
テーマ紹介「インフェルニティ」
今日はインフェルニティの紹介記事を書いていきます。
インフェルニティとは
遊戯王5D'sで鬼柳というキャラが使用していたテーマです。手札0枚の状態で発動する効果を保有するカードが多いです。
手札0枚でないと発動できないカードが大量に入っているということは、デッキに採用するカードの融通が利きにくくなりますので構築難易度は必然高くなります。
このテーマの魅力は高い展開力にあります。
各種カードに名称ターン1が付いておらず、<ガン>や<ネクロマンサー>による特殊召喚と<デーモン>によるサーチを何度も何度も連発して強固な盤面を作成したり、大量のリソースを注ぎ込んで先攻ワンキルを成立させたりすることすら可能です。
時代によって姿を変えるインフェルニティ
インフェルニティというテーマは10年以上前から存在していますが、その時代に応じて手を変え品を変え様々な戦略が講じられてきました。2010年
2011年
またエクストラパックで万能カウンターの<バリア>が来日する。
2012年
2013年
「一度墓地にリソースを落としてから展開し、大型シンクロで戦う」というのが主流で、<インフェルニティ・インフェルノ>を活用したゆっくりしたゲームも多かったのですが、エクシーズ型は「落としながら展開し、<バリア>や<ブレイク>を構えて高速で詰ます」といった感じで軽くて速くて堅いのが魅力でした。
2014年
この年のインフェルニティは各種大型大会での入賞に留まらず、選考会や果ては世界大会すらインフェルニティが制していました。
<旧神ノーデン>が来日して大暴れしていたのもこの年です。
2015年
ペンデュラム召喚の「手札のカードを全て特殊召喚できる」という特性を存分に発揮して、以前にも増して簡単に<ショック・ルーラー>等の強固な盤面を作成するようになる。
しかし、この辺りから環境のインフレがインフェルニティの展開能力に追い付きだします。
というのも「高速で相手が絶対に捲れない展開をして1ターンでゲームを終わらせる」というのがEMem等の登場で当たり前に、安定して行える時代になったのです。
ここから使用者数は減少を辿るようになります。
2016年&2017年
2017年にリンク召喚が実装。時代によって形を変えるインフェルニティ、今度は<ファイアウォール・ドラゴン>という新たな相棒を手に入れます。
ファイアウォール・ドラゴンの回収効果および特殊召喚効果を活用し、<ダイガスタ・エメラル>も駆使して<ガガガガンマン>を10回特殊召喚して先攻ワンキルを行いだします。しかも<アザトート>経由した後に・・・。
2018年&2019年
インフェルニティにおいても<魔サイ>を呼び出すなどして展開に活用し、<アマゾネスの射手>や<プリーステス・オーム>を用いた先攻ワンキルを行います。
2019年にはファイアウォール・ドラゴンとアマゾネスの射手が禁止になります。そして・・・
現代のインフェルニティ
2020年現在、大会やトーナメントシーンでインフェルニティを見かける事はほぼなくなりました。しかし様々な試行錯誤がなされ、現在でも先攻ワンキルを行うプランが開発されています。
<ハリファイバー>+レベル3or4モンスター1体+手札コスト1で<プリーステス・オーム>を10回使用して8000ポイントのバーンを行うというものです。
手順は過去にインフェルニティデッキを使って数々の実績を挙げられたガラムさんが動画でまとめてくださっておりますので、ここに紹介させて頂きます。
(ガラムさん、引用許可を頂き誠にありがとうございます!)
ハリファイバー+レベル4
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ハリファイバー+レベル3
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- <ケルビーニ>でデーモンにアクセス
- <スカルデット>でこれを特殊召喚し、
- <デュガレス>、<ユニオン・キャリアー>等でリソースを広げて、
- <プロキシー・F・マジシャン>を活用。リンク縛りのあるユニオン・キャリアーを融合素材にすることで展開のためのモンスターゾーンを確保し、<ネクロマンサー>も手札から特殊召喚
- 沼地のドロゴンが場にいる事で<クロシープ>も活用して
- 場に<ダランベルシアン>(<オーム>をサーチします)とΩを用意
- <ヌトス>でオームを特殊召喚し、<Ω>の墓地効果でガンを使い回しながら闇属性モンスター10体を射出していく
プロキシー・Fの全効果を活用している点や、Ωとダランベルシアンを同時に場に用意するためのアプローチがパズルじみていて面白いですね。
ざっくりとした説明ですので、これだけだと
「モンスター+チューナーでスタートしてるけど、残りの手札が邪魔になって効果を使えないんじゃないか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ここはデッキ構築によって課題を解決しやすくしています。
基本的に残りの手札は<竜の渓谷>、<煉獄の災天>などで手数を増やしたり、<アクア・ドルフィン>で誘発をケアに使ったり、<フォトスラ>、<サイレントブーツ>等の盤面に送りやすいモンスターを採用することで手札0になりやすいように構築をして展開をスムーズに行えるように工夫されています。
また、盤面に送り出しやすいモンスターを採用している=4体素材のスカルデットに向かいやすくなっているため、ダブついたモンスターを手札交換効果で入れ替えて解決に向かうなんてアドリブに期待することも可能です。
おわりに
ここまで時代によって様々なテーマやカードの力を吸収して変化・適応し続けてきたインフェルニティというデッキを紹介してきました。ここでもう一つこのテーマの面白いと思う点を紹介しておきたいと思います。
展開を考えるのがとても楽しいのです。
例えばとある初手から、先攻ワンキルをしたいとします。
でも上記のような<ハリファイバー>+チューナーを確保できるような手札ではない、でも<デーモン>の特殊召喚にはこぎつけれて、<スカルデット>も出せて・・・・あれ?というような盤面に回し続けているといつか出会えます。
その通常の展開ルートではないアドリブルートをどう回していくか、自力で編み出していく点がこのデッキの醍醐味の1つだと思います。
<ネクロマンサー>とデーモンの連鎖が続く限りリソースが持続的に使用できるのですが、「手札が0枚でないといけない」「フィールドにモンスターはメインゾーンに5体までしか出せない」という点が展開を難しくしている要因です。
しかし出来るルートを見出した時に難しい数学の問題を解き切った時のような、とてもとてもピースの多いパズルを完成させた時のような快感を脳が感じます。
もしインフェルニティに興味を持たれた方が、実際にデッキを回していつの日か僕と同じような経験をしてこの感動を味わってくれたらな、と思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。