宝物語(カナン)考察:目次
特異ゆえの強さと弱さ
書いてきた通り、とても特異なのがこのデッキの強さであり弱さでもあります。ここではその強みと弱みについてまとめておきます。まずデッキとしては非常に不安定な部類に属します。特に手札の枚数はかなり少ない方で、非常に理想的な試合でのハンドは3枚あれば多い方です。
面と山と手札の質に特化しているせいで、通常強いと言われるシナジーによってハンドを増やすことや1リフをコンセプト段階で放棄しているため、万人受けするデッキではないのが特徴です。
それゆえにあまり流行しなかったのもこのデッキを使う側としては好都合でした。
特異ゆえにハマった時の強さは随一です。やみかんや白レン型が流行していた2~4月は全く羽川が触られなかったため、毎試合コンセプト通りの動きが出来ていて、かなりの勝率を誇っていたと思います。
しかし流行してからは各地で対策が練られました。羽川を触られないだけで勝ててたそれまでとは違い、やはり簡単にはいかなくなりましたが、それでも2016年度前期を代表するデッキであり続けたと思います。
このデッキの弱点のひとつは理解です。このデッキを理解する事が一番の対策だと思います。強み弱みを理解すればするほど、使うデッキに関係なく勝率を高める事が出来ると思います。
コンセプト通りの動きをさせないように立ち回ることこそが、このデッキに対する一番の手段です。
例えばいつもは戻してしまうクライマックスを1枚持ってるだけでもかなり変わります。
羽川のターンを長くやりたいと考えてるわけですから、多少キャンセル率が下がろうとクライマックスを打っていった方がいいのは目に見えてるわけです。
また、羽川に触り続けることを意識するのも大事です。美夏を毎ターン握るのは困難ですから、触り続けることが大事なわけです。
色が不自由であることを知れば、風を踏んだ時に<羽川>でなく<明石>を戻す選択肢に気付けると思います。 <カナンマリア>が重要な潤滑油と知れば、全部思い出にする手段もあります。
クライマックスを噛まないのは強いわけでなく、むしろハンドが増えないから辛いということを知れば立ち回りが変わってくるはずです。
クライマックス1枚打つタイミングをずらすだけで、優劣は簡単にひっくり返ります。
このようにプレイングひとつでかなり勝率が変わってしまうのがこのデッキです。気付いた時には詰み状態、これが勝ちパターンなので、外すように動けばいいわけです。糸口はそこらじゅうに転がっています。
今後の展望
そして現在ですが、このデッキはもうそろそろ環境落ちすると思います。このデッキの弱い点をついてくるデッキが増えたためです。各新弾が羽川をメタったようなテキストになっているからで、素直に組むと自然と羽川に強く出来上がるデッキばかりなので、うまく環境を回しているなぁと思います。
先に書いた通り、艦隊の追加による復権は非常に不都合なものです。
特に響+呂の組み合わせは凶悪で、理想的な周りをした上で負けてしまう事が非常に多いマッチングです。カナンを使って1番踏みたくない相手です。
またシェアは多くありませんが、輪廻も苦戦が予想されます。2レベの鯖人が複数並ぶと手がつけられません。
ごちうさは0~1が弱いので総合的な評価はあまり高くないものの、後半は羽川を著しく凌駕するパワーラインを誇るので、同じく0~1であまり積極的に動かないこのデッキは相性が悪くなってしまいます。
序盤の弱みをうまくつけずに後半の強みだけを殺されてしまうのでやりたくない相手です。
これからの環境でこのコンセプトのままこのデッキを使うのならば、環境に合わせた変更が必要だと思います。
自分なりに変化させるのも良いでしょう。これからに期待しつつ、終わりとしたいと思います。
おわりに
残念ながら今回の改訂で、<真宵>と<中学生>の2種のパーツが選抜入りしてしまいました。同じようなデッキの再現は困難になってしまったので、このデッキはここが終点でしょう。
これをヒントにこれからの物語やほかのデッキの作成に活かしたいですね。
【担当】
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その1/その2