再認識する結果となりました。



    今期の総評として数多くのシャニマスがいるため対面する際の練習は必須であるもの、練習した結果を出しやすい対面かどうかでいえば否というデッキだと思います。特にツインドライブの超打点は1週目の配置に依存しますし、<逆圧縮>はケアするのも難しいです。そのためシャニマスにはなるべくリソースを削り続けて事故待ちするしかないデッキも多いと思います。
    今期のデッキ選択の際には0のゲームスピードが適正かどうかやシャニマスに対して有効な立ち回りがあるか、それを実行できるか試算してから挑んでいきましょう!

    長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
    初の全国大会も頑張ってこようと思いますので是非よろしくお願いいたします。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【2】

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    by 攻略コラム

    WS20241202_K_midashi.jpg
    『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【2】
    目次

    8電源を選ぶという結論
    ここまでやって結局この結論かいって感じかもしれないですけど、ここまで2ヶ月近く研究した成果が、既存の8電源という選択が1番良いというものでした。その理由は色々あるのですが、決め手は<2/2真乃>というカードの圧倒的カードパワーです。これはタイトルカップの研究が進むにつれて、ネオスタンダードでは感じられなかった位のカードパワーを感じることが出来てきました。

    2/2真乃が強い話
    経験を満たせた場合、<2/2真乃>の圧倒的と言えるカードパワーは、数字とツインドライブにあります。ノーコストで処理されることやアンコールをメタられることこそありますが、それを要求出来ている時点で<真乃>というカードは圧倒的に強いと思いました。メタれるけどメタる側もしんどいってやつですね。特にツインドライブの価値が非常に高く、ストック浄化の観点で他のキャラとの明確な差が生まれています。


    アンコールメタに対する結論
    ということで結論としては、この強力な<2/2真乃>を押し付け続けるというコンセプトの8電源が1番強力という結論になりました。宝電源では<真乃>こそ使えるものの、素出しの割合が多くなったり、処理されたあとの<真乃>再登場の動きが弱くなりがちでした。ネオスタンダードでは<灯織>のための8電源ですが、タイトルカップでは<2/2真乃>のための8電源なわけです。舞台の<真乃>が様々メタられても、強力な<2/2真乃>をトリガー電源で何度も登場させる動きが強いという結論です。

    舞台の数字に関する結論
    2/2真乃>が強力という結論になったので、これをメタる11500以上複数面のコンセプトは、相対的に強力に感じました。実際にこれを実現するのは宝電源におけるエリア+比例+<真乃>の115や、<緑夏葉>、記憶型などが有力候補ですが、それぞれに対して結論を出しました。まず115に対しては、後述する新たに採用しているエリア1500が非常に強力で、完璧な回答になっています。また<緑夏葉>は継続性という難しさの観点で上手くデッキに出来なかったので、メタとしても数字ではなく他で勝つという戦略をとりました。記憶型は研究が進むにつれて、いくつかの構造上の欠点が浮き彫りになり、こちらもタイトルカップで勝てるデッキにはならなそうという結論になったので、マッチングした際は他で勝つという戦略をとることにしています。ざっくり言うと、この面のやり取りを中盤の話としたとき、記憶型は中盤が強い代わりに序盤だけでなく終盤もあまり強くないという結論になっています。序盤に関しては記憶達成のためにどうしてもカードパワーが少し落ちてしまう事が起因で、後半に関しては<>と<円香>の比較が、タイトルカップでの<>配置の強さの方が勝っているという点です。大量ヒール出来るデッキでは無いので、<円香>のおかげで面では勝ってるけど最後<>でしぶとく耐えられて、押し込まれて負けという展開が非常に多かったです。

    アド連動に対する結論
    先にあげたような連動達は、どれも早く山を作る事が出来る連動で、8電源側が押し込まれる可能性があります。それでも8電源を選ぶ理由は、8電源側でそれに対応した構築やプレイに寄せることで、こういった不利を軽減できたからです。詰めの観点では、アド連動側もリソース量を満足に勝率に還元することが難しく、8電源側の電源で配置された<めぐる>が結局強力という結論になっています。なので中盤以降は多少不利だが戦えない訳ではなく、打点レースだけ見ていれば、<めぐる>で勝ち切ることが意外と容易というお話です。

    タイトルカップ用8電源の研究
    8電源を使うというのは、決して既存のまま持っていくというわけではありません。8電源というアーキタイプは継続しつつ、タイトルカップで優位の取れる構築やプレイを確立するという意味なので、もしここが上手くいかなかったら、あまり参加したいタイトルカップではなかったという結論になってしまいます。ここからはタイトルカップに寄せた考え方が多くちりばめられた、実際に使用したリストについて説明しようと思います。
    ミラーの考え方として、<1の真乃>、<2の真乃>が、かなり重要になってきます。なぜかという話は後述しますが、ここではとりあえず重要である前提で読み進めてもらえればと思います。
    レベル0
    レベル0は色々考えましたが、結局ほとんど既存踏襲のカードパワー重視の構成になっています。パワーラインの観点では3500とそれを超える4000が重要なラインですが、<灯織>が絡むと4500オーバーを初ターンに出せるため価値があまり高くなく、構築上の優位を確立させる要素ではないと判断しています。また総枚数は重要で、このリストでは16枚になっています。ここが多いほど安定感が上がり、0で優位を築きやすくなるのですが、色々試した結果、総枚数を増やすことによる安定感の向上という戦術は取らない事にしました。採用枚数を増やすことはデッキのバランスを歪めるデメリットがあり、メリットは確率的なものです。特にミラーにおいては前半の確率的なメリットよりも、後半のカードパワーの強さの方がゲームに与える影響度が高いので、構築を歪めるのはリスクの方が高いという判断です。代わりにマリガンを初めとしたプレイを変更することで、0の不安定感をカバー、割り切っています。

    星杏セット
    タイトルカップに関する考え方で重要なのが、この星杏セットです。これはタイトルカップ最初の開催である広島地区のタイトルカップにおいて徹底されており得た知見なのですが、トリガー操作による打点効率の向上が非常に強力です。具体的には1点を作らないこと、3点を作らないことなど、常に打点効率最大のアタックを心がける事が<星杏>のおかげで可能になり、これが思っていたよりも重要な要素だということです。
    そもそもこれはネオスにおいても同じですが、8電源シャニは道中の平パンで打点を進めていくデッキです。そしてこの道中の平パンの通りがゲーム結果に直結していきます。道中の平パンでどこまで入るかがどれだけ重要かは、特に使用者であれば認識しているところでしょう。
    星杏>というカードはここに介入出来る数少ないカードなんですよね。これだけ重要な道中の平パンの効率に関与出来るのは、特にこのタイトルカップにおいては非常に重要な要素で、基本に忠実に打点効率を求めることで、不採用デッキとの差を作ることが出来ます。またミラーに限らず2アド連動系の強い山に対してどのような打点を作るかは、クロックを進める上で非常に重要です。打点を小さく抑えて確実に進めることや確山に1パン目何点でアタックするかは、平パンしか出来ないこのデッキでは重要な要素だということです。
    また<星杏サーチ>も採用しています。これはレベル0の採用枚数を擬似的に上げてくれる1枚で、ノーコスト(ストック)サーチなのでプレイアブルなカードが1枚増える役割が大きいです。採用枚数16枚ですが、16.5枚くらいの感覚です。また<星杏>が絡む確率も約2倍にすることが出来るので、2枚採用と遜色ない活躍が見込めます。融合テキストに関しては<1連動真乃>を拾える役割がミラーでは重要なので、融合総数が3枚になるのは嬉しいところです。
    これはタイトルカップは関係ありませんが、実は数少ないシャッフル手段だったりします。主に<星杏>で電源電源という見え方をした時に、サーチテキストを空打ちすることでシャッフルすることが出来ます。だいたいサーチ先が山に存在しないので手札欠損にはなりますが、ハンド1枚でシャッフル出来るメリットの方が大きいタイミングは少なくないです。
    レベル1
    デッキの根幹となる<真乃>と<灯織>は4-4だとして、残りの枠が調整ポイント。後述しますが<1真乃>はひとつの基準であり、これを踏めずに返すのはミラーでは致命的です。そういった観点で1相殺を一時期入れていました。5枚目の1アタッカーですね。<2/1樹里>の発見により重要度が下がり、1相殺は不採用となりましたが、安定感を上げられるので採用候補ではあります。
    助太刀ですが、まずシャニに限らずミラーが多発するタイトルカップにおける修正値1500以上の助太刀は、高評価になる傾向にあります。これは同じ盤面になりがちなのでクライマックス込みでも3面とも1500以上高い数字でアタックすることが困難だからです。
    そのうえでこのタイトルカップでは1と2の真乃が重要なので、真乃を拳で返すことによって真乃が生き残って帰ってくること、そして相手の真乃がリバースすることの価値が非常に高いです。帰ってきた<1の真乃>は連動としての価値が高いです。また特に<2の真乃>は行きにリバースしてしまうと維持には行き返しで手札2枚が必要になります。維持しないと次のターンは<真乃>無しになるので、いずれの場合も拳で返す価値が高いということです。電源なので返した後にトリガー電源で上書きされるのが8電源ミラーにおける拳の裏目ですが、<2の真乃>はツインドライブの特性上2から3パン目になることが多く、上書きされるリスクが低いんですよね。
    ということで拳は<コベニ拳>と<1500拳>の2本を採用しています。<コベニ拳>は特に<逆圧縮>不採用なので相手の山を崩す役割が多く、自分の山管理に甘えられるので、自分のプレイスタイルとの相性もあり必須だと思っています。また<1500拳>はノーコスト拳というだけで一定評価出来るのですが、さらにこのカードはヒールがついてるんですよね。そもそもヒール量が4から5になるのも強いですし、2レベからヒールする選択肢はこのカードにしかない長所。また1以下のキャラなので0での電源の受けになるのも確率的には大きく、3色目ということもあり役割の多い1枚です。基本的に拾うことはありませんが引いたら離さずというプレイをすると、ゲーム中絶対に強いタイミングで使うことが出来るので採用しています。
    • gp
    レベル2
    レベル2は電源受けを4枚はネオスと変わらず。3枚は安定感の低下が大きく、5枚にするほど枚数でカバーするものでは無いという見解。<逆圧縮>型は安定感の低下を代償に山崩しが搭載できるタイプですが、山崩しは毎ゲーム必要なものではなく、今回は採用せず8電源本来の動きに忠実に勝つことを選択しています。これはミラーを練習する過程で、<逆圧縮>採用の是非以前のゲームが多かったためです。<ソウル減>は<コベニ拳>と同じく山を甘えられたり面を取るプランでは強力な防御札になる点を評価して2枚採用にしています。走りきって勝てるほど相手も自分も詰めが強いとは思っていないので、ソウル減があった方が選べるプランの勝率が高いと思っています。
    レベル3
    下重視の勝ち方を意識しているので、レベル3はなるべく抑えている形。
    下を重視するので3に上がったら走って勝つみたいなプランを取りにくく、ヒール量を意識して<ふゆこ>4。他のヒールは返しの数字がほとんど<ふゆこ>よりも低く、電源で出した時の価値がいちばん高いのが<ふゆこ>です。帰ってきたら2からの電源連動も狙えます。
    メインの詰めは<めぐる>で3。詰めとしてももちろん、黄色のレベル3という役割が大きく、メインの詰めなので3枚は欲しいところです。
    ミラーで強い<>を1。8電源の詰めは<逆圧縮>+追加ダメージというものが多く、<>配置によってかなり生存率を上げることができます。ミラーにおいて必ず配置したい1枚なので2枚でも良いくらいですが、<>以外の役割が色含めて乏しいので1枚でちゃんと管理しましょう。
    ミラーで強い<>をバウンスするための<摩美々>が1。クロック的にファイナルターンはいつか訪れるのですが、だいたい相手の山や<>が強く決めきれない事がほとんど。これを1枚で解決する<摩美々>はタイトルカップにおいて必須カードだと思います。このカード1枚で耐久プランを取るのがかなり難しくなるので、赤シフトということもあり、必ず採用すべき1枚です。
    ミラー専用のパンプ要因として<エリア>が1。使い方は後述しますがカードは弱いです。役割的にはむしろ黄色の3の4枚目というのが大きいです。<2/2真乃>が強いタイトルカップにおいて、その達成率を上げる4枚目の採用は、体感値ですが大きな大きな差があり、ここでひとつ序盤リードが出来る面もあるので、3枚と4枚の差は強く意識した方が良いでしょう。

    デッキレシピ
    クライマックス
    8


    8電源ミラーにおけるゲームプラン
    構築にも現れていますが、ここで8電源ミラーを勝つためのゲームプランの話をします。基本的には存在する各アーキタイプに対してそれぞれゲームプランを描くべきですが、今回は大多数が8電源と予想できるため、ミラーにおいて自分がどのように相手と差をつけてどのように勝ちまで持っていくのかを明確にすることが、このようなタイトルカップに望むのに必要な事だと考えています。ここが曖昧なままでは、まず参加したくありません。


    レベル3は手遅れ
    一般的にゲーム中1番重要なレベル帯がレベル3ですが、8電シャニミラーにおけるレベル3は1番軽視しています。理由は
    • 電源ミラー故レベル3先上がりのメリットがほとんどないこと
    • ヒール量を確保出来るデッキでは無いこと
    • 山の強さもレベル2以前と全く変わらないこと
    • 走った時の勝率、耐えに行く時のキャンセル率共に運の要素が大きく、どちらも劣勢な状態からスタートすること
    などなど。要は大逆転の起きにくいデッキタイプってことですね。レベル3から捲ることも出来ますが、それは配置依存が大きく、この土俵に立ってる時点で優位性は無いというお話です。


    道中優位を取るには
    レベル3で差をつけるようなプランでは無いので、道中どのように優位を取るのかを考えます。
    要素は3つ。
    • 手札リソース
    • 打点レース
    • 盤面形成
    このうち手札リソースは無理でした。連動がどちらもリソースを大きく稼ぐようなものではなく、常駐するリソース源も同じ同士。差をつけられる点が乏しく、ここは有利ポイントにはならないなと思いました。

    打点レース
    ここは広島のくだりで覚醒しました。ミラーにおける打点レースの優位をとることは可能で、意識と構築で改善出来るポイントでした。採用カードとしては星杏セットと<2/1樹里>の3枚。これらだけだと一見して分からないと思います。
    そもそもミラーにおける打点レースの優位を意識した時に、すぐに思いつくのは追加ダメージだと思います。<美希>や<記憶バーン>などを自分も試しましたが、これらはどちらもレベル3なので電源で早出しする運用が必要で、デッキの動きに上手く組み込むことが難しかったです。後述する盤面形成という要素の方がミラーにおける優位に結びつきやすく、バーンが確率であったりコスト相応の1点バーンを搭載するというのは、この打点レースの解決には物足りないものでした。
    打点レースですが、<星杏>がものすごく重要でした。役割としてはソウルパンプが大きく対1001で活躍しそうに見えますが、実はミラーでは別の役割がありました。それは、打点効率の向上です。
    打点効率とは、詳しくは別の記事で書こうと思いますが、一般的に複数回のダメージを与える時に、入る打点の期待値の高さを差します。例えば1/4の山に2点2点を作ると、何回繰り返しても2点だけ入ります。この場合の打点期待値は2です。
    一方1/4の山に1点3点を作るとどうでしょうか。25%の確率で3点入り、75%の確率で1点入るので、その打点期待値は1.5点です。ちなみに順番を変えて3点1点でも同様です。
    つまりこの場合は2点2点でアタックするのが、打点効率の良いアタックということになります。同じソウル総量であれば、均等に割り振った方が期待値が高いと認識してもらえればOKです。

    ということで戻ると、1001系のデッキは打点効率が良いんですよね。並ぶキャラは基本ソウル1。クライマックスのソウルパンプは全体に等しく+1。トリガーが乗って2点から3点も、2-2-2が2-2-3になるだけなのでだいたい平均的なソウルになるので打点効率は高いまま維持しやすいのです。
    一方電源系のデッキの打点効率は、1001系と比べると低いと言えます。まず面に並ぶキャラのソウルが1と2と違うことが多く、電源を打っても打点効率は上がりません。また大きいのがトリガーの影響で、1点2点のはずが1点3点になることも珍しくありません。これが打点効率の観点では相当弱いことで、これが8電シャニでは頻出しています。

    話をさらにカードに戻すと、キャラのソウルが等しくならない8電シャニにおいて、アタックトリガーのソウル調整と、追加でソウルパンプまで振れる<星杏>というカードを搭載することにより、採用していない相手に打点効率という面で大きなクロックアドバンテージを得られるということです。意識するのはストックにいくカードの操作より、このターンの打点効率です。ソウルは1より下げられないので、基本的には2-2-2を狙うことになります。2-2-3になっても大きな劣化はありませんが、1-2-2になるのは大きな劣化です。3パン目は確認できないので、2パン目までをいかに2点2点に抑えるかが重要ということです。

    このデッキの強みでもあるのですが、弱点でもある点として、<2/2真乃>のソウル2があります。1周目こそ強いことが多いソウル2ですが、常駐するツインドライブのソウルが2というのは、実はクロックレースにおける大きなリスクだったりします。ソウルが1番高いところでさらにトリガー乗せに行くの、弱い動きですからね。なのに<真乃>がめちゃくちゃツインドライブしまくるデッキなんですよね。これの緩和に星杏は役立ちます。

    また2-2-2を目指すと書きましたが、これは完全にこちら都合の話。相手が2-2-2を止めそうな山を作ってきた場合、2-2-2を目指すこと自体が良くないこともあります。
    そもそもなぜ2-2-2を目指すか。それはソウルは1より下にはならないから、そして隣にソウル2がいるからです。X-2-2が確定している場合、2-2-2を目指すのが効率MAXになります。
    だったらそもそも1-1-1を目指せるような構築にしようと言うのが、<2/1樹里>です。出力のパワーは<めい>と同等ながら、自身のソウルが1というのが、打点効率の面で非常に上手く機能します。山が強いが打点を進めたい、刻みたいタイミングに、高いパワーで踏みながらクロックを進めるという動きが、特にキャンセル数が重要になってくるミラーではとても強い動きになるということです。

    豊富なリソースで基本に忠実に立ち回ることこそが、シャニの強さを存分に発揮することだと考えています。そう考えるとそりゃそうなんですよね。道中平パンしか出来ないデッキで、過剰な綺麗では無いソウルでアタックしてて、相手のキャンセル強くて負けたなんて的はずれな反省過ぎますよね。
    盤面形成
    基本に忠実に。打点効率の話をしましたが、もっと基本的なことが盤面形成です。盤面は勝負から遠い要素のひとつですが、その分確実に毎ゲーム勝敗に影響する重要な要素です。面を取れないということは、そこで渡した不利をどこか他でまくるということ。特にタイトルカップは採用カードがほぼ相手と変わらないので、他でまくるということが難しく、結果的に盤面形成こそが最重要要素になることも少なくありません。シャニに関しても同様で、打点効率も大事ですが、それ以上に盤面形成が重要です。

    基本的に盤面有利は取れない
    なので盤面有利をとるためのアプローチを考える訳ですが、これがシャニではなかなか難しいんですよね。<灯織>と<めい>という2つの自ターン中パンプカードのせいで、割られないパワーラインを形成することが非常に困難になっています。アタッカーは手アン維持可能、連動でスタンドインも可能、<灯織>のおかげで何もせずとも全て上から踏める、など、特定のカードを採用して面有利に繋げるということが、ほとんど不可能でした。例えば2000応援で<真乃>と<めい>をパンプしても、相手のパンプ無しの<真乃>と<めい>にどちらも割られてしまうような構図になっています。

    点ではなく面で捉える
    ということで8電源ミラーで確かな有利を取れる算段がなく、転機は領域移動コンセプトを試していた時です。領域移動付与はアンコールを封じられるので次のターンにアタッカーを要求出来るのですが、実際はこれのカウンターとして<白連動>で返す動きが強力でした。せっかくアンコールを阻害したのに、電源連動1面で面を返されるのが微妙で、領域移動も完璧な回答にはなりませんでした。領域移動の他にも2面<真乃>のような面を作られた際に、こちらも2枚目の高レベルアタッカーを並べるのに<白連動>は最適で、このミラーは1連動セットを持っていることによる価値が高いことが分かりました。これはこの後のプレイングにも現れてきます。そしてここでやっと優位をつける算段にたどり着きました。キーは<白連動>が後半も強い所。そのカウンターになるような面形成は、優位を築くのに十分なものでした。
    具体的には、これまではどんな数字で返すか、1から2面の数字に注目していたのですが、全く逆、面の中で1番低い3面目の数字に着目したわけです。高いところ2つが簡単に踏まれるのは仕方ないので、いちばん低いところで勝負します。舞台を点ではなく、3面合わせた面で捉えて勝負するわけです。
    こう考えた時、<白連動真乃>がとても大事になってきます。まず<白連動真乃>自体ですが、これを手出しノーコストで割るカードは<白連動真乃>しかありません。1相殺を採用すればここが少し軽くなるわけですね。基本的に1連動は1連動要求になります。しかしながら、連動すれば電源で出したアタッカーをスタンドできるので、この要求自体は比較的容易に解決されてしまいます。
    ここで重要なのが、この<1連動真乃>が踏めないような面を作ることです。いちばん低い面のパワーが、<灯織>込7500を超えている場合、途端に3面踏むのがめちゃくちゃ大変な面になります。つまり1番低いところ8000。これが僕のミラーにおける答えです。
    手出しキャラ最高は<1連動真乃>なので、1番低いところ8000という面は、手出し要求です。電源ミラーにおいて手出しを強要出来たらストック面でとても有利になるでしょう。またこの最低8000を継続することが出来れば、相手は3面ともアンコールにしない限り、毎ターン手出し要求になってしまいます。ここでポイントなのが、相手の非アンコールアタッカーを、こちらはアンコールアタッカーで割れるという仕組みですね。つまり最低8000を意識することで、相手に大きな面固定を強いることが出来るわけです。

    このプランを考えた時、ミラーにおける圧倒的優位を築くパーツとして、<エリア1500>が非常に強力であることが分かりました。これはもうわかるかと思いますが、アンコール持ちのアタッカーをパンプする役割ではありません。真価は<1連動真乃>を8000にする役割なのです。もちろん<2/2真乃>11500についても<真乃>には割られないので多少役割はありますが、<1連動真乃>にチャンプさせる役割がメインです。
    またこれは数ある他のどの候補にも出来ない、<エリア1500>にしか出来ない事です。その最大の理由はこれが黄色の3であること。つまり1レベでレベル置き場置いておきたいカードで、レベル2になったら自然と控えに送られる役割のカードということです。デッキのメインの動きを全く阻害せずに配置出来るので、再現性がとても高い点がとても優秀です。後列配置→前列では10000のアタッカー→リバースされたらまた次の電源で後列配置というループが非常に強力なので、レベル2に上がったら常に面に居ることを意識したい1枚です。

    またこの面のやり取りを考えた時に、<2/1樹里>を見つけました。こちらも完璧な回答だと考えています。
    基本的に<2/2めい>との比較になりますが、負けてる点は追加テキストと行きの数字。追加テキストはあった方が強いのですが、あまりにも使わないので今回は軽視しています。行きの数字は500違いますが、このミラーではほとんど影響しないと思っています。

    それに対してメリットは大きくわけて3つ。
    1つ目は返しのパワーラインです。7500は触られるけど、8000は途端に触られなくなる話は書いた通り。<エリア>がいなくても相手に1連動スタンド要求できる点は大きく、特に<2/2真乃>が配置できなかったり経験が満たせなかった際に、<めい>を配置するのに比べて強力です。タイトルカップでは相手の<真乃>に触られるか触られないかがとても違うと考えています。
    2つ目は、手出しのしやすさです。メタとして領域移動が当たり前に採用されている可能性が高く、そうでなくとも先に書いたように相手に2レベ手出し要求するような動きはミラーにおいて有効です。そのカウンターになるのが<2/1樹里>で、手出し12000がとても強力です。これのおかげで領域移動に怯えることなく、面も取りこぼすことがほとんど無くなりました。2/1という手出しのしやすさはネオスにおいても一定の価値があります。
    3つ目は意外に思われるかもしれませんが、ソウル1であることです。これは打点効率の項で書いた内容と重複しますが、<めい>と比べた時のソウル1を、僕はメリットだと思っています。<1真乃>に踏まれない面形成が進むと、大きなキャラを大きなキャラで踏むことが増えるのですが、この時のソウルは基本的に2スタートです。山が弱い1周目は1点でアタックして、強くなった2周目以降は2点からアタックするのって、おかしくないですか?勿体ないですよね。このせいでキャンセルを誘発して面取っていても逆転される。キャンセル数が大きいミラーなのに相手のキャンセルを誘発するようなソウルでアタックし合っている。これがめい採用のミラーです。ここから<2/1樹里>は解き放たれることが出来ます。大きなキャラを細かいソウルで踏むので、面を取りつつクロックを進めることが出来、ミラーではより堅実にアドバンテージを勝ちに還元する役割を担っています。

    このように8電源というデッキの特性、メタられ方、勝ちパターン負けパターンを鑑みた時に、<エリア1500>と<2/1樹里>という面のやり取りの回答にたどり着いたのです。このふたつを搭載した時、タイトルカップを優勝できる実感が一気に現実になりました。



    最終回の次回は、実際にどのようなことを意識し、どのように有利を取りにいったのかと、ネオスタンダードでのミラーとの違いについてお話します。

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