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【第279話】シラクラ杯 カバレージ ー後編ー

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by ねへほもん

結晶.jpg
【第279話】シラクラ杯 カバレージ ー後編ー
どうも、ねへほもんです。
今回はシラクラ杯カバレージの後編です。
準決勝&決勝のキーセレ卓の模様をお届けします。
準決勝 かまっち選手(ユキ) VS master選手(タマ)
VS
「キミに決めた!」

4つの新ルリグが登場したワイルズで、筆者が真っ先に組んだのはユキであった。
最大の魅力は固さだ。

主流の構成だと、<ソウイキー>(1面)+<華代キー>(2面)+<ハーベスト・フォース>(2面)+<イクエス・ディフェンス>(2面)+<ホワイト・シーディング>(2面)+『トゥルース』(2面)=11面という防御性能に加え、<アネモネ>・<サンザカ>といった疑似バニッシュ耐性持ちが居る。

攻撃面でも、<スイレン>、シード開花、防御時のバウンスと一定の除去力を有しており、総合力ではナンバーワン。
引き続き環境トップを走ると予想されたタマに対しても、トップに固定された<プリキャス>をバウンス時の強制エナチャージで落とせるため、対抗可能だ。

そう信じ、セレモニーに持ち込んだ頃もあった。
あんな結果になろうとは、誰が予想できただろうか・・・?

タマに3連敗

プリキャス>を封じるも、それだけではない、タマの総合力の高さを思い知らされたのであった。
  • バウンスしても次のターンには帰ってくる、<サンポケ>&<カマクラ
  • バウンスされたらやり返す、<ユキダルマ
  • 除去しても後続を呼び出し続ける、ルリグアタック
特に、タマのルリグアタックがあんなに厄介だとは・・・
ユキは一定の除去力があると書いたが、半分は相手ターン中の防御過程で除去している。

「守りつつ除去もできる」

聞こえは良いが、タマに対してはこれほど守りやすい除去手段はない。
ルリグアタックついでに盤面を埋めれば良いのだ。

アークゲイン>が降ってきて、2面埋まることさえあり得る。
エナはバウンス時にチャージされるから、不足することは無い。

・・・

冒頭が長くなったが、要は「ユキはタマと相性が悪い」ということだ。
具合が悪いことに、特定のカードでユキが苦しいのではなく、複数の要素が絡み合って相性差が生まれており、対処は困難である。
対戦カードを聞き、タマが一方的に押し切るかに思われたが、ユキ使いとして、かまっち選手が何らかの対抗策を見せつけてくれることを、密かに期待していたのであった。
Turn 1
かまっち選手の先攻でゲームが始まった。
ソウイキー>で2ドロー。<サーバント O4>を2体立ててターンエンド。
10033.jpg
正直、あまり良い流れとは言えない。
序盤にサーバントを盤面に出すということは、終盤にガードできない可能性が高まるということ。
ガードが重要なキーセレと言えど、初手に大量のサーバントが溜まるのは、初手にサーバントが無いこと以上に悪い流れなのである。


返しのmaster選手のターン。
こちらも<サーバント O2>を2体立ててアタック。
引きが悪いのかと思われたが、手札には<サンポケ>の姿が。 セレクター界随一の策士と知られる初代世界王者のことだ、次のターンから動きを見せるに違いない。
そんな予感を感じながら、このターンはルリグアタック込みで2点入ってターンエンド。

(ライフ)かまっち選手5点 / master選手7点

Turn 2
かまっち選手、エナチャージをしつつ、<ユリ>を立ててアタックに入った。
この瞬間、master選手の意図が読めた。

そう、このターンは最大2点しか入らないのだ。

普通に殴れば、盤面1点+ルリグアタックで2点受ける。
ユキだと、ここに<ユリ>という除去要員が加わり、1点増える・・・かに思える。
しかし、盤面にはサーバントしか居ないため、サーバントをバウンスするとガードされてしまい、結局2点止まり。

目先のライフよりも、手札とエナの状況を整え、後半の動きを安定させることが重要。
そう、残した<サンポケ>が次のターンに華麗な動きを見せるのだ。
将棋好きな筆者は、「大局観」という単語を好んで用いるが、master選手は優れた大局観の持ち主であると、改めて実感させられた。

悩ましい状況ながら、かまっち選手は<ユリ>の効果を使用し、サーバントをバウンス。
結局、盤面で2点通るも、ルリグアタックはガードされ、master選手のライフは5点に。

手札を見て、次のターンの動きが読めていた筆者だから容易に想像できたのであるが、ここはバウンスしない方が正解だったのかもしれない。
O2>×2というパワーの低い盤面で放置しておくことで、返しのmaster選手が少し動きづらくなる。
下手に除去したことで、次に3面遊具盤面からの華麗な動きを許してしまった。

この説明だと結果論に過ぎないが、一般的にタマVSユキでは、ユキの方がエナが苦しくなりやすい。
お互いにバウンスを軸にエナをあまり与えずに攻め合うが、タマは<白滅>効果で毎ターンエナが入るのに対し、ユキは<ユリ>・<スイレン>・開花の除去にエナを使う上、<スイレン>の5種類条件を達成する必要がある。

その上でタマの猛攻を受け止める必要があるのだから、とにかくエナ管理に苦労する。
特に対タマ戦では、<ユリ>でサーバントをバウンスするのは悪手になりやすいため、注意が必要だ。


カバレージに戻ろう。
後攻2ターン目、master選手が動きを見せる。

O2>をチャージし、3面を自由に使える状態に。
ここで、タマであまり見たことのない、master選手秘蔵の1枚が登場した。
そのカードとは<仁の遊 ヘンガオ>。
ヘンガオ>でデッキトップに<ヘンガオ>を設置した。
そして、<サンポケ>、<カマクラ>と並べてアタックに。

かまっち選手、ここは妨害せずに攻撃を通した。

まずは<カマクラ>がアタックし、トップの<ヘンガオ>に入れ替え、<ユキソリ>をトップに置いた。
その後、<サンポケ>がアタックし、<ユキソリ>に入れ替わり、デッキトップを操作。

序盤の<サンポケ>・<カマクラ>の効果使用はデッキトップが高レベルシグニの場合、盤面が埋められないというリスクを負うが、そのリスクをケアしつつ、理想の盤面を形成することができる。
ヘンガオ>を絡めた見事な動きに筆者は見とれていた。

しかし、<ヘンガオ>のメリットはデッキトップを操作できるだけではない。
デッキの中身を把握できることもまた、大きなアドバンテージである。
サーチ時にデッキ・ライフの中身を把握することで、長いゲームプランを立てているに違いない。

対等な条件で勝負しているのだから、引けるカードの枚数は同程度になる。
それでも勝ち続ける強者が生まれる1つの要因は、「情報を如何に活かせるか?」だと思う。
ゲームで使用するのは目に見える手札だけではない。自分のデッキの中身・順番、相手のトラッシュ、取ったプレイング・・・
溢れる大量の情報を上手く処理し、自分のプレイングに還元できるかが、勝率向上の1つの鍵である。

特にダメージには絡まなかったが、手札を充実させつつ、デッキの中身を把握し、トップ3枚を操作することができた。
このターンの動きが、後々効いてくるのだろう。
そんなことを考えながら、2ターン目を終えたのであった。

(ライフ)かまっち選手5点 / master選手5点

Turn 3
かまっち選手のターン、後続の<ユリ>を出し、<ユキソリ>をバウンスして1点を通した。
ルリグアタックはガードされ、master選手のライフは4点に。

あれだけ自分の陣形を整えたのだ。今後master選手にルリグアタックが通ることは無いのだろう・・・
そんなことを考えていた。


返しのmaster選手、コインを3枚に増やし、ここでようやく"キー"カードの<新鋭の巫女 タマヨリヒメ>を発動した。
10025.jpg
タマキー>のコストはコイン1枚。
そう、実は1ターン目から発動可能であったし、2ターン目に出しておけば、エクシードが2枚あるため、バウンスも可能であった。
使用機会という点では損であったが、ルリグデッキの構成を1ターン伏せられるという、情報面でのリターンを重視したのだろう。

「ユキならせいぜい、<ユリ>で1点通してくる程度だろう。少ないエナを使ってくれるのなら、通しても問題ない」

そういう思考を巡らせていたのだろう。
例えば相手が優羽莉なら、Lv4グロウ後はルリグ耐性を持つ上、序盤から血晶武装で突撃されるリスクがあるから、2ターン目から<タマキー>を構えていたはずだ。

タマキー>以外にも、<エルドラキー>、<ソウイキー>、<ママキー>、<ドーナキー>、<華代キー>とキーの選択肢が多いタマだからこそ、相手に与える情報と守備力を天秤にかけて判断する必要がある。

これは筆者の誇大妄想だが、master選手の一挙一動から、「プレイングの基本とは何か?」をカバレージに残してほしいという思いを感じ取っていた。

対戦の話に戻すと、<カマクラ>、<サンポケ>、<ユキソリ>という盤面を立ててアタックに入った。
ユキソリ>でデッキの順序を把握していたため、<サンポケ>効果でトップの<カマクラ>を登場させた。
2体の<カマクラ>が盤面に残る形となったが、ユキはバウンスを軸に戦うため、手札に戻って再利用できる可能性が高い。
これで攻め手に困ることはないのだろう。先にLv4の主戦場に登る相手に対し、<カマクラ>という火種を残す周到さに、舌を巻くばかりであった。

(ライフ)かまっち選手5点 / master選手4点

Turn 4
かまっち選手、待望のLv4へグロウ。
ユキのメインアタッカー、<アキザクラ>を開花させ、2面バウンスでアタックに。
そこでmaster選手が防御に動いた。
タマキー>か?いや、違う・・・<生生流転>だ。

そして、1発目のアタックでライフから捲れたのは・・・
トップが強ければすかさず埋める。
結局2発目の攻撃は通らず、master選手のライフは4点のままターンを終えた。

この時点で、かまっち選手は僅かに2エナ。
ここからタマの猛攻を受けきれるのだろうか・・・?


返しにmaster選手もLv4へグロウ。
サンポケ>、<カマクラ>、<ユキダルマ>という盤面を作りアタックに。

かまっち選手、<ソウイキー>を破棄し、空いた盤面の正面に居る<ユキダルマ>をダウンさせた。
サンポケ>でデッキトップの<カマクラ>を登場させ、<ユキダルマ>効果で1面バウンスし、1点を通した。
更にルリグアタックが通り、かまっち選手のライフは3点に。
派手な動きは見られないながらも、じわじわと相手のライフを削っていくのであった。

(ライフ)かまっち選手3点 / master選手4点

Turn 5
かまっち選手、<華代キー>を発動し、<ユキダルマ>をバニッシュした。
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際限なく現れる<サンポケ>・<カマクラ>はバニッシュしてもキリがない。
ユキ側のバウンスに対し、バウンスをし返してくる<ユキダルマ>こそが、真に厄介な存在であり、優先的なバニッシュ対象である。

発動時に<ユキダルマ>を除去でき、反撃の端緒を掴んだかに思えた・・・
が、盤面要求はこの1点のみ。

何せ、エナが少ないのだ。

攻防共に苦労が絶えないユキの苦悩を感じた。
master選手、ここは<タマキー>でバウンスを選択。

まだライフが4点あるのに防御した・・・という表現は誤りだろう。
master選手は攻めを考えていた。
筆者の目にも、奴の姿が目に入った。そう<プリキャス>である。
地道に貯めたエナと手札が導火線となり、爆発力を見せるのか?
空気がざわめき始める中、後攻5ターン目を迎えた。


master選手、<カマクラ>×2+<ユキダルマ>という盤面でアタックに入った。
勿論、デッキトップは<プリキャス>である。
抱えるエナはなんと10枚。好き放題攻めてもなお、返しの防御に事欠かない。
タマキー>で操作した1枚がデッキのトップにあるのだからと、かまっち選手も当然の防御に動く。
ホワイト・シーディング>を発動。
対象は丁度空いていた1面。
そこから開花したのは・・・<アネモネ>。
カマクラ>をバウンスしつつ、デッキトップに居た<プリキャス>を<白滅>の強制エナチャージでエナに落とした。
ユキの理想の防御展開であったが、現実は無情であった。

カマクラ>がバウンスされたことで、<ユキダルマ>の能力が誘発し、開花したばかりの<アネモネ>がバウンスされた。
まずは<ユキダルマ>で1点。
続いて<カマクラ>の攻撃。
デッキトップは確認していないが、何が現れるのだろうか・・・

「やせいの<プリキャス>があらわれた!」

プリキャス>効果で2体がアップ。
と同時に、<カマクラ>から引き継いだアタックの名残で、正面のシグニをバニッシュした。

アップした2体のシグニが、かまっち選手のライフを容赦なく奪い去る。
そしてルリグアタック。
初手にサーバントを並べざるを得ない状況となったことが響いたのか、ここでガードできずにゲームセットとなった。

タマの牙城の厚さ、<プリキャス>の恐ろしさ、そして何より、相性さに奢らず、的確にゲームプランを組み立てるmaster選手のプレイングが光る一戦であった。


最後に、かまっち選手のレシピを紹介しておく。master選手は決勝戦でも登場するため、ここではまだ伏せておく。
かまっちユキ.jpg
王道のスタンダードな構築である。
ユキを組む場合には、このような構築が出発点となろう。

ちなみに、今ユキは、対タマが課題となり、環境内でシェアを落としている。
月鍵の巫女 タマヨリヒメ>でアタッカーをサーチし、早期のゲームエンドに持ち込む構築が出ているそうだ。
総合力が高いルリグだ。対タマを克服し、一線に昇り詰めることを期待したい。


決勝 master選手(タマ) VS noah選手(タマ)
VS
シラクラ杯は遂に決勝を迎えた。
タマミラーという、キーセレの最高峰を競う舞台に相応しいマッチングとなった。
両者は予選では対戦していないものの、1週間前にセレモニーで対戦しており、その際はnoah選手が勝利していた。

直前のインタビューでは、
noah選手「master選手相手は戦績が良い。チームメイトのきなこ選手とタマミラーの練習を積んでおり、今回も勝利したい。」
master選手「先週負けているので、リベンジを果たしたい。」
というコメントを貰った。

別々にコメントを聞いたので、両者共同様のコメントをしていたことに驚いた。
前回の対戦もタマミラー。
同じ構築なのか、それとも一部変更されているのか?
1週間前という、微妙な時期の事前情報が役立つか、はたまた判断を誤らせるのか・・・?

シラクラ杯最後の1戦は、master選手の先攻で幕を開けた。

マリガン
noah選手は3チェン後にLv1シグニを引き込み、通常の立ち上がり。

一方のmaster選手は1チェンのみであった。
相当強いハンドかと思い、マリガン後のハンドを覗き込むと、

Lv1 1枚、Lv2 4枚。

1ターン目の盤面が並ばないではないか。
タマ素人の筆者には見えないゲームの行く末を、master選手の慧眼は見つめているのだろう。
マリガンから波乱を感じながら、先攻1ターン目を迎えるのであった。

Turn 1
master選手、Lv1シグニを引けず、シグニを出さずにターンエンド。

返しのnoah選手、<ユキソリ>を出し、トップを入れ替え、早速"キー"カード<エルドラ×ラッキー>を発動した。
10022.jpg
タマの理想の初動である。
操作されたデッキトップがライフに埋められた。
残り1面に<サーバント O4>を立て、アタックに入った。

通常であれば2点入る状況だが・・・
1発目のアタック。
LB<プリキャス>。
master選手、運よく防御LBを捲り、ルリグアタックはガードして被ダメージを1点に抑えた。

(ライフ)master選手6点 / noah選手 7点

Turn 2
master選手、準決勝より1ターン早く、ここで<タマキー>を発動した。
10025.jpg
タマの連パン警戒、先週の対戦で相手に知られている・・・色々と理由はあるのだろう。

その後、<サンポケ>、<カマクラ>、<ヘンガオ>の準決勝での盤面を再現して見せた。
ヘンガオ>の出現時に<チェシャ>をトップに置いてアタックへ。
攻撃を素通りし、まずは<カマクラ>を<チェシャ>に置き換え、デッキトップを操作。
その後<サンポケ>でデッキトップの<カマクラ>を出し、合計で手札を2枚増やした。
空いた1面のアタック時に、noah選手が直前に埋めた<ユキダルマ>LBが発動し、1面をバウンスした。
ルリグアタックはガードされ、残りライフ6点でnoah選手のターンに。

感想戦(1)
対戦後、筆者はmaster選手に2つの質問を投げかけた。
1つ目はマリガンについて。

先攻2ターン目の理想盤面に備え、Lv2シグニを蓄えたのだろうが、先攻1ターン目に並ばないのは痛手ではないかと質問したところ、以下の答えが返ってきた。
  • 防御LBが10枚分投入されており、1点で止まる可能性も十分にある
  • 先攻2ターン目の動きでデッキの中身を把握しつつ、手札・デッキトップを調整することで、毎ターンサーバントでガードすることができるようになり、重要な動きである
カバレージを書きながら、手元のメモに目を移した。
そこには大量の「ガード」の3文字が並んでいた。一度たりともルリグアタックを通していなかったのだ。
master選手の構想は見事に実現できていた。

対するnoah選手も、<エルドラキー>で手札を補充し、毎ターンガードを決めていたため、今後ルリグアタックの成否は記載しない。
当たり前のようにガードをし続けるタマの実力に、改めて感心させられるのであった。
もう1つの質問が、このゲームの勝敗を分けることになったのだが、途中で明かしては面白くない。
最後に明かすこととしよう。


さて、話はゲームに戻り、後攻2ターン目。
noah選手は<サンポケ>、<ヨミフダ>、<サーバント O4>という盤面を作り、<ユキダルマ>LBで空けた1面と合わせ、2面要求でアタックに入った。
ここでmaster選手、直前に<チェシャ>で確認しており使いどころと判断したか、<タマキー>で<ヨミフダ>をバウンスした。結果、<ユキダルマ>LBで空いた1点のみが通り、ターンエンド。

(ライフ)master選手5点 / noah選手6点

Turn 3
先攻3ターン目、master選手は<チェシャ>、<カマクラ>、<サンポケ>という強力な盤面を作りアタックに。
直前に<タマキー>でトップを操作しているため、当然<カマクラ>&<サンポケ>能力を使用すると思われたが・・・使用せず。
よく見ると、手札を既に6枚抱えていたのだ。
先攻4ターン目に走り抜ける準備は既に万端ということか。
このターンは直前の<タマキー>で空けた1点のみを通してターンエンド。


一方のnoah選手は<サンポケ>、<カマクラ>、<ヨミフダ>という盤面を作りアタックへ。
カマクラ>でデッキトップの<カマクラ>を出し、<ヨミフダ>効果で1点を通しターンエンド。

この時noah選手のエナは白1、マルチ2という状況。
『イノセンス』を使われると、白エナが1枚のみになるという一見危機的な状況であったが、ここだけはLBで耐えないと後に防御手段を残せないという決断である。

後、超攻撃的な盤面で特攻を仕掛けられた場合でも、保険として"アレ"が入っているのだろう・・・
そんな予想をしていると、決勝戦は遂に4ターン目を迎えた。
プリキャス>の時間が、訪れようとしていた。

(ライフ)master選手4点 / noah選手5点

Turn 4
master選手、Lv4にグロウし、先に猛攻を仕掛ける権利を得た。
エナは白3枚、黒1枚。

潤沢とは言えないが、<プリキャス>を起こすには十分な量だ。
問題は黒エナの用途だが、一体何に使うのだろうか・・・?

master選手、まずは<チェシャ>を出し、トップ3枚(<プリキャス>、<マーリン>、<サンポケ>)を並び替えた。

マーリン>・・・?

その後<サンポケ>、<カマクラ>、<カマクラ>と並べてアタックに。
noah選手、ここは度胸一発、運命を盾に託し、相手の攻撃を通した。
master選手はまだ4エナ。<プリキャス>1発が限界で、致死圏外だという読みは、おそらく正しいのだろう。

果たしてアタックに入った。
まずは1体目。デッキトップから現れたのは<マーリン>。<白滅>効果でトップの<サンポケ>がエナへ行く。
パワー2000ダウンにより正面の<サンポケ>がバニッシュされ、1点が入った。
2体目は普通にアタックし、正面のシグニをバニッシュ。
そして、3体目・・・

master「王女の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!君臨せよ!<師の遊姫 プリキャス>!!!」
※筆者の想像であり、実際の発言ではないためご注意ください

4エナ払って3体アップ。更に<カマクラ>のアタックを引き継ぎ、正面のシグニをバニッシュし、noah選手の盤面はがら空きに。
残り3体のアタックが通り、noah選手のライフは2点に。

最後のアタックでLB<ユキダルマ>が発動するも、時既に遅し。
LBでバウンスされた1面をルリグアタックで埋めるか注目であったが、master選手はエナを節約して発動せず。noah選手のターンに。


noah選手もLv4へグロウ。
反撃の狼煙が上がる。
まずは<アークゲイン>が登場。トップは<ケロパッチン>、<カマクラ>、<プリキャス>の3枚。
ケロパッチン>を登場させ、<アークゲイン>をトップに置きつつ2面目を空ける。
ここで2枚目の"キー"カード<ママ MODE LOVE>を発動させる。
10046.jpg
アークゲイン>をライフトップに設置。
カマクラ>2体と<ケロパッチン>を立て、アタックフェイズに。
ここでmaster選手、長考に入る。
先攻3ターン目は、ライフ5を残し、3面埋まった状態でアタックを受けた。
大量ダメージを受ける可能性は否定できないが、詰め切られる可能性は極めて低い。

それに対し、今回は残りライフ4、しかも2面空いた状態だ。
ヘンガオ>でライフの中身を把握しているとは言え、LBの順序が悪ければ、一気に詰め切られる可能性がある。

だが、master選手は白・黒の僅か2エナ。防御の選択肢は限られている。
また、noah選手のトップ操作も読みづらい。
タマキー>でバウンスされ、<白滅>のエナチャージが発動する読みで、2枚目に強いシグニを持ってきている可能性がある。
3枚の中に<プリキャス>があることは、筆者は知っているものの、master選手は当然知らない。
強いシグニがおらず、<タマキー>によるトップチャージが不発に終わる可能性があれば、トップ2体ともが強力なシグニで、バウンスしてもしなくても結果が変わらない可能性がある。
また、ここで最後の<タマキー>を使ってしまうと、後で<ケロパッチン>で確実に強いシグニを置かれた場合にバウンスすることができなくなる。

熟慮の末、master選手がルリグデッキに手を伸ばした。
放たれた次の一手は・・・<イレイズ・ルフラン>。
僅か1エナで使える、3面無力化の特効薬。
だが、2面空いた状態のため、普通に殴って2点通り、残りは2点に。
盤面が空いた状態での<ルフラン>使用は追撃を防ぐ程度の効力しかなく、エナ不足にあえぐmaster選手の苦悩が伝わってきた。
先に<プリキャス>を決めたからといって、すぐに勝ちに繋がる訳ではない。
タマミラーの難解さを思い知らされた攻防であった。

(ライフ)master選手2点 / noah選手3点

Turn 5
master選手、<ケロパッチン>で<プリキャス>をトップに置き、<カマクラ>、<カマクラ>、<ユキダルマ>の盤面でアタックに。
この時エナは白2枚、黒1枚。
カマクラ>で<プリキャス>を出し、先に<白滅>効果で1エナチャージすることで丁度<プリキャス>を起こすことができる。

再び<プリキャス>の脅威が迫る中、master選手がアタックを宣言した。
今度はnoah選手が長考に入る。

カマクラ>2体の正面に<カマクラ>2体が居て、<ユキダルマ>の正面が空いている状態。
如何に軽いコストでダメージを抑えるか・・・?
苦渋の<ルフラン>発動を迫られたmaster選手に対し、noah選手は極めてスマートな回答を示した。

ママキー>破棄のみ

一見防御を破棄したかに思えた一手であったが、
ライフトップの<アークゲイン>を含めれば守り切れるという読みである。
通常、<ママキー>破棄時のアタック無効は<カマクラ>の「アタックしているシグニとしてダウン状態で場に出す」というテキストの前では無力である。
しかし、最初の一手で<プリキャス>を出すと、<プリキャス>自身のアタックは通るものの、他のシグニが最初からアップしており、アップ効果の意味が薄れてしまう。
だからと言って最初の一撃を<ユキダルマ>の空振りから入っても、別にダメージが増える訳ではない。

ママキー>破棄が確実に1点分の防御になると読み切ったnoah選手の読みは正しかったようだ。
master選手、エナの残量も踏まえ、<プリキャス>のアップ効果を使用せず、下記の手順でアタックした。
まず、<カマクラ>で<プリキャス>を出し、<ユキダルマ>効果で正面をバウンス。<ママキー>破棄の効果をすり抜ける形で1点通した。
ここで<ママキー>で埋めた<アークゲイン>のLBが発動し、<カマクラ>がバウンスされた。
続いて<ユキダルマ>で1点入り、残り1点でターンを終えた。

ここまで、noah選手が使用したのは<エルドラキー>、<ママキー>のみ。
プリキャス>特攻を受けながらも、消費を僅か2枚に節約できているのは大きい。
master選手も<タマキー>1回分と<ルフラン>のみと消費は少ないが、エナは白2枚、黒1枚のみ。
10エナ近くあるnoah選手と大きく差が開いている。
先攻5ターン目の攻防を見て、noah選手が若干優位に立ったという印象を持った。


続いて後攻5ターン目。
キーを貼り替え続けるnoah選手、遂に3枚目の"キー"カード<ドーナ CHEER>を発動した。
10007.jpg
全面防御の最終兵器。
ルリグ能力付与型のキーは、通常『イノセンス』の脅威に晒されるが、タマミラーであれば、防御側が『イノセンス』を発動することで、攻撃側の『イノセンス』をかき消すことができる。
つまり、1ターンの安全が保障されたということである。

守りを固めた後は攻撃の準備へ。前のターンにバウンスされた<ケロパッチン>を出し、トップに<プリキャス>を設置しつつ、残すと厄介な<ユキダルマ>をバウンス。
対面を2面空けた状態で<カマクラ>、<カマクラ>、<ケロパッチン>を立て、後攻4ターン目の盤面を再現する形でアタックに入った。
ここで<タマキー>を使用すれば、バウンス時に<白滅>のエナチャージ効果が誘発し、デッキトップの<プリキャス>を落とすことができる。
格好の使用タイミングであるが、ここで1つ問題が。

デッキトップが不明

master選手、おもむろにトラッシュを並べ始めた。
どのレベルが多く残っているか・・・?
残念ながら、比較的レベルはばらけている。
苦悩に沈むも、意を決してレベルを宣言した。

「レベル1」

結果、無事Lv1シグニを捲り、<カマクラ>をバウンスしつつ、デッキトップの<プリキャス>がエナに落ちる。
ここでmaster選手に更なるチャンスが訪れた。

更に<生生流転>を使用
そう、<アークゲイン>が3枚の中に入っていたのだ。
カマクラ>、<ケロパッチン>の2面要求であるが、LBで1体をバウンスすることで1面守ることができる。
レベル1宣言の中には、外した場合には、Lv4シグニが居るはずだから、<流転>のLB埋めで耐えきれるという保険を掛ける意味もあったのだろうか。

結局、<カマクラ>のアタック時にデッキトップからサンポケが現れ、1点。LB<アークゲイン>で<ケロパッチン>がバウンスされた。
その後、ルリグアタック時に<白滅>効果でデッキの<プリキャス>が登場し、2面埋まった状態でターンエンド。
エナに余裕が無いmaster選手に対し、エナに余裕があり、ルリグアタック時に盤面を埋められるnoah選手。
タマキー>を巡る攻防で、差を縮めたかに思えたが、まだ若干の形勢差は残っているようだ。

(ライフ)master選手2点 / noah選手1点

Turn 6
先攻5ターン目に引き続き、<カマクラ>、<カマクラ>、<ユキダルマ>の3体を並べてアタックに入った。
1面空いているだけの状況。
noah選手も<イレイズ・ルフラン>を使用し、能力を消すことで、ダメージを1点に抑えて耐え切った。

まだ<ドーナキー>は残っている。つまり、先攻7ターン目まで耐えきれるということだ。
後攻6ターン目と7ターン目。この2ターンでライフ2点、ルリグデッキ2枚の布陣を突破できるかが勝負の鍵となった。
コインは残り1枚。おそらく『イノセンス』用だろう。そしてエナは白2枚、黒2枚、マルチ1枚。
コインを使用しないアーツで黒要求・・・?
答えは見えてきた。


後攻6ターン目、<ケロパッチン>で<プリキャス>をトップに置きつつ、<ユキダルマ>をバウンス。
その後<ケロパッチン>、<カマクラ>、<サンポケ>の3体でアタックに入った。
種明かしをすると、master選手の残りアーツは<グレイブ・アウェイク><ハーベスト・フォース>の2枚である。
そして、残り2点のどちらかに<アークゲイン>が埋まっていることを知っている。
ここで<アウェイク>を使用し、<マーリン>を蘇生すれば、盤面を埋めつつ、パワーダウンで<サンポケ>を除去でき、残りの攻撃を受けても、LB<アークゲイン>込みで耐えきれるはずだ。

しかし、耐えきったところで、後攻7ターン目に3面要求されればライフ0の状態で守り切ることはできない。

「アーツ2枚の状態で後攻7ターン目を迎える」

これが、勝利への最低条件である。つまり、ここでアーツを使用することはできない。
master選手、決死の覚悟で相手のアタックを通した。
まずは<ケロパッチン>のアタック。ここで1枚目のライフが捲れる。
これが<アークゲイン>であれば、<カマクラ>をバウンスしつつ、<白滅タマ>の強制エナチャージが発動し、トップの<プリキャス>をエナに送ることができる。

形勢逆転を賭けた大博打。
ざわ、ざわ、ざわ・・・<カマクラ>。
祈り届かず、<アークゲイン>はライフボトムであった。
勝利を確信したnoah選手、<カマクラ>で正面の<カマクラ>をバニッシュ、<サンポケ>でトップの<プリキャス>を出して3面アップ。
3面アップ状態+3面空きの状態を作った。
1体目のアタックでLB<アークゲイン>が発動し、1体がバウンスされるも、残り1体の攻撃が通ってゲームセット。
感想戦(2)
対戦後、筆者はインタビューを兼ねて両者の感想戦に加わった。
master選手は後攻4ターン目の<ルフラン>使用を悔やんだ。
後攻4ターン目に残ったライフがエナに行かなかったことで、エナが不足し、結果的に2枚のアーツを余らせたまま敗北した。

noah選手が<アークゲイン>で確認した3枚の中に<プリキャス>が無い可能性も十分にあったことを考えると、<ハーベスト・フォース>という重いアーツを抱えた状態では、何も使用せずに攻撃を通すのが確率的には正着となる可能性が高かったのだろうか。
とはいえ、突撃された時にLB<アークゲイン>が発動するタイミングが読めず、<タマキー>のバウンスが有効か微妙なタイミングであったため、<ルフラン>使用が失敗だったというのは結果論であろう。
総括すると、難解な攻防が続き、決勝に相応しい1戦だったと言えよう。

最後にデッキレシピを紹介しておく。 まずはnoah選手。
noah.jpg
キー3枚構成は、タマの主流な構成の1つだ。50枚丸ごとコピーして組めば、明日からすぐに<プリキャス>デビューができよう。

続いてmaster選手。
masterタマ.jpg
ちなみに<マーリン>は、対エルドラで活躍するとのこと。
タマにとって、<ポッピンアイス>+<ラズベリー>(パワー14000+バウンス耐性)の組み合わせが非常に厄介なセットとなるが、<マーリン>で2000打点下げることで、バトルでバニッシュできるようになり、その後<プリキャス>で起こすことでダメージを通せるのだそうだ。
シラクラ杯のカバレージはここまでです。
特に決勝戦は高度な読み合いが続いた影響で、非常に文章量が多くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
また、カバレージ執筆をご承諾いただいた参加者の皆様方にも御礼申し上げます。
また個人主催のイベントがあれば、カバレージを書かせていただこうと思いますので、希望のある方はTwitter:@nehehomonまでご連絡ください!
ではまた(^^)/

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