
今回は新弾「DUELIST ADVANCE」から「VS(ヴァンキッシュ・ソウル)」の紹介になります。
「VS」は格闘ゲームをモチーフとした中速ビートダウンデッキで、「手札の属性を見せる」ことによる"コマンド入力"で切り替わる効果と、「場のモンスターを手札に戻して手札から特殊召喚する」という"バトンタッチ"によって最適な盤面を維持する、コントロール寄りのテーマです。
手札に属性を抱えておく必要はあるものの、メインフェイズであればフリーチェーンのバトンタッチによって妨害を避けつつ、その場その場で最適な効果と盤面を選択して戦う様はまさにミッドレンジビートの極致ともいえます。
メインデッキに比較的高打点のモンスターも擁するためエクストラ依存度が低く、各ステータスや効果からロックによる制圧を受けづらいのも利点です。
では、新規カードの効果を見ていきます。
新規カード紹介
レベル5と高レベルではありますが、手札の「VS」を見せて発動し自身を特殊召喚する効果を持っています。
お互いのメインフェイズに発動できるうえ盤面の状態に依存しないため、着地狩りへのリカバリはもちろん後攻0ターン目の橋頭堡としても優秀です。
コマンド効果は、「地・闇」で一番攻撃力の低い相手モンスターのコントロール奪取、「炎・闇」でサイキック族以外の「VS」のリクルートです。
どちらの効果も強力で、コントロール奪取は単純な妨害として優秀で、選ぶ先に制約はあるものの対象を取らないため一部の耐性持ちに対しても有効。
昨今流行りの着地狩り耐性の高いデッキに対しても、対象を取らず、かつ破壊などで墓地へ送ることもなくフィールドで奪えるため高い妨害性を持ちます。
リクルート効果は表示形式や効果に制約もないためシンプルで強力な効果で、コントロール奪取が有効でない相手や地属性がない場合でも、リクルート先から異なる妨害へ繋ぐことができます。
先攻の展開要素としても、純粋にエンジンとなる<VS ラゼン>に繋ぎやすくなるのはもちろん、特殊召喚しやすい「VS」なため上級が手札に嵩張った場合でも事故回避を狙いやすくなりました。
どうしても大型が手札に溜まりやすいデッキなため、特殊召喚要員として運用しつつ場面に応じたモンスターを適宜リクルートできるのは嬉しいですね。
正規のエクシーズ召喚はかなり要求値が高いですが、「VS」が戦闘を行ったターンに「VS」または<闘神の虚像>に重ねて出すこともできます。
エクシーズ素材をコマンドとして変わる効果があり、「闇」は相手全体の打点800デバフ、「炎」は自分の「VS」全体の打点1000バフ、「地」で素材を1つ取り、相手フィールドのカードの破壊です。
どれもあって困るものではないものの、重ねて出すには戦闘を介す都合もあるため概ね「地」で出すことになります。
素材を取るため1度きりにはなりますが対象を取らない破壊効果で、こちらもあって困らない有用な効果。
積極的に出しに行くよりは、捲りの際に戦闘を経て盤面を荒らしつつ、最後の押し込みをするような運用になりそうですね。
<Stake Your Soul!>の系譜ですが、あちらと違いしっかりネームを持っているためサーチが可能です。
3つの有用な効果を持ち、1つ目は自分の「VS」と属性の異なる「VS」のサーチ。
盤面にモンスターは必要なものの毎ターンサーチが可能で、特に<VS Dr.マッドラヴ>から<VS ラゼン>に直接つながるのは革命的です。
おそらくイラストがゲームにおけるセレクト画面であり、対戦モードの対戦キャラ選択を模しているものと思われます。
2つ目の効果は「VS」が破壊される際の肩代わりで、なんとコストは『手札の「VS」を見せる』!
おそらく「ジャストガード」を模した効果ですが、破壊をほぼノーコストで免れるのは初の効果です。
3つ目の効果は自分エンド時に「VS」が2体以上いれば、「VS」罠をセットするもの。
<VS Dr.マッドラヴ>のサーチをこのカードに充てたい中でついでに罠も持って来られるのはシンプルに強く、今までの妨害を諦めないでいいのは嬉しいところ。
<闘神の虚像>は「VS」モンスターではないことには注意が必要です。
デッキレシピ
新規カードは以上。サンプルレシピですが、今回は<VS ホーリー・スー>と<VS 蛟龍>がレベル5であることに着目し、組み合わせでも単体でも強い「K9」との混成構築にしました。
属性も炎属性はないものの地属性と闇属性があり、適宜手札に持ってきやすいのも好相性です。
レシピはこちら。
展開例紹介
ミッドレンジデッキよろしく決まった展開ルートはありませんが、パターンを紹介します。- <VS Dr.マッドラヴ>を召喚して<Start for VS!>をサーチ、発動して<VS ホーリー・スー>をサーチ
- <闘神の虚像>をL召喚して<VS Dr.マッドラヴ>を回収
- <VS Dr.マッドラヴ>を見せて<VS ホーリー・スー>を特殊召喚し、手札の炎・闇を見せて<VS ラゼン>をリクルート
- <VS ラゼン>で<VS ヘヴィ・ボーガー>をサーチして<VS ホーリー・スー>と入れ替えにより特殊召喚し、闇を見せて1ドロー
- エンド時に<Start for VS!>の効果で<VS 裏螺旋流雪風>をセット
相手ターンに<VS ホーリー・スー>を特殊召喚しつつリクルートすることにより、<VS ラゼン>によるサーチと縦列破壊が狙えるほか、3属性による<VS 裏螺旋流雪風>でモンスターの全破壊、サーチしてきた<VS 龍帝ヴァリウス>による破壊まで狙えます。 無効系の妨害はないものの多段階の破壊での適時妨害が可能で、手数を追加して盤面を形成する相手には効果的に刺さります。
対象を取らない破壊もあるため避けるのも難しく、耐性の無いデッキはこの盤面を突破するのは困難です。
「K9」要素を引いている場合には実質誘発としても使え、先攻では<K9-66a号 ヨクル>などから展開することで必要な属性を手札に持ちつつ<K9-17号 "Ripper">などの妨害を構えられます。
お互いに喧嘩せず補助しあえるため非常に強力です。 今回は新規テーマと強化テーマの組み合わせを紹介しました。
相方として選定した「K9」に限らず、「ジャスティス・ハンターズ」組はどれも拡張性が高く、「VS」であれば属性面からも「ドラゴンテイル」と組み合わせるのもおもしろいですね。
コントロールビートなため盤面を作ればそれで勝ち!ではなく、相手に合わせてきっちり対応することを求められるデッキですが、それだけに勝てたときの面白さは他のテーマよりも高くなっています。
ぜひ強化された「VS」で遊んでみてください。
ありがとうございました。