8月31日に発売したブースターパック9弾「新たなる皇帝」から3か月が経過し、11月30日にはブースターパック10弾「王族の血統」が発売となります。
今回は、10弾発売前に、9弾環境を振り返っていこうと思います。
8月31日 ブースターパック8弾「二つの伝説」発売
ワンピカード2周年記念のお祭り弾ということで、原作イラストのスーパーパラレルが4種類に加え、「ゴール・D・ロジャー」の<ゴールドスーパーパラレル>の封入など、新しい試みが盛り込まれたお祭りパックでした。内容も、新四皇の「モンキー・D・ルフィ」「シャンクス」「バギー」「マーシャル・D・ティーチ」のリーダーカードに加え、新規テーマのODYSSEYを使う「リム」、人気キャラの「ニコ・ロビン」と、錚々たるメンツが収録されており、環境デッキレベルの強さを持つデッキもあったので、発売当初から様々なリーダーが研究されておりました。
この頃は、<OP09-118 ゴール・D・ロジャー>は強すぎて発売後すぐ規制されてしまうのではないかなどと噂されていたりしましたね。
9月1日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 店舗予選 前期
エリア大会へ出場する切符を手に入れるための店舗大会が始まりました。応募数が多く、キャンセル待ちを通して店舗大会に出場するのも大変で、上位3位だけがエリア大会へ進めるという狭き登竜門です。
9月1日から禁止制限が適用され、<ST10-001 トラファルガー・ロー>と<OP03-098 エニエス・ロビー>の2種類のカードが禁止カードに制定されました。
8弾以前の環境で活躍していたデッキは「青ドフラミンゴ」と「黄エネル」が残る形になりましたが、「黄エネル」は「黒ティーチ」のリーダー能力の影響で下火になったため、実質9弾の環境上位にそのまま乗り込めたのは「青ドフラミンゴ」のみという形になります。
環境初期は事前評価が高かった「赤シャンクス」を使っている人が一番多く、次点で「青ドフラミンゴ」の使用数が多く、優勝数で見ると「青ドフラミンゴ」が勝っている印象でした。 「赤シャンクス」は純粋な《赤髪海賊団》に寄せた高コストを並べて制圧していく構築で、「青ドフラミンゴ」は、パワー6000のバニラも採用し、序盤から中コスト帯のカードをガンガン並べてアタックしていく構築が多かったように感じました。
9月1日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 店舗予選 後期
後半になると「赤シャンクス」の使用率は大幅に下がり、代わりに「紫ルフィ」「赤紫ルフィ」「黒ルッチ」の使用数が増え始めました。 「紫ルフィ」は高コストを着地させるまでの速度が速く、とんとん拍子に盤面制圧ができるのが特徴のデッキです、使い方が簡単であるというメリットもあり、様々な人が好んで使っていた印象でした。当時の他の流行りのデッキを見ると、「青ドフラミンゴ」には弱いものの、その他のデッキに対してはかなりマウントを取ることができていた印象です。
「赤紫ルフィ」はリーダーのパワーを上昇してくれる<OP09-013 ヤソップ>、新たな高コストキャラ<OP09-119 モンキー・D・ルフィ>、耐久力が爆アガりするカウンターイベント<OP09-078 ゴムゴムの巨人>など、9弾に相性の良いカードが多く収録されたことで強化されたリーダーで、こちらも「紫ルフィ」と同じく、使い方が簡単寄りのデッキで、人気を博していました。 同時に、使用率・優勝数も増えてきた「黒ルッチ」は、9月1日に<OP03-098 エニエス・ロビー>が禁止になり、かなりの弱体化を受けたデッキです。
環境に多かった「青ドフラミンゴ」に有利にするために<OP03-095 石鹼羊>を入れたり、エニエス・ロビーに近い能力を持つ<ST08-002 ウタ>を入れたりなど、9月上旬は代わりになるカードを見つけるために創意工夫している人が多かったように見受けられましたが、KO漏れをしないようにコストを下げるイベントカードを増やしたり、逆にKO漏れをしても良いようにデッキ内のガード値やCPの数を増やして安定性を増したりと、大幅にデッキ内容を弄る形でまた環境に復権したようです。
10月度 前期環境推移
店舗予選も終わり、1か月ほど小休止となるオフシーズン。大型大会がないオフシーズンだからというのもありますが、様々なデッキが研究され始めた時期になります。それもあってか、何故か大幅に環境が動きます。
「青ドフラミンゴ」が増えた影響で「紫ルフィ」や「赤紫ルフィ」が環境から姿を消していき、
代わりに「黒ティーチ」「緑ボニー」「黒黄ルフィ」、果ては「黒スモーカー」「青紫レイジュ」などなど、様々なデッキがフラッグシップバトルや非公認CSで入賞するようになっていきます。 環境にいる「青ドフラミンゴ」のデッキがミラーを意識した構築になり、ミラー戦では不要な<OP06-058 重力刀 猛虎>や<OP04-056 ゴムゴムの業火拳銃>などの強力なイベントカードがデッキから抜けていったことで、これらのイベントカードを打たれると辛かったデッキが復帰してきたイメージです。
10月15日(火) 週刊少年ジャンプ46号発売
ジャンプの付録として、とんでもない能力を持つPRカードが配布されました。 <P-084バギー>は、登場時に追加でクロスギルドのキャラを1体登場させられる能力と、お互いの3、4コストのキャラのアタックを封じることができるキャラです。3、4コストが攻めの中心である「青ドフラミンゴ」や「赤黄ベロ・ベティ」等のデッキに対して着地できるとかなり有利に立ち回ることができます。
「青バギー」のデッキは<OP09-051バギー>の存在により「赤シャンクス」や「黒ティーチ」にも有利ではないかと噂されていたため、環境上位勢に対して有利を取れるならと使用者が爆増し、大会の上位入賞報告も多く見受けられるようになりました。
10月27日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 エリア大会 宮城大会
様々なリーダーが活躍する、ごちゃごちゃしている混沌とした環境のなか、店舗予選を勝ち抜いた方々で行われる大型大会がついに開催となりました。初めてのエリア大会で、BEST16に入賞したプレイヤーの方々が使用したデッキはこちらです。
- 青ドフラミンゴ 5名
- 黒ルッチ 3名
- 黒ティーチ 2名
- 黒黄ルフィ 2名
- 黄エネル 2名
- 赤シャンクス 1名
- 青バギー 1名
ですが、これまでのエリア大会と比べて圧倒的な多さではなく、様々なリーダーにばらけている印象でした。
この大会で優勝したのは、バリオニクシル選手が使う「黒ルッチ」デッキ。
8弾環境の勝者となったデッキが、「エニエスロビー」の禁止を乗り越え、再度環境の最前線へと足を進め、決勝戦では不利とされていた「黒ティーチ」を抑え、見事1位となりました。
11月4日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 エリア大会 北海道エリア大会
黒ルッチが制した宮城大会から一週間。ここからは毎週末、日本のどこかで大型大会が開かれていきます。9弾環境エリア大会の2つ目は札幌の舞台で行われました。
BEST16になったのは次のデッキとなります。
- 青ドフラミンゴ 6名
- 赤シャンクス 4名
- 黒ティーチ 4名
- 青ナミ 1名
- 黄エネル 1名
この環境で優勝となったのは、さとう選手が使う「黒ティーチ」デッキ。準優勝は「青ドフラミンゴ」デッキとなりました。
「青ドフラミンゴ」は、入賞率が高いものの、優勝を2度逃した形となりますね。
11月10日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 エリア大会 福岡エリア大会
北海道エリア大会直後、おそらく非公認CSの優勝をきっかけにして突如SNS上で話題になったリーダーがいました。その名も「紫フォクシー」。 能力自体は強力なのですが、盤面のフォクシー海賊団が減らされるとリーダーの能力が使えなくなってしまう場合があるため、黒系のデッキ相手が苦手だったのですが、環境から黒系のデッキが減ったことで、評価された流れとなります。
そんな、意外なリーダーも活躍することとなった福岡大会の、BEST16は以下になります。
- 青ドフラミンゴ 6名
- 紫ルフィ 3名
- 赤シャンクス 2名
- 黒ティーチ 2名
- 紫フォクシー 2名
- 黒ルッチ 1名
そして、大きな噂となっていた「紫フォクシー」が早速入賞となりました。
決勝トーナメントの末優勝となったのは、ずみ選手の「黒ティーチ」デッキ。2位は「青ドフラミンゴ」デッキ。
1位、2位の組み合わせは前回大会と同様ながら、環境上位デッキの推移としては面白い変化があった大会となりました。
11月17日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 エリア大会 広島エリア大会
続けてのエリア大会は広島会場。2大会連続のティーチ優勝。そして、決勝トーナメントの配信卓によってティーチデッキの使い方の教材が全国に出回ったこともあり、ティーチデッキ使用者が増えた大会でもありました。
こちらの大会のBEST16を見ていきましょう。
- 青ドフラミンゴ 4名
- 黒ティーチ 4名
- 黒黄ルフィ 3名
- 紫ルフィ 2名
- 黄エネル 1名
- 青ナミ 1名
- 赤シャンクス 1名
ここにきて、今期で初めて「青ドフラミンゴ」に並ぶリーダーが出てきた形となりますね。次点となる「黒黄ルフィ」も3名入賞と、宮城大会以来のBEST16入賞となりました。
この大会でも「黒ティーチ」が決勝に進みましたが、3連続優勝に待ったをかけたのは、HAJIME選手の「紫ルフィ」デッキ。
高コストのキャラを相手よりも早い速度で並べて制圧していく強さを思い出させてくれました。
11月24日 チャンピオンシップ2024 WAVE2 エリア大会 兵庫エリア大会
10弾発売以前の大会としては、最後となるエリア大会(環境最後のエリア予選は12月1日の愛知大会となります)。公式の演者さんより、「青ドフラミンゴ」よりも「赤シャンクス」の使用率の方が高いかも、さらに「赤黄ベロ・ベティ」の使用者も急増しているという、環境の激変を感じさせる発信もありました。
常に「青ドフラミンゴ」以外の環境が変化し続けていた、9弾環境の最終章ともいえるこの大会で、上位入賞者たちが選んだデッキは、以下となりました。
- 黒黄ルフィ 4名
- 青ドフラミンゴ 3名
- 赤紫ルフィ 1名
- 赤黄ベロ・ベティ 1名
- 緑 ボニー 1名
- 黒ティーチ 1名
- 紫ルフィ 1名
- 紫黒ルフィ 1名
- 黒スモーカー 1名
- 黒ルッチ 1名
- 青ナミ 1名
「黒黄ルフィ」は常に強いデッキとしては見られていたデッキではあるものの、発売以降最多入賞となった事例はおそらくありません。
そして合計9名の方が別々のデッキを使用しての入賞ということで、入賞したデッキの種類数も過去最高(のはず)です。
まさに、どんなデッキでもワンチャンある9弾環境を現したかのような大会結果となりましたね。
こちらの大会の優勝は、「黒黄ルフィ」を使用したひろきち選手。準優勝も同じく「黒黄ルフィ」であり、もともとポテンシャルは高かったものの、使用難易度がずば抜けて高い黒黄ルフィが華々しい結果を残す形となりました。
おわりに
ということで、9弾環境の総括でした。上位入賞数は「青ドフラミンゴ」が、優勝・準優勝の数は「黒ティーチ」が多く、この2デッキの活躍は多かったものの、全体の入賞デッキの種類数で見ると、様々なリーダーが活躍する面白い環境になりましたね。
毎週のように強いリーダーと噂されるリーダーが変わったり、上位デッキの中でもデッキ構築が大幅に変わったり。
環境が目まぐるしく変化していく様子はワンピカードならではですが、そんなワンピカードらしさが詰まった環境だったのではないかと思っています。
10弾環境も様々なリーダーが活躍するのか、はたまた、強化された既存リーダーたちが活躍するのか楽しみですね!
それでは、また次回に。