俺が遊月をあきらめた日
時は遡ること2019年1月。世は"WIXOSS CUP"開催期間の真っ只中。
僕はWILESにてキーセレに登場し、RHETORICで超強化された遊月で大会に臨んでいた。
東京会場では、予選から確変したかの如くマッチングし続けたユキになんやかんや勝ち続けていたものの、4戦目にして最高のムーブを決められ、上位入賞にて終幕。
名古屋会場では、日頃の行いの差が如実に現れるミラーマッチにて敢え無く敗北し、これまた上位入賞にて終幕。
......勝ちきれない。
次に控えるは大阪会場。
苦手な白タマが多い。
ミラーにも負けたくない。
頂点に、狂い咲きたい......
スパークした感情から生み出されたのは、頂点に狂い咲く※1為のアーツ構成。
(※1:多少の安定感を犠牲にしてでも、最大値を叩き出すことを目的とした姿を意味する)
結果は予選落ち。
大会には負けたが、最大の仮想的だった白タマに勝てるなら、このデッキはまだ戦える。
そう思い挑んだ白タマとのフリーは見事に敗北。
失意のドン底に沈んだ僕は、ピッカピカに光らせていた相棒の遊月をその場で友人にゆずった。
ゆづきだけに......?????????
......?
と、言うことで時は経ち、ふと画像フォルダを漁っていたら、当時の自分の中での遊月の結論構築だったのに闇に葬ってしまっていたレシピが出てきました。
あの頃から時は流れ、汎用札も粒ぞろいになり、最新弾コリジョンにて遊月も強化されました。
今回は、最新版にアップデートした+頂点に狂い咲く為の遊月+を紹介します。
遊月ってどんなデッキ?
取り敢えず、キーセレクションにおける遊月がどのようなデッキなのかおさらいしていきましょう。◎長所
1.アーツのパワーアップで防御面数が多めに出来る。
遊月の専用アーツ<真空斬撃>は効果によってカードを公開出来る為、<マレガビ>や<ダンクルテウス>と組み合わせることで、 <真空斬撃>で<マレガビ>公開で10000以下のシグニをバニッシュ。
<マレガビ>効果⇒<ティロス>蘇生⇒<ティロス>出現時で<ダンクルテウス>+@公開。<ダンクルテウス>効果で残りの1面をバニッシュ。
の流れで動くことでアーツ1枚で3面防御することが出来ます。
アーツ1面のバリューがゲームの勝敗を分けるキーセレにおいては長所と言えるでしょう。
2.膨大なハンドリソース
- <爪牙 遊月・肆戒>の出現時
- <幻水姫 オワンクラゲ>のアタックフェイズ開始時のエナ回収
- <獣群邁進>の3ドロー
- LBの殆どで手札が増える(これは弱点でもありますが......)
リソース回復の機会が多い点はハンデス系のデッキに対して非常に心強いです。
青タマが流行している現在の環境では、この点も見逃せません。
3.アタック時除去で攻め続けることが出来る
<ダンクルテウス>や<コノハケロ>の存在から、「アタックした時、水獣を公開する」と書いてあるカードは全て、並べるだけで点要求シグニになれます。また、<オワンクラゲ>のエナ回収の存在から毎ターン盤面を空けることなく3面要求の動きが安定します。
この動きを徹底することで、<5th Anniv.Heroines>を始めとした蘇生系の防御手段を腐らせながら戦うことが出来ます。
◎短所
序盤のダメージレースがイマイチ
昔は<ケロモドキ>で1点取って、3t目に<ティロス>x2で2点。位の感覚でもゲームになっていましたが、現環境では気品優雅さetc.はさて置きそれでは速さが足りません。
とは言え、<真・遊月・鍵>は序盤に張れないので、どうしてもダメージレースに遅れがちになってしまいます。
これは明確な弱点と言えるでしょう。
総括すると現環境での遊月は、そこそこの防御面数を持ち、ハンドリソースの多さ、攻め方の特殊性から特定のルリグには強く出られるものの、ダメージレースが遅い為に競り負ける場面が多いルリグ。 といった感じです。
コリジョンでどう強化されたか
幻水 ライムラス
採用するにあたっての最大のライバルはTDからの御供、<ケロモドキ>でしょう。
手札のかみ合いが求められるものの、安定した運用が出来る代わりに、なんやかんや序盤の1エナが重たい<ケロモドキ>とは違い、ノーコストで運用できるのは優秀です。
実際に使ってみて感じたのは、<ライムラス>x2+水獣2種で1体の<ライムラス>にバフを集中することで、序盤からランサーの条件を達成できる場面が結構多い点です。
また、<ティロス>のパンプ値が足りない場合にもコイツでサポートできるなど、意外と小回りが利きます。
他にも遊月というデッキは構築にもよりますが、先攻の場合だと4t目が意外と攻め辛い場合がある。
という性質があります。(僕がへたくそなだけかもしれませんが......)
というのは、3t目は可能な限り<ティロス>を使った盤面を作りたい点は、今も昔も変わりません。
続く4t目に要求を取れるシグニは、前のターンに消費した<ティロス>と<オワンクラゲ>の2種程度です。
その他の<クロコワニ>等の公開系のカードを用いる場合、相手の盤面のパワーラインが低い為に省エネの<コノハケロ>が使えず、<ダンクルテウス>を用いることになってしまいます。
<オワンクラゲ>で<オワンクラゲ>は回収できません+戒め+ので、温存しておきたいのもあり、<プレシオ>や<プロテロ>等を採用していないor引けていないと攻めあぐねてしまう場合が割とあります。
そこでこの<ライムラス>です。<爪牙 遊月・肆戒>の出で手札の水獣が増えていることもあり、単体パワー7000超えのランサーとして使える為、この問題を一気に解決してくれます。
これは単体ではパワー2000にしかなれない<ケロモドキ>との大きな差別点です。
総じて非常に優秀な1枚と言えるでしょう。
7枚位積ませてほしい。
- 序盤の打点札の増量
- 攻めの"つっかえ"防止
羅水植 マリモ
ランサーの条件は、<鎮護国禍>や<オオサンショウ><マダラモリ>等で達成できます。
前者2種類は遊月デッキに採用しやすい札なので好相性です。
- 序盤の打点札の増量
幻水 セベク
公開された時の効果が盾に強LBを仕込むことによって防御面数をかさ増しするデッキに対してぶっ刺さります。※具体的には白タマの<ママキー>やリメンバの<プロテクション・マッピング>or<生生流転>等。
この手の防御手段を貫通する為には、耐性シグニを"複数面"+"立て続ける"ことが必要になります。
単体では<セレハピ>でそこだけ止められたり、1tだけだと別のアーツやエクシードで守られたり。
その点、<セベク>は1枚ハンドに構えておくだけで、アタック時公開系のシグニ全てが、シグニ耐性を持っているのと同義ですので"複数面"も簡単にクリアできます。
また、通った時に投げればいいので、"立て続ける"も容易にクリアできます。
他にも、単純に不意のLBもケアできるので、"ラス盾有効バーストで負け"みたいな状況も無くなります。
一見地味なテキストですが、遊月デッキの強みの1つになり得る強力な効果です。
後、このテキストにアタック時公開がくっついてて、アタッカーとして運用できるのがマジGODナノネ。
もう一つ小話なのですが、アタック時バニッシュを主体とするデッキの天敵となる<糾う者>の<アークエナジェ>に対し、メイン中に公開して<オワンクラゲ>等に耐性を付与し、その後の<マレガビ>公開を匂わせることでプレッシャーをかけることができます。
青ピルルクの<シャハラザ>に苦しめられた過去を思い出します。
- LBケアという新たな性質の獲得
幻水電 エレクトイール
LBが強めということもあり、<ミミック>などの山操作+<ママキー>でライフを作っていくタイプの遊月では1枚でパーツの回収と自身が強LBとして運用できることもあり、非常に優秀な働きをしてくれるでしょう。
- ピンポイントサーチ+それを生かしたコンボ的な立ち回りが可能に
- メイン除去手段の増加
総括としては、課題であった序盤のダメージレースの弱さを解消しうる札を2種類もらえつつ、シグニ耐性という新たな武器を手に入れているので、良い強化をもらえていると思います。
後は<エレクトイール>による、新しい遊月の形は、膨大なリソースというメリットを活かせる為、研究のし甲斐があると思います。
今回はアタック時バニッシュによる蘇生系の防御を封じられる長所を最大限活かす形+短所だった序盤のダメージレースを改善出来るようにデッキを組んでみました。
デッキレシピ
遊月
非LB
計20枚
特徴的なところの解説
爪牙 遊月・壱戒
このデッキでのコインの用途は、 の計5枚なので1枚足りない計算になってしまいますが、<ライムラス>や<ティロス>が序盤の手札の水獣の枚数を要求してくる為、1コイン消費ムーブのいずれかを捨ててでも、此方を優先しました。
序盤の手札1枚の差は非常に大きいですし、1枚マリガンが出来る為、必要パーツを探しに行けるのも◎
ドーナ CHEER
昔は高かったですね。僕は高値で買いました。
現在は<焔型闘娘 花代&緑子>派閥が優勢ですが、僕は此方の方が好みです。
札の枚数自体は、後述する<ラティナ>や<プテリゴ>がカバーしてくれますし、3tアンロックの為にエナを節約する必要が無いので、<ケロモドキ>等もガンガン使っていけます。
そして何より、後半の要求全てをアタックトリガーに出来るのが遊月の強みなので、盤面を空けることなく防御できる此方に軍配が上がると考えています。
イレイス・ルフラン
苦手とするタマに対して、<ドーナ・CHEER>が使えなくなる「イノセンス」のターンをどうやって凌ぐか考えた際に、たどり着いた1枚。
<獣群邁進>+<イレイズ・ルフラン>で確実に1ターン生むことが出来ます。
暴風警報
アンコールコストの<ドーナキー>は破棄時テキストを持っているので、余すことなく使えるようになりました。
コードアンチ ラティナ
「イノセンス」下でも払える<イレイズ・ルフラン>のコスト用の白エナ。
遊月、特に<焔型闘娘 花代&緑子>を採用しないデッキの<ラティナ>は非常に優秀です。
- 単純に手札+1のカードなので序盤に盤面を並べつつ、手札に水獣をキープしやすくなる
- <ティロス>を<プテリゴ>で増やして3t目に備えたいデッキなので、足りない方にアクセス出来、安定性が向上する
- 非水獣でありながらサーチによって水獣になれるので、各種公開系の邪魔にならない
- <ダンクルテウス>や<マレガビ>等、1枚は公開領域に居て欲しいカードにアクセスしやすくなる。
- 手札が潤沢な場合は序盤の火力になってくれる。
幻水 プテリゴ
⇒【WIXOSS デッキ】キーセレ環境ユヅキのあれこれ WILES~RHETORIC
の記事を読んでください。
無理に3t目に<花緑キー>を展開する必要が無いので、ガンガン出現時効果を使っていけます。
幻水 ケロモドキ
最後に
如何でしたか?速攻よりの赤環境では苦しい戦いを強いられますが、青タマやウムル等のリソース奪取を得意とするデッキが持ち返してくれば刺さるデッキです。
かなり扱い易い構築かつ、汎用札を除けばそこそこリーズナブルに組めるので是非使ってみてください。
以上です。