-構築編-ではWPSの優勝レシピを解説していきます。
各カードの解説をしつつ、回す上でのポイントを随所で含めていきます。
まずはレシピの再掲から。
ルリグデッキ
◇ビクトリアン・バウンダリー
当然面空けに使うのですが、具体的には以下のように使います。
・<ダイホウイカ>×2+1面空けで3面要求
・エナに貯まった<アルファード>をトラッシュに落としつつ、リフレッシュに入る
・<ルーブル>、<デュエリ>といった<キス>連打の障害となるシグニを除去する
前編では決勝のユキ戦で大活躍しており、効果無効で無力化しがちな<ダイホウイカ>に代わる詰め要求要員となりました。
◇震亜動地 / 羅星 ≡アンタレス≡
実際、WPS3連戦の中でも最終日にのみ採用しており、2日目までは2枚目の<アンダーワン>でした。
現環境はタマ(<インデックス>)、ユキ(<ウィップ>)、2遊月(<昇拳>&<物語>)、ピルルク(<クリシ>&<物語>)、あーや(<PRANK>&<物語>)、2アン(<激奏>)、グズ子(<ペイン・バイ・ペイン>)とユニークスペルを採用するレシピが多いため、ノーパンで確実にエナを絞るために<アンダーワン>は重要で、2枚積んでもほぼ腐らないと考えていました。
確かに相手によってはよく刺さったのですが、蘇我WPSで<アンダーワン>を完全に腐らせ同じルリグに2敗を喫しました。
それは・・・
カーニバル
ユニークスペルを採用しておらず、<アンダーワン>が見事に腐るのですが、それに加えスペル以外でのエナチャージ手段が多いのも問題です。
<コニプラ>位は知っていましたが、<スペースパ>のアタックや<テンドウ>起動で自分のライフを割るという手段もあります。
<テンドウ>はジョーカーでコピーできるため、Lv4へグロウされると相当厄介です。
後攻だと相手がエナチャ要員を引かないことを祈るしかなくなりますが、せめて先攻ならノーパンされてもエナを貯めて4へグロウし、そのまま<キス>を連打しきって7点削れるようにしたいところです。
但しノーパンされるとこちらのエナが少なく、以前のアーツ構成だと安定して1ターンで7点削りきるのは難しかったです。
そこで、カーニバル相手に腐る<アンダーワン>を1枚に減らし、空いた枠に<キス>連打補助の<震亜動地>を投入しました。
基本的にはシグニ回収効果で<アルファード>、<シャチ>等の<キス>連打の補助パーツを回収します。
その他、2遊月等ユニークスペルを連打してくる相手には、先にエナチャージしておいてアンダーワンの使用回数を増やすことも可能です。
宇宙シグニを切る必要がある分、<アンダーワン>2枚に比べてスペルは止めづらくなっていますが、スペルの無い相手に<アンダーワン>を2枚腐らせるよりはマシです。
また、コストとして切る宇宙シグニとして<アンタレス>を1枚投入しています。
ただ、ここまで読んで気になる方が居るかもしれません。
「コストが<アンタレス>1枚だけだと腐らない???」
結論としては以下の通り、大した問題ではないです。
1.アンタレスへのアクセス手段
エルドラは水獣しかサーチできない・・・?
そんなことはありません。
こんなカードがあります。
SPADE WORK
2.実は宇宙シグニでした
このキスドラ、実は宇宙シグニが5枚投入されているんです!何か分かりますか・・・?
羅星 アルファード
<アルファード>を切る動きはあまり強くないですが、アンタレスにアクセスできない場合でも、アルファード1枚を切ってアルファード2枚を回収するといった非常手段が存在しています。
最初は<ペイチャ>でエナを伸ばす位かと考えていましたが、<アルファード>が宇宙シグニであることを思い出し、<震亜動地>の採用に思い至りました。
ただの<アンタレス>が好きなシグニ2枚に化けると考えると、このカードの実力の高さが分かりますね。
◇クリティカル・ショット / 音階の右律 トオン
むしろ、「攻め」にこそ力を発揮すると言っても過言ではありません。
ただの1点回復ではなく、「2ドロー」できることがポイントです。
自分のターンに使用すれば、2枚ドローしつつ好きなカードをライフトップに埋められます。
<キス>連打を回す中で、ユニークスペルが足りない、<アルファード>が足りない、<ナフシュ>等のライフ操作手段が足りないといったトラブルはしばしば発生します。
そういった時にとりあえず2ドローすればトップ解決できる可能性があります。
直接トップ解決できなくても、トップから<PLUS RUSH>や<シャチ>を引ければ追加ドローで解決できる目もあります。
単なる防御アーツにとどまらず、<キス>連打を補助できるという点が<ドント・アクト>との大きな違いです。
◇ダブル・チャクラム
攻防にバランスよく働いてくれます。
・速攻対策
1エナで1面止められるのは偉いです。
Lv3までグロウできれば、回収して2面まで止められます。
・カード回収
<キス>連打が止まりかけた時に使うと、何か突破口を開けるかもしれません。
またまたトップ解決頼みというのはいい加減が気もしますが、あって困ることは無いです。
・不要エナをトラッシュ送り
<ビクトリアン・バウンダリー>と似た使い方ですが、不要なエナをコストとしてトラッシュに送り、リフレッシュ後のデッキに戻すことができます。
<キス>連打に必要なのは、Lv4へのグロウ及び<SPRASH>のコストとなる青エナだけなので、それ以外の色エナはコストとして支払いやすいという点で噛み合っています。
メインデッキ
◇幻水 メダカ
「メダカを制する者はキスドラを制す」と言える位に、キスドラを回す上で使い方が重要な1枚だと思います。
<キス>連打の中でデッキトップのLB持ちをトラッシュに送り、<ナフシュ>・<PLUS RUSH>で埋まるライフをLB無しにするというのが基本的な使い方ですが、覚えておきたいポイントが2つあります。
1.序盤の使い方
Lv1シグニである以上、序盤から立てる機会は多いですが、序盤の使い方がLv4以降の回しやすさに直結します。LB持ちなら落とし、LB無しなら残すという選択が必ずしも正しいとは限りません。
以下の2点を考慮し、デッキトップを落とすかについて正しい判断ができるようになりましょう。
・すぐにライフへ埋める手段はあるか?
例えデッキトップがLB無しだとしても、すぐにライフへ埋められないのであれば意味がありません。
逆に<ナフシュ>や<PLUS RUSH>とセットで引けているのであれば、そのままライフトップに移し、ライフトップをLB無しに確定させることができます。
Lv4グロウまでに3ターンあるのですから、ただ暇を持て余すのではなく、相手のライフトップをLBに変える位はしておいた方が良いでしょう。
・相手にとって引きたいカードか?
デッキトップがユニークスペルや<エカリーテ>、<コニプラ>といったエナチャ手段であった場合、たとえLB無しであったとしても次のターンに引かれないようにする必要があります。
同時に<ナフシュ>を引けていればライフトップに移動させれば良いですが、無い場合には<メダカ>の効果でそのままトラッシュ送りにすると良いでしょう。
逆にLB持ちであったとしても、Lv4以降でしか活躍しないような高レベルシグニであれば、トラッシュに送らずそのまま相手にドローさせることで、有効なカードへのアクセスを遅らせることができます。
読んでみれば当たり前のことですが、実戦でいつも正しい判断をできるようになれば、より確実に勝てるようになるでしょう。
2.イダビウオとの関係
水獣シグニ全般に言えることですが、<キス>連打の過程で<イダビウオ>の能力を無駄なく使えるように水獣シグニの出し方を工夫する必要があります。具体的には、以下の状況ではどの順番で水獣シグニを出すのが正解でしょう?
手札:<メダカ>×1、<ナフシュ>×2(相手のライフトップがLB持ちであることは既知)
ⅰメダカ→ナフシュ→ナフシュ
まずデッキトップを確認して、その後<ナフシュ>で埋めるという順序で一見自然に思えます。
・・・が、通常この順序で出すのは損です!
相手のデッキトップがLB持ちの場合、<メダカ>でデッキトップをトラッシュに送り、その後謎のデッキトップを1体目の<ナフシュ>でライフトップに移動させることになります。
この時、1体目の<ナフシュ>で仕込んだカードがLB持ちが分からないため、確認するために2体目の<ナフシュ>等の水獣シグニを出す必要があります。
ここでライフトップがLB無しだった場合、折角出した2体目の<ナフシュ>の効果を使わずにリムーブすることとなり、損です。
ⅱナフシュ→メダカ→ナフシュ
まず謎のデッキトップをライフトップに移し、その後確認用の水獣シグニとして<メダカ>を出すという流れになります。
ここでライフトップがLB無しの場合、そのまま<メダカ>をリムーブすることになりますが、確認用のシグニに<メダカ>を出すか<ナフシュ>を出すかで差が出ます。
<ナフシュ>の場合はただ場に出ただけでトラッシュ送りにされますが、メダカの場合は出現時能力を使った上でリムーブできるため、無駄がありません。
<ナフシュ>を出して即リムーブ→ライフトップがLB無しだと確認しただけ
<メダカ>を出して即リムーブ→ライフトップがLB無しだと確認したことに加え、相手のデッキトップも確認
どちらがお得かは一目瞭然ですね。
ライフトップを<ナフシュ>等で入れ替え、LB持ちか分からないから確認したいという時に気軽に出せるという点で、<メダカ>は優秀な偵察役だと言えます。
◇幻水 シャチ
(<シャチ>のここがエライ!)
・2ドローで一気にデッキを掘れる
・<キス>はすぐにバニッシュされるため、ダウン状態でも関係なし
・水獣シグニなので、登場時に<イダビウオ>効果でライフトップを確認できる
・序盤にチャージする青エナが無い時にチャージできる
2ドローできれば格段に<キス>を連打しやすくなるため、まぁ試しに入れてみてくださいとお勧めできる1枚です。
◇幻水 キス
「<キス>の1ドローする自動能力は、<PLUS RUSH>や<ナフシュ>でも誘発する」
ということです。
基本的に<キス>の能力は、効果で出して出現時能力発動→自動能力が誘発し、1ドローという順番で使う上、1ドローできるのはターン1であるため、他の方法で1ドローを誘発させることはあり得ません。
・・・が、<キス>の2枚目をドローした場合には話が変わります。
例えば以下の流れは割と実戦でも生じる展開ではないでしょうか。
(1)<キス>Aを効果で場に出し、相手ライフをトラッシュに送りつつ1ドロー。この時、<イダビウオ>効果でライフトップがLB持ちであることが判明。
(2)<キス>Aをリムーブし、手札の<キス>Bを出す。その後<ナフシュ>でライフを入れ替え、<キス>Bの自動能力が誘発して1ドロー。
(3)<キス>Bにユニークスペルを当ててバニッシュし、以下<キス>Aが場にいた頃と同様に<キス>を連打。<キス>Bは1ドローした後にエナに移動しているため、自動能力のターン1制限はリセットされる。
手札に居るだけでは何の役にも立たない<キス>Bですが、Aをリムーブして出し直すことで、自動能力により別の1枚をドローすることができます。
手札1枚が<キス>連打の成否を左右することもありますので、覚えておいて損は無いかと思います。
不採用カード
◇水天一碧
矢向チーム戦では採用していたのですが、以下の理由により使い勝手が悪いと感じました。
・緑エナがエナに無いことが多い
・メインフェイズに回収アーツを使いたい場面はノーパンされた時が多いが、そもそもノーパンされた状態で4エナ貯めるのは難しい
◇クライシス・チャンス
「エナに落とすカードを選べない」
このデッキは<アルファード>×4、<物語>×4、<アンタレス>×1、<贈呈>×3、<トオン>×1と青以外のカードが13枚投入されており、2枚とも青エナが落ちる確率は50%程度しかありません。
<アルファード>や<物語>がエナに落ちると後の処置が面倒ですし、わざわざアーツ1枠割くまでの価値はないと考え、不採用としました。
◇コードハート A・M・S
一応下記の理由で不採用としていましたが、対ユキの勝率を上げたければ採用した方が良いでしょう。
・<リンダー>等に対する耐性を得るにはスペルをトラッシュに貯める必要があるが、必ずしも5枚用意できるとは限らない
・エルドラ起動で呼べない
・1ターンで仕留められなかった場合、次のターンに除去能力を使うにはスペルを3回使う必要がある
エナを絞りつつライフを0まで削り、以降詰め要求をし続けるというデッキのため、複数ターンにわたって点数要求しやすい<ダイホウイカ>を優先しましたが、現環境なら<AMS>1枚、<ダイホウイカ>1枚が良いのかなと思います。
いかがでしょうか?詳細な回し方の説明はできていませんが、「とにかく回して慣れる」ことしかないかと思います。
<クリティカル>の2ドロー、<チャクラム>のトップ回収といった補助カードがあるため、慣れないうちは補助カードを活用しつつ回し、慣れたら補助なしでも7点奪えるようになっていくのが理想です。
ノーパンされると補助無しで7点奪うのは難しいため、慣れていても補助カードが必要なことには変わり有りませんが。
7月もまだまだWPSが残っているため、また良い結果をご報告できればと考えています。
それではまた(^^)/