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攻略コラム:2023年1月 アーカイブ

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ウィクロスが強くなるにはどうすればいい?夢限少女杯ランカーに取材してみた!【前編】

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    夢限少女杯ランカーに取材してみた!【前編】
    はじめに
    「ウィクロスパーティーで優勝したい!」「セレモニーで結果を出したい!」「ディーヴァグランプリで勝ちたい!」

    ウィクロスプレイヤーなら誰もが持っているであろう「勝ちたい」「強くなりたい」という願望。しかし勝負の世界は厳しいもの。勝者の裏には無数の敗者がいて、ひっそりと悔し涙を流していることでしょう。
    私もそうです。グランプリで勝てないし、セレモニーで優勝したことないし、周りはどんどん強くなる。「どうすれば強くなれるのだろう」「強い人は何を考えている?」「そもそも強いって何だ?」......。

    そしてある日、気が付きました。「分からなければ、取材すればいいじゃない」と。

    というわけで今回は特別企画!
    遊々亭ブロガーの同僚であり、両人とも夢限少女杯本戦に出場された「しみずき」さんと「46熊」さんが、私のインタビューに応じてくれました。数多くの輝かしい実績を残しながら、遊々亭で情報を発信されている2人が、「ウィクロスが強くなるには?」をテーマに、大いに語ってくださりました。
    ウィクロスパーティー優勝を目指す方も、トップディーヴァを夢見る方も、役立つヒントが見つかること間違いなし!これを読んで、2023年のウィクロスでスタートダッシュを決めましょう!

    (2022年12月21日、リモートにて取材)


    プレイヤープロフィール
    しみずき
    夢限少女杯SPSランキング12位で本戦出場し、ベスト16入賞。ディーヴァグランプリ1st4位、2017年第3回世界大会準優勝など実績多数。
    遊々亭では2015年2月から執筆を続ける大ベテラン。確固たる理論に基づいて構築したデッキを使い、その考え方を発信し続ける。東海地方在住。<アイン=ダガ>に思い出がある。

    46熊
    夢限少女杯SPSランキング10位で本戦出場し、ベスト16入賞。ディーヴァグランプリ3rdベスト8など実績多数。
    以前から個人ブログ等で発信をしており、遊々亭には2022年7月から参加。"環境デッキを強く使う"を信条に、多くの優勝・入賞を積み重ねる。九州在住。お気に入りのシグニは<紅将姫 キントキ>......の後ろにいる熊。

    からばこ(司会進行)
    デッキまとめサイト「WIXOSSBOX」管理人。遊々亭には2018年11月から参加。ディーヴァグランプリは4回全て予選落ち。
    夢限少女杯本戦を現地取材し、参加者の圧倒的実力に打ちひしがれ、「強い」のヒントを取材しに来た。東京在住。最近は「デッキ何枚ですか?」と聞いてばかり。


    月ノ美兎は「次世代のDXM」!?
    からばこ:この記事が出る頃には「にじさんじ DIVA」が発売されているわけですが、新ルリグやシグニをどう見ていますか?
    しみずき:強いです。【月ノ美兎】はリフレッシュの速度が圧倒的で、火力が非常に高い。「次世代のDXM」と評しても過言ではないですね。夢限少女杯優勝のシロネコ選手と色々なデッキを作って対戦しましたが、現状の「2面防御」では追いつかない火力を持っていますね。<TRIGGER OF VICTORY><DEATH DECK>を採用した【チームエクス】に匹敵する火力です。


    46熊:僕は【アンジュ】を組んでみたいです。シグニでは<コード2434 西園チグサ>が頭一つ抜けて強力でしょう。<コウメイ>や<ロンゴミニアド>と異なり、シグニをダウンさせずにルリグが連続攻撃できるのは強烈です。


    しみずき:<西園チグサ>は強いですよね。僕は合わせて<コード2434 周央サンゴ>に注目しています。【月ノ美兎】は<プルソン>と相性がよく<エクシア>を突破しやすいので、もしも環境で流行すれば、<エクシア>がこれまでほど信頼できる防御手段ではなくなります。一方、<周央サンゴ>は基本パワーが35000になるので、たとえ能力を失っても、パワーが高い壁が残りますから。
    からばこ:夢限少女杯ではリメンバが環境の中心にいましたが、その傾向は続きそうですか?


    46熊:<リメンバ・ディナー>も<リメンバ//メモリア>もにじさんじルリグには強く刺さりますし、リメンバデッキの対応力の高さは異次元です。メインデッキを環境に適応させ、今後も強い立ち位置であり続けるでしょう。


    しみずき:にじさんじルリグは<エクシア>やハンデスに弱いので、どう対応するかが重要だと考えています。単に<プルソン>を入れればいいように思えますが、バーチャルクラス以外のシグニに触りづらいので。
    既に4ルリグでデッキを組みましたし、バーチャルシグニを軸にした既存ルリグのデッキも1つ作りました。モチベーションは非常に高いです。


    世間より一歩先に!
    からばこ:お2人はセレモニーやディーヴァグランプリなどで多く結果を残しており、環境を中心に戦っています。環境で戦うために、セレモニーの結果によるメタゲームや、流行のデッキをどう読み解いていますか?ざっくりと「リメンバが強いよね」だけではないとは思いますが。
    しみずき:何がどれくらい勝っていて、どこの地域で何が流行っているのかを知るのは大切です。WIXOSSBOXでどのデッキがどれだけ入賞しているかを統計を取ったことがありますが、分析は非常に役立ちました(参照記事「セレモニー結果から見る『REUNION』環境要注目ルリグの振り返り」)。
    環境を見る際は、参加人数が少ないセレモニーもあるので、その週だけでなく、2〜3週くらいの幅で広くとらえるといいでしょう。そこから、地域の特性や環境にあったデッキを選び、セレモニーに挑みます。(参考記事「競技目線で見る『デッキ選択の考え方』)


    46熊:僕は環境に合わせてルリグやデッキを変えたりはしませんが、「【原子デウス】に対して<リメンバ//メモリア>が強い」ということが知られ、<リメンバ//メモリア>が増えた時期は、【原子デウス】で「<リメンバ//メモリア>を対策するカード」を色々と試してみました。当時だと<イオナ//メモリア>などでしょうか。
    しみずき:やはり「環境の一歩先」を意識することが大切です。
    にじさんじの話に戻りますが、もしも【月ノ美兎】がDXMに匹敵する火力を持ち、そのデッキが流行し、結果が出るとしましょう。であれば、その火力に耐えうるアシストルリグを採用するのが主流になりますよね。アシストのマドカも、<マドカ//ダブ>から<マドカ//クラップ>になる、でしょうか。
    強いプレイヤー......、シロネコ選手は現在の段階で、「もしこの先、<マドカ//クラップ>などの大型防御が流行したらどうする?」という思考で、現時点で様々なデッキを考えていますね。これが流行ったらこれ、これが来たらこれと、既に想定ができている。流行したら勝てるし、流行しなかったら「違ったね」で、また考える。
    46熊:大型アシスト対策で、例えばエナ破壊ができるカードを採用したり、という形でしょうか。<ゼノ・クラスタ>が多くのデッキに積まれるとも考えにくいですし、刺さりそうです。


    しみずき:自分のデッキに合わせてになりますが、そういう方向性だと思います。<リメンバ//メモリア>対策に<イオナ//メモリア>と考え方は似ているでしょう。世間より一歩先のノウハウを持つことが大切です。


    からばこ:46熊さんは強いデッキをしっかり使う、という考え方ですね。


    46熊:強いデッキを使わずに負けた時に、「相手は強力なデッキだったから」と考えがちですが、自分がそれが嫌ですね。自分が強くなるために、負けた原因を自分のプレイングのせいにしたい。環境デッキは強い人の集合知だからやっぱり強いし、それで負けるなら、使い手の自分が悪い。だから成長の余地がある。
    もちろん環境デッキもいくつかあるので、どれを使うかは地域にもよります。九州は緑や白のアシストルリグ、センタールリグを使う人が多い印象があるので、環境でも【チームエクス】は違うかな、とか。


    しみずき:入賞したデッキを見ながら、「どうやったらこのデッキに勝てるか?」という反骨心を持ってほしいですね。
    羅菌 オイゴナ>っているじゃないですか。今は強力なカードとして有名ですが、登場自体は2022年4月末の「CONFLATED DIVA」なんですよ。このカードが当時の環境デッキの【原子デウス】に、多く採用され始めたのがいつ頃からか、知ってますか?
    からばこ:5〜6月頃は【原子デウス】からはあまり飛んでこなかった記憶です。むしろ<羅原 Pa>のほうが多かったような。


    しみずき:7月中旬頃からです。7月上旬のディーヴァグランプリ3rdで優勝した【笛原子デウス】に採用されていたから広まったんですよ。その後の【原子デウス】も【笛原子デウス】に一気に変わりましたし。
    ウィクロスは他のタイトルに比べ環境の変化が遅い印象です。<オイゴナ>の件に限らず、有名プレイヤーが結果を出すまで流行の構築は変わらない。環境が変わらないから、同じデッキを使い続けて勝ち続けるし、同じデッキを使い続けて負け続けることだってあります。「【原子デウス】絶対倒す!」という強い気概で、環境を疑って、挑んでほしい。


    46熊:自分が考える「強いプレイヤー」は、勝つ人ではなく、勝ち続ける人です。環境はもちろん変化するし、ある時最強のデッキも、対策されて最強の座から落ちる。でも、勝っている人は勝ち続けますよね。対策をはねのけたり、プレイングで乗り越えたり、環境を読んだデッキ選択をしたり。多くのプレイヤーが持っていない能力で、トップに立ち"続けて"いる人たちが、強い人だと自分は思います。
    夢限少女杯の本戦はそういう人の集まりでした。16人全員がリメンバの流行を見越して、「じゃあ、リメンバどうする?」をスタート地点にデッキを選び、作っていましたから。リメンバを使う人も、リメンバを使わない人もそうでしたね。


    中編へ続く(「ターン数」を心がけよう、レベル3が大切!など、実際のバトルでの考え方を聞きました!)

ウィクロスが強くなるにはどうすればいい?夢限少女杯ランカーに取材してみた!【中編】

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    by 攻略コラム

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    夢限少女杯ランカーに取材してみた!【中編】
    前編はこちら
    「ターン数」を心がけよう!
    からばこ:環境の捉え方の他に、実際のバトルの中で、強いプレイヤーに共通する傾向はありますか。


    しみずき:ディーヴァセレクションに限った話でいうと、自分のゲーム数のターン数を理解して、やることをやり、やらないことをやらない、を正しく選べるか、でしょうか。強いプレイヤーが共通して持つ傾向です。


    からばこ:ターン数、ですか。
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    しみずき:今のお互いのエナの状況、残りのピースやアシストルリグ、サーバントの枚数などを見て、「あと何ターンゲームが続くかな」「要求はあと何点必要だな」という考え方です。「あと何ターンゲームを続けて、何点要求を作らなければいけない。だからこのアシストルリグは今は温存しないといけない。だから使わない」というような判断ができるようになれば、強くなれると思います。その場限りの状況を見て、アシストルリグを使ったりしていませんか?


    からばこ:しているかもしれない......。このターンアシストルリグを使って生き残っても、次のターンに相手のライフが多く残っているから、どう頑張っても勝てないのに、「負けちゃう!」って焦って、アシストルリグに乗っちゃう、みたいな。どうしても「このターン」だけで見てしまうかも。


    しみずき:3ターン目くらいでその逆算が出来る人は強いです。ターン数に加えて、デッキの残り枚数もきっちり見ているプレイヤーもいる。夢限少女杯準優勝のぽっきー選手はその力が強く、だから<ウリス・アフリクト><ウルトラスーパーヒーローズ>などで、リフレッシュに入れるタイミングが絶妙です。
    忘れてほしくないのは、「あと何ターンゲームを続けて、後何点取らないといけない」という先読みの力があっても、デッキに要求できるカードがなければ意味がない、ということです。だからきちんと点要求ができるカードをデッキに入れましょう。これが、「ダメージレースが大切」という話に繋がります。
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    46熊:ダメージレースが先行できたら、その後の展開も自分のペースに持ち込めますもんね。先に相手を攻めると、相手はこちらの攻めに対応しなければいけない。どんなデッキを使っても、その考え方は大切になります。


    しみずき:僕がディーヴァセレクションで強くなったきっかけのバトルがあります。
    相手のシグニアタックで、「相手のシグニ1体をバニッシュする」というライフバーストが発動した時、「アタックを終えて、ダウンしたパワー8000のシグニ」と「ライフクロスへのアタックを控える、アップ状態のパワー3000のシグニ」のどちらをバニッシュするかを選ぶ状況になりました。
    普通ならアタックを控え、1点取られるパワー3000のシグニをバニッシュしますが、僕はそこで踏みとどまって、「ここで8000のシグニをバニッシュしないと、ダメージレースで追いつけないな」と判断し、8000のシグニをバニッシュしたんですね。そのゲームは最終的に相手のライフバーストで負けてしまいましたが、もし3000のシグニをバニッシュしていたら、8000のシグニを処理できず、ライフバースト勝負の土俵にすら立てませんでした。これは自分が1段階強くなったバトルで、そこから「ターン数」を心がけるようになりました。
    ダメージレースの考え方は非常に大切です。その考えを実行に移すために、メインデッキに点を取れるシグニを入れないといけない。「3点取りたいけれど、そのカードが入っていない」のであれば、構築から見直します。とにかく点を取れ、3点取れ、ですね。

    レベル3で一度立ち止まろう!
    からばこ:ターン数を考えるにあたって、実戦で心がけていることはありますか?毎ターン「あとどれくらい」と考えるのは難しいかもしれません。


    しみずき:センタールリグがレベル3にグロウしたタイミングで、一度立ち止まりましょう。お互いの残りライフクロス、残りのアシストルリグ、手札やトラッシュのサーバントの有無を確認し、そこからどうすれば相手のライフクロスを削りきり、最後の1点を入れられるのかを考えます。それが無理なら、どうすれば自分は「追加の1ターン」を得られるのか。この2つを考えた時に、どちらに勝算があるのか。3にグロウして、「どうしようかな」と考えますね。


    46熊:デッキを作った段階で「こう動きたい」という理想があると思いますが、ライフバーストの有無やドローの良し悪しで、その理想と現実にズレがあると思います。「サーバントが引けなくて思ったよりライフクロスが少なくなってしまった」「相手のライフクロスが全く発動せず、結構攻められているぞ」などでしょうか。そのズレも考慮して、レベル3にグロウした段階で、どう攻めていくかを決めていきたいです。
    しみずき:レベル3にグロウして「2回連続で3面要求をすれば勝てる」となったとしても、除去シグニや除去ピースが足りなくて、そもそも「2回連続の3面要求」ができない場合もあります。それは、「デッキ構築を見直しましょう」ということです。


    からばこ:ハンデスはどう考えればよいですか?
    しみずき:ハンデスはルリグアタックによる追加の1点が通りやすくなったり、相手のアタッカーを捨てさせて「追加の1ターン」を得られやすくなるので強力です。ただ、単純なシグニでの攻めより不安定な要素が増えるので、ちょっと難しくなるかもしれませんね。


    後編へ続く(好きなルリグで勝つために、デッキ構築で重要なことって?)

ウィクロスが強くなるにはどうすればいい?夢限少女杯ランカーに取材してみた!【後編】

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    夢限少女杯ランカーに取材してみた!【後編】
    中編はこちらから
    好きなルリグを勝たせるには?
    からばこ:環境で結果を残すルリグが強いのは分かりますが、自分が好きなルリグがそうであるとは限りません。僕も【まほまほ】はとても好きですが、なかなか苦労しています。好きなルリグで勝つために、構築やプレイングで心がけることはありますか?
    しみずき:ディーヴァセレクションのセンタールリグは、一部強すぎるルリグもいますが、一定の査定を基準にデザインされている印象です。勝てないのは環境に合っていないからなのかもしれませんが、それ以上に、そのルリグに固執し過ぎているのかもしれません。「そのルリグで勝ちたい!」という気持ちにとらわれすぎて、本当に強いデッキやルリグの動きや戦略を知らないのではないでしょうか。
    勝てるノウハウを知らないでデッキを組むと、デッキとしてのまとまりが悪くなりがちです。好きなルリグを勝たせたいのであれば、既に勝っているデッキの性質や構造を知って、好きなルリグに取り入れるのがいいと思います。


    46熊:何より、まずは好きなルリグの勝利報告を探しましょう。セレモニー優勝とまではいかずとも、少なくともデッキとしてまとまっているものが見つかるかもしれません。「どうせ勝っていないでしょ」と諦めて、探しすらしていないのは違います。


    しみずき:【ダッシュヒラナ】なんて、当時結果が残っていないルリグが花開いた良い例ですよ。防御面数0でここまで強いルリグはなかなかいません。好きなルリグを引っ張っていくために、まずは自分自身の経験値を増やしましょう。


    からばこ:【ダッシュヒラナ】の基盤を花代に転用した【ダッシュ花代】とウィクロスパーティーで当たりました。ルリグデッキは【ダッシュヒラナ】そのままで、メインデッキは宝石系のシグニが中心。<火露炎 花代・参>の起動能力で、リソースとシグニの火力も担保したデッキでした。劣化なんてとんでもない。ヒラナとは違った強みを持った、良いデッキでした。

    強いデッキを使っているのに勝てない......。どうして?
    からばこ:WIXOSSBOXを運営していると「入賞したデッキを回しているのに勝てない」という声をよく聞きますが、どう捉えますか?


    46熊:一番いいのは、そのデッキを作った人に回し方を聞くことでしょう。オールスターの話ですが、僕が使っている【創世マユ】は、結果を残したプレイヤーに色々と聞いて、自分好みに調整していったんです。LBなしのサーバント枠が、<忘得ぬ幻想 ヴァルキリー>でサーチできる<サーバント T2>ではなく<サーバント Q2>になっている理由は、本人に聞かないと分かりませんでしたね。


    しみずき:足りないものが2つあります。1つはそのデッキへの経験値と理解。例えば、なぜ<チョウウン>や<キョウシュウ>ではなく<トキユキ>なのかは、使った本人でないとわかりません。もう1つは、デッキの構築そのものが古い。入賞した時点でそのデッキは過去のものになっているから、そのデッキを使っている時点で遅れています。使用者は「優勝したけれど次はここを変えよう」と思っているかもしれません。今後開催されるセレモニーで、使用者がアップデートしたデッキと、結果を残した過去のデッキが対戦して、後者が勝てるのか?ということです。
    46熊:でも、結果を残したデッキを回すのは強くなる近道です。負けたとしても、どうして負けたかがわかれば、対戦した時にその弱点をつけるし、自分がデッキを組むにあたっても対策になります。


    しみずき:別のゲームの話題になってしまいますが、僕は最近「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のオンライン対戦を始めました。強い人が公開しているレンタルチーム(※)を使うんですが、ポケモンのことを知らずにたくさん負けています。サーフゴーにでんじは(※)撃って「あれ、効かない!?」ってなっちゃうんですよね。強いパーティーを使っても、やってはいけないことをやって負けてしまう。それと同じでしょう。

    (※)レンタルチーム:他のプレイヤーが育てたポケモンたちを借りる機能。借りたチームはオンライン対戦などで使用できるが、自分のポケモンになるわけではない。
    (※)サーフゴーにでんじは:「サーフゴー」というポケモンは、「おうごんのからだ」というとくせい(ポケモンが持つ特殊能力)を持っており、相手からの変化技を受けない。「でんじは」は、相手を「まひ」状態にする変化技なので、サーフゴーに無力化される。サーフゴーのとくせいを知っていればでんじはを使わないが、知らないと撃ってしまう、という話。

    「負けて覚えて」とは言うけれど......。
    からばこ:「負けて覚えて強くなろう」とよく言われますし、私も言います。負けをどう、成長の糧にしていますか?


    しみずき:「サーフゴーにでんじは」で負けるのは、サーフゴーにでんじはが効かないことを知らない、自分の「無知」ゆえです。ウィクロスではその無知に気が付きにくいかもしれません。やってはいけないことを知らずしらずのうちにやって負けている。でも、それを知る機会がないから、また繰り返して負ける。負けて覚えられる環境があるのは恵まれています。


    46熊:サーフゴーにでんじはを打つと、「おうごんのからだで効果がないようだ」と表示されるから気が付けますが、ウィクロスに限らず、カードゲームでは表示すらされませんからね......。強い人に指摘してもらえれば良いですけれど。
    例えば、先攻1ターン目で手札にレベル1が<サーバント#>1枚しかない状況で、その<サーバント#>を場に出すプレイヤーもいます。その<サーバント#>を出さずに持っておけば、受けるダメージを1点減らせるのに、です。
    しみずき:デッキを紹介する記事はあっても、そういう基本のプレイングを発信した記事は少ないですよね。強くなりたい人が、ウィクロスの基本を学ぶ場所が少ない。これは僕たちのような、コンテンツを発信する側の責任でもありますが。


    46熊:強い人が当たり前に、無意識のようにやっていることを、改めて伝えることは大切かもしれません。


    からばこ:ところでお二人は、プレイヤーが発信するウィクロスに関する記事や動画をどれくらい読んで見ていますか?


    しみずき:かなり見ていますよ。セレモニーの結果も遊々亭の記事も、ツイッターで流れてくる記事もしっかり見ています。新しいアイディアやひらめきが見つかることも多いですからね。そのアイディアを自分のメソッドに落とし込めば、もっと強いデッキが組めるだろうという自信もありますから。自信だけあっても、アイディアを思いつかないと意味がないので、しっかり見ています。


    46熊:自分もなるべく読むようにしています。自分が考えていないことを知ることができますし、自分が記事を書く以上、読まれるのはやっぱり嬉しいですし、「このデッキ面白そう」とか言われるとなお嬉しい。探して何か見つかれば得ですし、見つからなくても損ではありませんから。


    からばこ:私も流れてくるものは全部見ていますし、WIXOSSBOXの更新の際は、デッキにしっかり目を通します。そもそもそういう目的でサイトを始めましたからね。

    強くなったら「生きている実感」が味わえる!
    からばこ:「強くなりたい!」と言いはするものの、実際に強くなったら、どんないいことがありますか?
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    46熊:勝つことが全てではないですが、やっぱり勝つと楽しいし、もっと勝ちたいと思うようになりますね。遠征だってしたくなる。
    強くなると強い人と対戦した時に物怖じしなくなるし、強い人との関わりが増えて、友達がどんどん増えます。カードゲームを通して自分はたくさん友達を作りたいし、実際にたくさん友達ができました。


    しみずき:これめっちゃ語りたいんですよ。強くなると、夢限少女杯本戦に出られる。ディーヴァグランプリの決勝トーナメントに出られる。そうなると何が得られるって、ずばり「生きている実感」ですよ。大型大会の重要なバトルの前の、あの意味不明なひりつきを一度味わったら、もう戻ってこられない。エンドルフィン(※)が脳内でドバドバですよ。
    僕はもう、ウィクロスパーティーやウィクロスセレモニーではそれが感じられなくなってしまいました。だんだん耐性がつくんでしょう。ディーヴァグランプリや夢限少女杯になると、やっと出始める。あのひりつきをもう一度味わうために、強くなるし、勝利を目指す。
    カードゲームをやっていて、そのひりつきを味わえないのはもったいない。ぜひ味わってほしい。

    (※)エンドルフィン:脳内から分泌されるホルモンの一種で、分泌されると鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られる。「幸せホルモン」「脳内麻薬」とも呼ばれる。


    からばこ:振り返れば私が一番嬉しかったのって、人生で初めてウィクロスパーティーで優勝した時かもしれません。あの時もらった<アーク・ディストラクト>は、今も大切にしています。またあの喜びを味わいたいなあ......。

    「その先で待っているぜ」「たくさんバトルしましょう!」
    からばこ:たくさんお話を伺わせていただきましたが、改めて最後に、読者の皆様に一言ずつお願いします。


    46熊:強くなりたい人は、たくさん対戦してほしいです。リアルでもリモートでもいいので、たくさん対戦しましょう。
    2022年の5月にウィクロスを始めたプレイヤーがdiscordの「ウィクロス集会所」にいるのですが、ほぼ毎日対戦募集をしていて、どんどん強くなっています。セレモニーでも準優勝しているので、優勝も時間の問題でしょう。やる気に満ちた人は、集会所でも自分のツイッターでもいいので、遊びに来て、どんどん対戦して、一緒に強くなりましょう。


    しみずき:「自分がウィクロスの環境を作るんだ!」という気概を持ってほしいですね。
    ウィクロスは環境の変化が遅いので、既に出た結果が最適解ということはほぼありません。自分が一歩先に行く、という気概が実りやすいカードゲームです。すでにあるものが結果だと思わず、答えを追い求めることが、勝つために大事です。環境の一歩先で、皆様を待っています。


    からばこ:ありがとうございます。私も最後に伝えるとすれば、間違えることを怖がらないでほしい、ということでしょうか。失敗は悪いことではないですし......。きっとお二人もここまで強くなるまでに、たくさん負けてきたのでは?


    46熊:セレモニーで負けた翌日は自分が負けたデッキを使って、「なんで負けたんだろうなあ」ってやってますよ。


    しみずき:ディーヴァグランプリ4thの予選で早々に負けたこと、忘れられないですね......。次は勝つ!


    終わりに
    「ターン数で数える」「強いルリグの性質を理解する」「デッキに要求を盛り込む」「環境の一歩先へ」
    強くなるヒントを多く得られた、充実の2時間でした。取材を終えて記事を書きながら、「早くデッキ組みたい、バトルしたい!」とモチベーションが沸き立っています。強くなるぞ!

    読者の皆様も2人の言葉の中から、強くなるヒントを見つけられたら嬉しいです。
    ウィクロスパーティーやセレモニー、グランプリなど、目指す場所は違うかもしれませんが、一緒に強くなっていきましょう。

    取材に応じてくださったしみずきさん、46熊さん、誠にありがとうございました。
    読者の皆様もここまでお読みいただき、ありがとうございました。本年も遊々亭をよろしくお願いします。

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