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デッキレシピ:2020年4月 アーカイブ

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転生炎獣デッキ解説+PGS(3/28開催)大会レポート 前編【ふぇーり】

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    by デッキレシピ

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    転生炎獣解説+PGS大会レポート 前編
    今回の記事では第3回PGS(3/28開催)で使用したデッキの解説に加えて、新マスタールールの転生炎獣のプレイ及び構築の解説をしていきたいと思います。

    1...使用した構築
    転生炎獣
    プレイヤー:ふぇーり


    1日を通しての成績は

    【予選スイス】
    転生炎獣 ◯◯
    エンディミオンセフィラ ◯×- (引き分け)
    サンダードラゴン ◯◯
    彼岸 ◯◯
    【決勝トナメ】
    エンディミオンセフィラ ◯◯
    オルフェゴール ◯◯
    オルフェゴール ◯×◯

    個人成績6-0-1でチーム優勝でした。

    2...デッキ選択の理由
    前期使用していたドラグーン閃刀姫が、規制によって<真紅眼融合>を2枚減らし、初動の<ドラグーン>の為に<真紅眼の飛竜>等の引きたくないカードを増やさなくてはいけなくなり、安定感及びデッキパワーを落としてしまいました。また、新しい勢力として新ルールで大幅に強化されたサンダードラゴンも一定数台頭してきたのも閃刀姫的にかなり厳しいと感じたので使用を見送る事にしました。
    オルターガイスト等の罠デッキも新制限が出た直後回していたのですが、サイド後のドラグーンギミック投入が新制限によってかなり厳しくなった為に<ライトニング・ストーム>や<レッド・リブート>に対しての耐性が著しく落ちてしまったのに加えて、新ルールで強化された各デッキ相手の後攻の捲りがかなり絶望的だと感じたので選択肢から外しました。
    そのような中、誘発での後攻の捲り+ドラグーンに対して<バグースカ>が有効+新制限での<うらら>と<デバッガー>の解除等の色々な利点に加えて、去年転生炎獣を回していた経験値も生かせると考え、新しく転生炎獣を選択肢に入れました。
    最初、ドラグーンを入れた構築や<強欲で貪欲な壺>を入れた構築等を色々回していたところ、<炎陣>の減少による召喚権への妨害の重さや、リソースが溜まる前のドラグーンの突破しづらさ等が気になって辞めそうになっていましたが、魔鏡さんが回していた<パラレルエクシード>+<ワン・フォー・ワン>のギミックを入れた構築が各種問題点を解決していたのでそれを基盤に構築を作って今回の大会へと持っていきました。

    3...構築の説明
    今回は、初動として<ガゼル>に直接アクセスできる<レディ・デバッガー>や<マイニング>に加えて、サブギミックとして<パラレルエクシード>及びそれをサーチできるカードを多数入れた所謂エクシード型という構築です。
    新制限においてレディ・デバッガーが3枚に戻ったので、1つ前の制限で失っていた1枚の<炎陣>の枠を埋める初動が追加された形になって、転生炎獣を使用する1つの理由だった安定感が取り戻されました。
    しかし、レディ・デバッガーは炎陣と比べて初動の質としては劣ったカードになります。レディ・デバッガーの炎陣と比べた時の欠点としては
    環境において主流な手札誘発(<無限泡影>、<ヴェーラー>等)を全て重く踏む点
    対比先の炎陣は直接重く踏む誘発が<灰流うらら>しか無く、単体で持っている時も<ファルコ>サーチから誘発を踏まずにリソースを増やせます。
    他の召喚権を消費するカード(<フォクシー>、2枚目以降のレディ・デバッガー)との被りが弱い点。
    対比先の炎陣は召喚権を消費するカードとの噛み合いが強く、炎陣2枚の被りだとしてもセットする事で相手ターンでの発動でリソースを増やせます。

    上記の欠点から、転生炎獣を使う場合レディ・デバッガーの欠点を補える何かしらのサブギミックが必要だと考えられます。

    サブギミックの候補としては第1にドラグーンギミックが上げられますが、レディ・デバッガーへの妨害を想定する場合、<ドラグーン>の成立の為に<抹殺の指名者>やリンク数を稼げるカードをドラグーンギミック以外にも投入しないといけないため、メインデッキに投入する誘発等の枠が削られます。
    また、転生のドラグーンは<ガゼル><スピニー>のみでの展開では追加の妨害を構えられない点などを考慮すると、初動1枚からドラグーン+<バベル><ディンギルス>が構えられるドラグーンオルフェゴールとの差別化ができなくなり、リソースが弱く後攻のギミックでの捲りが弱い爆発力の低いドラグーンデッキという評価になってしまいます。


    第2のサブギミックの候補である<パラレルエクシード>+<ワン・フォー・ワン>は、1枚初動に対しての誘発の上から<デュガレス>でのドローやランク4での妨害を作れるので誘発の貫通札として使えます。
    単体で運用する場合でも、追加の召喚権やコストを合わせてデュガレスのドローで妨害や初動を引いてからサンライトウルフを作れるので準初動として考えられます。
    ドラグーンに対しても有効なカードで、ガゼル+ギミックと合わせて使うことで対戦相手に
    という二択を迫ることができます。

    この事から、多数の1枚初動+サブギミックでありながら準初動の役割を果たせるパラレル・エクシードギミック+最小限の転生ギミック+多量の誘発 という後攻の捲りと安定感の2つの要素を兼ね備えた転生炎獣を使うことなりました。

    4...構築細部の説明
    メインデッキ
    初動関係のカード...9枚
    レディ・デバッガー>×3 <サイバネット・マイニング>×3
    転生炎獣の炎陣>×2 <転生炎獣ガゼル>×1
    ガゼルに直接アクセスするカードをメインデッキにフル投入、誘発の総数を増やして1枚初動で構造+盤面で戦えるのが利点なので1枚初動という点では<ベイゴマックス>等も十分採用圏内です。

    パラレルエクシードギミック...6枚
    パラレルエクシード>×3 <フォーマッド・スキッパー>×1 <ワン・フォー・ワン>×2
    初動に追加して誘発貫通や盤面の強化、<ベイルリンクス>に合わせて<デュガレス>で準初動、展開のリンク数水増しでの捲り目的など様々な用途で強力なギミックです。

    転生ギミックのサーチ先...6枚
    転生炎獣スピニー>×2 <転生炎獣フォクシー>×1 <転生炎獣Jジャガー>×1
    転生炎獣ファルコ>×1 <転生炎獣の聖域>×1
    ギミックでの誘発貫通は初動の被りやエクシードのサブギミックで捲れるので、サーチ先は最低限の枚数のみ投入。レディ・デバッガーとの噛み合いの弱さや、指名者系のカードのメインの少なさがフォクシーや<意志>等のギミックを減らす理由です。

    手札誘発...13枚
    エフェクト・ヴェーラー>×3 <無限泡影>×3 <灰流うらら>×3
    増殖するG>×2 <原始生命態ニビル>×2
    メタ先で一番意識しないといけない先がオルフェゴールのため、後攻で複数打てるように総数を増やして、先攻でも効果的に打てるカードに限定しました。
    増殖するGは新制限でうららが増えたことによって通らないことが多くなり、相手の先攻でうららや指名者系のカードを1枚使わせるという役割以上の事ができないタイミングが増えました。ただ、自分が先攻で打つ場合なら<ロアー>を絡めて強く打つことができ、オルフェゴール以外の対面であれば指名者の少なさから強く打つことが可能なので、被って引かないように2枚採用。
    追加の誘発としてメインに原始生命態ニビルを2枚投入しました。後攻で打った場合、オルフェ側のリソースとドラグーンの展開を妨害しながらリンク数を1枚分作ることができて、先攻でもこちらのリソースと共に構えたら相手の蓋する目的での盤面や、こちらへのワンキルの妨害として使えます。

    先攻での罠等の妨害...6枚
    墓穴の指名者>×3 <サラマングレイト・ロアー>×2 <サラマングレイト・レイジ>×1
    先攻での相手の増殖するGに対してのカードや盤面を作る際の妨害枠としてのカード。デュガレスのドローで<ガゼル>に絡ませられなかった場合でも、罠1枚や<うらら>が絡められたら<サンライトウルフ>で使い回してゲームを作ることができるので、後攻で気にならない範囲でサラマングレイト罠を増量。
    転生炎獣の<抹殺の指名者>が相手の誘発以外に使える環境では無いのに加えて、捲りでのドラグーン等に触れないカードであることや灰流うららが増加したことで増殖するGに対してのカードとしては不採用になりました。また、増殖するG以外の誘発はエクシード等のギミックで貫通が可能で、増殖するGに対してもリソースを残して複数枚の妨害を構えることで対応することができます。

    エクストラデッキ
    転生モンスター...9枚
    転生炎獣ベイルリンクス>×3 <転生炎獣サンライトウルフ>×3 <転生炎獣ヒートライオ>×2
    転生炎獣ミラージュスタリオ>×1
    ギミックとして必要な数の転生炎獣モンスターを投入、ミラージュスタリオはメインデッキでのランク3を複数回使うような構築では無いので枠の問題で1枚にしました。ヒートライオの数を減らすことも考えましたが、打点でのワンキルや複数枚置かれた指名者を剥がす目的、対罠デッキ等でよく使ったので2枚投入しました。

    汎用リンク...3枚
    トロイメア・フェニックス>ス×1 <灼熱の火霊使いヒータ>×1 <ヴァレルロード・ドラゴン>×1
    罠デッキ対面等で相手の神系の罠や表側の永続をリンク2で踏む目的でのフェニックス。
    増えた<うらら>等を釣ってリンク数やミラージュスタリオを作れ、自爆特攻する事によってガゼル以外にもサイド後の<ドゴラン>等をサーチできるヒータ。
    ドラグーンを突破する際、効果をエクシードや<ガゼル>等に使わせた場合に突破と共に妨害を用意できるヴァレルロード。
    ドラグーンを越える際のカードとして、相手のドラグーンを越えながら妨害を用意できるカードでなければ残ったリソースに負けるので、ドラグーンが使われなければ<バグースカ>を狙い、使われたらヴァレルロードでドラグーンのコントロールを取れるようなプランが有効です。<ヴァレルソード・ドラゴン>も<アナコンダ>で2000払った後の相手に上からワンキルできたり、エクシードとの噛み合いが良かったりもしますが、ワンキルの際リンク数4+モンスター1体必要なので要求値が高くて不採用にしました。

    ランク4...3枚
    No.41 泥睡魔獣バグースカ>×1 <No.60 刻不知のデュガレス>×1 <深淵に潜む者>×1
    ドラグーンを突破しながら制圧能力があるバグースカ。
    ランク4をドローに変換したり、ワンキルの際に打点をパンプしたり<デバッガー>や<ガゼル>の蘇生が可能なデュガレス。
    オルフェ相手の先攻での妨害や中盤以降での蓋を可能とする深淵に潜む者。
    エクシードを投入することでランク4のプレイを行うことが増えたので、ランク4に3枠使っても気になりませんでした。

    サイドデッキ
    サイド後の後攻札...6枚
    PSYフレームギア・γ>×3 <PSYフレーム・ドライバー>×1 <怒炎壊獣ドゴラン>×1 <海亀壊獣ガメシエル>×1
    オルフェゴールや転生炎獣、サンダードラゴン等の相手に後攻の際1枚で展開を止められるPSYフレームギア・γ。
    オルフェゴールや閃刀姫等のドラグーンギミックを擁するデッキに対して有効でサンダードラゴン相手も使える後攻札の壊獣であるガメシエルと、ヒータの自爆特攻でサーチが可能なドゴラン。

    サイド後の先攻札...3枚
    抹殺の指名者>×2 <増殖するG>×1
    後攻を考慮する必要が無いサイド後なので、<ニビル>や増殖するGに有効な抹殺の指名者。オルフェゴールだと転生炎獣相手に指名者系のカードを減らす事が多いので、<ロアー>や抹殺と合わせて確実に通せることもあってパワーの高い増殖するG。

    罠系統のデッキ相手のカード...6枚
    ハーピィの羽根帚>×1 <ライトニング・ストーム>×2 <ツインツイスター>×3
    先攻後攻共に投入できる罠に対してのカードであるハーピィの羽根帚、ツインツイスター。後攻に限られるが羽帚の増量になるライトニング・ストーム。
    今の罠デッキは場にモンスターを置かないようなタイミングが多く、誘発を採用せずにバック(魔法・罠)を厚くしているのに加えて対閃刀も重く考えていたので<ダイナレスラー・パンクラトプス>は不採用です。


    後編に続く

大会レポート「第2回 飯塚CAP(3/29開催) SPY交戦記録 前編」【ガリス】

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    by デッキレシピ

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    大会レポート「第2回 飯塚CAP(3/29開催) SPY交戦記録 前編」

    みなさんこんにちは、ガリスです。
    最近は徐々に暖かくなってきていて桜も綺麗に舞う季節になりましたね。まさに春うらら!
    今日は、先日行われた飯塚CAPで優勝した際に使用したデッキに関してのレポート記事を執筆していきます。

    デッキ選択経緯
    時は遡る事制限改定前。
    改定が出るまでの間、私は友人たちとエルドリッチデッキの調整に励んでいました。
    征竜魔導・歴代のペンデュラムデッキ・閃刀姫といったかつての環境デッキの歴史を解いていった時に共通する「使っても減らない」「安定する」「メタカードの踏み越えがテーマ内で可能」という条件を満たしている点が気に入りました。

    また、現代遊戯王において強い罠型デッキとは詰みを作るのが早い傾向にあります。
    オルターガイストやサブテラーにあっさり負けてしまった試合の事を思い出すと「<マルチフェイカー>を綺麗に通されたまま相手ターンに回った」「<サブテラーの導師>に触れずにぐるぐる回転始まってしまった」という事が多いのではないでしょうか?
    エルドリッチ>も2500+3500(墓地から出した際の1000アップ効果)+<グスタフ>の2000バーンといった各種ランク10やランク5を駆使したショットキルや<永久に輝けし黄金郷>を構える事などによる詰みを作るのが得意ですね。
    他にも新しく出たばかりのカード群ですので制限改定の影響を受けにくく、制限改定による大幅な路線変更をせずに済むであろうことも期待していました。

    こういった経緯から私は改定が出るまでこのデッキを調整し、改定直後のKCGSにもエルドリッチを持ち込んだのですが・・・
    この相変わらず強すぎるこのカード1枚に屈して決勝トーナメント本戦1回戦であっさり散りました・・・。
    前期から各所で猛威を振るっていたドラグーンですが<真紅眼融合>も制限、<アナコンダ>も制限と各1枚ずつしっかり残っているので、前期となんら変わりなくお手軽出張セットとして搭載可能なテーマは多く、一度ドラグーンが着地してしまえばご存じの通りのバケモノじみた単体性能を発揮し、早急に対応しきれなければそれだけで試合が終わってしまいます。
    特にエルドリッチは罠デッキという特性上ドラグーンの対処に困る手札になる事がとても多かったのです。
    改定直後1週間目を終えた混沌とした環境においても多種多様なデッキ・メタが見受けられましたが、「やはり今期もドラグーンを搭載したデッキが流行しそうだ」という匂いを感じとった私はデッキ選択を変更する決意をしました。

    最終的に選択したのは、記事のタイトルにも書いた通り
    SPYRALです。
    「やはり暴力!暴力は全てを解決する!」と。

    制限改定によるSPYへの影響
    さて、<ドラグーン>が流行りそうである事、環境初期であるという事を考慮した上でデッキを組む時、どんな順番で手札誘発を採用していくでしょうか?
    増殖するG>・<うらら>以外の手札誘発なら、多くのプレイヤーがまず後攻のドローを含めた6枚目でも相手のモンスターによる妨害を潰す仕事があり、かつ<墓穴の指名者>に無力化されない<無限泡影>を選ぶでしょう。そして次点に任意タイミングで発動出来て使い勝手良い<エフェクト・ヴェーラー>を選択すると私は予想しました。

    ということで前期から使用経験のあるSPYの出番です。
    以前の記事でも紹介した通り、増殖するGとうらら以外に優先して採用される手札誘発に強い事が強みです。
    無限泡影やエフェクト・ヴェーラーを強く打たれにくい事、そしてサイドデッキにおそらく多くの人が搭載しているだろう<原始生命態ニビル>に関してもケアが容易である事、もし<ロンギヌス>を投げたなら<ジーニアス>が除外されなくなりリンク数が手札の限り伸び続けるというバグじみた裏目がある事などです。

    そして弱点は相変わらず2枚コンボデッキであるが故に、事故によるどうしようもない試合の発生が一定数あることです。
    しかも、これは制限改定による影響を受けて以前よりも悪化しています。
    初動であるSPYRAL-ジーニアスは準制限カードから制限カードになってしまいました。
    2枚のジーニアスをエクシーズさせて除外を防ぐ「ジーニアスループ」ができなくなっています。これによって様々な展開ルートが影響を受けましたので、3つほど例を紹介しましょう。

    まず1つ目。
    ドローン>+<ダンディ>の展開を見てみましょう。
    前期ならこんな動きをすることで強力な展開ができました
    1. ヘリックス>を作成して<グレース>を呼び出して<MISSION-強襲>をサーチ
    2. トロイメア・ユニコーン>を自分の適当なカードを対象に発動しながら強襲をコストで捨てつつ、グレースの効果でジーニアスと<リゾート>をサーチ
    3. 強襲の効果でジーニアスを特殊召喚し<ビッグ・レッド>をサーチ
    これでリゾートを使用して2枚目のジーニアスをサーチすればビッグレッドもありますからジーニアスループに入る事ができ、リンク数を伸ばして強力な盤面を作成できました。
    改定の影響でジーニアスが1枚になりましたから、もうこのような動きはできませんね。


    2つ目。展開が終わった後、墓地に<救出>が余らなくなりました。

    ジーニアスが1枚しかない都合で、これを除外させないように救出を3枚ともフル動員させながらでないと相互3<トライゲート>の盤面に到達できない事が増えてしまったのです。
    前期までの展開であれば、墓地に救出を1枚残しながら<ボルテックス>+相互3トライゲートのような盤面形成は簡単にできました。
    ですから、<ライトニング・ストーム>を通される事でリンクモンスターが全滅したとしてもエンドフェイズに救出でヘリックスを蘇生でき、次のターンワンショットキルを仕掛ける・・・というような動きや、<冥王結界波>で全モンスターを無力化されても、墓地からダンディを蘇生することで<マルチワイヤー>で相手の動きを妨害するというケアパターンの作成も困難になりました。


    3つ目はジーニアスが展開に絡んでいるにも関わらず、相互3トライゲートが成立しないパターンが生まれ得るようになったことです。

    相手の手札誘発を踏み越えながら展開した等の要因でモンスターの供給数が足りなくなってしまうケースが生まれるようになりました。
    展開前にちゃんとリンク数がいくら伸びるか計算しておき、<アポロウーサ>を諦めてEXゾーンに<セレーネ>を残したまま展開する事や、後で紹介しますが採用するカードに一工夫入れなければならなくなりました。

    改定でジーニアスが減った事よって以上のような様々な影響がデッキに現れました。
    しかし、改定の影響を受けていても強みが損なわれていない部分もあります。
    特に後攻における相手の盤面を踏み荒らしながらワンショットキルを狙いに行くケースです。
    たとえば、以前の記事で紹介した<アクセスコード・トーカー>&ボルテックスによるショットキルルートがありますが、これはジーニアスが1枚だろうが展開に絡んでいなかろうが関係なく、相手の場の邪魔なものを破壊しながら総計打点8300を通しにいくことができます。
    後攻において必要なのは最強盤面の作成ではなく、いかに相手の妨害を撃たせ、もしくは撃たせずにライフ8000を消し飛ばすかという事が重要になりますので、ジーニアスを無理に何度も特殊召喚する必要が生まれにくいのです。

    使用した構築
    SPY
    プレイヤー:ガリス
    4

    採用理由
    今回は前期とあまり変わり映えしないメインデッキと、サイドデッキに1枚で高い効力を発揮するカードを多く搭載した構築に落ち着きました。
    前期エクストラデッキに採用されていたランク1のエクシーズモンスターの2種類目は、<ジーニアス>が制限になったため2度目のエクシーズが困難になったため不要枠になりました。
    また、左と右のマーカーを持つリンクモンスターに関してもエクストラリンクが困難になった上に、ルール改定で相手のデッキによっては効力を発揮しなくなったため優先度が下がりました。
    代わりの枠として採用した2枚について紹介していきたいと思います。

    IPマスカレーナ
    このカードに期待したのは以下のような役割です。
    サウザンドアイズサクリファイス
    • ワンチャン!?>というパワーカードであるが条件もあるカードの機能性の向上
    • 後攻の踏み越えに貢献する事。特に<超雷龍>や<インスペクト・ボーダー>のような苦手な永続効果持ちを退かす事や、相手の<マスカレーナ>にメインフェイズ1の間に強制的に変身を強いることで妨害数を減らす事
    もちろん<簡易融合>から呼び出す先として有力な候補には<ミレニアム・アイズ・サクリファイス>も居ましたが、肝心な<増殖するG>の踏み越えに使えないこと、G以外の誘発に関しては貫通しながらの展開が比較的得意なテーマであること、より後攻の勝率を向上させたいことを加味して今回はこちらを採用しました。

    次にサイドデッキを見ていきましょう。
    うらら>が3枚採用可能になった事で増殖するGを通されにくくなりましたが、それは相手にとっても同じ事なので後攻時に搭載する手札誘発としてGの2枚目・3枚目を採用するのは今回は見送りました。
    代わりに、「無効にして破壊」であるが故に<アナコンダ>の成立に繋げにくく、指名者で対応しにくい<γ>をピック。セフィラや魔術師や<リンクロス>などを使ってリンクするタイプのデッキへのメタとして<ニビル>を搭載。未界域も使用者がいる可能性及び<抹殺>用に<ロックバード>も1枚ピック。
    ミラーやエンディミオンやその他永続効果持ちが強いデッキは<冥王結界波>でまとめてメタることに。
    罠系のデッキに対してのメタは<エルドリッチ>の出現を加味してスタンバイ<魔封じ>や、スタンバイに<「紅」>でエルドリッチを出現させて<永久に輝けし黄金郷>や<ワッケーロ>&<コンキスタ>を機能させようとする際にチェーン発動が可能な<ツインツイスター>を選択しました。


    他にも今回採用に至らなかったカードもいくつか紹介しておきます。

    トーチ・ゴーレム&ダーク・オカルティズム
    トーチ・ゴーレム>は<ワンチャン!?>との相性もいい上に1枚でリンク数をたくさん稼ぎ、<セレーネ>へ向かったり<スカルデット>へ向かったりといった様々な仕事を果たしてくれるパワーカードです。
    また<オカルティズム>は手札を1枚能動的に捨てる事ができるため、SPYにおいては初手で浮いている<グレース>などを墓地へ送る事というコスト部分の行為そのものが有効に働く可能性すらありますし、トーチ・ゴーレムだけでなくレベル8悪魔族である<ボルテックス>をサーチしたり墓地から拾う事もできます。
    しかし、トーチ・ゴーレムのギミックは召喚権がつぶれる事と展開過程で<エフェクト・ヴェーラー>の直撃を受けてしまう事等から相手の妨害の貫通能力が損なわれる傾向にあり、相手の場に残るトーチの3000打点も馬鹿にならず、調整をしていて使い勝手の悪さが目立ちましたので今回は不採用となりました。

    セキュア・ガードナー
    これは単純に思いつかず、CS後に鷺さん(twitter@sagif41)という友人に頂いたアイデアです。

    規制後のルートで<トライゲート>を相互3にするのにモンスターが1体足りなくて困るなら、足りない手をつなぐためのモンスターを節約してしまおうという発想です!
    これは目から鱗でした!
    リンクリボー>を経由しこの<セキュア・ガードナー>を出して横マーカーを確保することで<トロイメア・フェニックス>を省略するという発想が私には思いつかなかったのです(余談ですが、CS当日チームメイト2人が横でこのカード経由しまくって<メルカバー>出すところを幾度となく目にしていました・・・いやぁ、頭が凝り固まっていました!)

    屋敷わらし
    抹殺>用及び妨害用に搭載するか悩んだカードです。
    指名者>対策・墓地利用対策といった従来の用途に加えて、今期は<エルドリッチ>に対して有効に働く場合があります。
    というのも、エルドリッチの黄金卿罠モンスターや永久といったサポートカードはエルドリッチが場に居ないと妨害として機能しません。
    よって、こちらのターンに打たれる<「紅」のエルドリクシル>が止まると0妨害になる事があり、そして「紅」は「デッキまたは墓地」からの特殊召喚を行うテキストをしているので<屋敷わらし>が活躍するのです。
    しかし今回は枠の都合などからメインにもサイドにも不採用となりました。

    レポート編へ続く

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