今回は制限改訂も発表されたので2017年度後期のネオスタンダード環境について書いていきたいと思います。誰得みたいな内容なのはいつものことですが、今しかない感覚を忘れない備忘録として書き残しておこうかと。
まぁ書かなくてもわかると思いますが、全部個人の主観です。断定口調で書きますし、かなり偏見も入った記事になってます。あしからず。
環境の中心
環境の中心はラブライブサンシャインでした。中心ですし、これは環境トップと言い切っても良いですね。それくらい強力なデッキでした。
このデッキの面白いところは、とても環境トップらしくないところです。多分これまでのどの環境トップよりもトップらしくないのではないのでしょうか。
まず、基本的にカードが弱い。これはめちゃくちゃすごい事です。普通環境トップというのは、平均的に高水準なカードパワーを備えつつ強力なカードが数種類という傾向があります。しかしサンシャインは平均的に弱いカードで構成されていると思います。
単体のカードパワーの話ならば、なんといってもまず<暁>の弱さです。このカードの弱さは誰もが認めるところでしょう。レベル1のシステムというすでに弱いところからスタートして、死にテキストのせいでパワーが低いこと、黄色発生の主な要因になってること、メインアタッカーとして据えられることの多い<千歌>と同じパワーであることなど。まぁ非常に弱いです。
構築にもよりますが、<梨子集中>はまぁ言わずもがなとても弱いですし、<移動>や<エレベーター>だっていつのカードだってのはその通りだと思います。総じてカードプールがまずあまり強くありません。
さらにデッキとしては、山が強くなるわけでも早いわけでもありませんし、ヒールがたくさん出来るわけでもありません。ミラチケセットの早出し条件も、そのせいで構築やプレイが著しく制限されてしまうという欠点があります。
それでもラブライブサンシャインを使う理由を聞かれれば、やはりミラチケセットだと答えざるを得ないでしょう。<ヤギ>との相性もよく、これらがラブライブサンシャインというデッキの強みなのは間違いないです
強い方から書いていくと、ます1番強力なのはミラチケセット2枚を面に揃えての<千歌>135という数字です。0~1がどんなに適当でもまぁストック貯めるのはそれほど難しくはないでしょう。この4ストックから出てくる135という数字。これが極めて驚異的です。
<セット>で120+<比例応援>の135。テキスト一つ一つはそれほど強力に感じないものですが、この圧倒的手軽さと安定感は他のどのタイトルにも存在しません。その唯一性は非常に価値が高く、この135の作りづらさがサンシャインの強さに拍車をかけています。135を上回るラインといえば<リゼ>や<TP凛>などが浮かぶかと思いますが、これらはどちらも規制され全盛期よりも大きく弱体化しているわけです。結果的にミラチケセットは面取りというただ1点において、強力無比な地位を確立できていたというわけです。千歌はただつよカードだと思います。
CIP効果とPIG効果、どちらが優秀でしょう?基本的にTCGにおいて早いことは正義なので、大体の場合CIP効果の方が優秀と言われます。サンシャインの場合も<曜>のバーンがありますからCIPの方が勝るであろうことは先に述べました。タイミング的にはCIP>PIGなわけです。誘発回数を比べると、登場して落ちるまでが1セットと考えればCIP=PIGでしょう。キャラの登場を取り消すシステムは存在しませんから、舞台から控え室以外に送る手段が豊富なこのゲームでは、誘発回数すらCIP>PIGと言えるかもしれません。
2つ目は、ミラチケセットの特徴から来るPIGというタイミングの価値です。ミラチケセットのウィークポイントとして
・レベル2でクロックを叩かねばならない
・面を取ってしまうので上から引いてくるクライマックスを活かしづらい
・システムの不足や面が埋まることによって山の管理がうまくできない
という点が挙げられます。要は上から引く量が多い割に有効に使いづらく、山管理も苦手なプールだったり面構成だったりするってことですね。これを軽減できるのが果南の発動タイミングなわけです。ズバリ、返しに身代わりとして使うことで引くクライマックスの枚数を抑える、ってわけですね。たった1枚ですが、この1枚が非常に大きいと感じました。自然とボトムにクライマックスゾーンが固まる訳ですが、なるべく無駄にクライマックスを消費しないようにつとめるのがここまで効果的なのかって思いましたね。山が遅いからこそ、トップのクライマックスをちゃんとキャンセルに回す努力をするのが大切というわけです。
総じてミラチケセットととても相性の良いヤギ。これがサンシャインの強みのひとつです。
ここまで全然取り上げて来なかったですが、<ミラチケ曜>。これもまぁ当たり前ですけど強いですね。<梨子>との相性は言うまでもありませんが、<千歌>のおまけとして出てくるには強すぎます。ゲームが長引きにくいこともデッキ内での強みのひとつですが、凶悪なのはランダムとはいえ容赦ない打点をしゃべるチャンスがレベル2から毎ターンあることでしょう。そもそも内容で勝ってるゲーム以外にも、ちょっと捲りが強いだけであっという間に打点差が詰まってしまう、場合によってはそのまま勝ちみたいな展開があるのも非常に良くないですね。なんか知らないけど捲ってるだけで勝ってたってゲーム、サンシャインを使ってると少なくないのではないでしょうか。
さて長くなりましたが、これがサンシャインの強さです。環境トップってとこの説明がまだまだ不十分な気もしますが、少なくとも他のデッキ使ってもサンシャインを超えるものは感じられなかったというのが率直なところです。大して強いカード多くないのにたった1組、<曜><千歌>だけに全て滅ぼされるんですよね。何やっても最終的にサンシャインを否定するほどの理由は見つからなかったので、環境トップなんだなという結論に至りました。
最後にこのサンシャインが環境トップである2017年後期の難しさについて書こうと思います。まず非常に(一部のカードだけ)強力なデッキなので、他タイトルを使う際に常に念頭におかねばなりません。ここは多かれ少なかれ、多くのプレイヤーの共通認識だったのではと思います。
環境にサンシャインがいるということ
とりあえず<曜>を退かさないことにははじまらず、<果南>で維持されてはほとんど効果がありませんから、各種早出しメタ特殊相殺の採用はかなり高くなる傾向にあったと思います。プールにあるなら1枚は入れるのが普通で、むしろないプールはそれだけでポイントを落としかねない評価でした。また早出しセットなので、各種早出しメタ助太刀も有効打になりえます。特に必ず複数面早出しする関係でサイド強要させやすいのは、小さくないメリットです。サンシャインだけが理由ではありませんが、<シンフォ>や<SAO>などの思い出送り付与後列早出し軸のデッキが環境に居た理由のひとつとして、曜+果南の存在はあると思います。なにより普通に踏むだけで果南を無効化出来るのは大きいですね。思い出に多く送れば、後半曜のバーン成功率も下がりますし、デッキ内の<千歌>と<曜>の絶対数が減ることにより千歌でアドバンテージを稼ぐのも難しくなります。
考えれば考えるほど身にしみるミラチケセットの強さ
環境の他タイトルにこのような影響を与えていたサンシャインですが、ぼくは考えれば考えるほど、ミラチケセットの強さを再認識することになっていました。
各タイトルが意識せねばならないポイントをあげましたが、大事なのは意識したところでそれでもメタ側が不利ってところです。例えば特殊相殺、曜に強い印象がありますが肝心の千歌とは全く話にならないくらい損な交換になっています。メインにわざわざスロットさいて、理想の使い方と言える曜を処理したところで、1コストとの交換です。千歌は残るわけで、全く等価交換にはならないわけです。メタ拳も同様です。<コ拳>ならともかく<美夏>や<エギル>との交換では全く等価交換になっていません。登場ターンに十分仕事をしたあとのバニラ処理ですからね。コストの方が重いことも多いです。思い出送りだって下準備の割に超えないといけない壁が高すぎます。向こうは簡単にバーンをしゃべってくるので圧縮率も考えると総合的には等価と言えるか怪しいところです。
トップメタが不安定なデッキであることに加え、先程述べたようにメタれない(メタってもメタ側不利)この環境。こうなるとプレイヤーはメタ側に回りづらく、メタゲームが機能しません。メタゲームが機能しないので結果的に、自分の動きが強い、相手を見ないデッキが活躍することになります。これが2017年後期の僕の結論です。
トップが勝手に強い動きを押し付けてきて対策不可。ということで相手と対話するデッキ全般は不利になりがちです。後期に活躍したデッキは実に色々ありましたが、まとめると強い動きを押し付ける系のデッキが多かったと思います。
Rewrite
押し付ける系のデッキの代表格です。ストブ多面連動の1ターンの価値はあらゆるネオスタンダードの中で最高だと思います。序盤から<ストブ連動>多面で一気にストックと山を作ることで、相手と1ターンの価値で勝負するようなデッキです。またストブ連動と組み合わされた<小鳥>は、<千歌>とは違った意味でただつよカードだと思います。早出しヒールの弱い点である控え室が肥えてしまう点は、ストック過剰になりがちで山の強さで大幅なリードを作りやすいストブ連動と相性が良く、ソウル減でゲームが遅くなるのは先の1ターンの価値が高いという側面ともマッチしています。
ちなみに全部<オカケン>入のRewriteの話です。入ってないRewriteは全く別デッキだと思います。
リゼロ
押し付けのイメージは少ないですが、核となる2種の連動が両方とも相手を見ない、相手を選ばず何にでも有効な多面連動という点が活躍できた理由かなと思います。<エミリア>の安定感と<ラム>の決定力に、2017年のスタンダードと言えるようなカードパワーを兼ね備えているので、非常に丸いながらも相手を見ないという点から活躍できたのかなと思います。
STARWARS
2017年といえばやっぱこれ。<1連動>こそリバース要求がありますが、基本的に相手を見ないで殺す系の典型的な押し付けタイプですね。その殺傷力は<マリカ>多面に勝るとも劣らないかなと。ルークの先にチェックかけるのはこっちだからな感が芯の強さを感じさせます。
ただデッキとしてはまだまだ理解が不足していると思っています。そもそも安定して好成績を出せる人が非常に限られているのが難しいところ。プレイスタイルの問題もあるかと思いますが、まだまだ先がありそうな深いデッキです。
松
これも相手見ない多面連動系。レベル3の<宝連動>が詰めでなく耐久寄りなのでインパクトは少なめですが、特に<扉連動>多面連打が強力で、総じて相手を見ない強さがあります。まぁデッキパワー的に正直微妙なところもありますが、ネオスで勝てた要因のひとつにこのような環境とマッチするデッキだったという側面があるのではないかと考えています。
ぷよ
これも今年勝ったデッキで、相手を見ない多面連動デッキ。こちらもカードパワーが怪しいところですが、<1>も<3>も多面連動が強力で、それだけで勝った印象があります。<キキーモラ>は評価高いんですけどね。
SAO
こちらは多面連動とはうって変わって、全然別のところで勝負しているデッキの代表格です。スタンバイで<思い出送り応援>を早出しすることでほかのタイトルにはない面取り性能を搭載したデッキです。絶対的防御札<ホラー>の存在もあり、世間的な評価も著しく高いデッキかと思います。
ここで書いておきたいのは、連動複数面連打という戦略を取らない場合、ここまで異端なデッキではない限りなかなか活躍しにくい環境であったということです。2017年は1レベ多面連動のインフレがさらに加速した年で、もはや多面連動は必須要素になっていたと思います。そのため2016年までの中途半端なデッキは軒並み淘汰され2017年の多面連動が環境を席巻したわけです。その中でこの多面連動に頼らず強みを発揮できたのは、もうひとつの2017年のテーマであった「<スタンバイアイコン>」なわけですね。
シンフォギア
スタンバイ繋がりでもうひとつ。<思い出送り付与応援>は2種類しか存在しなかったのですが、その2種ともスタンバイによる早出しを可能にした2017年。シンフォギアもまた連動とは違ったベクトルで環境にくい込んできたタイトルかと思います。
本当はまだまだ活躍したタイトルはあるんですけど、正直あんまり書くことないのでここまでにしておこうかと思います。サンシャインについてしか書いてないですね()
ちなみにもう既にこの多面連動ないしスタンバイって傾向は崩れ始めています。サンシャインの規制ももちろんそうですが、新勢力バンドリとひなろじ。これらも連動とか思い出送り付与って点では同じですが、2018年のテキストばかりで、また新しい風を吹き込んでいるかと思います。
ではこのへんで!
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