はじめに
2019年4月20日。WIXOSSのブースターパック"オルタナティブ"の発売前日。
男は悩んでいた。
†ロケットダッシュUMR†
†ダッシュの仕方、知ってるか?†
†"ロスト・テクノロジー"の価格を2倍にするデッキ†
†貴方のアーツを1枠歪ませるデッキ†
†脳内シュミレーションの終着点†
†THE UNFAIR†
...etc
翌日、華々しいデビューを飾り、WIXOSS界に一石をブチ込むであろうデッキ。
その紹介に相応しい文句が中々決まらなかった。
誇張なしに1年半温め続けた、渾身の理不尽デッキ。
その最後の1ピースが解き放たれるのだ...
......
...... ......
...... ...... ......
......この書き方難しいですね、やめます。
今回のタイトルにもなっている"キング・クリムゾン"は、某漫画に出てくるスタンド能力の名前です。
(奇しくも"常に僕の1歩前を行く男 ねへほもん"とタイトルのテイストも被ってしまった......)
端的に言えば"時間を消し飛ばす"能力です。
- 階段を登ろうとしたら、登り終えていた。
- 歩こうとしたら、既に数歩先にいた。
これをウィクロスに置き換えると......
"ライフクロスを割る"という時を消し飛ばし、"ライフクロスが割れた"という結果だけが残る。
そうです。
あれです。
今回は、"BLUE UML"での<奏世の鍵主 ウムル=エット>の登場。
それによりレベル1でコインを獲得出来るようになって完成に至った最新鋭のデッキ。
2止めウムルの紹介をしたいと思います。
今後、使ってみようかなーって方は勿論のこと。
「名は聞くけど、実際どう動いてくるのか分からない」って方も、絶妙なところでの対策の糸口が見つかるやも知れないので、敵を知っておいて損はないと思います。
お時間ありましたら、ぜひ最後まで読んでいってください。
デッキレシピ
デッキの動き
兎にも角にも、このデッキのコンセプトとなるムーブを解説しましょう。最速の動き出しとなる後攻1ターン目を例とします。
プロキシでも良いので、カードを手元で動かしながら流れを追うと解り易いと思います。
- 手札:緑エナになるカード1枚
- 山札:<惨之遊 シャテキ>x1
これだけです。
()内はエナと手札の推移です。
- ターン開始時に2ドロー⇒エナチャージ(※緑で払える札)⇒グロウからコイン獲得。
(手札5、エナ1) - <一蓮托生>を使用。緑で払える札+<ダゴン>をエナへ。
(手札5、エナ2) - <ビカム・ユー>を用いてレベル2へグロウ。
(手札5、エナ1) - <決闘文具>を使用し、<ロスト・テクノロジー>(※以下<ロステク>)と<シャテキ>をエナへ。
(手札5、エナ2) - <シャテキ>を支払い再度<決闘文具>を使用して<ロステク>x2をエナへ。
(手札5、エナ3)
※この時点で、エナゾーンは<ロステク>3枚。 - <月鍵の巫女 タマヨリヒメ>をアンロックし<アステカ>を手札へ。
(手札6、エナ3) - <アステカ>を出し、グロウコストに使った<ダゴン>を蘇生し1ドロー。
(手札6、エナ3) - <猛威継承>を使用し、エナの<ロステク>3枚を含む5枚を手札、残りをエナへ。
(手札5、エナ4) - <月鍵の巫女 タマヨリヒメ>をトラッシュし、<アステカ>+<レザディ>を手札に。
(手札7、エナ4) - <レザディ>を出し、効果で2体目の<レザディ>をトラッシュし相手シグニを-2000。
(手札6、エナ4) - 1枚目の<ロステク>を使用。場の3体(<アステカ>+<ダゴン>+<レザディ>)をトラッシュし2点。
- <アステカ>を出し、<ダゴン>蘇生1ドロー。
(手札5、エナ3) - <トルネード・サルベージ>を使用し、<アステカ>x1、<レザディ>x2を回収。
(手札8、エナ2) - <レザディ>を出し、効果で3体目の<レザディ>をトラッシュし相手シグニを-2000。
(手札7、エナ2) - 2枚目の<ロステク>を使用。
(手札6、エナ1) - <アステカ>⇒<ダゴン>蘇生1ドロー、<レザディ>で4体目の<レザディ>をトラッシュ⇒<ロステク>3発目。
(手札4、エナ0) - 残った手札で、盤面つくって3面要求!!
後は、トラッシュの<ドライ=ラミア>や<アンシエント・サプライズ>、<ベルフェゴール>等を用い、対戦相手が倒れるまで3面要求を繰り返します。
"初撃<ロステク>3発" これがこのデッキの唯一にして最大の武器です。
上記の流れは、本当に最低限の動きで、 等を組み込むことで、上記の<ロステク>3発に<烈情の割裂>を加えられたり、ドローを進めることで後続のアタッカーを引きやすくなります。
他にも、<アステカ>、<レザディ>を予め引いていた場合には、<タマキー>や<トルネード・サルベージ>のタイミングで<ベルフェゴール>等のアタッカーの回収ができます。
また、先攻の場合は2ターン目の始動になる為、ドローが多い+<ビカム・ユー>を手札補充に回せるので、後攻時に比べ3リソース分多く手に入ります。
エナフェイズも2回来るので、<一蓮托生>で<ダゴン>を置いていた所を好きな札に変えることが出来ます。
ここで<烈情の割裂>や<PEEPING DECIDE>にエナに置くことで、<猛威継承>時に確定で手札に加えられるので、詰めの精度が向上します。
ここで改めて始動条件を見てみましょう。
- 手札:緑エナになるカード1枚
- 山札:<惨之遊 シャテキ>x1
たったこれだけの条件で上記の動きがほぼ約束されている為、初動<ロステク>3発からの3面要求の再現性は非常に高いです。
このデッキの強み
現代WIXOSSは僕の大好きなワンショットという行為に対してめちゃくちゃ厳しくなっています。銃を向ければ、<セレクト・ハッピー5>
エナを絞っても<セレクト・ハッピー5>
ダブクラ・バニ耐・ダウン耐・アサシンどれだけ付与しようが<セレクト・ハッピー5>
...<セレクト・ハッピー5>君。強すぎでは!?
他にも、<炎のタマ>や<クリティカル・ショット>+<トオン>等、ワンショットに対しての回答は非常に多くなっています。
そして、しっかりとショットをいなされ、4以降にグロウされると多様なルリグによる防御性能で詰まされてしまう...
と、凄まじく向かい風な環境になっています。
しかし。
現在はレベル5までグロウし、持ち前のルリグ+シグニによる耐久力で戦う環境でもあります。
ライフクロスが7枚あることを前提として、十全に防御性能を発揮出来るレベルになるまで耐えれるよう、アーツ選択をしているデッキが殆どです。
"初期ライフクロス7枚"
この文字通りの"後ろ盾"があるからこそ、純粋な防御面数では無く、ショット等に対する対抗策や、ルリグの防御性質を補完するようなアーツを選択できています。
その"後ろ盾"が崩れた場合、防御面数を捨てたアーツだけで、本領を発揮できるターンまで生き残れるデッキが一体どれだけあることか...
その答えがこのデッキの強みです。
各カードの解説
現代ウィクロスにおいて完全にアーツパワー不足に見えますが、中々侮れません。
<ロステク>3発ムーブを行うと、自然にトラッシュが20枚近く溜まっている為、メインデッキでの処理が難しい、3ターン目の8000ラインのシグニをまとめて除去することができます。
引きに依存してしまう、除去の"ムラ"を無くしてくれ、「レベル4までに押し切る」と言うデッキのコンセプトに非常に合致している1枚です。
また、ウリスの<エニグマ・オーラ>をケアできるのも優秀です。
...とは言え、何かと差し替えるならこの枠になるでしょう。
また、先手後手ひとしく3ターンの間、致死圏からの要求が出来るようになり、じゃんけんによる破壊力のムラが少なくなります。
先述しましたが、先手の場合には単純に2アド生むアーツとなる為、手札、エナ、アタッカー全ての面で余裕ができます。
vs3遊月には<シャテキ>と合わせて構えれば1ターン延命できる場合もあります。
後はコンセプトムーブ遂行以外の役割は無い為、割愛。
シグニデッキ
- <ダゴン>をトラッシュに落とす
- 面を空ける
あまりの噛み合いに公開当時は大喜びしました。
当然4です。
ライフに複数枚埋まってしまったり、道中で必要以上に引いてしまうと面空けが滞ります。
そうならないよう、<アステカ>+<ダゴン>or<物語>でドローする前に出すよう心がけましょう。
また、<タマキー>でのサーチ枚数を抑え、<トルネード・サルベージ>等で1枚の<レザディ>を複数回使う等、残数には注意しながら回すようにしましょう。
盾が0の状況で、<ベルフェゴール>が動けば勝ちという状況であれば、アタックするための条件を崩さずに要求を取り続けることができます。
7000というパワーラインは序盤では処理しにくいこともあり、非常に強力なフィニッシャーです。
安易に複数面たてると、<セレハピ>等の除外で条件を崩された際に、1枚で2点止められてしまうので、トラッシュは余裕をもって構えるようにしましょう。
<レイラキー>が無い前提ですが、あやに対して"<定時ほー>が発動したら負け"ラインまで押し込めると、デッキを回す為の<コンルス>や<SLASH OUT>を咎め、サーバントやトラップの供給難易度を上げてくれます。
また、盾0<クリショ>タイミングに2面立てる事が出来れば、埋めた札が<トオン>だろうが何だろうが貫通して止めを刺すことが出来ます。
リワトに対しても盾0の状況で相手が3色天使を揃えて来た場合に、2面立てることで止めを刺せます。
ですが、手の内が割れてしまうと相手は3色揃えて来ないでしょう。その場合にはバニッシュが来ない点を突いて、<フルフル>を採用すると良さそうです。
アサシンによる攻めはあやにもワンチャン刺さるので、結構強そうです。
2枚でも良い枠ですが、初動で山札に1枚は必要(サバ+<物語>がある場合は例外)な札であり、マリガン時に引いてしまうと山を見る際にヒヤヒヤするので、安寧を求めて3枚。
コンボの道中で引いてしまうと完全に腐るので、<托生>⇒<決闘文具>の際に山に残っている分は極力エナに避けておきましょう。
引きに依存せず、除去を行えるので詰めの安定性向上に寄与してくれます。
2枚以上欲しい対面は、それ以上あっても勝てない場合が多いのでこの枚数が適当だと思います。
めっちゃ使い倒して、めっちゃドローします。
1試合で5~6回は蘇生します。
<ダゴン>は基本的に1枚トラッシュにあれば良く、<托生>や<レザディ>から簡単にアクセス出来る為、3枚にしています。
2枚でも良いですが、
- 初動で<物語>を2枚引いた時には、2枚目がトラッシュにあると動きやすい
- 単純に"レベル1シグニ"や"古代兵器シグニ"として、道中でドローすると嬉しい
<アステカ>は4確です。減らす理由がありません。
構想段階で苦手としていた、ウリスに<フェイタル・パニッシュ>が積まれていることが多く、1枚で3面守られしまうのを防ぐ為に、パワー8000になれるこのカードで要求を重くしていました。
最近では<フェイタル>はあまり見なくなりましたが、普通に除去の使い勝手が良いので続投しています。
また、ドローを進めることで、アタッカーや<割裂>、<PEEPING DECIDE>等のカードに触りやすくなります。
エナを増やすことで、<ラミア>や<アンサプ>のコストを構えに行ける等、どのタイミングでも腐ることがほぼ無いので4確です。
強い以外に語ること無いです。
スペルカットインで妨害された際には、その結果を見てから残りの古代兵器をトラッシュに送るかどうかを決めることが出来ます。
仮に<ジャイキリ>をカットインされ、1体がデッキトップに送られた場合。
残りの2体の古代兵器は強制的にトラッシュに行くのではなく、場に残すことも出来ます。
ですので、被害を最小限に抑える事が出来ます。
手札の古代兵器に余裕がある場合は全面トラッシュに送り、<アステカ>+<ダゴン>で山札を掘り、アタッカーや詰め札を探しに行く場合もあります。
語ること有りました。
- 自身のルリグ:レベル1
- 相手ライフクロス:1枚
- 相手エナ:4
- 要求:3面
楽しいですね。
また、コンセプト遂行後にリフレッシュに入ってしまった場合、<アンサプ>、<†H・M・F†>、<ベルフェゴール>、<ラミア>等の全てのアタッカーが機能不全に陥ります。
その際にはエナも結構溜まっていることが多いので、<割裂>で無理やりトラッシュを肥す場合もあります。
必要になる対面も多く、後攻時は素引きに頼らないといけない為、体感ですがこの枚数に落ち着きました。
黒以外のカードは増やし過ぎると、<猛威継承>前に引き過ぎた際に困るので枚数配分は悩ましい所。
対戦相手は生存するために、打てるアーツは全て使用してきます。
<ジャイキリ>だろうが、<アイフレ>だろうが、<クトゥル・アビス>だろうが出し惜しみしていたら受けきれません。
本来であればルリグ止めとして機能するはずのアーツ。
それを無理やり使わせた後、このスペルによるサーバント奪取には、ゲームを終わらせる威力があります。
不採用枠
<ロステク>が2枚以上盾埋まりした状況をケアできます。
しかし、2枚以上埋まる確率はそこまで高くなく、仮に2発しか打てなかった場合でも3面要求を繰り返すことで、勝てる場合もあります。
また、後攻の場合に<物語>が絡まないと、<スペサル>のコスト捻出をする為に動きが歪んでしまいます。
その為、除去の安定性を向上させる<アンサプ>と入れ替わりで抜けました。
その為、アーツを吐かせ、ライフクロスを0枚にすればこのアーツで勝つことが出来ます。
が、余りにもピーキーなので採用には至りませんでした。
また、新弾にて<炎真爛漫>がリリースされる為、サバのレベルを散らす風潮になりそうなのも向かい風です。
採用は、環境次第といったところですね。
所謂<ハナレキー>で詰まない為の札。
(パワーライン上、古代兵器が3面立たず、<ロステク>が撃てなくなり詰む。悲しい。)
しかし、先手ならまだしも後手の場合には、<ダゴン>で得られるリソースが無い場合、そのターンの盤面形成さえおぼつきません。
唯でさえ、対ウリスは<割裂>を噛ましてリソースを絞り、<エニグマ・オーラ>を牽制しながら戦わないと勝てない相手です。
盾落ちの可能性も考慮し、素直に割り切った方が良いと判断し不採用。
各体面の立ち回り
どの対面に対してもコンセプトムーブを遂行し、<割裂>でエナも絞れた場合には、- <ベルフェゴール>でエナを与えず要求する。
- 面空けしてエナを与えてでも多く要求する。
一例を挙げるとカーニバルに対しては、<ベルフェゴール>だけで攻め込むと、<鎧終一触>や<カーニバル -K->破棄だけで守られてしまうので、必ず1面以上あけるようにしましょう。
また、対戦相手のデッキに<ビカム・ユー>+<リンゼ>が両採用されている場合(サシェやアルテマ等)には、先攻を取ったからと言って、レベル1に先乗りしてしまうと大変なことになるので注意しましょう。
相手も0でステイしてきた場合には、レベル0でグロウを止めてしばらく戦うことになります。
手札超過やサーバントによるガードでトラッシュを肥やし、<アンサプ>の条件を達成してからグロウします。
サシェの場合は5枚(コイン獲得で+1枚、<托生>で+1枚)。
アルテマの場合は<セレハピ>があるので、キーでアンコールされることも加味して9枚構えましょう。
※0で止めている間にリソースが増えるので、<決闘文具>打ち切りでも良い場合は8枚でOK。
何面<リンゼ>を立てられようが、5000マイナスオールで流して、<ロステク>連打に移行します。
<ビカム>の分、防御が薄く、序盤のルリグアタックが通っていれば、盾0から要求出来る為、通しやすいです。
最後に
如何でしたか?かなりの自信作で動きも完全にパターン化出来ており、手作りAIでも回せるんじゃないか!?って位に簡単です。
僕自身"オルタナティブ"発売から使い続けて今に至るまで、
- WIXOSS大感謝祭:圏外
- WIXOSS CEREMONY(名古屋ホビステ):3位
- らいだぁ杯:優勝
- WIXOSS CEREMONY(秋葉イエサブ):優勝
- WIXOSS CEREMONY(秋葉イエサブ):BEST8
- WIXOSS CEREMONY(名古屋ホビステ):BEST16
- ラボフェス:優勝
楽して勝ちてぇ...
という精神状況になった際、最適なデッキです。
気が向いたら使ってみてください。
以上です。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。