
魔石 古今東西
最後に<魔石>についても振り返ります。
<魔石>はストック全てを山札に戻してシャッフルし、ストックを作り直させるものですが、ある時期から<光景>ではなく<魔石>が増えてきました。<光景>と比べた時の<魔石>の強みや弱みに関しては別で書いているので、今回は<魔石>について振り返ってみます。
宝箱のような思い出
初出<魔石>じゃないんかい!調べてて発見しました。どうやら<魔石>ではなく<宝箱のような思い出>互換らしいです。2021年製ですが、プール的には思い出の種類数を稼ぐための役割も大きかったので、あまりテキストに注目することは多くなかったかなと思います。採用率もそこそこありましたが、最後に運ゲーしつつ思い出の種類を増やすカードという印象の人も多かったのではないでしょうか。
未来へ一緒に 湊あくあ
正確には<魔石>とは違いますが、ほとんど同等のテキストを搭載しているのでここで紹介。<最悪の精霊>と比べると随分見劣りしてしまいますが、それでも選べる山破壊テキストは強力です。3面連動だと<魔石>+3点5回なのでそこそこ決定力もあり、あまり見ないカードですが悪くないのではと思います。惜しむらくは、同じプールに<光景>が存在することですかね。わざわざ<あくあ>を使おうという気になりにくいのですが、もしこのプールに<光景>が無ければかなり使われていただろうと思います。
また現状でも<光景>よりも軽いという利点はあり、<早出し>も出来るようになったので、専用デッキを考える価値は十分にあるように思います。
『魔石』
半年後に刷られた互換名となっている<魔石>。カギカッコ付きが正式名称なんですね。スペックが<光景>に似てることからここで初めて<光景>と比較されるようになったかなと思います。開発的には<光景>よりも評価が高かったのか、効果に条件が付いています。プレイヤー的には<光景>の方が使いやすいという意見が多かったようで、当時かなり話題になっていたと思います。「ダンまち」観点だとイベントが使いやすいプールであるにもかかわらず、採用率はあまり高くなかったように思います。「ダンまち」自体が面に触り続けることが容易なのであまりストックを貯めさせる展開にならないことや、<上の連動>が強い山に強い連動であること、逆に<イベント4ルック>の失敗率が増えてしまうことなどから、採用が多くなかったのかなと思っています。
"心のままに"瀬田薫
<魔石>の次に刷られたのはなんと2022年の「バンドリ」です。これはかなり知られていないと思います。僕も知りませんでした。使いやすい<イベント光景>があるプールで使いにくい<魔石>を採用する理由を見つけるのが難しく、あまり採用されているのを見たことがありません。バンドリーグのようなレギュレーションだと《ハロハピ》も活躍の機会が増えるので、その際は見ることができるかも知れません。
喫茶リコリコ クルミ
2023年の「リコリコ」には<魔石>が収録されています。当時他のタイトルには<光景>が刷られる中リコリコは<魔石>だったので、その分プレイヤーからのプールの評価は低めだったのかなと思っています。ただ光景互換と比べるとストックコストが1軽くなっているので、実はそれほど弱いカードでもないんですよね。ということに今年気が付きました。失態の歴史
失態?いえいえ輝かしい歴史だと思います。一般的に<魔石>が認知されるきっかけになった1枚です。ちょっと査定どこいった?と思うくらいに<魔石>と比べてカードパワーが上がっています。撃つのに制限がなくなり思い出に行くようになった上にレベル差1つ以上の特大パンプが付いています。「ぼざろ」には<逆圧縮>があり、軽いコストで走れる<3の詰め>も搭載されていたことから、<魔石>逆圧縮という概念が生まれます。<光景>逆圧縮との違いとして、山1残しに対して<光景>逆圧縮はあまり機能しませんが、<魔石>逆圧縮は逆圧縮から打って<魔石>を打つことで一定山札を弱体化させられるので、メタられにくい強みがあります。<光景>逆圧縮が許されているタイトルは現状少ないですが、<魔石>逆圧縮はまだまだ許されているタイトルも多いので、狙い目かもしれません。恩返しのために 黒川あかね
「推しの子」はメジャー特徴になった<ハロハピ魔石>。メジャー特徴なので幾分かは使いやすくなっていますが、3コストは結構重めなためか、あまり使われない印象です。リラックス・タイムのお誘い 日野森雫
感覚としては「リコリコ」に近い<魔石>。<光景>と比べて<魔石>は、それ以外にも選べるテキストが付くことが多い気がします。付いていないよりはマシなテキストで、ほとんど<魔石>でしか使わないのですが、それでも付いてないよりは全然マシです。11000というサイズも良いですね。採用率が高めな印象です。こぼれ落ちる涙 梓川 花楓
<光景>における<アサリ>のようなテキストが、<魔石>は「青豚」に2024年に刷られています。アタック時にかかるコストも2コスになっており、踏み倒しのおかげで色々なデッキに使いやすいテキストになっています。<魔石>は<光景>よりも有効なタイミングが多く、アタック時に選べるのでほぼ確実に機能させることが出来るのが強み。相手の山が強くても関係ない山下落下系では無い限りは、ぜひ採用したい1枚です。
花畑を出す魔法
<光景>における<メイド談義>は、<魔石>だと1コスト軽くなるようです。これやっぱり途中で査定変わってるよね?個人的にめちゃくちゃ高評価の1枚。3レベからとはいえ、1コストで回収しつつ山破壊も出来るのはコスパが良すぎます。「フリーレン」においても非常に採用率の高い1枚となっています。
シークレットサービス・サイレンス 東城 つかさ
1レベから使える<魔石>も2コストでいけるのは嬉しいところ。というか<魔石>互換って全然互換として刷られないんですよね。こんなふうに色々な方向から新しい組み合わせを刷っていて、なのでどれも特徴があるので結構面白いです。「ヘブバン」は環境デッキとして認識された頃はあまり無かったと思いますが、追加後はちょくちょく入賞しています。これのひとつの要因がこの1から使える<魔石>の存在かなと思っています。<光景>含めてストック崩しは後半、重めのコストを払って行うというイメージが強いので、序盤は一般的に、純ストックを積むのが強い行動ではあります。ところがこのカードは早い段階から軽いコストでそれを壊してくるので、ゲームプランが崩壊するデッキが少なくないんですよね。互換が色々なタイトルに刷られはじめたら、また環境も変わっていくと思う、注目の1枚です。
Rain Fire 仲村 ゆり
なんとこのタイミングに「AB」に<魔石>の追加です。「Key」で現代寄りの追加を貰っているABですが、<魔石>も貰えたので山も崩せるようになりました。序盤から使える強みは「ヘブバン」と同じ。ちなみにこのカードは「ヘブバン」でも使えます。とはいえABにとっては序盤の2コストが重いのも事実。相手の山も崩せるけど、自分の山も弱くなるというようなカードになってしまっているので、環境で活躍するのは、「AB」の他のカードパワーが上がってきてからでしょう。
サッカーの申し子 大空 翼
<魔石>史上最強だったキャラ。ネオスにおいてはあまり見ないタイトルでしたが、カード自体はかなり強いと思います。ヒールの枠で<魔石>が搭載できているのが大きく、両方使うのも容易なので、1枚当たりの仕事量がかなり多いです。ハンドコストが両方キャラ指定なのだけ少し重いのですが、それでもぜひ互換を刷って欲しい優秀な1枚だと思います。ソーセージを頬張って なでしこ
なぜかソウルが2で刷られる系の2/1キャラ。「ゆるキャン」には山崩しとして<魔石>が登場しました。2レベから都合2コストで山崩しが行えるのはキャラとして強力な方で、採用率がとても高かったため選抜入りしました。カードとしてはかなり良い感じに強いカードなので、是非とも色々なタイトルに刷られて欲しいと思います。トロピカルガール 千束
2レベ<魔石>史上最強だと思います。何故か手札を切らなくて良くなった上にガッツンダーも付いていて腐ることがほとんどない1枚です。とにかく<魔石>のコストが異様に軽いことが強みで、これを使いたいがために「リコリコ」考えているくらいです。本当に査定どうなってるんだこのカード......。
ギンガムチェックの案内人 レム
史上最強<魔石>。現時点でというより今後数年に渡って最強であり続けると思います。流石に8落下付きは強すぎますね。<光景>まで含めても最強だと思いますし、<光景>逆圧縮と比べてもかなり良い勝負たと思います。しかも擬似リフも選べる汎用性の高さもあり、青採用の「リゼロ」には採用しない理由がほとんど無いでしょう。七星剣 ジェラール
色無視のついた<プロセカ>互換は2025年にFTに刷られました。<プロセカ>も色無視したかったのは言わない約束。互換の少ない<魔石>では珍しいほぼ互換。<光景>が刷られても面白かったと思っていますが、詰めのタイミングに使うならば2コストである軽さもメリットなので、FT的には<魔石>も嬉しいです。
恋人旅行
<花畑>の完全互換。2025年は互換が刷られる事が多くなっています。個人的に評価しているのは「フリーレン」から変わらないので、「角川」でも変わらず高評価です。イベントを強みに据える場合はそのイベントを引き込む手段を搭載しないといけないのがデッキ作りの難しいところであり、面白さでもあります。
holiday 長門
同じタイトルに別の<魔石>が刷られることは珍しく、<プロセカ>の完全互換が「角川」にも刷られています。イベントだと手に加えるのが難しいデッキでもこちらなら安心なので、選択肢が広がって良い収録だと思います。ちなみに同じタイトルと書きましたが、「ハルヒ」ではこちらを使うことになります。こうした文庫シリーズには似た役割のカードが複数刷られがちですが、タイトル区分を考えて見てみるとまた違った印象になるのが面白いところです。
開花した超能力 モモ
これは新規の<魔石>テキスト。連動での<魔石>で、バーンとの選択型になっています。アナザーアイドル'24夏 花海咲季
<ゆるキャン>の完全互換。<ゆるキャン>同様、採用率の高い1枚です。とびっきりのワンショット! 千代浦蝶美
新しいタイプの<魔石>。早出しに書いてあるのでレベル3の査定で<魔石>を行えるのが強みで、選択式になっているのに登場コスト込2コストで<魔石>が打てるようになっているのが強み。数字もある程度出るので腐りづらく優秀なカードに思います。ダブルピース 杏菜
新しいタイプの選択式テキストですが、もう一方がアドバンテージの取れるものではなくなっているのでちょっと物足りない印象です。代わりにツインドライブが付いているのでカードとしては悪くないです。<魔石>として使い、ツインドライブもついてるという認識であれば、他の<魔石>よりも強めに見えるでしょう。各年度に追加された魔石の数
<光景>同様、<魔石>が追加されたタイトル数を集計してみました。ということで今回は3回に渡り、ストック入れ替え互換の歴史を振り返ってきました。知らないカードはそれほどありませんでしたが、1枚1枚の単体の評価をしたり、年度ごとの統計をとってみたのは良い機会だったと思います。ここ1年くらいストック入れ替えの刷られ方が変わったなと思ったので書いてみましたが、来年も気になるキーワードがあればまた書きたいなと思います。