
【インフェルノイド】デッキ解説
今回は「TERMINAL WORLD」で強化されたテーマの中から、「インフェルノイド」について紹介します。
新規カード解説
インフェルノイド・イヴィル
<インフェルノイド・ティエラ>に続く新たな融合モンスター。条件は『「インフェルノイド」モンスター2体』とかなり緩く、通常の<融合>や<煉獄の虚夢>はもちろん、<簡易融合>にも対応しています。
効果は2つあり、1つ目は融合召喚時に墓地の「インフェルノイド」を除外し、そのレベル分の種類の「インフェルノイド」を、デッキから墓地へ送る効果。
自身の融合素材となったモンスターが基本的にあるためそれをコストにでき、コスト次第では大量の墓地肥やしが可能。
同名は1枚までなこと、必ずレベル分の枚数送ることから微調整はできませんが、<インフェルノイド・デカトロン>を経由してあらかじめ墓地コストを用意しておくことで、概ね5~6枚数を肥やすことができると考えられます。 墓地さえ肥やせばモンスターからリンク召喚できる【インフェルノイド】において確定的に複数落とせるこの効果はかなり有用で、<隣の芝刈り>や<名推理>といった所謂「パワーカード」に頼らずともかなり動けるようになりました。
2つ目は墓地へ送られた場合の「煉獄」魔法・罠のサーチ。
「煉獄」は<煉獄の虚夢>や<煉獄の狂宴>といったかなり強力なものが揃っており、エクストラデッキから直接これらに触れるのは非常に強力。
トリガーも「墓地へ送られた場合」であり、<天底の使徒>等で直接送ることも考えられます。
2つの効果いずれもギミックのみで重要な要素に触れられる効果であり、デッキ全体の安定感の底上げや、既存の構築とは違った運用方針を生む新規であるといえます。
<隣の芝刈り>などの「パワーカード」に頼っていた状況を脱することができ、【インフェルノイド】のデッキとしての質を向上させた優秀なカードです。
インフェルノイド・フラッド
「インフェルノイド」を含むモンスター2体以上と非常に緩い条件を持つリンク4モンスター。リンク値自体は重いものの、<賜炎の咎姫>が経由できるため簡単に出すことができます。
リンク4にふさわしく3000の高い攻撃力を持ち、リンクモンスターの下に展開することで火力を伸ばしやすい【インフェルノイド】にとってはかなりありがたいモンスター。
効果も優秀で、1つ目が相手の特殊召喚を自分のモンスターのリリースをコストに無効化する効果。
召喚無効という強力な妨害で、かつ除外するため再利用も難しくさせることができる強力な効果です。
2つ目は自身の墓地の除外をトリガーにフィールドのカードを除外するもの。
対象を取らない除外で「インフェルノイド」の蘇生の際に起動できますが、相手ターンに妨害として使うには何かしらの工夫がいるところ。
ただ除去としてはかなり強力なため、攻め手を作る役割として使えます。
3つ目はリンク召喚された自身が相手により破壊された際にデッキから「インフェルノイド」を特殊召喚する効果。
高レベルモンスターも条件を無視して出せますが、受動的なことや破壊以外の除去が増えた中ではやや使いづらいか。
おまけに近い効果です。
召喚無効が今までの【インフェルノイド】になかった妨害なため、より幅広い対面に対して立ち回ることができます。
熾動する煉獄
手札の「インフェルノイド」か「煉獄」を見せて発動できる<手札抹殺>。墓地肥やしと相性がいい【インフェルノイド】で自身のギミックでアクセスできるカードとしては非常に優秀で、ターン1の制限もないため気軽に発動できます。
ただコストとなるカードを大量に積むこと自体が事故につながりかねないため、枚数は吟味する必要があります。
墓地効果として、デュエル中に1度、除外された「インフェルノイド」を11種まで墓地に戻すことができます。
発動条件としては自分のモンスターが存在しないか悪魔族のみの場合であり、邪魔なモンスターもリンク素材として<インフェルノイド・フラッド>にしたり、上級「インフェルノイド」のコストとしてリリースできるため発動自体は容易。
墓地へ送られたターンには発動できないため下準備が必要ですが、前述のとおりギミックとして触ったうえで発動しておけば、そのターンの素材に使ったコストをまとめて戻すことができます。
展開を補助しながらリソースとして機能するため、今まで【インフェルノイド】の弱点であった、「墓地リソースを先攻展開に使用すると返しが弱くなる」問題を解決してくれます。
同名1種までという制約はあるものの大量に墓地へ戻すことができるため、<インフェルノイド・イヴィル>の存在もあって先攻展開できるデッキとしても運用できるようになりました。
煉獄の決界
「インフェルノイド」を除外された数だけ強化する効果と、除外からの「インフェルノイド」の回収、または手札からの特殊召喚を行う効果の2つを持つ永続魔法。強化値は除外された「インフェルノイド」×100と微弱なものの、全体的に高い数値を持つ「インフェルノイド」にとっては、4体程度ですぐに3000を超えるアタッカーになれるためなかなか有用。
2つ目の効果は発動条件は<熾動する煉獄>の墓地効果と同じで、こちらは1体ずつな代わりに毎ターンの回収が可能。
手札に既にある場合には墓地コストを必要とせずに特殊召喚も可能で、リソース回収または温存が選べる優秀な効果です。
ただ、複数一気に展開することに価値がある【インフェルノイド】でリソース戦を仕掛けることは稀で、デッキの性質としては若干使いにくさがあります。
デッキレシピ
今回の新規を採用したレシピはこちら。インフェルノイド
プレイヤー:メカヲタ
モンスター
計24枚
魔法
計14枚
エクストラデッキ
計15枚
デッキ解説
様々な型が考案できますが、今回は先攻展開で<逢華妖麗譚-魔妖不知火語>によるターンスキップを狙うタイプにしました。展開で「煉獄」に触って墓地リソースを溜めながら<永遠の淑女 ベアトリーチェ>を出し、自分ターンと相手ターンで<トランザクション・ロールバック>を含めて墓地へ落とし、効果のコピーを狙います。
「スネークアイ」の採用
展開補助として「スネークアイ」ギミックを採用。<篝火>または<スネークアイ・エクセル>から展開を始動し、<インフェルノイド・デカトロン>に繋ぐことができます。
例として篝火からの展開はこちら
- <篝火>を発動し、<蛇眼の炎燐>を手札に加え、特殊召喚して<原罪宝-スネークアイ>を手札に加える
- <リンクリボー>をリンク召喚して効果で自身を魔法・罠ゾーンに置き、それをコストとして<原罪宝-スネークアイ>を発動する
- デッキから<スネークアイ・エクセル>を特殊召喚して<インフェルノイド・デカトロン>を加え、召喚して「インフェルノイド」を墓地へ送る
- <スネークアイ・エクセル>の効果で<インフェルノイド・デカトロン>をコストにし、<スネークアイ・オーク>を特殊召喚
- <スネークアイ・オーク>で<インフェルノイド・デカトロン>を蘇生し、「インフェルノイド」を墓地へ送る
- <スネークアイ・オーク>で<リンクリボー>をコストに、<蛇眼の炎龍>を特殊召喚
- 2体で<プロキシー・F・マジシャン>をリンク召喚し、<蛇眼の炎龍>の効果で<インフェルノイド・デカトロン>を含む2体を蘇生し、「インフェルノイド」を墓地へ送る
- 墓地から「インフェルノイド」を自己蘇生し、<プロキシー・F・マジシャン>の効果で<インフェルノイド・イヴィル>を融合召喚する
- 墓地の「インフェルノイド」を除外し、そのレベル分デッキから「インフェルノイド」を墓地へ送る
- 2体で<炎魔刃フレイムタン>をリンク召喚し、デッキの<熾動する煉獄>、除外された「インフェルノイド」1体を手札に加える
- 回収した「インフェルノイド」1体を相手に見せ、<熾動する煉獄>を発動して手札を捨て、ドロー
- <賜炎の咎姫>をリンク召喚し、<インフェルノイド・デカトロン>を蘇生して<インフェルノイド・アシュメダイ>を墓地へ送る
- 「インフェルノイド」を自己蘇生し、<インフェルノイド・フラッド>または<揚陸群艦アンブロエール>をリンク召喚
- 墓地から<インフェルノイド・ベルフェゴル>を自己蘇生し、レベル6の<インフェルノイド・デカトロン>と<永遠の淑女 ベアトリーチェ>をエクシーズ召喚
- 自ターン、相手ターンで<逢華妖麗譚-魔妖不知火語>と<トランザクション・ロールバック>を墓地へ送り、効果をコピー
- 返しのターンに<永遠の淑女 ベアトリーチェ>をリンク素材、またはリリースコストにして、<熾動する煉獄>の墓地効果で「インフェルノイド」を墓地へ戻し、打点を揃えてワンショット
「インフェルノイド」の自己蘇生は発動を伴わないため<炎魔刃フレイムタン>による回収はなんでもよく、複数枚除外されている「インフェルノイド」を対象とすれば効率よく墓地戻しができます。
デッキ内に<インフェルノイド・アシュメダイ>が残るよう意識して墓地落としを調整しますが、ドローにより引いてしまった場合は<インフェルノイド・ベルフェゴル>2体でのエクシーズ召喚も可能です。
最後の盤面では<インフェルノイド・リリス>または<インフェルノイド・ネヘモス>の特殊召喚も可能なため、無効にしたいカードに合わせて盤面を補強できます。
返しでは墓地の<原罪宝-スネークアイ>の効果で追加のモンスターをサーチしつつ、除外した「インフェルノイド」を墓地へ戻すことで再展開し、一気に勝負を決めます。
<アークロード・パラディオン>のリンク先に「インフェルノイド」を置いて攻撃しつつ、バトル中に「インフェルノイド」で<アークロード・パラディオン>をリリースするコンボは健在で、元々のワンショット力をターンスキップで補強することでより安全に攻撃を通すことができるようになりました。
どうしても邪魔になったモンスターも、<原罪宝-スネークアイ>の墓地効果をトリガーとした<インフェルノイド・フラッド>の効果で除去でき、問題なく<熾動する煉獄>を起動できるようになっています。
<スネークアイ・エクセル>からの始動でも同じ盤面が作れ、手札の要求枚数を下げながら大量展開できるため<禁じられた一滴>等も使いやすくなっています。
今回の構築では先攻展開に特化させた型になっていますが、従来通りの60枚のタイプでも、<隣の芝刈り>をはじめとするパワーカード類はもちろん、<天底の使徒>による先攻展開補助、後攻捲りの補佐と柔軟に対応でき、先攻後攻どちらも戦えるデッキになりました。
<インフェルノイド・デカトロン>がレベル可変のチューナーなため、シンクロ召喚、エクシーズ召喚のギミックを取り込めるのも拡張性が高くていいですね。
豪快なデッキ特性はそのままに、繊細な展開や立ち回りを手に入れつつ、やっぱり豪快な突破力をさらに強化した【インフェルノイド】、この機会にぜひ使ってみてください。