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人気のあのカードについて教えて!part.14「白環境で大出世!「大装 ゲイヴォルグ」の足跡を振り返る」

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    by からばこ

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    白環境で大出世!「大装 ゲイヴォルグ」の足跡を振り返る
    はいこんにちは、からばこです。
    「人気のあのカードについて教えて!」シリーズ。今回は<大装 ゲイヴォルグ>についてご紹介します。
    登場から長い長い下積み時代を経て、今や白デッキの必須枠とも言える立場を掴み取った、大器晩成型シグニの1枚。その強さや歴史をたっぷり語っていきますので、よければお読みください。

    1:テキスト紹介
    まずは能力の解説から。
    アタックフェイズに発動する2つの能力を持ちます。
    自分のアタックフェイズ開始時に、白シグニ1体をダウンすることで1ドローする自動能力と、センタールリグに「アタックしたとき、相手シグニ1体をトラッシュに置く」を与える常時能力です。

    主に【リメンバ】【あや】など、耐久力に長けたデッキで使われているシグニです。
    持つ2つの能力は「面要求は少なめだけれど、長いゲームがしたい」デッキと相性が抜群。<ゲイヴォルグ>自身は直接ライフクロスを狙える能力を持ちませんが、相手とのリソース差をじわりじわりと引き離すことに関しては大得意です。
    まさに長期戦のエキスパート。【リメンバ】の台頭で長期戦環境となった、2022年後半のディーヴァセレクションを象徴するシグニ、とも言えましょう。

    2:「1面要求+ルリグ」の申し子
    ゲイヴォルグ>が最も得意とする場面は、「シグニで1面要求+ルリグアタック」の状況です。
    エクシア>や<コードハート リメンバ//メモリア>など堅牢なシグニが並び、ゲームが長引けば長引くほど、<ゲイヴォルグ>の2つの能力が輝きます。
    まずは1つ目のドローから。
    エクシア>や<リメンバ//メモリア>などの正面に置いた白シグニをダウンさせれば、ドローにつながります。
    ダウンさせたシグニの正面のシグニはバトルによるバニッシュで処理できなくなりますが、<ゲイヴォルグ>がルリグに与えたトラッシュ送りで後ほど処理すれば良いですし、<エクシア>などは<ファラリス>で狙いながら、他の場所の別の白シグニをダウンさせてドローに変換する、なんてこともできます。「アップ状態の〜」系のライフバースト対策にも繋がりますね。
    配置場所に応じてダウンさせるシグニをどう選ぶかが悩みどころですが、<ゲイヴォルグ>自身が白とあって腐りにくく、ハンデス飛び交う長期戦においては、「シグニアタック1面を放棄してドロー」はとても嬉しい能力です。

    もう1つは、ルリグアタック時のシグニ除去。
    「パワーを問わない」「トラッシュ送り」「センタールリグに付与する能力」という3点が非常に優秀です。
    ゲイヴォルグ>自身のパワーは12000とレベル3の中では高いのですが、ダウン状態の<コードハート リメンバ//メモリア>や、元々のパワーが高い<アンナ・ミラージュ><ウトゥルス//メモリア>などは、自身のアタックで処理できません。それらのシグニを無条件でトラッシュに送ることができるのは、そのターンの直接的なダメージにつながらないにせよ、長期戦前提の環境ではとても嬉しいです。
    居座り続けると厄介な<リメンバ//メモリア>や、アタックのたびに打点orサーバントにつながる<ウトゥルス//メモリア>は、ロングゲームをするシグニにとって速やかに処理したいもの。それらをパッと消してくれる<ゲイヴォルグ>のありがたみ、です。
    しかも「トラッシュ送り」と来たものですよ。エナを与えない。再利用もさせない。<リメンバ//メモリア>の存在も相まって、この「トラッシュ送り」がどれほど優秀か。ハンデスデッキがルリグアタックの度に、場のシグニを1枚、2枚とトラッシュに送っていく絶望感たるや、です。「エナを与えない」のは言わずもがな。

    そして「センタールリグに付与する」という点も、忘れられがちながら優秀な能力です。
    ずばり【シャドウ(シグニ)】で回避できません。【シャドウ(シグニ)】や【シャドウ(レベル1)】などは多くいますが、【シャドウ(ルリグ)】を持つカードは少ないでしょう。ここまで来ると防げるのは、完全な【シャドウ】くらいでしょう。
    トラッシュ送りはルリグアタック時と遅いのですが、その遅さが<エクシア>を完全に腐らせるという評価につながるのも絶妙です。

    総じて、全ての能力が絶妙に噛み合ったシグニです。
    ドローと除去の発動タイミングが逆だったら<エクシア>をトリガーさせてしまいますし、除去を<ゲイヴォルグ>が行っていたら【シャドウ(シグニ)】に防がれていました。ドローのためのダウンが「自身」であれば融通が効きにくくなっていたかも。ここまで採用されることはなかったのではないでしょうか。
    「書いてある能力が全部強い」と強いカードを評価する際に使う文言がありますが、<ゲイヴォルグ>は「書いてある能力が一言一句、絶妙に噛み合っている」という評価です。


    また<ゲイヴォルグ>は、5弾「CURIOSITY DIVA」で登場した「シグニとスペルが連鎖するカード」の1種です。
    対応するスペルは<ゲット・ヴォルグ>。小型版<ミラクル・ドロー>と、トラッシュに送るシグニの枚数を増やす能力を持ちます。
    ゲイヴォルグ>ばかりに注目が集まりがちですが、合わせて使うと結構強力です。

    3:登場直後の評価は「遅すぎる」だった
    今でこそ押しも押されもせぬ評価を手にした<ゲイヴォルグ>でしたが、長い長い下積み時代がありました。
    歴史とともに、<ゲイヴォルグ>の歩みを振り返りましょう。

    登場は2021年8月に登場した5弾「CURIOSITY DIVA」です。
    同期のSRには<H2O><ダイヤブライド>がおり、下級シグニにも<マノミン><トキユキ><ナベノツナ>など、そうそうたるメンバーが揃っています。<パラダイスうちゅう><ドラコ><イクリプス>の宇宙基盤や、メタピースとして優秀な<M.G.D>が登場した弾でもあります。
    そんな5弾発売当時は【チームエクス】【チームデウス】全盛期。当時は<ダイヤブライド>の評価が非常に高く、現在の<エクシア>のようなポジションでした。その後【原子デウス】の台頭で<H2O>が大出世したのは、多くの方の知るところでしょう。
    この2枚の他にも、<ピルルクxi>の登場で<Mデム>や<ハーメルン>が注目されたり、タマなどが<タマモゼン>を採用してみたりなど、事あることに5弾のSRシグニがスポットライトを浴びていました。大型イベントの物販などで「いくら以上購入で抽選!」などの企画があった際は、5弾を買うプレイヤーをよく見た印象です。SRはどれが当たっても嬉しいし、CやRのカードもたくさんあって嬉しいパックですからね。私もたくさん開けました。

    そんな粒ぞろいな5弾SRにおいて、登場当時の<ゲイヴォルグ>の評価は、今とはかけ離れたものでした。
    そもそも自身で要求できないし、リソース奪取のタイミングも遅い。【チームエクス】や各種【デウス】の台頭で3面要求+エナ破壊orハンデスは当たり前、の環境で、「シグニをダウンして1ドロー」「ルリグアタックでやっと1面除去」は、「遅すぎる」「そんな暇はない」という評価でした。「何か面白そうなことができそう」という意見もありましたが。

    ディーセレといえば3面要求が必須。加えて、エナ破壊などの飛び道具が無いと生き残れない。
    そんな超高速環境は、一人のルリグ(とシグニ)の登場で転機を迎えます。
    でじたるあーや!><ゆきめ//メモリア>です。21年12月の7弾「WELCOME BACK DIVA〜Lostorage〜」で登場したカードたちです。
    ゲイヴォルグ>のリソース奪取能力に注目し、「バニッシュしたシグニをトラッシュに置く」<ゆきめ//メモリア>と共に採用。下級シグニとルリグのあやでもハンデスを仕掛ける、超ロングゲーム前提の【青白あや】に、<ゲイヴォルグ>が採用されました。
    7弾の発売直後、関東で一人のプレイヤーがこのデッキを世に放ち、立て続けにセレモニーで優勝・入賞を繰り返したことから、【青白あや】は一躍脚光を浴びました。じわりじわりと使用者が広がり、22年5月のディーヴァグランプリ2ndでは【青白あや】は大きな勢力となっていました。準優勝のあやは【青単あや】でしたが、【青白あや】が数としては多かったと記憶しています。

    原点のデッキはこちら(WIXOSSBOX)になります「ゆきめはゲイヴォルグ」のコメントからも、その相性の良さが伝わりますね。

    4:リメンバの登場でエースシグニに
    22年7月のディーヴァグランプリ3rdは、優勝こそ【笛原子デウス】でしたが、【白単リメンバ】時代の到来を予期する大会でした。(白単とは「メインデッキを白いシグニ・スペルを中心に構築したデッキのことです。白色単体、の略、青単、黒単などもあります)
    白単の基盤はグランプリ2ndの段階で【白単アキノ】などが開拓されていましたが、3rdでリメンバというセンタールリグを得て大躍進。【原子デウス】【チームエクス】の牙城を【白単リメンバ】が崩しにかかった時期だとは、以前の<ミュウ//メモリア>解説でも取り上げた通りです。(こちらの記事を見てね)

    当時の【リメンバ】は<宇宙級母性>を採用した【白単リメンバ】と、ハンデスを取り入れた【青黒リメンバ】の2タイプが研究されていたようです。
    最終的に【青黒リメンバ】が主流になりましたが、構築が円熟された11〜12月頃までは、プレイヤー間でも様々な研究がされていたことが、当時の入賞デッキや各種ブログから読み取ることができます。
    こちらは7月中旬に東京・八王子で開催されたセレモニーの結果です。優勝デッキを見ると、【青白あや】で人気の<マノミン><ゲイヴォルグ><マドカ//ブレイク>を取り入れながら、<コックリサン><エクシア>など、【白単リメンバ】の強みも残そうとしているようです。4位もリメンバですが、こちらは<ビッグフット><タマモゼン>の【白単リメンバ】に近い構成ですね。
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    【リメンバ】の研究は盛んに行われ、やがて【青黒リメンバ】と【白単リメンバ】のハイブリッド構築が開拓。こちらの記事でしみずきさんが紹介していますが、「【青黒】の火力・ハンデスと【白単】の防御力をどう両立するか」がポイントです。
    【青黒】にせよ【白単】にせよ採用するレベル3シグニは、プレイヤーの好みが出ます。リメンバの入賞結果を眺めるだけでも、主流の<リメンバ//メモリア>はさておき、<H2O>、<ZrO2>、<ミュウ//メモリア>、<ウトゥルス//メモリア>など様々です。
    そのラインナップの中に、今回取り上げている<ゲイヴォルグ>もしっかりいます。
    リメンバ・ディナー>のアタック時能力であるシグニダウン凍結と合わせて使うことで、1面をダウン凍結、1面<ゲイヴォルグ>でトラッシュ送りという、とんでもないリソース奪取性能を誇るカードになります。<ウトゥルス//メモリア>などのアタッカーは凍結させ、<エクシア>などはトラッシュに送って次に備えるなど、コントロール性能を底上げする役割を果たします。「1面ダウン凍結、1面トラッシュ」は悪夢のような呪文で、そこにハンデスが加わるとさあ大変。エナも手札もリソースも枯れ果てて、頼みの起動能力はルリグ・シグニのリメンバに封じられるという......。

    入賞の傾向やプレイヤー名を見るに、ハンデス(というより【青白あや】)を好む方が<ゲイヴォルグ>採用構築を頻繁に使っている様子でした。
    カスタマイズ幅の広さもまた【リメンバ】の強みで、<ゲイヴォルグ>もまた、【リメンバ】のひとつの基盤を担うエースシグニとして輝いた、ということでしょう。

    5:ディソナユキと相性が良さそう?
    そんな<ゲイヴォルグ>ですが、2023年にも活躍の兆しがあります。
    DISSONANCE DIVA」で登場する「未開の巫女 ユキ」「コードラビリンス コネクト//ディソナ」です。
    LR 未開の巫女 ユキ
    カード種類:ルリグ
    カードタイプ:イオナ
    色:白
    レベル:3
    グロウコスト:白2
    リミット:6
    【自】:あなたのアタックフェイズ開始時、あなたの場に《ディソナアイコン》のシグニが2体以上ある場合、以下の2つから1つを選ぶ。(1)対戦相手のレベル1のシグニ1体を対象とし、それを手札に戻す。(2)対戦相手のシグニ1体を対象とし、このターン終了時、それをデッキの一番下に置く。
    【出】:あなたのデッキの上からカードを5枚見る。その中からカードを1枚まで手札に加え、残りを好きな順番でデッキの一番下に置く。
    【起】エクシード4:【シグニバリア】1つを得る。
    SR コードラビリンス コネクト//ディソナ
    カード種類:シグニ
    カードタイプ:奏械:迷宮
    色:白
    レベル:3
    パワー:12000
    【自】:各アタックフェイズ開始時、対戦相手のシグニ1体を対象とし、対戦相手が《無》を支払わないかぎり、ターン終了時まで、それは能力を失う。
    【自】:あなたのターン終了時、あなたの場に《未開の巫女 ユキ》がいる場合、対戦相手のシグニ1体を対象とし、それをデッキの一番下に置く。
    【出】:あなたの他の《ディソナアイコン》のシグニ1体を対象とし、次の対戦相手のターン終了時まで、それのパワーを+3000する。
    ゲイヴォルグ>+「コネクト//ディソナ」+「レベル1or2のディソナシグニ」を配置することで、相手のレベル1シグニを「未開の巫女 ユキ」で除去しながら、「シグニで1点、ルリグで1点」を作り出すことができます。
    もちろん「コネクト//ディソナ」2面でも良いのですが、<ゲイヴォルグ>が絡めばドローやルリグによるトラッシュ送りができるので、「コネクト//ディソナ」とは補完し合う関係になるでしょう。
    「未開の巫女 ユキ」自身が【シグニバリア】を1つ得られるため、「黒点の記憶」で【ルリグバリア】【シグニバリア】を更に得ることで追加で3面防御を作り出し、「コネクト//ディソナ」<ゲイヴォルグ>「未開の巫女 ユキ」の3枚で相手のシグニをどんどんデッキ送りやトラッシュ送りにする、超耐久デッキを作ることができそうだな、と考えています。「幻水 イシガメ//ディソナ」という、ディソナ版<マノミン>もいますので、ハンデス基盤を組み込むことも可能です。
    ディソナ単体で組んでももちろん良いですが、「未開の巫女 ユキ」の自動能力はディソナシグニが2枚あれば発動するので、<ゲイヴォルグ>はもちろん、<エクシア><リメンバ//メモリア>など、既存の優秀な白シグニを添えることもできます。

    ディソナ登場後も【リメンバ】は強力なデッキであることには変わりませんから、<ゲイヴォルグ>の出番はまだまだありそうな予感がします。
    4月の「concord diva」では新たな装いのリメンバと、白ルリグとして「マユ」が新たに登場するので、<ゲイヴォルグ>がどんな活躍をするか、引き続き注目していきたいところです。

    6:終わりに
    というわけで<ゲイヴォルグ>の解説でした。
    ゲイヴォルグ>というよりは【リメンバ】を振り返るような内容でしたが、切っても切り離せない関係にありますからね。
    毎ターン1面トラッシュ1面ダウン凍結の恐怖、味わった方は多いでしょう。ディソナユキでも活躍してくれることを期待しています。

    2022年後半のディーヴァセレクションは、まさに【リメンバ】の時代でした。
    コントロール性能やカスタマイズ幅の広さもありましたが、プレイングの難しさや構築の自由度がまた、プレイヤーに練度と実力を求めてくるシビアな時代だったなと、こうして記事を書いて思います。
    私も22年後半は【白単リメンバ】【青黒リメンバ】を中心に練習しました。相手のルリグや対戦相手の練度、バトルの展開などから、「<リメンバ・ディナー>の起動能力で何を手札に加えるか」「ハンデスをどの程度仕掛けるのか、仕掛けないのか」「要求はどうする」「ピースは?」「<リメンバ//メモリア>と<ゲイヴォルグ>のどちらで攻めるの」などの選択肢が、1試合に次々登場する、果てしないコントロールゲームの繰り返しでした。
    非常に難しく、果てしなく、しかし非常に奥深く、だからこそ楽しい。結果こそ残せなくとも充実な日々だった、と書き記しておきます。勝ちたかったなあ......。

    5色環境、ディソナ環境も楽しみです。
    ミコオシ」のビジュアルがドツボofドツボなので、みこみこは組みます。ディソナ版<RANDOM BAD>まで来るとは......。

ウィクロスが強くなるにはどうすればいい?夢限少女杯ランカーに取材してみた!【中編】

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    by からばこ

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    夢限少女杯ランカーに取材してみた!【中編】
    前編はこちら
    「ターン数」を心がけよう!
    からばこ:環境の捉え方の他に、実際のバトルの中で、強いプレイヤーに共通する傾向はありますか。


    しみずき:ディーヴァセレクションに限った話でいうと、自分のゲーム数のターン数を理解して、やることをやり、やらないことをやらない、を正しく選べるか、でしょうか。強いプレイヤーが共通して持つ傾向です。


    からばこ:ターン数、ですか。
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    しみずき:今のお互いのエナの状況、残りのピースやアシストルリグ、サーバントの枚数などを見て、「あと何ターンゲームが続くかな」「要求はあと何点必要だな」という考え方です。「あと何ターンゲームを続けて、何点要求を作らなければいけない。だからこのアシストルリグは今は温存しないといけない。だから使わない」というような判断ができるようになれば、強くなれると思います。その場限りの状況を見て、アシストルリグを使ったりしていませんか?


    からばこ:しているかもしれない......。このターンアシストルリグを使って生き残っても、次のターンに相手のライフが多く残っているから、どう頑張っても勝てないのに、「負けちゃう!」って焦って、アシストルリグに乗っちゃう、みたいな。どうしても「このターン」だけで見てしまうかも。


    しみずき:3ターン目くらいでその逆算が出来る人は強いです。ターン数に加えて、デッキの残り枚数もきっちり見ているプレイヤーもいる。夢限少女杯準優勝のぽっきー選手はその力が強く、だから<ウリス・アフリクト><ウルトラスーパーヒーローズ>などで、リフレッシュに入れるタイミングが絶妙です。
    忘れてほしくないのは、「あと何ターンゲームを続けて、後何点取らないといけない」という先読みの力があっても、デッキに要求できるカードがなければ意味がない、ということです。だからきちんと点要求ができるカードをデッキに入れましょう。これが、「ダメージレースが大切」という話に繋がります。
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    46熊:ダメージレースが先行できたら、その後の展開も自分のペースに持ち込めますもんね。先に相手を攻めると、相手はこちらの攻めに対応しなければいけない。どんなデッキを使っても、その考え方は大切になります。


    しみずき:僕がディーヴァセレクションで強くなったきっかけのバトルがあります。
    相手のシグニアタックで、「相手のシグニ1体をバニッシュする」というライフバーストが発動した時、「アタックを終えて、ダウンしたパワー8000のシグニ」と「ライフクロスへのアタックを控える、アップ状態のパワー3000のシグニ」のどちらをバニッシュするかを選ぶ状況になりました。
    普通ならアタックを控え、1点取られるパワー3000のシグニをバニッシュしますが、僕はそこで踏みとどまって、「ここで8000のシグニをバニッシュしないと、ダメージレースで追いつけないな」と判断し、8000のシグニをバニッシュしたんですね。そのゲームは最終的に相手のライフバーストで負けてしまいましたが、もし3000のシグニをバニッシュしていたら、8000のシグニを処理できず、ライフバースト勝負の土俵にすら立てませんでした。これは自分が1段階強くなったバトルで、そこから「ターン数」を心がけるようになりました。
    ダメージレースの考え方は非常に大切です。その考えを実行に移すために、メインデッキに点を取れるシグニを入れないといけない。「3点取りたいけれど、そのカードが入っていない」のであれば、構築から見直します。とにかく点を取れ、3点取れ、ですね。

    レベル3で一度立ち止まろう!
    からばこ:ターン数を考えるにあたって、実戦で心がけていることはありますか?毎ターン「あとどれくらい」と考えるのは難しいかもしれません。


    しみずき:センタールリグがレベル3にグロウしたタイミングで、一度立ち止まりましょう。お互いの残りライフクロス、残りのアシストルリグ、手札やトラッシュのサーバントの有無を確認し、そこからどうすれば相手のライフクロスを削りきり、最後の1点を入れられるのかを考えます。それが無理なら、どうすれば自分は「追加の1ターン」を得られるのか。この2つを考えた時に、どちらに勝算があるのか。3にグロウして、「どうしようかな」と考えますね。


    46熊:デッキを作った段階で「こう動きたい」という理想があると思いますが、ライフバーストの有無やドローの良し悪しで、その理想と現実にズレがあると思います。「サーバントが引けなくて思ったよりライフクロスが少なくなってしまった」「相手のライフクロスが全く発動せず、結構攻められているぞ」などでしょうか。そのズレも考慮して、レベル3にグロウした段階で、どう攻めていくかを決めていきたいです。
    しみずき:レベル3にグロウして「2回連続で3面要求をすれば勝てる」となったとしても、除去シグニや除去ピースが足りなくて、そもそも「2回連続の3面要求」ができない場合もあります。それは、「デッキ構築を見直しましょう」ということです。


    からばこ:ハンデスはどう考えればよいですか?
    しみずき:ハンデスはルリグアタックによる追加の1点が通りやすくなったり、相手のアタッカーを捨てさせて「追加の1ターン」を得られやすくなるので強力です。ただ、単純なシグニでの攻めより不安定な要素が増えるので、ちょっと難しくなるかもしれませんね。


    後編へ続く(好きなルリグで勝つために、デッキ構築で重要なことって?)

ウィクロスが強くなるにはどうすればいい?夢限少女杯ランカーに取材してみた!【後編】

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    by からばこ

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    夢限少女杯ランカーに取材してみた!【後編】
    中編はこちらから
    好きなルリグを勝たせるには?
    からばこ:環境で結果を残すルリグが強いのは分かりますが、自分が好きなルリグがそうであるとは限りません。僕も【まほまほ】はとても好きですが、なかなか苦労しています。好きなルリグで勝つために、構築やプレイングで心がけることはありますか?
    しみずき:ディーヴァセレクションのセンタールリグは、一部強すぎるルリグもいますが、一定の査定を基準にデザインされている印象です。勝てないのは環境に合っていないからなのかもしれませんが、それ以上に、そのルリグに固執し過ぎているのかもしれません。「そのルリグで勝ちたい!」という気持ちにとらわれすぎて、本当に強いデッキやルリグの動きや戦略を知らないのではないでしょうか。
    勝てるノウハウを知らないでデッキを組むと、デッキとしてのまとまりが悪くなりがちです。好きなルリグを勝たせたいのであれば、既に勝っているデッキの性質や構造を知って、好きなルリグに取り入れるのがいいと思います。


    46熊:何より、まずは好きなルリグの勝利報告を探しましょう。セレモニー優勝とまではいかずとも、少なくともデッキとしてまとまっているものが見つかるかもしれません。「どうせ勝っていないでしょ」と諦めて、探しすらしていないのは違います。


    しみずき:【ダッシュヒラナ】なんて、当時結果が残っていないルリグが花開いた良い例ですよ。防御面数0でここまで強いルリグはなかなかいません。好きなルリグを引っ張っていくために、まずは自分自身の経験値を増やしましょう。


    からばこ:【ダッシュヒラナ】の基盤を花代に転用した【ダッシュ花代】とウィクロスパーティーで当たりました。ルリグデッキは【ダッシュヒラナ】そのままで、メインデッキは宝石系のシグニが中心。<火露炎 花代・参>の起動能力で、リソースとシグニの火力も担保したデッキでした。劣化なんてとんでもない。ヒラナとは違った強みを持った、良いデッキでした。

    強いデッキを使っているのに勝てない......。どうして?
    からばこ:WIXOSSBOXを運営していると「入賞したデッキを回しているのに勝てない」という声をよく聞きますが、どう捉えますか?


    46熊:一番いいのは、そのデッキを作った人に回し方を聞くことでしょう。オールスターの話ですが、僕が使っている【創世マユ】は、結果を残したプレイヤーに色々と聞いて、自分好みに調整していったんです。LBなしのサーバント枠が、<忘得ぬ幻想 ヴァルキリー>でサーチできる<サーバント T2>ではなく<サーバント Q2>になっている理由は、本人に聞かないと分かりませんでしたね。


    しみずき:足りないものが2つあります。1つはそのデッキへの経験値と理解。例えば、なぜ<チョウウン>や<キョウシュウ>ではなく<トキユキ>なのかは、使った本人でないとわかりません。もう1つは、デッキの構築そのものが古い。入賞した時点でそのデッキは過去のものになっているから、そのデッキを使っている時点で遅れています。使用者は「優勝したけれど次はここを変えよう」と思っているかもしれません。今後開催されるセレモニーで、使用者がアップデートしたデッキと、結果を残した過去のデッキが対戦して、後者が勝てるのか?ということです。
    46熊:でも、結果を残したデッキを回すのは強くなる近道です。負けたとしても、どうして負けたかがわかれば、対戦した時にその弱点をつけるし、自分がデッキを組むにあたっても対策になります。


    しみずき:別のゲームの話題になってしまいますが、僕は最近「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のオンライン対戦を始めました。強い人が公開しているレンタルチーム(※)を使うんですが、ポケモンのことを知らずにたくさん負けています。サーフゴーにでんじは(※)撃って「あれ、効かない!?」ってなっちゃうんですよね。強いパーティーを使っても、やってはいけないことをやって負けてしまう。それと同じでしょう。

    (※)レンタルチーム:他のプレイヤーが育てたポケモンたちを借りる機能。借りたチームはオンライン対戦などで使用できるが、自分のポケモンになるわけではない。
    (※)サーフゴーにでんじは:「サーフゴー」というポケモンは、「おうごんのからだ」というとくせい(ポケモンが持つ特殊能力)を持っており、相手からの変化技を受けない。「でんじは」は、相手を「まひ」状態にする変化技なので、サーフゴーに無力化される。サーフゴーのとくせいを知っていればでんじはを使わないが、知らないと撃ってしまう、という話。

    「負けて覚えて」とは言うけれど......。
    からばこ:「負けて覚えて強くなろう」とよく言われますし、私も言います。負けをどう、成長の糧にしていますか?


    しみずき:「サーフゴーにでんじは」で負けるのは、サーフゴーにでんじはが効かないことを知らない、自分の「無知」ゆえです。ウィクロスではその無知に気が付きにくいかもしれません。やってはいけないことを知らずしらずのうちにやって負けている。でも、それを知る機会がないから、また繰り返して負ける。負けて覚えられる環境があるのは恵まれています。


    46熊:サーフゴーにでんじはを打つと、「おうごんのからだで効果がないようだ」と表示されるから気が付けますが、ウィクロスに限らず、カードゲームでは表示すらされませんからね......。強い人に指摘してもらえれば良いですけれど。
    例えば、先攻1ターン目で手札にレベル1が<サーバント#>1枚しかない状況で、その<サーバント#>を場に出すプレイヤーもいます。その<サーバント#>を出さずに持っておけば、受けるダメージを1点減らせるのに、です。
    しみずき:デッキを紹介する記事はあっても、そういう基本のプレイングを発信した記事は少ないですよね。強くなりたい人が、ウィクロスの基本を学ぶ場所が少ない。これは僕たちのような、コンテンツを発信する側の責任でもありますが。


    46熊:強い人が当たり前に、無意識のようにやっていることを、改めて伝えることは大切かもしれません。


    からばこ:ところでお二人は、プレイヤーが発信するウィクロスに関する記事や動画をどれくらい読んで見ていますか?


    しみずき:かなり見ていますよ。セレモニーの結果も遊々亭の記事も、ツイッターで流れてくる記事もしっかり見ています。新しいアイディアやひらめきが見つかることも多いですからね。そのアイディアを自分のメソッドに落とし込めば、もっと強いデッキが組めるだろうという自信もありますから。自信だけあっても、アイディアを思いつかないと意味がないので、しっかり見ています。


    46熊:自分もなるべく読むようにしています。自分が考えていないことを知ることができますし、自分が記事を書く以上、読まれるのはやっぱり嬉しいですし、「このデッキ面白そう」とか言われるとなお嬉しい。探して何か見つかれば得ですし、見つからなくても損ではありませんから。


    からばこ:私も流れてくるものは全部見ていますし、WIXOSSBOXの更新の際は、デッキにしっかり目を通します。そもそもそういう目的でサイトを始めましたからね。

    強くなったら「生きている実感」が味わえる!
    からばこ:「強くなりたい!」と言いはするものの、実際に強くなったら、どんないいことがありますか?
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    46熊:勝つことが全てではないですが、やっぱり勝つと楽しいし、もっと勝ちたいと思うようになりますね。遠征だってしたくなる。
    強くなると強い人と対戦した時に物怖じしなくなるし、強い人との関わりが増えて、友達がどんどん増えます。カードゲームを通して自分はたくさん友達を作りたいし、実際にたくさん友達ができました。


    しみずき:これめっちゃ語りたいんですよ。強くなると、夢限少女杯本戦に出られる。ディーヴァグランプリの決勝トーナメントに出られる。そうなると何が得られるって、ずばり「生きている実感」ですよ。大型大会の重要なバトルの前の、あの意味不明なひりつきを一度味わったら、もう戻ってこられない。エンドルフィン(※)が脳内でドバドバですよ。
    僕はもう、ウィクロスパーティーやウィクロスセレモニーではそれが感じられなくなってしまいました。だんだん耐性がつくんでしょう。ディーヴァグランプリや夢限少女杯になると、やっと出始める。あのひりつきをもう一度味わうために、強くなるし、勝利を目指す。
    カードゲームをやっていて、そのひりつきを味わえないのはもったいない。ぜひ味わってほしい。

    (※)エンドルフィン:脳内から分泌されるホルモンの一種で、分泌されると鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られる。「幸せホルモン」「脳内麻薬」とも呼ばれる。


    からばこ:振り返れば私が一番嬉しかったのって、人生で初めてウィクロスパーティーで優勝した時かもしれません。あの時もらった<アーク・ディストラクト>は、今も大切にしています。またあの喜びを味わいたいなあ......。

    「その先で待っているぜ」「たくさんバトルしましょう!」
    からばこ:たくさんお話を伺わせていただきましたが、改めて最後に、読者の皆様に一言ずつお願いします。


    46熊:強くなりたい人は、たくさん対戦してほしいです。リアルでもリモートでもいいので、たくさん対戦しましょう。
    2022年の5月にウィクロスを始めたプレイヤーがdiscordの「ウィクロス集会所」にいるのですが、ほぼ毎日対戦募集をしていて、どんどん強くなっています。セレモニーでも準優勝しているので、優勝も時間の問題でしょう。やる気に満ちた人は、集会所でも自分のツイッターでもいいので、遊びに来て、どんどん対戦して、一緒に強くなりましょう。


    しみずき:「自分がウィクロスの環境を作るんだ!」という気概を持ってほしいですね。
    ウィクロスは環境の変化が遅いので、既に出た結果が最適解ということはほぼありません。自分が一歩先に行く、という気概が実りやすいカードゲームです。すでにあるものが結果だと思わず、答えを追い求めることが、勝つために大事です。環境の一歩先で、皆様を待っています。


    からばこ:ありがとうございます。私も最後に伝えるとすれば、間違えることを怖がらないでほしい、ということでしょうか。失敗は悪いことではないですし......。きっとお二人もここまで強くなるまでに、たくさん負けてきたのでは?


    46熊:セレモニーで負けた翌日は自分が負けたデッキを使って、「なんで負けたんだろうなあ」ってやってますよ。


    しみずき:ディーヴァグランプリ4thの予選で早々に負けたこと、忘れられないですね......。次は勝つ!


    終わりに
    「ターン数で数える」「強いルリグの性質を理解する」「デッキに要求を盛り込む」「環境の一歩先へ」
    強くなるヒントを多く得られた、充実の2時間でした。取材を終えて記事を書きながら、「早くデッキ組みたい、バトルしたい!」とモチベーションが沸き立っています。強くなるぞ!

    読者の皆様も2人の言葉の中から、強くなるヒントを見つけられたら嬉しいです。
    ウィクロスパーティーやセレモニー、グランプリなど、目指す場所は違うかもしれませんが、一緒に強くなっていきましょう。

    取材に応じてくださったしみずきさん、46熊さん、誠にありがとうございました。
    読者の皆様もここまでお読みいただき、ありがとうございました。本年も遊々亭をよろしくお願いします。

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