2.「ディーヴァグランプリ4th」振り返り
1)ハンデスリメンバで勝ちたい
「ディーヴァグランプリ4th」に参加するにあたり、ハンデスリメンバを使用することは決めていました。当時は「夢限少女杯」でダッシュヒラナを使用する気満々だったので、3か月程度使い込んできたハンデスリメンバの集大成にしたい気持ちが強かったです。
また、単純にハンデスリメンバというデッキ自体の持つ安定感と対応力の高さが魅力で、基本的に1敗も許されない過酷な予選システムにも適していました。
とはいえ、既存のレシピのまま持ち込んで快勝できるかと言われれば、そうは問屋が卸しません。
ハンデスリメンバは恐らく「ディーヴァグランプリ4th」のトップメタであり、勝ち進んでいけばミラーマッチは不可避です。次に多いと予想されるサシェも個人的には有利対面だと思っていたのですが、舐めてかかった結果アッサリ返り討ちにされた苦い経験があります。
また、上記2デッキとのマッチアップは先手側がガン有利です。そのため、何か工夫を凝らさない限りはジャンケンに敗北した瞬間に3:7位の不利を背負ってオープンすることになります。
ですので「リメンバとサシェを後手から捲る」ことをコンセプトとしてデッキを調整しました。
2)デッキリスト
「ディーヴァグランプリ4th」で使用したリストは以下の通り。
アシストルリグ/ピース
計8枚
LB
計20枚
非LB
計20枚
3)デッキの概要
◎ハンデスリメンバ対面
ハンデス合戦からの脱却
この段階でvsハンデスリメンバはコチラからハンデスすることを諦め、盤面除去によるダメージレースに特化することに決めました。
理由としては以下の3点です。
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・リソース合戦に勝利するには莫大なデッキスペースが必要
・<羅菌 アメーバ>の登場によるハンデス難易度の向上
・環境が低速化したことによる防御面数の減少
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順にお話します。
・リソース合戦に勝利するには莫大なデッキスペースが必要
世間的なハンデスミラーは「ハンデスしてマウントを取り切る」という点が重視されている印象です。(それはそう)
この流れはサシェの台頭により、単純なビートダウンデッキが数を減らしたことでより強くなったと感じています。ハンデスデッキが"DXMに対してコントロールが間に合わず敗北"のような展開が減り、ハンデスコントロールという戦法の強さに拍車がかかりました。
ところで、ハンデスという行為は基本的にしかける側もリソースを消費します。<蒼魔 マノミン>や<蒼魔 スキュラ>は相互の手札を1:1交換ですし、<RANDOM BAD>はエナと手札の1:1交換です。
そのため、ハンデスデッキは自身のリソースに余裕が出来るようにアシストやピースを選択します。そんな構造上リソース豊かなデッキのリソースを枯らすとなると一苦労どころじゃすみません。自身のリソース量もさることながら、ハンデスの試行回数が必要になってくるので、その分のデッキ枠も必要になります。
そうなると攻めに回すリソースやデッキ枠は必然的に少なくなり、結果的にダメージレースは遅くなります。
・《羅菌 アメーバ》の登場によるハンデス難易度の向上
また、「REUNIONDIVA」にて登場した<羅菌 アメーバ>もハンデス合戦の難易度を底上げしており、生半可なハンデスでは相手の手札を取り切ることが難しくなってしまいました。
であれば、中途半端なハンデスはやめ、その分のデッキ枠をダメージソースとなるシグニに譲ることで、かつてのDXMが行っていた"コントロールされる前に倒しきる勝利方法"にシフトした方が勝算が高いと考えました。
もともと、僕が愛用していたリメンバ(過去記事参照)はハンデスよりも盤面で点数を取ることを意識して組まれています。この構築の攻めっ気をさらに強くするイメージです。
・環境が低速化したことによる防御面数の減少
この方針を取るに当たって、追い風となる環境の変化があります。
それが、環境の低速化に伴うハンデスリメンバの防御面数の減少トレンドです。
ディーセレの防御手段は両脇のアシストでしか行えないので2回です。両方3面防御の計6面のアシストだったとしても、1点ずつしか攻められなければ2点分の防御にしかなりません。
環境が低速化したことで、上記の"1点ずつしか攻められない"という事象が頻発するようになった結果、防御面数が無駄になる試合が増えました。また、手札破壊と相性が良く、疑似的な防御になってくれる<聖天姫 エクシア>の存在もこの事象に拍車をかけています。
その結果、<マキナバインド>は<マキナスマッシュ>に、<マドカ//クラップ>は<マドカ//ダブ>へと、防御面数を減らした代わりにリソース回収ができるアシストが好まれる傾向になりました。
この点はダメージレースで勝つプランを狙うに当たって非常に嬉しい変化です。DXMのように<TRIGGER OF VICTORY>の追加打点や、<コードアート ララ・ルー//メモリア>や<幻獣 テングザル>の防御手段貫通がなくとも、3面要求さえ継続できれば4〜5ターンでの決着が狙えるようになります。
VSハンデスリメンバは、既存のリメンバが持っている豊富なリソースを、相手のリソースを奪うのではなく自身のリソースの維持と攻めに回すことで、ダメージレースで勝利する方針で決まりました。
◎サシェ対面
ところで......???
ハンデスリメンバに対して"従来のDXMのような勝ち方をする"と記述しましたが、本家のDXMが環境から姿を消した要因をお忘れではないでしょうか?
そう、単純なビートダウンデッキの天敵、サシェです。ハンデスリメンバに対してはビートダウンによる勝利を狙う一方で、サシェに対しては別のアプローチが求められます。
とは言え、デッキの大枠はハンデスリメンバに勝つためにビートダウン用のカードに割いているので、少ない枠でサシェへの対策を実現する必要があります。
そのための工夫が以下の2点です。
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・《聖天姫 エクシア》
・コスパの良いハンデスを
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此方も順にお話します。
・《聖天姫 エクシア》
まず、リメンバがサシェと対等以上に戦えているのは<聖天姫 エクシア>の存在が大きいと認識しています。
<白夜の使者 サシェ・モティエ>の白シグニを出すと勝手に対象を選択してしまう【自】効果によって、<エクシア>は置いたら置いた分だけ防御になってくれます。
基本的にサシェ側は<コードメイズ ユキ//メモリア>や<コードアンシエンツ ファラリス>の限られた手段や、<聖魔姫 オロチマル>、<凶魔姫 エレシュキガル>などのハイリスクな手段を用いなければ得点することができません。
<エクシア>を安定して配置できる点にリメンバは非常に助けられています。
元々<エクシア>は標準搭載だったので、サシェに立ち向かう前提条件はクリアしていると言えるでしょう。
・コスパの良いハンデスを
まずは、ハンデスリメンバ対面ではハンデスは諦めると言いましたが、サシェ対面はハンデスをする必要があると感じています。理由としてはある程度サシェ側の手札を牽制しないと、序盤の<羅菌 オイゴナ>や<中装 デウス//メモリア>、終盤の<聖魔姫 オロチマル>などの手札を要するアクションを躊躇なく実行され、結果的にダメージレースで競り負けてしまうからです。
とは言え、ハンデスに割けるデッキスペースも無ければ、実はサシェとのゲームにおいてハンデスに割けるリソースも実は多くありません。
デッキスペースが無いのは先述した通りですが、リソースに関して簡単に解説します。
サシェは此方のエナを奪ってくるルリグです。ゲーム1【起】に加えて<コードハート リメンバ//メモリア>を繰り返し立ててくることから、サシェと対戦しているとエナは常にカツカツの状態となります。
そのため、必然的に<デウス//メモリア>、<ミュウ//メモリア><オロチマル>等の手札を火力に変換するカードを多用することになります。
リメンバは手札補充に長けたルリグですが、湯水の如く沸いてくる訳ではありません。ですので、闇雲に<蒼魔 マノミン>や<ファルル>などの互いに手札を捨てる系のハンデスを使ってしまうと、火力に回す分のリソースが不足してしまいます。
また、サシェ側もルリグで手札を増やすことはできませんが、その代わりに<スーパー・ヘルエスタセイバー>、<ウルトラスーパーヒーローズ>、<マキナウィングスラッシュ>などルリグデッキは大量の手札を回収できる構成になっています。
極めつけは<みこみこ☆きらっきら>の存在で、安易にハンデスを仕掛けると+2枚の手札を回収され、逆にのびのびと動かれかねません。
ですので、やみくもに中途半端なハンデスを仕掛けるとサシェ側の手札は潤沢にあるのに此方のリソースはエナも手札も空っぽみたいな状況に陥りかねません。(一敗)
故に、なるべく効率良く対戦相手の手札を削ることで、手札を使ったダメージソースの使用を躊躇わせる必要があります。
ここで意識したのが以下の2点
・5000バニラの採用
ハンデスと5000バニラに何の関係が?と疑問に感じた方も多いと思いますが、意外と重要な要素です。
流行の白黒型のサシェには5000バニラが数多く採用されており、基本的に1ターン目の盤面には5000バニラが立ち並びます。初歩的な話ですが、この5000バニラを踏めると1枚分の手札を消費されられます。
この一方的な手札消費を実現できる点は<マノミン>にはできない芸当です。
また、序盤の<オイゴナ>には除去されませんし、<デウス//メモリア>でも2枚の手札が必要となり相手からしても手痛い出費となります。
この点は<コードメイズ キョウシュウ>には無いメリットです。
とてもとても地味ですが、当初の目的である"効率的な手札削り"と"ダメージソースの使用躊躇"にしっかりとコミットできています。
・《みこみこ☆きらっきら》に引っ掛からないハンデスを意識
結論としては<蒼将 ブルーノ>によるアタック時ハンデスと<マドカ//ダブ>による相手ターン中のハンデスのみを行います。
全然ハンデス不足な感じがしますが、対戦相手も<みこみこ☆きらっきら>を使用しない状態で序中盤を過ごすことになります。その為、丁寧に盤面を踏みながら上記の方法で数枚ハンデスしてやると、手札が空っぽになる試合展開が割と望めます。
そうして<みこみこ☆きらっきら>を吐いてくれれば、此方も状況に応じてリソースを使ったハンデスを解禁できます。
単純に<みこみこ☆きらっきら>を有効に使わせなければ2枚分のハンデスをしているようなものなので、その分のリソースを他に回した方が強いよねという話です。
◎まとめ
まとめると、<エクシア>とハンデスによる相手のダメージレースの鈍化を狙って、リメンバの継戦能力の高さで競り勝つというのがサシェ対面の方針となります。
他にも、サシェvsハンデスリメンバのマッチアップでは、サシェ側が選択するクラフトレゾナが、<白羅星姫 フルムーン>ではなく<白羅星姫 サタン>の傾向にあります。
一般的なハンデスリメンバはダメージレースが遅いので、<フルムーン>を選択するメリットが薄く、逆に軽いコストで盤面を空けられる<サタン>を選択するのは非常に理にかなっています。
これはビートダウンを狙う僕のリメンバ的には非常に嬉しい風潮で、サシェの疑似的な防御面数が大幅に削れてくれるので、かなり勝ちやすくなっています。
4)これまでの話に出てこなかったカードの解説
共宴の巫女 リメンバ・ディナー
実際、かつての原子デウスにわざわざ採用していた<リセット・メモリア>がルリグに内蔵されているようなものなので、当たり前という話ではあるのですが、大<エクシア>時代といっても過言ではない今の環境で、1ターン無力化できる点は非常に大きいと感じました。
また、ある程度まとまった枚数のダメージソースをデッキに採用したことで、ターン1【起】を使えばダメージソースが加わるようになった点も、攻めの安定感を底上げしてくれています。
僕の中で<リメンバ・ディナー>は攻めても強いルリグという認識に変わりました。
burning curiosity
3ターン目以降の<コードアンシエンツ スチームパンク>とのセット運用も強力なのですが、2ターン目に撃つことで本来不可能な3面要求ができるようになる点は非常に大きいです。
ダッシュヒラナ対面時を代表例に、どうしてもゲームを急がなければならない展開は発生します。それを実現してくれるこのピースには数えきれないほど救われてきました。
幻怪 ドーナ//メモリア
<アンナ・ミラージュ>や<テューポーン>のパワーをコピーすることで、13000以上のシグニで3面固められるようになり、<マキナスマッシュ>貫通プランが狙えるようになります。
また、発動したこのシグニの効果は<ユキ//メモリア>等によってかき消されないので、<トキユキ>や<テューポーン>に有り勝ちなバニラにされた上での<羅原姫 ZrO2>や<アンナ・ミラージュ>による除去を拒否することができます。
とは言え、レベル1シグニ故に<ミュウ//メモリア>で簡単に処理されてしまうのはご愛敬です。
コードメイズ ユキ//メモリア
中装 デウス//メモリア
「ディーヴァグランプリ4th」時は、まだ<コードメイズ キョウシュウ>が主流だったので、後手を取った際に<キョウシュウ>多面+レベル2シグニで、此方の<マキナウィングスラッシュ>が弾かれ1点も取れない展開になってしまうと一気に敗色濃厚となります。それを打開できるこのカードは非常に優秀でした。
蒼将 ブルーノ
最終的には<中装 デウス//メモリア>に枠を譲りましたが、環境的に全然4枚採用でも良い性能をしていると考えています。
聖魔 オセ
他にも、<羅星 レプス>や<小装 イペタム>のような8000ラインの除去LBが一定数採用されている環境なので、全面パワー10000以上のシグニで固めてやることで余計な被ダメを抑えることにも繋がります。
また、数ある10000バニラの中で<オセ>を採用しているのは、ハンデス対面に1枚LBで踏ませることができれば試合展開がグッと楽になるからです。
惨之遊姫 ジンロウ
序盤に<マノミン>の効果などで気兼ねなく捨てられて、余った手札を打点に変換でき、<エクシア>の上から打点を通せるアタック時除去で、先述した10000のラインを突破可能です。騙されたと思って採用してみてください。マジで仕事します。
このデッキでは<マイアズマ・ラビリンス>の蘇生や<スチームパンク>と組み合わせての運用可能です。
5)総括
結果としては1回戦目に後手+有効LB3枚に屈してしまい、5-1するも予選落ちでした。
環境的にはダッシュヒラナが使用率を伸ばしている点は予想外で、レベル2のパワーラインを殆ど5000以下に下げてしまっていたので、そこだけ読み間違えでした。
後は使用感も非常に良く、かなり正解寄りのチョイスだったのではないかと感じています。
中編はここまで後編に続きます。