というわけでオールスター入門の記事です。
約1年前に「ディーセレから始めるオールスター」という記事を書きました。
「タマ」「リル」「ピルルク」といったオールスター(キーセレクション)のルリグのほとんどがディーセレに参戦し、ディーセレでおなじみのルリグがオールスターで遊べる、という土壌が整ってまいりました。
加えてディーセレのカードパワーも上がり、特に防御や詰め周りでは、結構高度な読みが発生する場面も増えています。オールスターに触れてもらうハードルも、ちょっと下がってきた印象があります。
ですので今回は、オールスターでも最も使いやすいデッキのひとつ「カーニバル」を紹介しながら、フォーマットの魅力を改めて紹介していきます。
オールスターからしか得られない栄養素がウィクロスにはあります。せっかくなので1デッキ、手元に持っていてほしい!そんな思いを込めて、パチパチ書いてまいります。よろしくお願いします。
改めてオールスターの特徴
上記記事にも書きましたが、オールスターの特徴を改めて箇条書きでご紹介します- レベル4、5のルリグとシグニがいる
- アシストルリグの代わりに「アーツ」「キー」で防御する(アシストも使える)
- カードに「限定条件」がある(特定のルリグしか使えないカードがある)
- 第4のシグニゾーンがある
- サーバントはたくさん使える
それでいて「防御の読みが深い」「ドローやサーチが豊富で、やれることが非常に多い」など、オールスターならではの要素が山程あります。詳しくは「ディーセレから始める〜」の記事を読んでくださいね。
で、今回はサンプルデッキとしてカーニバルをご紹介します。
ディーセレでも人気が高く、「<サーバント ZERO>」という独自戦術を持ったルリグです。登場した2017年6月以降、パワフルさと幅広いカスタマイズ性で、ずっと一定の地力を保ってきました。もちろん、今なお現役です。
それでいてプレイングはさほど難しくなく、オールスターならではの要素もたくさん詰まっているので、最初の1デッキにはピッタリというわけですね。
そんなレシピはこちらです。流行の構築より「使いやすさ」を優先した構築ですので、あしからず。
サンプルデッキ
なぜカーニバルは使いやすい?
<タネガスペ><コニプラ>などの下級宇宙シグニは、自身のレベルを4として扱う能力を持ちます。これらを含むとデッキのほとんどのシグニがレベル4なので、<タネガスペ>らの能力でほぼ確実にドローやエナチャージなどができます。
手札とエナをしっかり増やしながら戦えるため、安定感が抜群です。
下級シグニのドローやサーチで欲しいシグニを確保し、それらを並べて戦っていくだけ。シンプルですね。
アーツの再利用能力が非常に便利で、<鎧終一触>をベットして使って、<サーバント ZERO>になった相手の全てのシグニを<ラアー>でトラッシュに送るのが基本です。もしくは<アイスフレイム・シュート>でルリグダウン凍結を2回行う、でも良いです。毎ターンの<サーバント ZERO>化も<ラアー>などとのコンボや、厄介なシグニの無力化に役立ちます。
出現時にレベル4シグニを2枚手札に加えられます。デッキではレベル4として扱う<タネガスペ>をサーチでき、最初のターンに使うことで確実に場にシグニが並べられます。安定感抜群です。
エクシード1で、自分のシグニをトラッシュにある別のシグニに書き換えられます。相手ターンにシグニを<ラアー>にして防御したり、自分のターンには下級シグニを<ダイホウイカ>や<ムンカルン>にして攻めたりと、使い道が幅広いです。
このキーを破棄すると、相手のシグニを全て<サーバント ZERO>にもできます。通称「カニキー」のこのカード、最後まで能力たっぷりですね。
どちらも使えば、相手のアタックフェイズに場を埋めることができます。相手の妨害をかいくぐり、このシグニをいかに使えるかが重要で、オールスターならではの要素「トラッシュ管理」の基礎を学ぶことができます。
長々と語ってきましたが、カーニバルの魅力は
- プレイングはシンプルながら、場に並ぶシグニは強力
- ルリグとキーが強い
- トラッシュ管理の基礎が学べる
立ち回り
1ターン目に<カーニバル -K->で必要なカードをサーチするので、手札交換は余裕を持っても大丈夫です。
レベル1、2帯はゆっくりになります。
レベル1では<カーニバル -K->を使って<タネガスペ>やサーバントなどをサーチしたり、<タネガスペ>を場に出してドローしていきます。デッキはほぼレベル4なので基本ドローできます。レベル2になると<コニプラ>でエナチャージもできます。
レベル3では<カーニバルTI>で攻められます。面倒なシグニを<サーバント ZERO>にして<ケプリ>で要求したり、<ノベアン>で除去していきましょう。
レベル4になってもやることはあまり変わりませんが、アタッカーを本格的に送り込むことができます。
<ダイホウイカ><ビッグ・ヴァン>での要求や、<ムンカルン>での手札破壊なども絡めながら戦っていきましょう。
相手のアタックフェイズに<カーニバルQN>のコイン能力を使って場や除去し、コインを使い切ってレベル5にグロウします。
<ラアー>+レベル4シグニ+何か、という盤面も強力です。<カーニバルMAIS>の能力を使えば<ラアー>1枚で2面要求ができるので、手札次第では狙ってみても良いでしょう。
必要によっては自分のアタックフェイズに<カーニバルk>のエクシード能力を使ってもいいです。<タネガスペ>などのシグニをレベル4のアタッカーに書き換えたり、チアゾーンのシグニを<カーニバルk>で<ムンカルン>にして手札破壊を狙ってみるのもありです。防御に使うエクシードを使い切らないように注意してくださいね。
戦っていくとトラッシュが減ってくるので、適宜<Zr>でデッキを回復してあげてください。
後述しますが、<Zr>をいかに上手に使えるかが、このデッキのポイントになります。
ルリグアタックが厄介な相手は<アイスフレイム・シュート>で、非常時には<炎のタマ>で守っていきます。相手の攻撃を全てさばき切るつもりで、どっしり戦っていきましょう。
Zrとトラッシュ管理のポイント
<Zr>はアタックフェイズにトラッシュのシグニを10種類デッキに戻すことで、トラッシュから蘇生できます。
基本的に相手のアタックフェイズに使ってがら空きになった盤面に蘇生させ、その<Zr>を<カーニバルk>で<ラアー>に書き換え、<鎧終一触>の全面トラッシュ送りにつなげる、という動きが基本です。
ただオールスターには「トラッシュのカードを除外する」というカードが一定数存在しています。<メンダコギロチン><セレクト・ハッピー5>がその代表格で、<メンダコギロチン>は白黒デッキではほとんど採用されています。<Zr>をトラッシュに置いておくと自分のアタックフェイズにあっさり除外され、返しのターンで余計な防御を求められる、なんて悲劇も。
例えば<ダイホウイカ>のアタック時能力で手札から<Zr>を捨てたり、<ザ・ロウ>の下敷きにしておけばうまく避けられます。1枚をエナに、もう1枚をトラッシュに置いておけば、1枚が除外されても大丈夫です。
また<Zr>のもう一つの役割は、自分のデッキの圧縮です。
カーニバルは<タネガスペ>などドローカードが多く、バトルを進めていくとデッキがすぐに少なくなります。<ダイホウイカ>などもあるので、思った以上にデッキがなくなります。そこで薄くなったデッキに<Zr>で必要なカードを戻せば、強いデッキを作り直すことができるわけです。<Zr>では再利用したいレベル4シグニを中心にデッキに戻していきましょう。
ちなみに<Zr>の能力は自分のアタックフェイズでも、自分の場が埋まっていてもデッキ戻しは使えます。場面によっては使っていくことも重要です。
もう1枚似た役割のカードに<ホルス>があります。これも除外には気をつけましょう。
赤シグニなのでエナに置いておき、<鎧終一触>のコスト支払いで<ホルス>をトラッシュに置き、その後トラッシュで<ホルス>を起動すれば安全に使えます。<Zr>よりは使いやすい印象です。
除外に限らずオールスターでは<カツホク>や<メツミ>といった、トラッシュを破壊するカードが多々あります。上手にケアしていきましょう。
相手がメインフェイズでアーツを使ってくれれば、<炎のタマ>の発動コストが0になるので、それはそれで有利、という状況もあります。<Zr>などでアーツを誘うプレイングもあったりなかったり......。結構奥深いです。
ウィクロスは比較的、相手ターンにやることが少ないカードゲームですから、相手ターン中の手の空いた時に、トラッシュを整理してシグニの種類を確保、仕分けしておくことをオススメします。慣れてきたらやってみましょう。
改造のポイント
ルリグのレベルより低いシグニの攻撃を全て止められるので、レベル4を3枚並べるレベル5デッキや、シグニを入れ替えながらアタックしてくる【グズ子】などに有効です。大会などに出るなら採用を検討してもいいでしょう。
<ビカム・ユー>はかなーり昔に採用されていたアーツになります。
後攻の時に使うとグロウでき、相手より先に<QN>や<MAIS>にグロウできます。カーニバルは序盤が遅いデッキなので、速攻系のデッキが多い環境では便利かもしれません。
採用しなくとも、オールスターを遊ぶなら1枚は持っておきたいアーツなので、合わせてお買い求めください。
<ウラタロ>は好きなカードをデッキから手札に加えられます。各種サーバントや<Zr>で戻したシグニを持ってきましょう。
<エフエックス>はドローと除去、凍結ができるレベル4シグニ。起動能力の「レベル11以上」の達成は一見難しそうですが、<タネガスペ>らがレベル4として扱えるので、確実に達成できます。メインフェイズでの除去が少ないと感じたら入れても良いかもしれません。
<オタガメ>は<アイスフレイム・シュート>や<ダイホウイカ>と相性の良い1枚です。あれば便利なのですが、最近は枠の都合上抜けることが多いです。
他にも多くのレベル4シグニがいますので、色々と探してみてください。極端な話、限定条件のないレベル4シグニなら全て「採用できないかな?」と一度考えても良いくらいです。
1枚採用のシグニが多いほうができることも多く、<Zr>の10種類の条件も満たしやすくなるため、一緒に1枚ずつお買い求めいただくのがオススメです。
また、<カーニバルメモリア>や<黒コンテンポラ>、<青ムンカルン>の枚数を増減したり、サーバントの枚数を調整したりと、好みに応じて細かなカスタマイズができます。環境や自分のプレイスタイルに合わせて調整していきましょう。
私は<ラアー>3枚採用派です。早く公開領域に見えてほしいし、直接場に立てたいし、除外された後のリカバリも効かせたいし......、という理由ですね。
終わりに
この記事を書くにあたってウィクロス歴の長い友人たちに「初心者向けオールスタールリグ、誰が良いと思う?」と聞いたら、皆が皆口を揃えて「5カニ」「カーニバル」と言い切っています。それくらい使いやすく、強いルリグになっています。乱暴な言い方かもしれませんが、本当に「引いたシグニを出して戦うだけ」のデッキです。それでいてトラッシュの管理だったり、「どのカードがどこにある」ことを把握したりと、オールスターの基礎と発展を学ぶことができます。最初の1ルリグにぜひ、カーニバルをどうぞ。
私も長くカーニバルを使っています。17年の世界大会予選を共に戦ったり、入賞させてもらったり、リハビリの際は使ったり......。「好きなルリグ」というよりは「良きビジネスパートナー」という言葉が似合うルリグですね。ディーセレでも使おうかなあ。
ではまた次回の更新で。
新規のレベル4、レベル5シグニの登場、お待ちしております。カーニバルと<紡ぐ者>に劇的強化を!