■てらたか、夢を見る■
即死コンボって、夢だ。
デュエルマスターズには即死コンボがいくつもあった。妖精がララララララララって歌ってたらいつの間にか相手が山札を引ききってたり、リスがよっこらせと斧を持った瞬間に相手の山札が全部マナゾーンにあったり、あと手札が10枚あるから勝ち! と言い放ったり。
いやどうでもいい、とにかく即死コンボは夢だ。相手の妨害を無視して華麗に勝つ。得られる快感は相当なものだ。
けれどウィクロスで即死コンボは実現不可能だ。
ウィクロスは殴らなきゃいけない。最後に殴らなきゃ勝てず、そのためには相手にアーツを使うタイミングを与える。
今の環境、たとえ0エナだろうとアーツは撃てる。アーツを撃たれたら守られる。
それを潜り抜けてトドメが与えられるカードなんて、存在するわけが

いやいや、落ち着け。
<西部の銃声>は確かに、確かにアタックフェイズに入ることなくフィニッシュができる唯一のカードだ。
けれどこれ1枚で即死コンボと言うわけにはいかない。何かの条件が整って、手軽に相手のライフを減らす必要が

まあ待て。
確かに<アンシエントウェーブ>なら、相手のライフを多少削って<銃声>の圏内まで行ける。認めよう。
<銃声>の圏内まで<ウェーブ>で持っていく。確かに見た目即死コンボチックだけど、これには弱点が2つある。
1つは、そもそもアタックフェイズアーツを潜り抜けるというだけで、<銃声>に対してのカットインアーツから結局逃れることができな

落ち着け。確かにこのカードを使えばカットインを許さずに<銃>が撃てる。
でも<ファフニール>なんてカードを出したせいで、もうひとつの弱点が更に浮き彫りになっただろう? 違うか?
そう、限定の問題だ。
<銃声>は花代限定だし<ウェーブ>はウムル限定、そして<ファフニール>はタマ限定。全部限定条件が違う。これを一緒に使えるなんてカードが、特殊ルールでだってあるわけな

ウィクロスしゅごい。
■てらたか、構築を考え始める■
- (1)コスト合計が12になるように盤面を揃える
- (2)<アンシエントウェーブ>を2発ぐらい撃つ
- (3)たぶん<メツム>蘇生とかしてリフを入れつつ、相手のライフを合計で3ぐらい減らす
- (4)<ファフニール>
- (5)<銃>で撃つと人間は死んでしまうらしい
完成された即死プランは、こういう形になった。
相手のライフを3ぐらいまで削れば、そこから<ウェーブ><ウェーブ>リフ<銃声>で相手のカットインタイミングを挟まずに即死を決めることができる。
というわけで、後はこの構築のネックになる部分を考える。
まず、防御が薄い点だ。
さっきのカード郡を見てもらえば分かる通り、このデッキは<ウェーブ>2枚、<ファフニール>、<虚無>と、およそ通常のウリスでは考えられないレベルの枚数、ルリグデッキをコンボに割く。
ある程度は、ルリグデッキ以外での防御力に注視しなければならない。
けれども、この問題は意外と容易に解決できた。
というのも、このデッキは5ターンしかウィクロスをプレイしないのだ。
つまり、ショットするタイミングが早い分、防御に割く枚数も少なめでどうにかなる。
しかも、このデッキは<虚無>を使うのに<虚無>エクシードを使わない!というか虚無ウリスにエクシードなんて元々なかった気がしなくもない。
ということは、とりあえず<マイアズマ>だけ入れておけば、<焦熱ウリス>の防御力を(最初だけ)100%発揮できるようになる(ような気がする)。
次の問題。エナが足りるか怪しい点。
<ファフニール>は0エナで撃てるからいいとして、問題は<ウェーブ><ウェーブ><銃声>だ。これだけで7コストもかかる。ウリスはエナを溜めるのがそれほど得意と言えるデッキタイプではない。<焦熱>エクシードでエナを1回伸ばすとはいえ、これで7エナを確保することのいかに難しいことか。
ただ、この問題も割とすぐに解決策が見つかる。<シクラメン>だ。
<虚無>の(なんかすごい雑な)マルチエナ化効果のおかげで、エナの色は何でもいい。ウリスなんだから、とりあえず<シクラメン>で黒と言っておけばエナは大体伸びる。
しかも素晴らしいことに、<シクラメン>がウリスに搭載されることは時折存在する。このカードを使用しても、対戦相手は「ああ<水天>を撃ちやすくできるしなくはないかな」ぐらいに思ってくれる(ような気がする)。ちなみにルリグデッキは<水天>を入れる枠はもちろんない。
おまけに、<虚無>にグロウするためには、エナに3色が必要だ。殴って処理されやすい<シクラメン>はここでも合致する。なんだウィクロス簡単だった。
というわけで、問題は結構解決した。
そういえばこのデッキ、さっき言った通り<水天>も入らないし、銃殺する分ウリスの高いパーツが入る枠も少ないだろうし、もしかして滅茶苦茶安上がりになるのでは?
これは期待が高まる。
さあ、レシピを見よ!!
■てらたか、レシピを発表する■

ルリグデッキ | |
ルリグ | アーツ |
<P-ST閻魔 ウリス> <ST灼熱の閻魔 ウリス> <ST衆合の閻魔 ウリス> <LC三途の閻魔 ウリス> <LR焦熱の閻魔 ウリス> <LR虚無の閻魔 ウリス> 計6枚 |
<LCファフニール> <LCフォーカラー・マイアズマ> <SPアンシエント・ウェーブ> <SPアンシエント・ウェーブ> 計4枚 |
メインデッキ | |
非LB | LB |
<Rコードアンチ パルベック>×1 <PRコードアート †A・L・C・A†(カードゲーマーvol.26 付録)>×2 <C破戒の水辺 パルヴァ>×2 <PR好色の罪人 ベルフェーゴ(WIXOSS PARTY参加賞selectors pack vol4)>×4 <Cコードアート †S・C†>×1 <C堕落の消滅 アリトン>×2 <Cバイオレンス・ジェラシー>×1 <C羅植 シクラメン>×4 <Cサーバント O2>×3 計20枚 |
<SR幻水姫 ダイホウイカ>×4 <CSEARCHER>×1 <SRコードアンシエンツ ヘルボロス>×1 <ST堕落の砲女 メツム>×2 <R堕落の虚無 パイモン>×2 <SR千夜の夜王 イフリード>×4 <SRエニグマ・オーラ>×2 <R西部の銃声>×1 <Cサーバント O3>×3 計20枚 |



なんだお前は。
■石は投げないで■
相手に普通の<焦熱>と錯覚させられる↓

コンボパーツをかき集めるドローソースが欲しい↓

即死コンボに持ち込むため相手のライフを3まで削りたい↓

<虚無>にグロウするためには3色必要なので、黒、緑、あと1色必要↓

許してくれ......<ダイホウイカ>は......どうしても必要だったんだ......<イカ>が最強だったんだ......笑えよ......笑ってくれ......!
安価なんて幻想は置いておいてデッキの話をしよう。
<銃>以外のパーツを見てもらえば分かるとおり、このデッキは基本的には<焦熱ウリス>とほぼ同じような動きを行いつつ、こっそりショットパーツを集めていく。
ライフを3まで削りつつ、<銃>がライフに埋まらないようできるだけ自分側はライフ0調整をしながら5にグロウし、ショットを決める。
前までならフルハンデス相手のプレイとかもあった気がするが、今のところは大体これだけで勝てる。
■雪球の中に石を入れたのは誰だ■
それだけだと多少アレなので、<焦熱>とは違う役割を持ったカードの話もしておこう。


とりあえずLv5がいるから突っ込んでおいた枠、ではない。
実はこのデッキ、最大の難関はLv5にグロウした瞬間にしっかり<ウェーブ>の12コストを揃えるところにある。
このカードはそのための一工夫であり、どういうことかと言うと、
(1)<パルベック>で<パルヴァ>を蘇生
(2)<パルヴァ>で<ヘルボ>を回収
(3)<ヘルボ>を出す
という3ステップを踏めば、なんと<パルベック>1枚からコスト12が達成できる。<イカ>でドローしてもどうにもならなかったという時に、無理矢理12コストを生み出すためにこの2枚は役立つ。
ちなみに<虚無>に乗ったら<ALCA>ではシグニが回収できなくなるので注意してほしい。

相手の妨害策が<アンダーワン>のみだと分かっている場合、これに<ファフニール>を当てて<銃>を持ってくることも可能だと忘れてはいけない。
ドヤ顔で<銃>を拾ってきた時の相手の顔といったら。

<ウェーブ>で蘇生する対象は大体このカードになる。
自分の山札が1枚になろうと相手にリフダメージを1入れられればOKで、この『最終ダメージソースにリフを使う』という考えはちょっとだけ前のデュエマウリスに近いかもしれない。

実はたまにショット以外にも使う。
どうしても<虚無>に乗る前にライフを詰めきれなかった場合、あるいは盾に<銃>が埋まってしまった場合、このデッキはある程度普通に戦っていく必要がある。
そういう時、このカードは<ヘルボ>+シグニ2枚を蘇生して一気にダメージを入れていく、<ブラスラ>超上位互換として働くことがある。
これを吐き切っても相手のライフが0にならなかった場合、泣きながら<イカ>でダメージを通すしかない。
なんだか尺が短い気がするので、プレイのコツも一緒に書くことにする。
(1)<銃>がライフに埋まっている時の<アズマ>は、あんまり撃てない
<虚無>にグロウするまで、赤エナを吐けるカードは<アズマ>しかない。
ライフの底以外に埋まっている可能性に賭け、死なないギリギリまでは<アズマ>は吐かない方がいい。どうせ5ターンでゲームが終わるから、生き残れれば誤差だ。
(2)イフリードは、割と早めに吐く
これも5ターンで決着を付けるという所に由来するもので、序盤の<ベルフェーゴ>でダメージを取る役割さえ終わってしまえば後は構えるだけの<イフリード>も、このデッキでは4t以内に吐いた方が良い防御札の役目になることが多い。
特にアイヤイ相手は早くに揃えて<ベイゴマ>からのショットを避けていきたいところ。
(3)ダメージを余分に与えない
リソースを与えるということは、イコールで自分側もダメージを喰らいやすくなるということ。
<ウェーブ>で<メツム>を4枚蘇生すれば28枚トラッシュに送れて、デッキ40枚-(初期手札5枚+初期ライフ7枚)=28であることから分かる通り、1リフ分のダメージはほぼ確定で与えることができる。つまり、相手のライフを3まで削れば、最早殴る必要はない。
下手に殴れば殴るほど自分が死ぬ可能性が高まるので、多少不審がられてもパンチはほどほどにしておこう。
できれば、相手に気付かれない程度に向こうのライフを3調整するのが一番いい。
■石が痛くて正気に戻る■
というわけで即死型の<虚無ウリス>でした。
ここだけの話、実はようやくウムルでwixoss party specialを優勝できたから盛大に報告と共に10万文字ぐらい使って使用したデッキレシピの解説をしたかったんですけれど、残念なことに使用レシピがこの間紹介したウルトゥムと50枚同型だったので諦めました。
この話をするだけでまるでこのデッキがウムルのおまけで紹介した適当なレシピみたいに見えますが、もちろんそんなことはありません。
このウェーブ銃殺型虚無ウリス、実を言うと立川で1回・川崎で1回の合計2回、WPSで決勝トーナメントへと出場しています。
むしろウルトゥムとほぼ同時に書くことだけは決まってた記事だったりして、今回ようやく形が纏まったというところです。
より早い轢き殺し、ハンデスを重めにした<APEX>なんかを相手にすると辛いデッキですが、逆に白・黒といった妨害策の少ないデッキを相手にした時は無類の強さを発揮するデッキです。環境を見て面白そうだと思ったら是非実戦投入してみてください(ちなみにウルトゥムを使ってる僕は泣きます)