
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【2】
目次
- 『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【1】
- 『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【2】
8電源を選ぶという結論
ここまでやって結局この結論かいって感じかもしれないですけど、ここまで2ヶ月近く研究した成果が、既存の8電源という選択が1番良いというものでした。その理由は色々あるのですが、決め手は<2/2真乃>というカードの圧倒的カードパワーです。これはタイトルカップの研究が進むにつれて、ネオスタンダードでは感じられなかった位のカードパワーを感じることが出来てきました。2/2真乃が強い話
経験を満たせた場合、<2/2真乃>の圧倒的と言えるカードパワーは、数字とツインドライブにあります。ノーコストで処理されることやアンコールをメタられることこそありますが、それを要求出来ている時点で<真乃>というカードは圧倒的に強いと思いました。メタれるけどメタる側もしんどいってやつですね。特にツインドライブの価値が非常に高く、ストック浄化の観点で他のキャラとの明確な差が生まれています。アンコールメタに対する結論
ということで結論としては、この強力な<2/2真乃>を押し付け続けるというコンセプトの8電源が1番強力という結論になりました。宝電源では<真乃>こそ使えるものの、素出しの割合が多くなったり、処理されたあとの<真乃>再登場の動きが弱くなりがちでした。ネオスタンダードでは<灯織>のための8電源ですが、タイトルカップでは<2/2真乃>のための8電源なわけです。舞台の<真乃>が様々メタられても、強力な<2/2真乃>をトリガー電源で何度も登場させる動きが強いという結論です。舞台の数字に関する結論
<2/2真乃>が強力という結論になったので、これをメタる11500以上複数面のコンセプトは、相対的に強力に感じました。実際にこれを実現するのは宝電源におけるエリア+比例+<真乃>の115や、<緑夏葉>、記憶型などが有力候補ですが、それぞれに対して結論を出しました。まず115に対しては、後述する新たに採用しているエリア1500が非常に強力で、完璧な回答になっています。また<緑夏葉>は継続性という難しさの観点で上手くデッキに出来なかったので、メタとしても数字ではなく他で勝つという戦略をとりました。記憶型は研究が進むにつれて、いくつかの構造上の欠点が浮き彫りになり、こちらもタイトルカップで勝てるデッキにはならなそうという結論になったので、マッチングした際は他で勝つという戦略をとることにしています。ざっくり言うと、この面のやり取りを中盤の話としたとき、記憶型は中盤が強い代わりに序盤だけでなく終盤もあまり強くないという結論になっています。序盤に関しては記憶達成のためにどうしてもカードパワーが少し落ちてしまう事が起因で、後半に関しては<楓>と<円香>の比較が、タイトルカップでの<楓>配置の強さの方が勝っているという点です。大量ヒール出来るデッキでは無いので、<円香>のおかげで面では勝ってるけど最後<楓>でしぶとく耐えられて、押し込まれて負けという展開が非常に多かったです。アド連動に対する結論
先にあげたような連動達は、どれも早く山を作る事が出来る連動で、8電源側が押し込まれる可能性があります。それでも8電源を選ぶ理由は、8電源側でそれに対応した構築やプレイに寄せることで、こういった不利を軽減できたからです。詰めの観点では、アド連動側もリソース量を満足に勝率に還元することが難しく、8電源側の電源で配置された<めぐる>が結局強力という結論になっています。なので中盤以降は多少不利だが戦えない訳ではなく、打点レースだけ見ていれば、<めぐる>で勝ち切ることが意外と容易というお話です。タイトルカップ用8電源の研究
8電源を使うというのは、決して既存のまま持っていくというわけではありません。8電源というアーキタイプは継続しつつ、タイトルカップで優位の取れる構築やプレイを確立するという意味なので、もしここが上手くいかなかったら、あまり参加したいタイトルカップではなかったという結論になってしまいます。ここからはタイトルカップに寄せた考え方が多くちりばめられた、実際に使用したリストについて説明しようと思います。ミラーの考え方として、<1の真乃>、<2の真乃>が、かなり重要になってきます。なぜかという話は後述しますが、ここではとりあえず重要である前提で読み進めてもらえればと思います。
レベル0
レベル0は色々考えましたが、結局ほとんど既存踏襲のカードパワー重視の構成になっています。パワーラインの観点では3500とそれを超える4000が重要なラインですが、<灯織>が絡むと4500オーバーを初ターンに出せるため価値があまり高くなく、構築上の優位を確立させる要素ではないと判断しています。また総枚数は重要で、このリストでは16枚になっています。ここが多いほど安定感が上がり、0で優位を築きやすくなるのですが、色々試した結果、総枚数を増やすことによる安定感の向上という戦術は取らない事にしました。採用枚数を増やすことはデッキのバランスを歪めるデメリットがあり、メリットは確率的なものです。特にミラーにおいては前半の確率的なメリットよりも、後半のカードパワーの強さの方がゲームに与える影響度が高いので、構築を歪めるのはリスクの方が高いという判断です。代わりにマリガンを初めとしたプレイを変更することで、0の不安定感をカバー、割り切っています。星杏セット
タイトルカップに関する考え方で重要なのが、この星杏セットです。これはタイトルカップ最初の開催である広島地区のタイトルカップにおいて徹底されており得た知見なのですが、トリガー操作による打点効率の向上が非常に強力です。具体的には1点を作らないこと、3点を作らないことなど、常に打点効率最大のアタックを心がける事が<星杏>のおかげで可能になり、これが思っていたよりも重要な要素だということです。そもそもこれはネオスにおいても同じですが、8電源シャニは道中の平パンで打点を進めていくデッキです。そしてこの道中の平パンの通りがゲーム結果に直結していきます。道中の平パンでどこまで入るかがどれだけ重要かは、特に使用者であれば認識しているところでしょう。
<星杏>というカードはここに介入出来る数少ないカードなんですよね。これだけ重要な道中の平パンの効率に関与出来るのは、特にこのタイトルカップにおいては非常に重要な要素で、基本に忠実に打点効率を求めることで、不採用デッキとの差を作ることが出来ます。またミラーに限らず2アド連動系の強い山に対してどのような打点を作るかは、クロックを進める上で非常に重要です。打点を小さく抑えて確実に進めることや確山に1パン目何点でアタックするかは、平パンしか出来ないこのデッキでは重要な要素だということです。
また<星杏サーチ>も採用しています。これはレベル0の採用枚数を擬似的に上げてくれる1枚で、ノーコスト(ストック)サーチなのでプレイアブルなカードが1枚増える役割が大きいです。採用枚数16枚ですが、16.5枚くらいの感覚です。また<星杏>が絡む確率も約2倍にすることが出来るので、2枚採用と遜色ない活躍が見込めます。融合テキストに関しては<1連動真乃>を拾える役割がミラーでは重要なので、融合総数が3枚になるのは嬉しいところです。
これはタイトルカップは関係ありませんが、実は数少ないシャッフル手段だったりします。主に<星杏>で電源電源という見え方をした時に、サーチテキストを空打ちすることでシャッフルすることが出来ます。だいたいサーチ先が山に存在しないので手札欠損にはなりますが、ハンド1枚でシャッフル出来るメリットの方が大きいタイミングは少なくないです。
レベル1
デッキの根幹となる<真乃>と<灯織>は4-4だとして、残りの枠が調整ポイント。後述しますが<1真乃>はひとつの基準であり、これを踏めずに返すのはミラーでは致命的です。そういった観点で1相殺を一時期入れていました。5枚目の1アタッカーですね。<2/1樹里>の発見により重要度が下がり、1相殺は不採用となりましたが、安定感を上げられるので採用候補ではあります。助太刀ですが、まずシャニに限らずミラーが多発するタイトルカップにおける修正値1500以上の助太刀は、高評価になる傾向にあります。これは同じ盤面になりがちなのでクライマックス込みでも3面とも1500以上高い数字でアタックすることが困難だからです。
そのうえでこのタイトルカップでは1と2の真乃が重要なので、真乃を拳で返すことによって真乃が生き残って帰ってくること、そして相手の真乃がリバースすることの価値が非常に高いです。帰ってきた<1の真乃>は連動としての価値が高いです。また特に<2の真乃>は行きにリバースしてしまうと維持には行き返しで手札2枚が必要になります。維持しないと次のターンは<真乃>無しになるので、いずれの場合も拳で返す価値が高いということです。電源なので返した後にトリガー電源で上書きされるのが8電源ミラーにおける拳の裏目ですが、<2の真乃>はツインドライブの特性上2から3パン目になることが多く、上書きされるリスクが低いんですよね。
ということで拳は<コベニ拳>と<1500拳>の2本を採用しています。<コベニ拳>は特に<逆圧縮>不採用なので相手の山を崩す役割が多く、自分の山管理に甘えられるので、自分のプレイスタイルとの相性もあり必須だと思っています。また<1500拳>はノーコスト拳というだけで一定評価出来るのですが、さらにこのカードはヒールがついてるんですよね。そもそもヒール量が4から5になるのも強いですし、2レベからヒールする選択肢はこのカードにしかない長所。また1以下のキャラなので0での電源の受けになるのも確率的には大きく、3色目ということもあり役割の多い1枚です。基本的に拾うことはありませんが引いたら離さずというプレイをすると、ゲーム中絶対に強いタイミングで使うことが出来るので採用しています。
レベル2
レベル2は電源受けを4枚はネオスと変わらず。3枚は安定感の低下が大きく、5枚にするほど枚数でカバーするものでは無いという見解。<逆圧縮>型は安定感の低下を代償に山崩しが搭載できるタイプですが、山崩しは毎ゲーム必要なものではなく、今回は採用せず8電源本来の動きに忠実に勝つことを選択しています。これはミラーを練習する過程で、<逆圧縮>採用の是非以前のゲームが多かったためです。<ソウル減>は<コベニ拳>と同じく山を甘えられたり面を取るプランでは強力な防御札になる点を評価して2枚採用にしています。走りきって勝てるほど相手も自分も詰めが強いとは思っていないので、ソウル減があった方が選べるプランの勝率が高いと思っています。
レベル3
下重視の勝ち方を意識しているので、レベル3はなるべく抑えている形。下を重視するので3に上がったら走って勝つみたいなプランを取りにくく、ヒール量を意識して<ふゆこ>4。他のヒールは返しの数字がほとんど<ふゆこ>よりも低く、電源で出した時の価値がいちばん高いのが<ふゆこ>です。帰ってきたら2からの電源連動も狙えます。
メインの詰めは<めぐる>で3。詰めとしてももちろん、黄色のレベル3という役割が大きく、メインの詰めなので3枚は欲しいところです。
ミラーで強い<楓>を1。8電源の詰めは<逆圧縮>+追加ダメージというものが多く、<楓>配置によってかなり生存率を上げることができます。ミラーにおいて必ず配置したい1枚なので2枚でも良いくらいですが、<楓>以外の役割が色含めて乏しいので1枚でちゃんと管理しましょう。
ミラーで強い<楓>をバウンスするための<摩美々>が1。クロック的にファイナルターンはいつか訪れるのですが、だいたい相手の山や<楓>が強く決めきれない事がほとんど。これを1枚で解決する<摩美々>はタイトルカップにおいて必須カードだと思います。このカード1枚で耐久プランを取るのがかなり難しくなるので、赤シフトということもあり、必ず採用すべき1枚です。
ミラー専用のパンプ要因として<エリア>が1。使い方は後述しますがカードは弱いです。役割的にはむしろ黄色の3の4枚目というのが大きいです。<2/2真乃>が強いタイトルカップにおいて、その達成率を上げる4枚目の採用は、体感値ですが大きな大きな差があり、ここでひとつ序盤リードが出来る面もあるので、3枚と4枚の差は強く意識した方が良いでしょう。
デッキレシピ
レベル0
計16枚
レベル3
計10枚
8電源ミラーにおけるゲームプラン
構築にも現れていますが、ここで8電源ミラーを勝つためのゲームプランの話をします。基本的には存在する各アーキタイプに対してそれぞれゲームプランを描くべきですが、今回は大多数が8電源と予想できるため、ミラーにおいて自分がどのように相手と差をつけてどのように勝ちまで持っていくのかを明確にすることが、このようなタイトルカップに望むのに必要な事だと考えています。ここが曖昧なままでは、まず参加したくありません。レベル3は手遅れ
一般的にゲーム中1番重要なレベル帯がレベル3ですが、8電シャニミラーにおけるレベル3は1番軽視しています。理由は- 電源ミラー故レベル3先上がりのメリットがほとんどないこと
- ヒール量を確保出来るデッキでは無いこと
- 山の強さもレベル2以前と全く変わらないこと
- 走った時の勝率、耐えに行く時のキャンセル率共に運の要素が大きく、どちらも劣勢な状態からスタートすること
道中優位を取るには
レベル3で差をつけるようなプランでは無いので、道中どのように優位を取るのかを考えます。要素は3つ。
- 手札リソース
- 打点レース
- 盤面形成
打点レース
ここは広島のくだりで覚醒しました。ミラーにおける打点レースの優位をとることは可能で、意識と構築で改善出来るポイントでした。採用カードとしては星杏セットと<2/1樹里>の3枚。これらだけだと一見して分からないと思います。そもそもミラーにおける打点レースの優位を意識した時に、すぐに思いつくのは追加ダメージだと思います。<美希>や<記憶バーン>などを自分も試しましたが、これらはどちらもレベル3なので電源で早出しする運用が必要で、デッキの動きに上手く組み込むことが難しかったです。後述する盤面形成という要素の方がミラーにおける優位に結びつきやすく、バーンが確率であったりコスト相応の1点バーンを搭載するというのは、この打点レースの解決には物足りないものでした。
打点レースですが、<星杏>がものすごく重要でした。役割としてはソウルパンプが大きく対1001で活躍しそうに見えますが、実はミラーでは別の役割がありました。それは、打点効率の向上です。
打点効率とは、詳しくは別の記事で書こうと思いますが、一般的に複数回のダメージを与える時に、入る打点の期待値の高さを差します。例えば1/4の山に2点2点を作ると、何回繰り返しても2点だけ入ります。この場合の打点期待値は2です。
一方1/4の山に1点3点を作るとどうでしょうか。25%の確率で3点入り、75%の確率で1点入るので、その打点期待値は1.5点です。ちなみに順番を変えて3点1点でも同様です。
つまりこの場合は2点2点でアタックするのが、打点効率の良いアタックということになります。同じソウル総量であれば、均等に割り振った方が期待値が高いと認識してもらえればOKです。
ということで戻ると、1001系のデッキは打点効率が良いんですよね。並ぶキャラは基本ソウル1。クライマックスのソウルパンプは全体に等しく+1。トリガーが乗って2点から3点も、2-2-2が2-2-3になるだけなのでだいたい平均的なソウルになるので打点効率は高いまま維持しやすいのです。
一方電源系のデッキの打点効率は、1001系と比べると低いと言えます。まず面に並ぶキャラのソウルが1と2と違うことが多く、電源を打っても打点効率は上がりません。また大きいのがトリガーの影響で、1点2点のはずが1点3点になることも珍しくありません。これが打点効率の観点では相当弱いことで、これが8電シャニでは頻出しています。
話をさらにカードに戻すと、キャラのソウルが等しくならない8電シャニにおいて、アタックトリガーのソウル調整と、追加でソウルパンプまで振れる<星杏>というカードを搭載することにより、採用していない相手に打点効率という面で大きなクロックアドバンテージを得られるということです。意識するのはストックにいくカードの操作より、このターンの打点効率です。ソウルは1より下げられないので、基本的には2-2-2を狙うことになります。2-2-3になっても大きな劣化はありませんが、1-2-2になるのは大きな劣化です。3パン目は確認できないので、2パン目までをいかに2点2点に抑えるかが重要ということです。
このデッキの強みでもあるのですが、弱点でもある点として、<2/2真乃>のソウル2があります。1周目こそ強いことが多いソウル2ですが、常駐するツインドライブのソウルが2というのは、実はクロックレースにおける大きなリスクだったりします。ソウルが1番高いところでさらにトリガー乗せに行くの、弱い動きですからね。なのに<真乃>がめちゃくちゃツインドライブしまくるデッキなんですよね。これの緩和に星杏は役立ちます。
また2-2-2を目指すと書きましたが、これは完全にこちら都合の話。相手が2-2-2を止めそうな山を作ってきた場合、2-2-2を目指すこと自体が良くないこともあります。
そもそもなぜ2-2-2を目指すか。それはソウルは1より下にはならないから、そして隣にソウル2がいるからです。X-2-2が確定している場合、2-2-2を目指すのが効率MAXになります。
だったらそもそも1-1-1を目指せるような構築にしようと言うのが、<2/1樹里>です。出力のパワーは<めい>と同等ながら、自身のソウルが1というのが、打点効率の面で非常に上手く機能します。山が強いが打点を進めたい、刻みたいタイミングに、高いパワーで踏みながらクロックを進めるという動きが、特にキャンセル数が重要になってくるミラーではとても強い動きになるということです。
豊富なリソースで基本に忠実に立ち回ることこそが、シャニの強さを存分に発揮することだと考えています。そう考えるとそりゃそうなんですよね。道中平パンしか出来ないデッキで、過剰な綺麗では無いソウルでアタックしてて、相手のキャンセル強くて負けたなんて的はずれな反省過ぎますよね。
盤面形成
基本に忠実に。打点効率の話をしましたが、もっと基本的なことが盤面形成です。盤面は勝負から遠い要素のひとつですが、その分確実に毎ゲーム勝敗に影響する重要な要素です。面を取れないということは、そこで渡した不利をどこか他でまくるということ。特にタイトルカップは採用カードがほぼ相手と変わらないので、他でまくるということが難しく、結果的に盤面形成こそが最重要要素になることも少なくありません。シャニに関しても同様で、打点効率も大事ですが、それ以上に盤面形成が重要です。基本的に盤面有利は取れない
なので盤面有利をとるためのアプローチを考える訳ですが、これがシャニではなかなか難しいんですよね。<灯織>と<めい>という2つの自ターン中パンプカードのせいで、割られないパワーラインを形成することが非常に困難になっています。アタッカーは手アン維持可能、連動でスタンドインも可能、<灯織>のおかげで何もせずとも全て上から踏める、など、特定のカードを採用して面有利に繋げるということが、ほとんど不可能でした。例えば2000応援で<真乃>と<めい>をパンプしても、相手のパンプ無しの<真乃>と<めい>にどちらも割られてしまうような構図になっています。
点ではなく面で捉える
ということで8電源ミラーで確かな有利を取れる算段がなく、転機は領域移動コンセプトを試していた時です。領域移動付与はアンコールを封じられるので次のターンにアタッカーを要求出来るのですが、実際はこれのカウンターとして<白連動>で返す動きが強力でした。せっかくアンコールを阻害したのに、電源連動1面で面を返されるのが微妙で、領域移動も完璧な回答にはなりませんでした。領域移動の他にも2面<真乃>のような面を作られた際に、こちらも2枚目の高レベルアタッカーを並べるのに<白連動>は最適で、このミラーは1連動セットを持っていることによる価値が高いことが分かりました。これはこの後のプレイングにも現れてきます。そしてここでやっと優位をつける算段にたどり着きました。キーは<白連動>が後半も強い所。そのカウンターになるような面形成は、優位を築くのに十分なものでした。具体的には、これまではどんな数字で返すか、1から2面の数字に注目していたのですが、全く逆、面の中で1番低い3面目の数字に着目したわけです。高いところ2つが簡単に踏まれるのは仕方ないので、いちばん低いところで勝負します。舞台を点ではなく、3面合わせた面で捉えて勝負するわけです。
こう考えた時、<白連動真乃>がとても大事になってきます。まず<白連動真乃>自体ですが、これを手出しノーコストで割るカードは<白連動真乃>しかありません。1相殺を採用すればここが少し軽くなるわけですね。基本的に1連動は1連動要求になります。しかしながら、連動すれば電源で出したアタッカーをスタンドできるので、この要求自体は比較的容易に解決されてしまいます。
ここで重要なのが、この<1連動真乃>が踏めないような面を作ることです。いちばん低い面のパワーが、<灯織>込7500を超えている場合、途端に3面踏むのがめちゃくちゃ大変な面になります。つまり1番低いところ8000。これが僕のミラーにおける答えです。
手出しキャラ最高は<1連動真乃>なので、1番低いところ8000という面は、手出し要求です。電源ミラーにおいて手出しを強要出来たらストック面でとても有利になるでしょう。またこの最低8000を継続することが出来れば、相手は3面ともアンコールにしない限り、毎ターン手出し要求になってしまいます。ここでポイントなのが、相手の非アンコールアタッカーを、こちらはアンコールアタッカーで割れるという仕組みですね。つまり最低8000を意識することで、相手に大きな面固定を強いることが出来るわけです。
このプランを考えた時、ミラーにおける圧倒的優位を築くパーツとして、<エリア1500>が非常に強力であることが分かりました。これはもうわかるかと思いますが、アンコール持ちのアタッカーをパンプする役割ではありません。真価は<1連動真乃>を8000にする役割なのです。もちろん<2/2真乃>11500についても<真乃>には割られないので多少役割はありますが、<1連動真乃>にチャンプさせる役割がメインです。
またこれは数ある他のどの候補にも出来ない、<エリア1500>にしか出来ない事です。その最大の理由はこれが黄色の3であること。つまり1レベでレベル置き場置いておきたいカードで、レベル2になったら自然と控えに送られる役割のカードということです。デッキのメインの動きを全く阻害せずに配置出来るので、再現性がとても高い点がとても優秀です。後列配置→前列では10000のアタッカー→リバースされたらまた次の電源で後列配置というループが非常に強力なので、レベル2に上がったら常に面に居ることを意識したい1枚です。
またこの面のやり取りを考えた時に、<2/1樹里>を見つけました。こちらも完璧な回答だと考えています。
基本的に<2/2めい>との比較になりますが、負けてる点は追加テキストと行きの数字。追加テキストはあった方が強いのですが、あまりにも使わないので今回は軽視しています。行きの数字は500違いますが、このミラーではほとんど影響しないと思っています。
それに対してメリットは大きくわけて3つ。
1つ目は返しのパワーラインです。7500は触られるけど、8000は途端に触られなくなる話は書いた通り。<エリア>がいなくても相手に1連動スタンド要求できる点は大きく、特に<2/2真乃>が配置できなかったり経験が満たせなかった際に、<めい>を配置するのに比べて強力です。タイトルカップでは相手の<真乃>に触られるか触られないかがとても違うと考えています。
2つ目は、手出しのしやすさです。メタとして領域移動が当たり前に採用されている可能性が高く、そうでなくとも先に書いたように相手に2レベ手出し要求するような動きはミラーにおいて有効です。そのカウンターになるのが<2/1樹里>で、手出し12000がとても強力です。これのおかげで領域移動に怯えることなく、面も取りこぼすことがほとんど無くなりました。2/1という手出しのしやすさはネオスにおいても一定の価値があります。
3つ目は意外に思われるかもしれませんが、ソウル1であることです。これは打点効率の項で書いた内容と重複しますが、<めい>と比べた時のソウル1を、僕はメリットだと思っています。<1真乃>に踏まれない面形成が進むと、大きなキャラを大きなキャラで踏むことが増えるのですが、この時のソウルは基本的に2スタートです。山が弱い1周目は1点でアタックして、強くなった2周目以降は2点からアタックするのって、おかしくないですか?勿体ないですよね。このせいでキャンセルを誘発して面取っていても逆転される。キャンセル数が大きいミラーなのに相手のキャンセルを誘発するようなソウルでアタックし合っている。これがめい採用のミラーです。ここから<2/1樹里>は解き放たれることが出来ます。大きなキャラを細かいソウルで踏むので、面を取りつつクロックを進めることが出来、ミラーではより堅実にアドバンテージを勝ちに還元する役割を担っています。
このように8電源というデッキの特性、メタられ方、勝ちパターン負けパターンを鑑みた時に、<エリア1500>と<2/1樹里>という面のやり取りの回答にたどり着いたのです。このふたつを搭載した時、タイトルカップを優勝できる実感が一気に現実になりました。
最終回の次回は、実際にどのようなことを意識し、どのように有利を取りにいったのかと、ネオスタンダードでのミラーとの違いについてお話します。