前回の『デッキレシピ』はこちら
目次
- デッキレシピ
- プロローグ/デッキコンセプト
- 各カードについて
- 基本的な動き/環境での立ち位置
- 不採用カードについて
プロローグ
時期としてはエクストラブースター発売から1月ほど経った時なので、1月末あたりですかね。うさぎもいつものように、世間のテンプレートが完成するのを待ってから着手しようとしていました。ただうさぎについてはかなり早く、テンプレートは1月末時点で既にほぼ完成しきっていたので、じゃあ着手しようということで組んだのがこのデッキです。
この時点でのテンプレートの評価は、ひたすら「丸い」というものでした。基盤は非常に安定していて魅力に感じるものの、特筆して強いと思えるカードが<コ拳>くらいしか無く、特別強いと感じることはありませんでした。世間的にはどうやら<チノココ>や<リゼ>などのレベル3に魅力が集まっていたらしく、それを体現したようなテンプレートだと言えます。それらを魅力に感じない僕の評価があまり高くないのも当然ですね。
門扉型の不満
具体的な話をすると、1のメインアタッカーがバニラサイズの<島風>なのが、連動好きには強く感じて連動嫌いには弱く感じるのかなと思います。特にパンプ手段に乏しいデッキなので、メインアタッカーがバニラサイズなのを僕は数字不足に感じてしまいます。
またこちらの方がメインテーマなのですが、レベル2のメインアタッカーが<早出しヒール>なのがとても引っかかりました。<島風>はレベル2を担うには小さすぎるのでリゼを使うことになりますが、この早出しヒールの登場を強制されている点がデッキとして弱いなと感じました。クロックに関係なくキャラを踏むためにヒールを出さなければならないので、登場時に3枚控え室が増えることになります。2レベ前半でヒールを登場することに抵抗がないのならば問題はありません。僕はヒールしているとは言え、まだまだ中盤のレベル2前半で山を厚くするのはどうかと思いました。それでも<TP凛>のように返しが期待できるパワーラインならばまだ面取りという役割を果たせるので強いと思いますが、リゼのパワーラインは環境内で意識されている事もあり触られることが多く、維持には助太刀が必要になることが多々あります。<後列><リゼ><助太刀>と3枚用意するのは容易ではなく、そもそも役割の終わったヒールを維持するために打つ助太刀があまり強くないわけです。TPを使ってた人ならば、助太刀による維持より山を回して出し直した方が強いことはわかるかと思います。またリゼが放置された場合、相手が代わりに狙ってくるのはソウルによるゴリ押しなので、山を弱くするリゼヒール側としては嫌な展開になってしまいます。面取りと山の強さを両方考えてみると、リゼヒールを軸にする門扉はあまり強力には思えなかったわけです。
これに関連した話ですが後列から<全体パンプ>を消すのも、デッキの動きとしてあまり綺麗じゃないなと感じていました。そもそも上位後列の配置自体が難しいこのゲームでは、出来ることなら終盤まで同じ後列を使いたいわけです。その最たる例がキルや物語です。と言ってもこれらは数字とは違う次元で戦うデッキなので、通常のビートダウンでは完全に切るのは難しいでしょう。しかしうさぎの場合は、これを強制されている点が弱いと感じます。必ず配置しなければアタッカーが出せないので、1面後列が出てくる事とそのタイミングを相手に想定されてしまうのが戦略上問題になってきます。
これはプレイの話ですが、<チノココ>に寄りすぎてるためリフレッシュ時の戻りCXが6枚以下になりがちなのもあまり好きではない点です。連動を握りつつリフレッシュしなければならないので、レベル3の連動全般に言えることではありますが、それでも自らドロー能力を持つチノココの連動を握りっぱなしでリフレッシュに入るのは抵抗がありました。
従来の形に対する不満点を挙げていきつつ、一方で強烈な魅力を感じさせる<コ拳>をなんとか使いたいと思ったのが、このデッキを作った経緯です。
デッキコンセプト
というわけでようやくデッキコンセプトです。デッキコンセプトは、<コ拳>を軸としたビートダウン、たったこれだけ。コ拳選抜って呼んでました。
まずは<コ拳>の強さについて。今更語ることでもない気がしますが一応。
<美夏>としての強さは同じなので美夏との相違点に注目すると、自身がノーコス拳である点と、デメリットのお陰でさらに使用コストが減っている点という、圧倒的なコストパフォーマンスが売りです。
自身がノーコス拳なのはその分助太刀としての修正値が下がっているのでどちらも利がありますが、レベルが下がってることもあり少なくとも数字として以外の用途で使う場合は勝ることになります。またデメリットは相手のパンチ数が増えてしまう点で痛いですが、ストックに注目するとお互いに1ストック増えていると考えられます。パンチ数を減らす使い方が出来なくなる分コストが軽くなっているので、より打ちやすくなっていると考えるとデメリットというよりは違ったテキストという認識です。
結果として得られた1コストでやるパフォーマンスとしては、正直破格だと思います。今でこそ自身の登場コストだけで登場させられる早出しキャラが主流になっていますが、基本的には追加で1コスト余分に必要になるのが普通です。2コストのキャラを早出しする場合2~3コストかかる計算で、多くの場合面取り目的で出されるのでこれがどれだけのアドバンテージを稼げるのかというのが一つの指標でした。<美夏>が刷られてからはこれに対して3コストで処理するというバランスが生まれ、早出しのあり方が変わりました。これをレベル1から僅か1コストで処理してしまうコ拳は、もはやバランスを変えるどころの騒ぎては無いわけです。ニセコイでは<みさえ拳>でさえ採用される事があったくらいですから、そのバランスブレイカーっぷりがわかるかと思います。
<美夏>と同じように、早出しメタとしての役割だけでなくリバースよけの役割もあります。僅か1コストなので比較にもならないほど強力です。リバース要求するパワーカードが増えてきているので、デメリットがない分こちらの使い方の方がより強みを発揮できると思います。
冒頭にちょろっと書きましたが、数少ない欠点として助太刀として機能しにくいということが挙げられます。<美夏>は2500拳としての役割がはっきりありましたが、<コ拳>は修正値が低すぎて拳としての役割が持てるかどうかが疑問です。特に<島風>を軸とした場合、ほとんど拳として打つことが難しくなります。また島風でサーチする対象としては早出しセットが優先されるので、結果的にコ拳を握る機会が少なくなるのも相性が悪いと言えます。
長くなりましたが、これらを総合的に加味して<コ拳>を軸にしようと組んだのが今回のレシピになります。いつもコ拳を持っていたいので8扉からスタートです。
『各カード紹介』に続きます。
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