
2020年1月制限 編
今回はガリスさんです。よろしくお願いします。
みなさんこんにちは、ガリスです。
2020年1月適用のリミットレギュレーションが発表されました
前期環境のデッキからの変化・影響を見ていきましょう。
- <外神アザトート>(新禁止)
- <トポロジック・ガンブラー・ドラゴン>(新禁止)
- <終わりの始まり>(新制限)
- <闇の誘惑>(新準制限)




2019年10月環境において、登場以来恐らく最も多くの理不尽な試合を生み出してきた【未界域】。そのためか今回特に多くの使用パーツに規制が掛かりました。
<外神アザトート>経由による誘発を無視した強力な展開は、先攻で<増殖するG>を投げられていればデッキ全てをドローさせてそのターン中にゲームを終わらせてしまう程で非常に強力でしたが、この度禁止となりました。
また、このテーマは展開中捨てられてアドバンテージにならないカードがヒットする事により手札枚数が落ち込んだり、未界の効果で自身がヒットして墓地へ送られてしまう等、息が続かなさそうになるシーンがあります。
そんな所でアドバンテージを稼ぎ展開を続けさせてきた根本の原因にあるのは、手札が一定数落ちた後でも蓄積された墓地を使って3枚ドローによるリソースを確保していける<終わりの始まり>の存在でした。
根本のリソース確保を止めようという狙いの規制の狙いでしょう。
一応、ここは<貪欲な壺>を採用することである程度代用が可能かもしれません。

しかし、展開の最終盤面における<トポロジック・ガンブラー・ドラゴン>の不在は大きくかかわる事になるでしょう。
このカードは未界域のみならず、【SPYRAL】【ドラゴンリンク】等の展開系のテーマの着地地点として採用され、基本的に展開が通ってしまえば4枚の相手の手札を刈り取った状態でゲームを開始できるため「誘発で展開を止めれない=試合に負ける」という図式を長らく作ってきました。しかも素材指定が緩くエクストラに1枠割けば良いという手軽さ。
今後はこのカードの不在により大量の先攻ハンデスは特定のテーマでしか行えなくなったので、これまでは強く機能させきれない状況にあった<冥王結界波>や「壊獣」のような展開された盤面を返しに行くためのメタカードがより使いやすくなるのではないかと予測しています。


メタカードと言えば、よく使われていた汎用メタカード<精神操作><レッド・リブート>も今回準制限となりました。
精神操作は前環境においてはメインデッキに3枚これを採用した転生炎獣の入賞レシピが多数存在することからも伺える通り、相手のモンスターの除去を行うのみならず奪ったのち自分の行うリンクの素材にする事で手軽にアドバンテージを稼ぐ事のできる強力なカードでした。特にサンダードラゴンの<超雷龍>や<雷神龍>を奪うと相手側の制圧能力は著しく低下していましたね。
レッド・リブートは後攻ワンターンキルを得意とするテーマがこれまでサイドデッキに多く投入しており、罠によるメタカードを機能させないまま伏せを全て無視してゲームを終わらせてきました。
昨今優秀な妨害魔法罠は増えていますが、<ライトニング・ストーム>を筆頭にメタとなりえる魔法・罠を踏み倒すカードは増え続けており、サイドチェンジ後「<羽根帚>、<ライトニング・ストーム>3枚、<リブート>3枚」のように、罠を敷きながら戦うデッキに対してどれか1枚でも引ければ大きなリターンを得られるカードは多かったので、ここで1枚でも減ってくれるのは罠を扱うデッキからすれば僥倖と言えるでしょう。
前期からと言わず環境上位テーマとして長い期間存在しているデッキたち・・・
そう、「サンダードラゴン」「閃刀姫」「オルターガイスト」「オルフェゴール」「転生炎獣」





大会に出るプレイヤーからすれば、これらのテーマとはかれこれ1年半以上戦っている事になります。
僕も閃刀姫にはかれこれ2年近くお世話になっています。あまりに長生きすぎる・・・。
しかしこの度、
サンダードラゴン→<雷獣龍><誘惑>準制限
閃刀姫→<マルチロール>準制限
オルターガイスト→<メリュシーク>準制限
オルフェゴール→<ガラテア><ディヴェル><マスマティシャン>準制限
転生炎獣→<炎陣>準制限
と、これらのテーマに多く触れた改定となりました。
マスマが1枚増えてディヴェルが1枚減ったオルフェゴール以外は、デッキを回すための初動に関係するカードに規制が入っている点に注目です。
回った時のメインギミックのパワーはこれらのどのテーマも変化はほぼありません。むしろ不利となる前述のメタカードが減っていたりします。
しかし、初動が減るということは「プレイングではどうしようもない負けが発生する確率が増える」ということです。
環境が変わってしばらくは「規制されたけどまだまだ行けるぞ」と言ってこれらのテーマを引き続き回す人も多いかと思いますが、その差は10回・100回と調整回数を増やし後でノートを見た時明らかな差となって現れるでしょう。
こういう時立ち上がりの遅れは構築の腕の見せ所、罠や誘発等で取り返し、カバーしていく・・・というのが望ましいのですが・・・。
どうも<ここ最近の新規カード>や、アクセスコード・トーカー等のこれから出る新規カードを見るに環境のカードパワーはこれからも上がっていく傾向にあり、その分取り返しのつかない初動事故による敗北は増えていくことになるのではないか? と僕は懸念しています。
まず<シャドー・ミスト>が緩和されたHEROです。<ファリス>のコストにしても良し、<ヴァイオン>で送って良し、<アライブ>で場に出て<ダーク・ロウ>確定等説明不要なメインギミックカードです。前期大暴れしていたデッキではありませんが、度重なる強化で後手なら高打点ワンキル、先攻ならダーク・ロウや<ディストピアガイ>で妨害しつつ盤面が残ればこれまた打点でワンキルと早いゲームの押し付けを得意としています。
また<名推理>の3枚目を手に入れたインフェルノイドもこれまで通り大量の墓地肥やしを行ってワンショットキルを狙ってくることでしょう。こちらは天敵だった先攻のガンブラー4ハンデスが無くなっていることも追い風となっています。
他にも<深海のディーヴァ>が増えたことにより海皇水精鱗も強力な展開がしやすくなりました。従来の展開カードに加えて、1月発売のETERNITY CODEに収録される新テーマ「深海」の登場もあるので今後注目のテーマです。



特にどうしようもない先攻ゲーの発生要因で特定のメタカードをサイドに用意せざるを得ない状況を長らく作ってきた禁止カード2種の規制は英断だと思っています。
来期も楽しい遊戯王ができればいいなと思っています。
(担当) 以上、ガリスさんのリミットレギュレーション感想でした。
ガリスさん、ありがとうございました!