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デッキレシピ:2018年12月 アーカイブ

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シラクラ杯カバレージ〜最終章〜

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    by デッキレシピ

    決勝.jpg
    シラクラ杯カバレージ〜最終章〜
    どうもからばこです。2回目です。
    ねへほもんさんが掲載し続けている「シラクラ杯カバレージ」ですが、決勝戦のオールスターは私が担当させていただきました。
    というわけで今回は、個人主催の大会「シラクラ杯」のカバレージをお届けします。遅くなって申し訳ないです......。

    シラクラ杯については、こちらをご確認ください。16年世界3位のシラクラさんが主催する大会で、第2回から開催のお手伝いをさせていただいております。
    私の個人ブログに、大会の様子などを書いた記事がございますので、お時間ある方はこちらからどうぞ。リンクばかりですね。

    前置きが長いのもアレなので、早速本編に行きましょう。
    お付き合いください。

    決勝戦 きなこ選手(カーニバル) VS アトリ選手(グズ子)
    VS
    「ここまで来れるとは思ってなかったっす、はい」
    決勝戦まで勝ち上がったきなこ選手だが、試合前の言葉からはどこか自信のなさが滲む。2017年の世界大会で優勝するなど、多くの大会で栄冠を掴んだ身ではあるが、彼の言葉からはいつも「自信」がない。今回も例に漏れず、だ。
    使用デッキはカーニバル。世界の頂点に立った際に使っていたルリグだ。型は現在主流の「ダブルLv5」。<黒Lv5>の<サーバントZERO>化や2枚のキー、<赤Lv5>のアーツ再利用など、幾重にも張り巡らされた防御が強みのデッキ。使い慣れたデッキで、ここまで戦い抜いてきた。

    「最低限の仕事はしたいですね。自信はないけど......」
    言葉の語尾が霞む中、対戦相手を待っていた。


    「え?ばこさんに見られんの?俺見られるとダメなんだってえ......」
    きなこ選手に対するのはアトリ選手だ。彼の言葉もまた、弱気だった。
    そんな弱気とは裏腹に、アトリ選手も輝かしい実績を持つプレイヤーだ。17年の世界大会では3位に入賞し、数々の大型大会を制している。遊々亭ブロガーとしても筆を取っており、紛れもない「強豪」だ。
    カードゲームにおいて、彼の弱気な姿を見たことはほとんどない。「多分俺負けたわ......」と弱音を並べてはいるが、対戦が始まればきっと、いつものように自信十分にプレーする姿が見られるだろう。使用デッキはグズ子。<応援グズ子>と<燐廻転生>のワンターンキルや、<ブラジャック>など黒の遊具を絡めたロングショットなど、トップクラスの攻撃力を誇るデッキだ。

    「(自信は)ない!」 きっぱり言い切って、決勝戦の舞台へと進んだ。
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    (左がアトリ選手、右がきなこ選手)
    Turn1
    先攻はきなこ選手。<タネガスペ>を3枚揃える理想のスタートだ。
    うち1枚をチャージし、グロウ。手札の<ニホニンギョ>を切ってコインを得て、2枚の<タネガスペ>を場に出した。デッキトップから見えた<ノベアン>、サーバントを手札に加え、ターンエンド。上々の立ち上がりだ。
    一方のアトリ選手。ドローフェイズの2ドローを見て、「うーん...」とうなっていた。
    試合前のマリガンは4枚。その後「頼んだぞ!」と別卓の仲間に叫んだことなどから、手札の調子が悪いことは誰が見ても明らか。手札のレベル1は<キノ>のみだ。
    やや考えたのち、<ブラジャック>をエナチャージして<秘密の駄姫>にグロウ。手札を入れ替えると、「お!」と表情が晴れた。下級シグニが揃った。
    1枚の<キノ>に<ペイン・バイ・ペイン>を発動。デッキトップの5枚を公開し、遊具シグニを1体手札に加えるか場に出すのだが、めくれた5枚は、ここでは役割がないカードばかり。
    「えっ、震えた......」。思わず声が漏れるアトリ選手。やや悩み、<ウルシルマ>を手札へ加えた。そのままルリグデッキに手をかけ、1枚のアーツを発動する。
    「<ビカム・ユー>でグロウします」
    先手では黒シグニの回収に、後手では「先後の」入れ替えに。燐廻グズ子が強力とされるゆえの1枚だ。
    グズ子はレベル2へとグロウ。<ハッカドール1号>から<ウルシルマ>を場に出し、残りは埋めずにアタックフェイズへと移行した。シグニで<テンドウ>が、ルリグで<カプスワン>がライフから捲られ、大きな動きなくターンエンド。

    (ライフ)きなこ選手5点/アトリ選手7点

    Turn2
    ビカム・ユー>で後攻を強いられたきなこ選手。
    最速の燐廻ダイレクトを防ぐには、採用しているルリグ止めアーツ<アイスフレイム・シュート>に必要なエナを溜めながら、立て直していかなければならない。
    幸い、手札は上々。場の<タネガスペ>をチャージし、レベル2へグロウ。<カプスワン>を場に出し、そのまま起動効果で<コニプラ>をサーチ。その<コニプラ>の効果で、デッキトップの<トオン>をエナへ置いた。
    アタックフェイズに入り、きなこ選手は何もせず、「終了です」と告げ、ターンを渡した。
    燐廻>などのワンショット系デッキへの戦術のひとつ、ノーパン。アタックを控えてエナを与えず、カーニバル側が盤石な盤面を築き上げてから攻め始めるプランだ。
    きなこ選手の手札には<リンゼ>も見える。<燐廻>に対する立ち回りとしては問題ないように見えたが。

    アトリ選手が小さく頷いた。
    そのままターンが移る。 手札から<ブラジャック>をチャージし、グロウ。<キノ>で<ハッカドール1号>をトラッシュに送り、1ドロー。場は<ウルシルマ><キノ>のみでアタックフェイズへ移った。 <ウルシルマ>のアタックで<キノ>をトラッシュに送りながら1点、ルリグアタックも通って1点。ライフからは特に大きなカードは見えず、きなこ選手のライフは3枚へと減った。 これで燐廻ダイレクトが更に大きな脅威となる。早くも決着の気配が漂い始めた。
    (ライフ)きなこ選手3点/アトリ選手7点

    Turn3
    きなこ選手はサーバントをチャージし、<TN>へグロウ。デッキトップの<ダイホウイカ>を加え、2枚のコインで<カーニバル -K->をアンロック。レベル4のサーバントと<Zr>をサーチし、温存しておいた<リンゼ>を場に出した。
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    加えて<カプスワン>で<コニプラ>をサーチ。リムーブ権で空いた盤面に<コニプラ>を置きで、デッキトップの<コニプラ>をチャージ。<リンゼ>の正面に<ウルシルマ>、<コニプラ>と<タネガスペ>の正面は空きという状況で、アタックフェイズへ移った。
    ここでも<リンゼ>のみでアタック。アトリ選手の<燐廻転生>を封じ、ターンを渡した。

    返しのアトリ選手。「んー、ちょっと考えます」と伝え、公開領域を念入りにチェックし始めた。
    燐廻転生>が封じられたとはいえ、3枚のライフを奪い去るのはグズ子にとって容易いことだ。既存のシグニと「ダイレクト」で勝負を決めにいく算段をしているのだろう。手札には<ハッカドール1号>+<シャテキ>のセットに加え、赤エナの<ハッカドール2号>も見える。十分の火力が期待できる状況だ。加えて、きなこ選手のエナゾーンには青が2枚未満。採用率が高い<アイスフレイム・シュート>を、今は使えない状況だ。
    見るに、絶好のチャンス。長考の末、手札の<超体感>をエナチャージし、<応援の駄姫>へグロウ。出現時の効果は当たらない。
    不運ながらも手は止まらない。
    ハッカドール1号>から<シャテキ>を出して1ドロー、2エナチャージ。手札の<ニホニンギョ>を場に出し、3体まとめてリムーブ。トラッシュに<ニホニンギョ>が落ち、準備はバッチリ。アトリ選手は手札から<オキクドール><ニホニンギョ><ウズラグ>を場に呼び、アタックフェイズへの移行を告げた。
    パワー2000の<タネガスペ>の正面に<ニホニンギョ>がお目見えし、<オキクドール>は<リンゼ>のパワーを4000に下げながらその正面へ。
    デッキに眠るであろう<ニホニンギョ>のお膳立てはバッチリだ。<ウズラグ>は<コニプラ>を狙っている。各所のハッカドールたちを絡めれば、綺麗に勝利、といったところだ。「アーツ使ってよ」と言わんばかりの盤面と視線で、きなこ選手に訴える。
    02.jpg
    「どうぞ」
    きなこ選手は、その訴えをあっさり突っぱねた。

    確かにきなこ選手は<カプスワン>などでデッキを把握している。残る3枚のライフクロスの中に有効なライフバーストがあるのを知っているのか、それとも単に諦めただけなのか。 やや困惑気味のアトリ選手。息を整え、遊具のシグニへの攻撃を命じる。
    まずは<オキクドール>だ。アタック時にエナの<超体感>を支払いながら、自身をトラッシュに送って<ニホニンギョ>を......。
    「おーん......、困ったね......。対象不在で」
    7枚のライフクロスの中に3枚目以降の<ニホニンギョ>が眠っているようだ。このターンでの決着が思わぬ形で消えたアトリ選手は、場の<ニホニンギョ>のアタックで、パワーが4000になった<リンゼ>を溶かしながら<ニホニンギョ>をバニッシュ。トラッシュの遊具シグニを広げ、「ダメか......?」と苦い声で呟いた。
    トラッシュの<ニホニンギョ>を呼び、<シャテキ>を回収。その<ニホニンギョ>が<タネガスペ>を溶かし、トラッシュから<ハッカドール1号>を釣り上げた。先ほどの<シャテキ>が手札から場に飛び出し、1ドロー2エナチャージ。きなこ選手の場をこじ開けながら、更にリソースを伸ばした。
    そのまま<シャテキ>で1点。アトリ選手はきなこ選手のデッキの残り枚数を確認し、<ウズラグ>で<シャテキ>をトラッシュに送りながら、更に1点。きなこ選手のライフを1枚にまで追い込み、ターンを渡した。

    勝敗を決するライフバーストは見当たらない。
    眠る1枚がそうなのか、単なるハッタリだったのか。勝負は続く。

    (ライフ)きなこ選手1点/アトリ選手7点

    Turn4
    カーニバルが<黒Lv4>へグロウ。場の<ハッカドール1号>をバニッシュしながらトラッシュを肥やす。タイミングよく<メイジ>が落ち、カーニバルの防御力が増した。
    きなこ選手がここから攻勢に移る。残る<レイラ=クレジット>をアンロックし、<ノベアン>で<ウズラグ>をバニッシュ。<ダイホウイカ>とパワーが20000になった<スノロップ>でアタックフェイズへ。反撃の狼煙を上げた。

    涼しい顔のアトリ選手。ライフには余裕があるが、<フーリッシュ・マイアズマ>で迎え撃った。
    グズ子故に選べる3モード。「手札以下バニッシュ」で<スノロップ>を除去し、「場に出るたびー7000」と「レベル3以下蘇生」で<オキクドール>を呼び出した。パワーが4000になった<ダイホウイカ>が、更に−7000されてバニッシュされる。<ノベアン>の前に<オキクドール>が立ちはだかり、あっさりと3面を止めてしまった。
    黒Lv4>のアタックを受け、アトリ選手のライフは6に。まだまだグズ子側が余裕だ。
    返しのターン。場を開けたアトリ選手は、<悲願の駄姫>へグロウ。トラッシュから<ウルシルマ>と<ブラジャック>が飛び出し、<ブラジャック>が更に<ニホニンギョ>を呼び、<マージャン>が手札に舞い込んだ。仕事を終えた<ニホニンギョ>は<悲願の駄姫>のコストで、<ノベアン>のパワーをー12000しながらトラッシュへ。リムーブ権を使わずに自分の場を自在に空ける、<悲願の駄姫>の十八番だ。
    更に遊具たちが牙を剥く。手札の<ペイン・バイ・ペイン>で<ウルシルマ>をバニッシュしながら、5枚のデッキトップから<ワラニン>を回収。空いたシグニゾーンに手札から2枚目の<ブラジャック>が現れた。トラッシュから<オキクドール>を釣り上げて。

    「アタック入って、コインベットで!」
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    ブラジャック>たちが今か今かとアタックを待ちわびる。
    盤面が空のきなこ選手はまさに絶体絶命。1体でも遊具シグニを残してしまえば、ぐるんぐるんと入り乱れ、再び<ブラジャック>が絡む盤面が作られかねない。更にコインがベットされており、この3体を「場を離さずに」除去しなければならない。
    手段は限られている。手段はあるが、ここで使いたくはない。でも使わなければ負けてしまう。

    「<カニキー>をトラッシュに送って、全員<サーバントZERO>にします」

    カニキー>を破棄。場の遊具たちを<サーバントZERO>にし、取り急ぎ<悲願の駄姫>の脅威からは逃れた。しかし盤面は空、ライフは1。<サーバントZERO>たちに殴られて試合が終わってしまう。アーツを使わざるを得ない状況には変わりなかった。
    続けて<アイスフレイム・シュート>を使用。溜まりに溜まったエナで7コストを支払い、<サーバントZERO>になった<ブラジャック>2体を除去しつつ、ルリグをダウン凍結。<燐廻転生>の脅威から逃れることに成功した。残る<サーバントZERO>(<オキクドール>)のアタックは、正面にトラッシュから<メイジ>を蘇生することでキッチリガード。使った手数は多いものの、グズ子の猛攻をしのぎ切った。
    裏を返せば、カーニバルの防御のほとんどを吐かせたといえる。防御の要である<カニキー>は消え、<アイフレ>も使わせた。堅牢なカーニバルの防御をこうも簡単に突き崩していくとは。グズ子の破壊力は、やはり恐ろしい。アトリ選手はそのままターンエンド。
    (ライフ)きなこ選手1点/アトリ選手6点

    Turn5
    きなこ選手は<黒Lv5>へグロウ。<サーバントZERO>とするシグニは、問答無用で<ブラジャック>だ。制圧、リソース回復、連続攻撃。グズ子デッキの全てを担う<ブラジャック>が消えたことで、アトリ選手の攻撃力は大きく落ちた。
    「ジョーカー」で<落華流粋>をルリグデッキに加え、再びの反撃。盤面を<テンドウ><ニホニンギョ><サーバントQ>にしてアタックフェイズ。アトリ選手はすんなりこれを通した。
    gp gp
    テンドウ>のアタックで割れたライフは<ニホニンギョ>。「お前を待っていたんだよ!」と、デッキにいなかったことへの恨み節を吐きながら、アトリ選手が効果処理。<ブラジャック>はおらずとも、<超体感><ニホニンギョ>などがいれば、グズ子の連続攻撃は十分だ。「んー、ちょっとすみません考えます。」と呟きながら、アトリ選手が選んだのは<ウズラグ>だ。
    残るサーバントとルリグの攻撃も通り、アトリ選手のライフは3まで減少。ダメージレースだけを見れば、きなこ選手が追いつき始めたといったところか。

    ただ、アトリ選手の優勢は変わらない。
    返しのターン。盤面の<オキクドール>を<悲願の駄姫>のコストに充て、<テンドウ>を除去。<マージャン>を<ニホニンギョ>の前に、<ウズラグ>を空きシグニゾーンの場に立て、アタックフェイズに。アーツ使用ステップで<超体感>を蘇生した。
    悲願の駄姫>のコインベットはなし。シグニを揃えるだけで、あっさりと王手だ。
    アトリ選手が狙っているのは、<マージャン><ウズラグ>の素材に<超体感>を使っての連続攻撃だ。アタックフェイズの間、<超体感>がトラッシュに送られるかバニッシュされると、シグニ1体がアップするかダウンする。<ウズラグ>の正面は空きで、<マージャン>はアタック時に、正面の<ニホニンギョ>をトラッシュに送れる。どちらかが通れば、アップして2点。ゲームセットだ。

    「えー、ここで吐かなきゃダメかー」と、きなこ選手が苦悶の声を漏らす。
    ウズラグ>の正面に<ジルコニウム>を蘇生し、クラフトした<落華流粋>で<マージャン>をバニッシュ。脅威は去った。ただ、防御に使えるアーツも消えた。アトリ選手はターンエンドだ。

    (ライフ)きなこ選手1点/アトリ選手3点

    Turn6
    きなこ選手のターン。残り1枚のルリグデッキに手をかけ、満を持して<赤Lv5>へグロウ。コインが5枚に回復し、再び<アイフレ>を撃てるようになった。
    ノベアン>で場を空け、<ニホニンギョ><ラアー><タネガスペ>でアタックフェイズへ。<超体感>を<サーバントZERO>にして除去しながら、3面を空けての要求だ。
    アトリ選手はきなこ選手のトラッシュを厳密にチェックした後、「どうぞ」と再び通した。
    序盤にライフを割られなかったからこそ、後半にライフで受けるターンが生まれている。<燐廻>を警戒したきなこ選手の立ち回りが、アトリ選手に猶予を与えている展開だ。
    タネガスペ>のアタックで割れたのは<シャテキ>だ。「よしよしよしえらいぞお前!!」と満面の笑みで、アトリ選手が選んだのは別の<シャテキ>。<ラアー>、<ニホニンギョ>のアタックでも、それぞれ1ドローのライフバーストが発動。ルリグアタックを前に、残るデッキの枚数は2枚となった。

    「完璧じゃないかあれ......!」
    賞賛と諦めが混ざった声で、きなこ選手はルリグアタック。当然のようにサーバントでガードされ、ターンが返った。

    「よっし、ドロー。リフレッシュ入りま......、ってここでめっちゃ来たなおい」
    残る2枚のデッキを引いてリフレッシュ。最序盤の<ペイン・バイ・ペイン>で溜まっていたサーバントたちが、ここで舞い込んで来た。
    「......結構ヤバくね?」と焦るアトリ選手。鮮やかなリフレッシュを決めた先ほどとは裏腹に、表情が硬くなっている。残されたターンは少ない。できればここで勝負をつけたい思いがあるが、デッキがどうも応えてくれないようだ。ルリグデッキ、お互いのトラッシュ、自分の手札。じっくりと眺めて。

    「<スピリット・サルベージ>。<フーリッシュ・マイアズマ>を回収します」
    「サーバント2体を立てて、<フーリッシュ>を使います。出るたびマイナス7000、2ドロー、手札以下バニッシュのモードで」

    唯一の防御、<フーリッシュ・マイアズマ>をここで使った。
    04.jpg
    「えー、そんな使い方できるのか......」
    きなこ選手の声をかき消しながら、<ラアー>をバニッシュ。手札を2枚増やすが......。

    「あれ、引けんなあ......。困った。困ったねえ」
    空いた盤面に<ハッカドール1号><キノ>を流し込み、更に手札を増やすも「引けんなあ......、何でだ?」とぼやくばかり。ここに来てもお目当てのカードが手札に来ない。場の<キノ>に<ペイン・バイ・ペイン>を当てて、さらにデッキを掘り進める。

    「んー、どこ行ってたんだお前は?なあ?」
    散々アトリ選手を振り回し、困らせたカードが、勝利を招きにようやく登場。呆れながら、しかし安心したように、アトリ選手は<ニホニンギョ>を選んだ。
    ニホニンギョ><ニホニンギョ><超体感>を並べ、最後のアーツに手をかける。

    「<燐廻転生>。アタックフェイズ。コインベットで!」
    ブラジャック>が消えてもこの攻撃力。通れば勝ち、通らなければ負けだ。
    「ごめん負けた!」と、ここでアトリ選手のチームメイト、master選手の悲鳴が飛んだ。残るチームメイト、らいだぁ選手は既に勝利を収めている。1勝1敗。この1戦の結果が全てを左右することになった。
    最後のアタックフェイズ。たった1枚のライフクロスを割るために、全力の攻撃を仕掛けにかかった。

    きなこ選手が最後の防御に動いた。<ニホニンギョ>1枚を<サーバントZERO>にし、<赤Lv5>のコイン効果で<アイフレ>を再利用。ルリグをダウンさせ、<サーバントZERO>と<ニホニンギョ>をバニッシュ。できることはここまでだった。
    当然、グズ子はこれでは止まらない。<悲願の駄姫>のコイン効果で、<ニホニンギョ>のバニッシュと同時に<オキクドール>が手札から登場。きなこ選手の<ニホニンギョ>のパワーを4000にし、<オキクドール>がアタック。自らの効果で場を離れ、 「今度こそデッキに、<ニホニンギョ>いるよな!」
    言葉通り、デッキから3枚目の<ニホニンギョ>が登場。<オキクドール>が場を離れたことで、<悲願の駄姫>の効果で<ワラニン>も続いた。連続攻撃は止まらない。
    残る負け筋はたった一つ。3ターン目の場面で、3枚のライフのきなこ選手が攻撃を通した場面が脳裏に浮かぶのか、アトリ選手が一瞬手を止めた。それでも、<ワラニン>が最後のライフを割りに行く。表になったカードは......。

    羅植姫 スノロップ
    トオン>ではなかった。
    超体感>のアタックが通り、ゲームセット。

    「よおおおっし!!!」と駆けつけたmaster選手が喜びを爆発させ、「勝った?勝ったんだな!!」とらいだぁ選手が肩を叩く。
    「優勝した?優勝したぞ!!」。アトリ選手は2人と熱い抱擁を交わし、シラクラ杯の幕が閉じた。


    観戦記
    きなこ選手が取ったノーパンプランは、ワンショットを決めるデッキには有効な戦法だ。<リンゼ>や<アンチ・アビリティ>など、妨害札やコストの軽いアーツで相手のショットをいなしてから、こちらがレベル4や5にグロウし、どっしり戦う。バカラオーラタマや3止めユヅキなど、特に速いデッキに対して一定の効果があるとされており、トーナメントシーンでは必須の立ち回りだ。
    「燐廻グズ子」に対してはどうだろうか。試合後、アトリ選手もきなこ選手も、口を揃えて「(ノーパンは)違った」と答えている。その理由は2つある。
    1つは、ライフクロスを割られないことで、グズ子側に余裕が生まれることだ。カバレージを見ても分かる通りだが、アトリ選手はきなこ選手のアタックを2ターン、ライフクロスで受けている。グズ子側のアーツのうち、<ビカム・ユー><燐廻転生>の2枚は、防御の役割を持っていない。その2枚分の防御をライフクロスで行ったと、単純に考えれば言える。ある程度ライフを割ってプレッシャーをかけつつ、<リンゼ>を絡めて、<燐廻>などを阻止したかったところだ。
    もう1つは、グズ子側のコストパフォーマンスの低さだ。ノーパンでエナを絞ったとしても、<応援の駄姫>へのグロウコストが0ということや、<ペイン・バイ・ペイン>や<シャテキ>の存在から、グズ子側がエナを伸ばすことは容易だ。潤沢にエナを溜められずとも、<燐廻>+「ダイレクト」につながってしまうし、<悲願の駄姫>へのグロウも許してしまう。ここが「燐廻グズ子」のデッキパワーの高さで、対策はなかなか難しい。
    アトリ選手がきなこ選手のライフクロスを1枚に保ち続けていたことに注目したい。ライフが0枚になれば、<テンドウ>で<トオン>を埋めることができるようになり、カーニバル側に1ターンの猶予が生まれる。アトリ選手はそれを知った上で、あえて1枚残し続けていたのだろう。
    「相手のデッキタイプに対する立ち回りを覚えておく」のは、ウィクロスでより高いレベルを目指すために、まずクリアしたいポイントだ。相手のデッキに対して、自分のデッキをどう動かすのが最善か。知れば知るほど、ウィクロスがどんどん強くなれる。
    もちろん、いきなり全てのデッキタイプを覚えるのは不可能だ。自分の周囲で流行っているデッキや、大型大会で入賞しているデッキを調べて、知識を増やしていこう。今回のようなカバレージを読むのでも良い。できることから少しずつで十分だ。自分にあったやり方を見つけ出して、ウィクロスの腕を少しでも磨いていこう。

    デッキ紹介
    燐廻グズ子(アトリ選手)
    deckatori.jpg
    カーニバル(きなこ選手)
    ・deckkinako.jpg
    あとがき
    いかがでしたでしょうか。ねへほもんさんとは違った書き方を目指してみました。拙い部分もあるかと思いますが、決勝戦の雰囲気を少しでもお伝えできていれば幸いです。
    「観戦記」はスポーツ雑誌や新聞などに掲載するイメージで書いてみました。お堅い文体になりましたが、これはこれであり......、でしょうか?

    ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
    カバレージ執筆をご承諾いただいた両選手にも、改めて御礼申し上げます。ハイレベルなプレイングを間近で見ることができ、大変勉強になりました。

    シラクラ杯は今後も開催される予定です。
    私も引き続き運営としてお手伝いするつもりですので、読者の皆様もぜひ、次回は参加してみてはいかがでしょうか。お待ちしております。

    それでは、また次回の更新でお会いしましょう。ではまた〜!

[キーセレクション]【WIXOSS デッキ】キーセレ環境ユヅキのあれこれ WILES~RHETORIC

    posted

    by デッキレシピ

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    【WIXOSS デッキ】キーセレ環境ユヅキのあれこれ WILES~RHETORIC
    ■はじめに
    †不定期更新の鬼†しみずきです。
    お久しぶりです。

    少し前から、WILES環境のユヅキの記事を執筆していたのですが、先日に公開があった"幻水姫 オワンクラゲ"を皮切りにユヅキの強化札が続々と公開されましたね。
    今回は其方の強化も踏まえて、現状と今後のユヅキのあれこれについて語らせていただきます。

    ...みたいな冒頭文をタイプしていたら"妖怪速筆ねへほもん"のユヅキの記事が公開されちゃいました。

    重複しているところもありますが、僕の考えということでお時間ありましたら最後まで読んでいってください。
    ■現状のユヅキについて
    なんか今更な気もしますが、WILES環境のユヅキについてさっと振り返ってみましょう。
    ◎特徴
    公開する札と、公開された時に効果を発動する札との組み合わせ。
    オールスター環境のユヅキにおける"龍獣"クラスのシグニと同様の効果を用いて戦っていきます。
    このことを踏まえてカードリストを眺めた際に、浮かび上があってくるユヅキの強みは以下の通りです。
    ・エナが稼ぎやすい
    これらのカード群により、他のルリグと比較しても非常にエナを構えやすくなっています。
    ・稼いだエナでの攻防
    ズバリこいつらです。

    其々公開された時に、自身をトラッシュに送ることで効果が発動します。
    マレガビ>は3エナでトラッシュからレベル3以下の水獣を蘇生。
    ダンクルテウス>は4エナで対戦相手のシグニ1体をバニッシュ。

    けして軽いとは言えないコストが掛かりますが、攻防あわせて3つの非常に大きな恩恵をもたらしてくれます。
    1.点要求の安定化
    ダンクルテウス>を手札に構えておけば、アタック時に手札を公開することができるシグニを並べるだけで疑似的な要求を取ることが出来ます。

    既存のルリグの中でも、点要求が容易だったリル(<ハイメイル>並べるだけ)と比較してもライズを必要としない点、また<幻水 ビーバン>のように下級のシグニであっても、終盤のアタッカーとして運用が可能な点で、要求という面では非常に安定感があります。

    ユヅキにおける最大の利点と言っても良いでしょう。
    2.半端な除去に対する疑似的な耐性
    マレガビ>を手札に構えておけば、3面とも攻撃時に手札を公開できるシグニでアタックに入った際、仮にどれかのシグニが除去されてしまったとしても、<クロコワニ>等の攻撃時に<マレガビ>を捨てることで、<幻水 メガネワニ>を筆頭としたレベル3以下の水獣シグニを蘇生することで、実質除去を無かったことに出来ます。

    このことから、ライフクロスが2枚以下まで追い詰めると2面までであれば除去されたとしても<マレガビ>x2を公開し、そこから<プレシオ>や<ダンクルテウス>を絡めることでキルまでたどり着ける為、3面全てを除去する、もしくはダウンや攻撃不能付与や能力消し等の除去以外の防御を強要できるようになります。

    また、特定の相手(特に防御手段がバニッシュに偏重している赤ルリグ系)に対しては<イノセント・ディフェンス>や<ドーナ CHEER>等でバニッシュ耐性を1面につけてやる事で強引に詰めに行ける場面もでてきます。
    3.専用アーツの疑似的なパワーアップ
    ユヅキのTDに収録された専用アーツ<真空斬撃>、<遮断装甲>の2枚は両方とも一見、1面ずつしか守れない貧弱アーツに見えますが、効果によってカードを公開出来る為、<マレガビ>、<ダンクルテウス>と組み合わせることで、
    1. 真空斬撃>によって<マレガビ>公開で10000以下のシグニをバニッシュ
    2. マレガビ>効果⇒<ケロモドキ>蘇生⇒<ケロモドキ>出現時で<ダンクルテウス>x2+@1公開
    3. ダンクルテウス>効果2回で残りの2面をバニッシュ。
    このようにアーツ1枚で3面バニッシュすることが出来ます。

    この動きはハンド3枚+合計で13エナも使用する為、現実的ではないように思えますが、意外とできてしまいます。

    ユヅキのゲーム進行において、盾を削った後に<ダンクルテウス>と<マレガビ>の効果を使用する時は、ダイレクトアタックを決めに行く場面ですので、基本的にはハンドに<マレガビ><ダンクルテウス>構えて、相手に守らせる。
    という動きを対戦相手の防御手段が尽きるまで続けることになります。

    その為、エナも手札の<マレガビ>、<ダンクルテウス>も消費されることはありません。
    このアーツを最後に吐くように立ち回ることで、貯めたリソース全てを吐き切って防御アーツをパワーアップすることが出来る為、無駄がありません。
    ■デッキレシピ
    上記の事を踏まえて構築したデッキがこちら。

    ■ゲームの流れ
    序盤
    本音はガンガン点を通していきたいところですが現状のプールでは特に出来ることがありません。
    エナに余裕があり<ケロモドキ>の条件が達成できる場合は積極的に使用していきます。
    対面の盤面が並ばない、サーバントを面埋めに回してくれることを祈りながら相手のシグニはフルパンします。
    中盤
    4グロウ時、<肆戒>のグロウ時効果で2枚の水獣を回収できる為、おそらくこのターンが最も手札に余裕ができるタイミングになります。

    増えたハンドからランサーを獲得できる<幻水 スピノー>を2面立てれればそのままアタック。
    そうでないのであれば、<幻水姫 クロコワニ>の出現時で後続を確保しながらコイン技『バーニング』を使用して3面要求を行い、防御を強要できるようになる、ライフクロス2点圏内に押し込めるよう攻めていきます。

    『バーニング』のタイミングで<マレガビ>からの追加が可能であれば、新たに登場したシグニも『バーニング』の恩恵を受けることが出来る為、相手の盤面が埋まっている状態でも<ダンクルテウス>無しで、そのまま打点につなげることが出来るのでお得です。
    終盤
    ライフクロスを2点圏内まで追い込み、エナの確保、ハンドに<ダンクルテウス>と<マレガビ>を構える。
    この3つの条件を整えることが出来れば、後は<幻水姫 クロコワニ><幻水 メガネワニ><幻水 ビーバン>を盤面に立てるだけで相手が防御を吐いてくれます。
    後は最大11面と多めのアーツ/キーによる防御と<クロコワニ>によるサーバントへの触りやすさを活かして耐久勝ちしましょう。
    ■浮き上がってくるユヅキの弱点
    上記のイメージでデッキを回していると以下の3点が弱点として浮き上がってきます。
    1.序中盤に打点が通らないと此方の要求値が上がってしまう
    お互いのルリグが4にグロウした後に単体で運用できるアタッカーが現状は若干使いにくさの残る<幻水 スピノー>程度しかいない為、大量のライフクロスを残されてしまい、<プレシオ>だけでなく<ダンクルテウス>を削りに回さないといけない状況に陥るとリソース周りが苦しくなってしまいます。
    2.暴風警報しか緑の優秀なアーツが無いが、暴風警報を採用するとにタマに弱くなってしまう
    現状、緑色のアーツがあまり強くありません。
    また、<真空斬撃>、<遮断装甲>がフルパワーで使えるのはゲーム中1回と考えるべきなので、<暴風警報>がかなり有力な選択肢に挙がってきます。
    しかし恐ろしいことにこの<暴風警報>というアーツ、環境トップのタマに無力化されてしまいます。

    また、タマの『イノセンス』やカーニバルのマルチエナ消失の事を考えると、ギミック成立のために一定以上の水獣に枠を取る必要がある為、その他のカラーのアーツも搭載しにくいのが現状です。
    3.性質上ハンデスに弱い
    こればっかりは仕方がありません。
    特にピーピングハンデスを行使してくる<ピルルク TELOS>は天敵でハンドに構えた<ダンクルテウス>や<マレガビ>をピンポイントで除去されることで此方の要求が一気に弱くなってしまいます。

    新弾の強化でこれらの弱点が改善されれば嬉しいところです。

    ■RHETORICでのユヅキの強化札
    ここで、先日から公開されたRHETORICに収録されるユヅキの強化を見てみましょう。
    幻水姫 オワンクラゲ
    SR 幻水姫 オワンクラゲ
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精生:水獣
    色:緑
    レベル:4
    パワー:12000
    【自】:各プレイヤーのアタックフェイズ開始時、あなたのエナゾーンから《幻水姫 オワンクラゲ》以外のシグニを1枚まで手札に加える。
    【自】:このシグニがアタックしたとき、《緑》を支払い、手札からそれぞれ名前の異なる[水獣]のシグニを4枚公開してもよい。そうした場合、対戦相手のシグニ1体をエナゾーンに置く。
    ライフバースト:あなたのトラッシュから[水獣]のシグニを2枚まで手札に加える。
    強すぎて度肝を抜かれた1枚。

    既存のユヅキの主力である、 と、打点に繋げるにはかたや手札の維持、かたや別の水獣のテキストを絡ませる必要がありました。

    しかし、このクラゲは"手札補充"+"公開(アタック時)"+"除去"をこなせる事で、単体でユヅキのメインストリーム(言いたいだけ)を遂行することが出来てしまいます。

    上段の回収効果はエナゾーンから任意のシグニを回収することが出来る為、ハンド状況と相談しながら後続のアタッカーや、<幻水 ダンクルテウス>、<幻水 マレガビ>等の攻め札を必要に応じて回収出来るのが非常に優秀です。
    また、既存のユヅキでは一度エナに置いてしまったシグニをメインで回収する術は<奪取>か<マダラモリ>(<イノセント・ディフェンス>)位であり、この2枚も過酷な枠争いの対象であった為、これ等を採用せずとも序盤から気軽に<幻水 ダンクルテウス>等をエナチャージ出来るようになるのも嬉しい点です。

    また"水獣"指定が無いのでサーバントを拾う事ができる点は、もはや一般常識ですので改めて語ることもありませんが、ガード1回が勝負を左右するキーセレにおいて非常に優秀です。本当に優秀です!!

    さらに、<幻水 ダンクルテウス>をエナにしまっておくことが出来るお陰で<ピルルク TELOS>の『ピーピング』に少し抗えるようになりました。

    下段の除去のテキストも、バニッシュではなくエナ送りな為、ユキの<羅植姫 アネモネ>、<羅植 サンザカ>やエルドラの<コードオーダー メレドール>によりバニ耐が付与されたシグニでも問題なく吹き飛ばせるのは嬉しい点です。

    4種公開という条件は経験上、自身の回収効果も相まって対ハンデスルリグ以外であれば問題なく達成可能だと思います。
    幻水 コノハケロ
    C 幻水 コノハケロ
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精生:水獣
    色:緑
    レベル:4
    パワー:10000
    【自】:このカードがあなたの効果によって手札から公開されたとき、あなたのターンの場合、《緑》を支払い、手札から《幻水 コノハケロ》を1枚捨ててもよい。そうした場合、対戦相手のパワー10000以上のシグニ1体をエナゾーンに置く。
    汎用性を失った代わりに非常に省エナになった<幻水 ダンクルテウス>。

    真空斬撃>とのシナジーや終盤にはパワーラインが乱れがちになる為、全ての<ダンクルテウス>の枠を取って変わる事はないと思いますが、手軽に使えるダメージソースとして非常に優秀です。
    幻水 ティロス
    R 幻水 ティロス
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精生:水獣
    色:緑
    レベル:3
    パワー:8000
    限定条件:ユヅキ限定
    【自】:このシグニがアタックしたとき、このシグニのパワーが10000以上の場合、カードを1枚引く。12000以上の場合、追加で対戦相手のレベル3以下のシグニ1体をバニッシュする。
    【出】:手札から[水獣]のシグニを好きな枚数公開する。ターン終了時まで、あなたの[水獣]のシグニ1体のパワーをこの方法で公開したカード1枚につき、+1000する。
    ライフバースト:どちらか1つを選ぶ。(1)カードを1枚引く。(2)【エナチャージ1】
    此方も強すぎて度肝抜かれ、他のUTOPIA勢もこの水準で強化が配られることを考えると逆に恐い...って所まで想像させた1枚。

    出現時の効果で自身をパンプすることで、手札の残数的に3ターン目はドロー効果のみ、手札が潤沢になってくる4ターン目以降はドロソ兼アタッカーとして運用できそうです。
    ココに序盤にシグニが踏まれない、ドローLBが出る等の要素が加われば3ターン目から打点に繋がる可能性も十分にあります。

    また、<マレガビ>の蘇生範囲のレベル3でありながら<ダンクルテウス>無しで除去が可能なので、本来であれば膨大なエナと所定のハンドが必要だった暗殺拳ムーブのコスパが非常に良くなりました。
    他にもハンドの枚数次第では強引に<スピノー>にバニ耐を付与できたりもします。

    幻水 プテリゴ
    R 幻水 プテリゴ
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:精生:水獣
    色:緑
    レベル:2
    パワー:3000
    限定条件:ユヅキ限定
    【出】《緑》:手札からレベル3以上の[水獣]のシグニ1枚を公開する。そうした場合、あなたのデッキからこの方法で公開したシグニと同じ名前のシグニ1枚を探して公開し手札に加え、デッキをシャッフルする。
    レベル3以上の制約はありますが、序盤のエナから手札への変換は非常に優秀ですね。
    2ターン目に出して3レベの水獣をサーチ出来れば、割とレベル4が多くなりがちなユヅキの3ターン目の安定に一役買ってくれます。

    先述の"幻水 ティロス"をサーチ出来ればバニッシュ効果を狙える可能性が上がったり、<幻水 プレシオ>を対象にすることでエナは掛かりますがランサーを付与しながら、後続の<プレシオ>持ってこれることでダメージレースの加速に繋がります。
    獣群邁進
    LR 獣群邁進
    カード種類:アーツ
    色:緑
    コスト:緑4無2
    使用タイミング:アタックフェイズ、メインフェイズ
    あなたのルリグが[ユヅキ]でない場合、あなたの手札とエナゾーンと場にあるすべてのカードをデッキに加える。
    あなたのトラッシュにあるすべてのカードをデッキに加え、デッキをシャッフルする。その後、カードを3枚引き、【エナチャージ4】をし、あなたのデッキの上からカードを5枚公開してその中から好きな枚数の緑のシグニを場に出し、残りをトラッシュに置く。この方法で場に出たシグニの【出】能力は発動しない。
    実質2エナで、
    • ほぼ3面埋め
    • リフレッシュ回避
    • 3ドロー
    の3役を担ってくれる1枚。

    肝心の防御面はキーセレ環境の攻め手段がアタック時除去に偏っているため、2面以上守れれば万々歳と言った所です。

    山回復の効果が地味~に優秀で、エナチャージや<クロコワニ>の出現時で山を掘る速度が早めのユヅキは、試合中一回はリフレッシュに入ってしまいます。

    その為、リフ前にライフクロスを無くすように打点を調整する必要があり、その過程で受けなくて良いルリグパンチを貰ったりする場合も有ったので、そう言ったしがらみが多少改善されるのは嬉しい限りです。

    また、ユヅキはエナを大量に構えることが出来る為、ある程度の圧縮を掛けつつ面埋め+3ドローを行うことで、後の打点に繋がるシグニや、サーバントを引き込める確率が上がります。

    また、まだ構想の段階ですが山札回復が可能と言うことで、制約の多さから強力で有りながらカーニバル以外での使用が実用的では無かった<応諾の鍵主 ウムル>の採用も出来なくは無いのかなと思いました。
    ■RHETORIC発売後のユヅキについて
    上記の強化札によってダメージレースが強化された為、序中盤に打点が通せなかった場合でも要求が緩くなることが無くなったばかりか、『バーニング』を使用しない選択肢もゲームの進行的には取れるようになり、強いけど環境トップのタマに全く刺さらない<暴風警報>の枠を<リブミー>と言う実戦級の代替アーツに出来るようになったのではないでしょうか。
    ■最後に
    如何でしたでしょうか。

    WILES環境で抱えていた弱点が一気に改善され、今後の他のルリグの強化の次第では環境にトップに躍り出ることも夢ではなさそうです。

    現状、デッキ全てのパーツが非常に安価に購入できます。
    流行しちゃう前にささっと揃えてみてはいかがでしょうか?もちろん遊々亭で!!(ダイマ)
    (僕は光らせました。)

    以上です。
    最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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