環境考察2018年前期
なんとか年2回くらいで継続して書いていきたいですね、環境考察の季節です。今回はトリオサバイバルを中心に環境考察をしていこうと思います。ネオス環境は抽選方法の違い(1被りが許されるトリオと、被らないことが要求されるネオス)が大きく、逆にデッキ選択が難しいと考えています。
では本題に入っていきましょう。
環境トップ
プールの強さとシェアの観点で環境トップと言ったら、今更語る必要はないでしょう。前期の環境トップは間違いなくバンドリです。タイトル別考察
おそらく1番多いデッキタイプは<友希那>型でしょう。発売前こそ騒がれた友希那ですが、デッキにするのは容易ではなく、やっと最近になって台頭し出したという印象です。<島風>や<エミリア>と併用する本門型は3月くらいから散見されていましたが、流行の転機は東京トリオでしょう。優勝チームが使っていたバンドリはイベントが実に9枚も採用されており、蔵エンジンの優秀さがさらに注目されることになりました。このデッキ自体は<有咲>軸でしたが、世間の受け取り方はむしろ「イベントカードを大量に入れても勝てるんだ」というところだったと思います。大量に入れられるってことはあの<スーパー足立>が使える!ということで増えたのが門扉の友希那です。
ちなみに弱点と呼ぶには微妙ですが、バンドリのプールにはバトル中の自分のキャラを領域移動させる効果を持ったカウンターが存在しません。これはつまり自分の面が開くようにアタックすれば、容易に<友希那>のリバース時テキストを回避できる、ということです。これは実際にケアする段では大事なことになってくるので意識したいところです。
東京で勝ったのは<友希那>じゃなくて<有咲>だろ!って言われそうなので有咲についても。門連動というところまで同じですがヒール+バーンかソウル減+数字かという違いがあります。<シャマザフィ>の追加によってヒール量が確保されたのが大きいかなと思います。ただ環境的に友希那で詰めた方が早いのも事実で、アンタッチャブルやバーンなど弱点の多い有咲よりも友希那の方が流行るのは納得のいくところです。僕は有咲の面を取れる所が好きなので、割と好みによるかもしれません。
ちなみにちょっと脱線しますけど、バンドリの事を一部では砂パって呼ぶらしいです。バンギラス+ドリュウズから来てるらしいんですが、だったらこの<がんばれパン>はバレパンじゃないですかね。アタック前に山を壊す様はまさに先制攻撃、バレットパンチって感じがします。
デッキとしては割と単純で、尽きない手札から繰り出される大量のアタッカーでスピードゲームを仕掛け、最後もモカで駆け抜ける、というデッキです。本当にそれだけなので相手をする際は、早さについていけるかどうかがひとつのキーポイントとなります。ある程度のタイトルならば良い勝負に持ち込めますが、カードパワーの差が如実に現れやすいと思います。特に遅いタイトルを使ってる場合はゲームスピードのスピードダウンを意識したいところです。
最後に少しだけ抽選の話を。今期のトリオはニセコイ環境に匹敵するくらいにバンドリを外せないトリオだと思います。ネオスならまだしも、上から3つを選ぶトリオという形式で、バンドリをチームに入れないのは非常に難しく、どの地区でも予選全勝チームにバンドリ使用者がいないという事態にはならないでしょう。そのためバンドリ1被りを最初から受け入れた上で、残り2つの勝負になるのかなと思います。逆に残り2つはかなりバラバラなので、どう選んでも当日の予選次第ということになるとは思います。バンドリ複数の欠点としては抽選が絶望的という点がありますが、だからといって他のタイトルを選んでも必ず抽選に入る権利を得られる訳でもないので、実はそれほど差はないのかもしれません。
良くも悪くもやることが決まっていて勝ち筋も決まっているデッキなので、自由度がとても低いと言えます。特に8風のデッキや戦闘を介さない除去手段を搭載したデッキ、とくにめぐみんなんかは相性が悪いと言えます。スピードゲームが苦手であったり配置に左右されるところもあり意外と脆いところもありますが、それでも強力なデッキであることに変わりはないでしょう。
デッキとしては、めぐみん共鳴による<4ルック>がエンジンになる場合が多い印象です。相方は<扉>だったり<風>だったりしますが、<プロモ>の追加によりレベ1二種連動が可能になったのが大きく、引いたクライマックスを全て打てるデッキと言えます。どの連動も強力で、滞りなくレベル3での詰めに使うストックを溜められる展開まで持っていけます。
欠点としては後列固定ゆえの数字の固定化があります。特に扉連動7000、置きブ連動6000というのはかなり怪しい数字で、意識すると意外なほど面が帰ってくることも。詰めは非常に強力なのでそこまで繋げさせないよう道中楽させないことが大事になってくるでしょう。これらのパワーラインを作りにくいバンドリやひなろじに強いという構図なのは、納得のいくところでしょう。
追加が来たとはいえ、やはり選抜によって失ったものが欠点。<果南>の身代わり効果こそ<花丸>で代用出来ますが、やはり2種の山を触る手段を失ったのは痛手ですね。常にアタックトリガーでクライマックスを捲るリスクを負いながら戦わねばならなく、安定性がかなり下がったと思います。しかし爆発力はかなりのものなので、上のタイトルとも対等にやりあえるので、最近は増加傾向にあります。
ただ派手な動きや強みがないため、人気は低め。総合的に考えると1ブースターのタイトルの限界が見え隠れする。
<真宵>を彷彿とさせる<ドラゴン>と、異常に数字の高い<スターライトブレイカーなのは>とでも言うべき<ルーラー>は、強力な詰め手段であると共に環境に合致した追加テキストを持っていると思います。まずはどちらも面から消える点。これは<友希那>を必ず避けられるメリットと考えられます。またルーラーの行き185という数字は、<ひなろじ>や<有咲>に対しての回答としてピッタリです。デッキとしての動きはそれほど派手でなくとも、現環境で充分やっていけるスペックがあると思います。
デッキとしては、最終盤面の13000という数字がひとつの特徴と言えます。アスナ+11000で13000という数字が非常に作りやすく、逆にこれより高い数字になると一気に作るのが難しくなるため、使う側も使われる側も共に意識したいところです。また環境的には少し厳しめ。<有咲>に全部上から踏まれたり、スピードゲームを仕掛けられて<友希那>が止まらなかったり。ひなろじにも好き放題されがちなので、使う際はしっかりと対策を立てておきたいですね。
特徴的なのは驚異的な多面バーンの成功率。宝連動でパーツも少なくリバース要求でもないので、毎試合5パン程度ならば容易です。相手を選ばず楽に多パンできるのが活躍している要因でしょう。
ただ相手の山に触る手段が非常に乏しいプールなので、1度強い山を作られるとそのまま負けてしまうことも。道中の動きも常にリスクを負いつつの動きになりますが、相手を見ない強さからか、シェアを広げつつある印象です。
デッキとしての強さは2018年タイトルに押されがちなので、使う際は上手く進撃らしさを活かしたいところですね。
抽選対象になる可能性も高いほうなので、自信を持って使えるのならば、こちらも充分候補に入ってくるでしょう。
また、千夜シャロと組み合わせたチノココ選抜も構築可能です。レベル3以外の大部分を千夜とシャロで構成することになるのでチノココとのシナジーはあまりありませんが、単にチノココを搭載できるというだけでメリットと言えるでしょう。
デッキとしての動きは、去年後期とさほど変わりはありません。パワーが非常に低い代わりに優秀な効果を持つシステムだけを大量投入し、徹底的に自分だけの強い動きを目指します。面が割れるか、相手のクロックがどこまで進むかなどはほとんど考慮せず、自分の勝ちやすい状態まで自力で持っていき、カードパワーで勝負というデッキです。
なので環境内での強さも、どこまで押し付けられるか、その押し付けがどこまで有効かといった観点から考えることになります。今にはじまった話ではありませんが、やはり<光景>がきついですね。一直線に目指して作る質の高いストックを一瞬で崩されるわけで、被害も後処理も容易ではありません。また後半メインアタッカーとなる<小鳥>と<静流>、これらでどこまで巻き返せるかがひとつのキーポイントなのですが、これらを簡単に処理できるデッキも苦手です。具体的には常時130以上出るSAOや、戦闘を介さないで処理される<めぐみん>が挙げられます。
総じて現環境での強さは並程度というのが僕の印象です。裏を返せば、これら苦手なデッキに当たらなければ十分にポテンシャルを生かせるという意味なので、選択肢としては充分あると思います。
とはいえスターウォーズなら余裕!と言えるデッキも早々ないので、しっかりと相手よりも先に勝つことを意識したいところです。
スピードゲームが苦手なのは昔から変わらずですが、しっかりと自分のゲームに持ち込めた時の強さは、ペルソナ独自の強さがあります。ジョーカーが非常に強力なカードであることには変わりなく、勝負の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。
やることは昔と変わりません。<宝>を貼りまくって<闇>で決めるだけ。<手アン>付き<宝連動島風>+<風連動>の詰め手段ってとこが現環境に相当マッチしてます。当たる機会は少ないですが、いざやりあったら大変という印象です。
珍しく抽選も狙いやすいタイトルなので、自信が持てたら持っていきたいデッキのひとつですね。
ただ環境的には、やはり山をいじれないのがネックですね。これも今に始まった話ではありませんが。元々赤城の弱みとして相手の山が触れないという点がありましたが、山の強いデッキばかりの現環境では無視出来ない欠点です。このあたりがあまり見かけない理由かなと思います。ただ実際に<友希那>を<らしんばん>で耐えたり、3キャン覚悟の上<夕子>3面をクロックシュートしてみると、された側も意外ときついものです。<暁>という唯一性もありますし、一世を風靡したタイトルとして考え直してみても面白いかもしれません。
中堅以下のタイトルに対してリバース避けが強いのはもちろん、上位タイトルのスピードに付いていくという観点でも、中学生の緩和は大きかったのかなと思います。いずれにせよ、ひとつのテンプレートを再現不可能にする規制内容だっただけで、ほかの物語の可能性が摘まれた訳ではありません。中学生というタイトル1番の強みが帰ってきているのでこちらも1度考えてみたら面白いかもしれません。
キーポイント
超島風の定義は現状かなり広いです。例えば<島風>は山からサーチするもの、<修羅場>は控えから回収するものを指します。超島風はサーチはもちろん回収も含むどころか、ハンドが増えればなんでも良いという定義にしています。これは現状対象となるカードが少ないからで、島風のリバース時テキストという部分とそれを超えるという部分を重視して読んでいます。今後呼び方が変わる可能性大ですね。
超島風の定義は、
リバース条件付きノーコストレベル1連動で、
「手札が1枚増える可能性のあるテキスト」+「更なるアドバンテージを取れる可能性のあるテキスト」
を持つものを指します。
難しい書き方をしましたが、要は手札1枚を上回るアドバンテージを取れる可能性のある1連動ってことで、代表例が<クリスタ>です。手札1枚+ストック1枚を得られるのでこれを超島風と呼んでます。同様に<エレン>もそうですね。<新田>のようなパワー上昇系は除いてあります。以下に該当する代表的なものを挙げておきます。 (一応ミラチケ連動の<ダイヤ>やキズナイーバーの<天河>も含められるとは思います)
で、これら超島風は前述したようにインフレの象徴なんですよね。特に<エレン>なんかは拾えればほとんどハンド+2ですから恩恵はとても大きいと言えます。しかもこれが多面連動できる訳ですから、1連動ありきの文化がますます加速するわけですね。
2018年の現環境はまだまだ旧世代の連動も活躍していますが、超島風が環境に投入され徐々に存在感を表してきているのも事実です。これからも刷られ続けるであろう超島風に思いを馳せつつも、既存のシステムからうまく乗り換えていかなければならないのかも知れません。
余談ですがこれ、実はMTGやってて気付いたんですよね。MTGで重視されることの1つとして、テンポアドバンテージがあります。要は手札1枚より盤面1枚のほうが価値が高いってこと。もちろんあるに越したことはないのですが、使わない限りは選択肢に過ぎず、実際に盤面に投資したカードの方が価値が高いってわけですね。
「所詮手札は選択肢であり、より盤面に多く投資した方が優位」
この事実が、僕の価値観を変えました。多面連動+宝や門という今のWSにおいて、「5面並べてクライマックスを打ちつつアドバンテージを取る」という、システム上1ターンに出来る最高のパフォーマンスを、より早いターンから持続的に最後まで行い続けることが出来るデッキの評価が急上昇したわけです。
もともと、手札の多いWSとは対照的に限られた手札を限られたリソースの中でどう有効活用していくかというMTGは、全く逆のゲームだと理解していました。WSは最大3枠のキャラ枠で、1ターンにプレイ出来るカードに制限がないのだから、然るべき時に上から蓋をするゲームだと。もちろんこれも間違ってないと思いますが、カードパワーの上昇と時代の移り変わりにより、価値観が変わることもあるんですね。
まとめ
今回の環境考察はこれでおしまいです。最後の方は少し書き方を変えてみましたが、いかがだったでしょうか。正直、今から後期の制限発表が待ち遠しいと言うのが本音です。また次の記事で会いましょう。お疲れ様でした。