あけましておめでとうございますにはまだ少し早いので、暮れましてさようなら。Kです。
今年最後の記事として、今年のまとめを書いてみました。
去年との差に注目しながら振り返りつつ、来年以降の展望を述べていこうかと思います。
軽い読み物として読んでいただければと思います。
2015年はヴァイスシュヴァルツにおいて、特別な1年だったと思います。
ネオスタンダードの環境
まずは2014年について簡単に。
2014年を代表する2大タイトルは、なんといっても『艦これ』と『ニセコイ』でしょう。
前期の艦これは新規タイトルながらカードプールが広く、特に初風・響・隼鷹の3種は極めて強力な効果を持っています。
初風は自身のパワーを高く保ったまま、強力な回収メタとして機能します。
艦隊発売以前の、異常なまでの扉の採用率の高さがかなり是正されたと思います。
響はリスクが多く、あまり人気のなかった思い出型の回復メタをもっと広く使ってもらうために、セットで採用するメリットとして非常にコストパフォーマンスの良いパワー6000の早出しを搭載したカードとしてデザインされています。
それまでリスキーだった思い出型の回復メタを積極的に採用するメリットが大きくなった事で、平均ヒール枚数がかなり下がりました。
隼鷹は......どういった意図で刷られたんですかね?全然わかりません...一目見れば大半のプレイヤーがゲームバランスブレイカーだと容易に感じる様な1枚だと思います...
また後期のニセコイはイベントの併用を条件に、既存のタイトルの大半の市民権を奪うようなカードパワーがありました。
イベントカードが打てず条件が満たせないリスク込みでもほぼニセコイ一強だったことを考えると、ニセコイのカードパワーはそれまでの1つ上だったのだと思います。
そして年末の艦隊の追加です。
冬のひととき 暁は、それまでのヴァイスシュヴァルツを一新するようなとてつもないカードでした。
これが4枚入ってない艦隊は見た事がないくらい圧倒的なシステムカードです。
このカードを中心に、2015年は始まります。
2014年暮れにはニセコイが大幅に規制され、弱体化しました。
ここから2015年頭の初風・響・赤城の3種選抜適用以前の環境は、これら3種を併用した艦隊の一強環境だったと思います。
毎週これしか勝ってないくらいに安定感と爆発力の面で一強だったので、艦隊の3種選抜は極めて妥当な制限だったと思います。
他のタイトルでワンチャンス作るのがとても難しく、この時期は確殺系のデッキしか考えていなかったくらいです。
公式にレシピこそ載っていませんが、とてもつまらなく感じてました。
さて、2015年前期の環境ですが、前述した2014年の2大タイトルが大幅に弱体化するところから始まりました。
ニセコイはもちろん弱体化したはしたのですが、艦隊も初風と赤城が併用できなくなり、再びニセコイが復権しつつあったと思います。
また、この少し前に、色を縛ることで一段階上のカードパワーを持った『GF』が発売されていました。
特に黄フレは、過去に例を見ない圧倒的なカードパワーを自分のペースで押し付けることが出来ました。
2015年前期はこの3タイトルから始まったと思います。
ここで注目したいのは、これらが全て新しいタイトルである事です。
艦隊、ニセコイという前年度を代表するタイトルに加えて新弾のGF、それ以外のタイトルは軒並み環境落ちしていたと思います。
以後、既存のタイトルが環境入りすることはほぼなかったと思います。
以前のWSは環境によって既存のデッキが台頭する事も少なくなかったのですが、今年はそれがほとんどなかったと思います。
それほどまでに、2015年は環境のカードパワーが極めて高くなった年だと思います。
前期はほとんど艦隊とニセコイが環境を牛耳っていたと思います。
暁による過去にない序盤の安定感を武器にスピードゲームを仕掛ける艦隊と、多くの既存タイトルの人権を奪う万里花を切り札に歴代最強クラスの早出しキャラである青小咲を軸に戦うニセコイ。
これらを全く苦にせず、暴力を押し付けられる黄フレが辛うじて入り込めるといった環境だったと記憶しています。
『ミルキィ』や『まどか』の追加もありましたが、これらを超えるものにはなりませんでした。
『艦これ』『ニセコイ』『GF』これら3つの何が強かったのでしょうか?
理由は色々ありますが、僕はここでクライマックスに注目しました。
2014年までの環境とは違い、これまでとても採用率の高かった扉はニセコイに4枚採用されるだけ。
他の2タイトルは8枚扉に出来るにも関わらず、ほとんど採用されることはありません。
これはなぜでしょうか。
僕は、これがカードパワーインフレの一つの結果だと考えています。
暁・小咲・静寂、安定してキャラにアクセス出来る札がとても多くなったおかげで、手札のキャラの価値が減少したのだと。
では扉の代わりに採用されるようになったクライマックスは何でしょうか。
門や宝、風や控えストブなどです。
門や宝や風は、扉に比べてトリガー自体のパフォーマンスが非常に良いです。
捲った時にソウルが上がらず、キャラを1枚回収するという他のカードでも出来そうな事をするのではなく、クライマックスを再利用したり相手の面を崩したりと、特殊トリガーだからこその動きを期待するようになったという事です。
では控えストブはどうなのでしょうか?
これは特殊トリガーとは違った理由で採用率が高くなっています。
それは、手札の価値の減少と共にストックの価値が増加しているからです。
青小咲を筆頭として、サーチ集中などストックをハンドに供給する手段は格段に増えているので、ストックの価値は増加傾向にあるといえるでしょう。
ところが、増えやすくなった手札とは対照的にストックはあまり増えやすくなっていません。
1ターンに増やすことが出来るストックは、多くの場合3枚が上限となります。
これを4枚に増やせる控えストブの価値が、次第に上昇してると考えています。
上記の特殊トリガーと違って扉よりも強いとは言えませんが、環境的に扉よりも優先される事も多くなったクライマックスではあるでしょう。
これらの傾向は2015年全般に渡って見られたと思います。
前期は新規タイトルとして『テラフォーマーズ』、追加タイトルとして『ミルキィホームズ』や『まどかマギカ』などが発売されました。
どれもなかなか遊べる良い弾だったと思いますが、艦隊・ニセコイには及ばない程度だったという印象です。
特にまどかは元々優秀なタイトルで追加の内容も悪くなかったと思うのですが、これでも艦隊・ニセコイに見劣りしたことを考えると、いかに強かったのかを再認識させられました。
転機は『シャイニングレゾナンス』と『GF』の追加。
この2つの追加からWSは一段階進んだと感じました。
最大の要因は、わかりやすいカードパワーの増加です。
レゾナンスはfateの時点では使いにくかった共鳴効果を、条件となるカードを統一することで使いやすさを向上させました。
GFに至っては明らかにテキストの量が他の弾よりも多く、1000査定クライマックスシナジーや1種のクライマックスに対する複数種類の対応キャラなど、目に見えて強い札が多数収録されています。
また2種の強力なカムバックも、同時期に公開されました。
一気に環境入りするほどのスペックで、これもカードパワーの高さを感じさせました。
これ以降の弾はどれも強かったと思います。
『とらぶる』や『Charlotte』、『シンフォギア』から『艦隊』まで、発売される度に環境に1枚噛んでくるような強さでした。
新弾がここまで毎回強いというのは、このゲームにおいてこれまでなかったことです。
その点において、今年は特別な1年だったと思います。
後期はGF追加以降だと考えています。
前期の艦隊ニセコイ環境に入ってきたGF。
とくに神楽坂の台頭はとても大きく、それまで猛威を奮っていた初風選抜や赤城選抜がめっきり減ることになります。
艦隊の衰退に呼応するように相対的に台頭して来たのがニセコイ、後期はここからはじまります。
まず大きかったのがカムバック組。
ギルティクラウンは抽選とはいえ、岡山地区で最速全国を決めたタイトルとなりました。
また、禁書はその圧倒的な山の強さと回復力で人気が出ました。
『進撃』という新規タイトルも、決勝トーナメントで時々見受けられる程度のタイトルでした。
そしてとらぶるが発売されました。
とくにやみかんは同ネームCX対応というGFと同じタイプの強さを誇ります。
風と宝ないし控えストブという、先ほど話した典型的な今年を代表するデッキです。
ダークネス計画も大きく、ニセコイやGFなど、環境に有利を取りやすいデッキでした。
反面、禁書はとても苦手だったと思います。
『デレマス』が発売されたのもこのすぐあとでした。
広いプールと優秀な互換が多く、いろいろなデッキタイプが見受けられました。
販売ペースは緩むことなく、まもなくやみかんの天敵となる『Charlotte』が発売されます。
面に置かなくて良い焼きメタに加えて、面さえ取れれば永遠にゲームが終わらない双子チェンジ、お化けスペックのチェンジ反応パンプなど、なかなかに強いタイトルでした。
入賞こそありませんでしたが、これも環境に食いこんだタイトルの1つだと思います。
さらにはシンフォギアも追加されました。
特に入賞ということであれば、≪錬金術≫が記憶に新しいでしょう。
条件は少し厳しいものの、かつて無い登場コストの軽減で青小咲に通じるような強さがありました。
東京地区前日に発売されたのは艦隊。
≪深海棲艦≫という新しいくくりなので実質新規タイトルのようなものですが、収録されているカードは50種ながらどれも優秀な効果を持っています。
特にデメリット2つ持ちの4000やデメリットを持ったガウル互換などは、これまでにほとんど刷られていないので、来年度のカードパワーの基準なのかな?と勝手に予想していたりします。
東京地区でもトリオ/ネオス共に、上位に散見されました。
このように今期は新弾発売の度に環境が変化していく、非常に面白い環境でした。
終始、環境の中心は青フレだったと思います。
控えストブ+心実サーチは山をとても強くする行動で、これを許してしまうタイトルはこのあとしっかり捲れないとなかなか勝ち辛いという印象です。
そういった点で、シンフォギアは勝ちづらかったのだと思ってます。
島風互換を軸にしつつも、その後には神楽坂が待っているのも青フレの強さ。
ほぼすべてのタイトルが越えるのが困難な数字を押し付けるのが強かったです。
そのほかかぼちゃや身代わりになる応援も含め、環境トップに恥じない強さだったと思います。
やみかんは、風と宝という面で苦手がとても少ないデッキでした。
アンコール付与で島風をアンコールしつつ、宝を打ち続けるというのがとても強く、闇は3面対応すると3キャンされても5点入るという強力なフィニッシャーでした。
アンタッチャブルも合わせて、対策がとても難しいデッキだったと思います。
やみかんに相性が良いデッキとして挙げられるのが禁書。
山の強さと回復魔術で、闇多面に対する生存率がとても高く、非常に勝ちやすいデッキと言えます。
これはどのデッキに対しても禁書が誇る強みであり、このあとデレマス・Charlotteという天敵が現れるまでは強かったと思います。
また、ギルティクラウンは7500多面+シャミセンという高いレベル1のパワーラインで、各種島風互換に圧力をかけていました。
かつて無い強さの集中や武蔵など、非常にカードパワーの高いカムバックのおかげで、ネオストリオ共に流行しました。
特に苦手とするデッキも少なく、わかりやすく強いので、現在でもビギナーにおすすめのデッキだとと持ってます。
構築難易度がすこし高いのが気になりますが笑
シンデレラガールズは、強いカードの互換が多数収録されている広いプールで、これといった強いカードはないものの、安定した動きが期待できます。
特にTDの各種レベル3使用した耐久型は、風を採用していない禁書に対して圧倒的な強さを誇ります。
仙台で入賞したことも相まって、この頃から風採用型の禁書が増えた気がします。
他にはみくを軸にした構築が流行ってると感じます。
ストックの効率がよく、他のデッキよりもストックが貯まりやすいので人気のようで、金沢ネオスで優勝したのが印象的でした。
これら以外だと、3レベ蘭子フィニッシャーに据えた軸もよく見ますね。
パワーパンプも相まって、多面対応はなかなかの強さがあります。
Charlotteの発売は、環境を大きく変えたと思います。
面を圧迫しない焼きメタと、踏まれない限り終わらないレベル3。
有利不利があるものの、とくに自動ダメージ主体のデッキは影響が大きかったと思います。
ただしレベル3で面が取れない相手や青フレのふみお、風全般など、苦手も少なくありません。
そもそも安定感に不安が残るデッキなので、そういう意味であまりネオスで入賞出来なかったのかと思います。
シンフォギアの追加では、とくに≪錬金術≫の活躍が記憶に新しいところです。
東京地区ではついに地区抜けを果たしました。
余談ですが、結局≪錬金術≫が決勝戦を勝つことはなかったってことですね笑
東京前日に発売された≪深海棲艦≫は入賞こそしませんでしたが、ネオス/トリオ共に活躍していたと思います。
とくに後列焼きがこれまであまり居なかったためか、後列を焼かれるだけでボロボロになってしまうデッキも少なくありませんでした。
先に述べたようにカードパワーは高いデッキなので、これからに期待したいと思います。
ネオスタンダードの環境についてはこのあたりで。
現在の時点で十分に練られているとはとても思えないので、大きな大会は予定されていないものの、これからの発展に大きな期待をしたいと思います。
最後に
去年または今年から始めた方は実感が薄いと思いますが、今年2015年はとても非公認大会の開催が多くなった年でもあります。
首都圏に限らず、ここまで非公認大会が全国各地で開催されているのは、一昔前を知っている方なら驚くべきことだと思います。
理由については都合で省略しますが、とても良い事だと思うので、来年以降も続けばいいなと思います。
来年度以降も、ヴァイスシュヴァルツを中心にプレイしたいと思っています。
やればやるほど深みにハマっていく面白さの虜とでもいいましょうか笑
ここまで様々な要素が複雑に絡み合うTCGもあまりないと思うので、ぜひ新規ユーザーも増えて欲しいと思いますし、既存ユーザーにもやめて欲しくないとも思います。
ブシロードはもちろんですが、僕らプレイヤーもそれを手伝うことは出来ると思うので、一緒に盛り上げていければいいなと思います。
それでは良いお年を。