
テーマ概要
「花札衛」は闇属性・戦士族で統一された「花札」を元ネタとするテーマで、ざっくりと言い表すと「手札からの特殊召喚とドローによって大量展開し、大型のシンクロモンスターで制圧するデッキ」です。特殊召喚とドロー、運要素が絡むことから【未界域】とよく比較されます。ただ、テーマ内のカードに「花札衛」モンスターしか特殊召喚できない縛りを持つものがあるため、ほぼ純の構築を強いられます。各モンスターのレベルは、元ネタの花札における「月」と同じになっています。
「花札衛」には大まかに分けて3種類のモンスターが存在し、元ネタの花札に合わせて、「カス札」「タネ札」「光札」と呼ばれることが多いです。
5種類のカス札は攻守が100で統一され、レベル1の<花札衛-松->を除いて『自身よりレベルの低い「花札衛」が自分の場に存在する場合に発動し、手札から特殊召喚する』効果を持ちます。この効果の発動後、「花札衛」しか特殊召喚できなくなります。3種類のタネ札はすべて攻守が100で統一された特殊召喚モンスターで、『自分の場の「花札衛」をリリースした場合に特殊召喚できる』召喚条件を持ちます。場のレベルに左右されずに展開できるので、デッキを回す上でのエンジンになります。
5種類の光札は<花札衛-桜に幕->を除いて『同名以外で同レベルの「花札衛」をリリースして手札から特殊召喚する』特殊召喚モンスターで、タネ札と比べるとやや特殊召喚しづらいもの、メインデッキの「花札衛」の中では最高の2000の攻守を持ちます。半数が戦闘を介してアドバンテージを得る効果を持ち、複数体並べることで一気にライフを詰めることもできます。
ほとんどのタネ札および光札が、特殊召喚された場合にドローし「花札衛」であれば固有処理、違えば墓地に送るというリスキーな効果を持つため、デッキ内の「花札衛」の比率が重要になってきます。この効果を駆使してモンスターを増やし、大型のシンクロモンスターに繋いでいきます。シンクロデッキでありながら、チューナーの共通効果で素材を全てレベル2として扱えるため、レベルを揃える必要がないのも特長です。
では、各モンスターについて詳しく見ていきましょう。
カス札
自身よりレベルの低い「花札衛」が存在すれば特殊召喚できるモンスターが多く、単純に盤面にモンスターを1体追加できるため、シンクロを多数並べる上では重要なカード群です。また、相手によって破壊された場合にもドローができます。他の全てのカス札の特殊召喚条件を満たせるため、このカードをできるだけ盤面に維持しながら回すことが重要です。
タネ札
自分の場の「花札衛」をリリースして特殊召喚し、特殊召喚成功時にドローする共通効果を持ちます。除去効果持ちかチューナーであるため、後手での捲りやデッキ回転で重要なモンスター群です。また、相手のデッキを知ることができるため、妨害の当てどころを見極めやすくもなります。レベルに左右されずに出せるチューナーでもあるため、序盤から展開に絡めたいモンスターです。
光札
同名以外の自身と同レベル(同月)の「花札衛」をリリースする特殊召喚モンスターで、カス札の<>と光札の<>が対応するようになっています。特殊召喚成功時にドローし、「花札衛」であれば特殊召喚できますが、カス札以外は特殊召喚モンスターであるため特殊召喚できないことに注意が必要です。各種サポート
「花札衛」名称は付いていませんが、サポートする魔法・罠が多数あります。ただし、この効果でチューナーを特殊召喚した場合、他にレベル2に変動したモンスターが2体いないとシンクロ出来なくなることに注意が必要です。また、墓地から除外し自分の場のモンスターをリリースすることで、手札の「花札衛」を条件を無視して特殊召喚できます。リリースするのは「花札衛」でなくてもよく、送り付けられたモンスターを処理したり、レベルの合わない光札を無理やり吐き出したりと器用な動きができます。カードの発動はターン制限がありますが、墓地効果は何枚でも使うことができます。
墓地から除外すると墓地の「花札衛」を手札に加えられますが、落ちたターンに使えず、またターン制限もあるため、次のターンの保険程度に考えていいでしょう。
攻撃表示かつ効果が無効化されるため残ってしまった場合にサンドバッグになりかねませんが、初動としてぜひとも引いておきたい1枚です。このカードを発動するターンは「花札衛」しか召喚・特殊召喚できないため、「壊獣」や「PSYフレーム」、<ラーの翼神竜-球体形>などを使う際は注意が必要です。
一旦回収のプロセスを経るため蘇生制限を無視できますが、このカードで特殊召喚したモンスターもまた蘇生制限を満たさないことには注意が必要です。「花札衛」のドロー失敗により墓地へ送られた場合、デッキトップ5枚から好きな魔法・罠を1枚回収し、さらに好きな順番で戻すことができます。後続のドロー効果の補助をしつつ、強力な魔法カードを加えてさらに展開を伸ばせます。
3体素材のシンクロモンスターを戻してこのカードの効果を発動すると、4体蘇生により単純にボードアドバンテージが増え、かつ蘇生した「花札衛」のドロー効果により莫大なハンドアドバンテージも見込めます。特殊召喚により墓地を肥やしてこのカードを発動し、さらなる展開に繋ぎましょう。蘇生するのはシンクロモンスターでもいいため、大量のシンクロモンスターを予め墓地に用意しておけば、一気にそれらを蘇生できます。
また、「花札衛」のドロー失敗によりこのカードが墓地へ送られた場合でも、エンドフェイズに好きな魔法・罠をサルベージできます。タイミングは遅いものの、<札再生>や自身に加え、<ハーピィの羽根帚>など汎用的なものもサルベージできます。非常に性能の高い、待ち望んだカードと言えるでしょう。
また「花札衛」シンクロが存在しない場合自壊してしまうため他のデッキではまず使用できず、墓地効果もないため【花札衛】でもまず採用されません。
「花札衛」シンクロモンスター
レベル÷2の素材を要求する重いモンスターですが、チューナーの効果によって数さえ揃えば簡単に出すことができます。効果を使用すると次のドローフェイズをスキップするため、複数回の同名カードの使用や<花札衛-雨四光->との併用によってデメリットを軽減しましょう。効果により特殊召喚した「花札衛」は直接攻撃できますが、このデッキでは基本的に除去してから殴るためオマケ程度に考えていいでしょう。
また、永続効果として「花札衛」全体に守備貫通を与え、他の高打点「花札衛」シンクロモンスターと並べると容易にライフを削り取ることができます。<スケープ・ゴート>のような壁を無視して攻撃できるのは大きいです。自身の打点はそれほど高くないため、展開途中に絡めて効果を使い、<超勝負!>で戻したりシンクロ素材としたりしましょう。盤面にチューナーが多い時の非チューナー供給役としても役立ちます。
また、ドローフェイズに相手が通常のドローをした際に1500のバーンダメージを与え、<花札衛-雨四光->の数だけ累積するため一気にライフポイントの半分を刈り取ることができます。素材を4体要求と重いですが、<花合わせ>+チューナーにより簡単にシンクロ召喚することができます。その耐性により<超勝負!>の蘇生に巻き込めばデメリットを無視でき、複数体によるロックとバーンダメージ、3000の打点により後手からの捲りでも頼りになります。
相手エンドフェイズに自身の効果無効かドローの放棄を選択するデメリットがありますが、<花札衛-月花見->の効果によってもとよりドローフェイズはスキップされるため、あまり気にならないでしょう。シンクロ素材として墓地へ溜め、超勝負!によって一気に複数体蘇生したいですね。
効果は「花札衛」全体に及ぶため、<花札衛-猪鹿蝶->の効果で貫通を与えた上で複数体のシンクロモンスターとともに切り込むと、多大なるダメージを与えることができます。除去を受けた際にも、バウンスでなければエクストラデッキから同名以外の「花札衛」シンクロモンスターを特殊召喚できるため、相手からすると非常に厄介なモンスターです。こちらも蘇生が可能なため、<超勝負!>によって複数体並べられると強力です。
「花札衛」モンスターとそのサポートカードを紹介しました。次回は、相性のいい魔法カードと、デッキの回し方、立ち回りを解説します。
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