
目次
- デッキレシピ / デッキコンセプト / 採用カードについて
- 各レベル帯の動き
- プレイについて意識すること / 各イベントについての考え方 / 相性の良い相手には安定行動で / 負けパターン / Dサイドメタが回った環境の話
- 不採用カードについて 前編
- 不採用カードについて 後編
- 宝と門の比較
宝軸レシピ
門軸参考レシピ
宝と門の比較
比較と言ってもかなり違うコンセプトなので、差異の比較というより違うデッキ同士の比較になります。なので共通するところを先に書いていきます。
考えてみたのですが、共通するところってこれくらいなんですよね。想像以上に違う所が多いと思います。
門軸では<亜希>を採用しない選択肢が取りづらいのでそもそも比較するものでは無いかもしれませんが、特徴パンプの500よりも、<多生>が4000でアタック出来るメリットの方が、御三家との相性が良く、宝軸の方が強めの認識です。
全然違うのでテキストを読み上げるだけになってしまうのですが、<門連動>は行きの数字が少し高く、確実に手札を増やせる点がメリット。<亜希>で拾えるので再現性が高いのもありますが、最大のメリットはレベル1が青一色になることでしょう。ここまでひっくるめてデザイナーズと思われるので、<3蘭堂>に寄せると自然と8門になると思います。
対して<宝連動>のメリットは、手札を増やさない(手札上限を圧迫しない)連動であることと、手札を入れ替えられること。こう書くとかなり<門連動>に劣るのですが、隠れた最大のメリットは<宝>連動であること。再現性という面で大きな利点があり、結果として門連動と比較できるレベルになっています。
それでもデッキに搭載する連動としては<門連動>の方が強みが多いのですが、ここにDの構築事情を加味するとちょっと変わってきます。ひとつは<海神>との共存です。<門連動>の方が強みのひとつに、多面連動した時の価値があります。<宝連動>3面と<門連動>3面では、<門連動>3面の方が拾いたいカードが触れる機会も多いので価値が高いと思います。<宝連動>の手札入れ替え3回は過剰ですし、<朧>とはいえ連動3枚手札に返ってきても有効に使うのが難しいです。しかし<海神>を並べたいDの事情を加味すると評価が変わります。今回のレシピの採用枚数から分かる通り、連動多面よりも<海神>多面を意識しています。これは<門連動>軸でも似たような意識です。つまり<海神>多面+1連動1枚を意識しているわけです。1面連動の時の価値を比較すると、<門連動>の方が勝るとも言い難いわけです。<門連動>はトップチェックが1回しかないので、最も確率の高いレベル0を捲ってしまった時の回収の幅に不安が残ります。隣に<海神>が居る訳ですから手札にレベル1の後続がいる可能性も低く、次のターンのアタッカー補給に困ることが、実際かなり多いです。それに対して<宝連動>は朧であることから次のアタッカーは1枚は確保出来ていると考えられます。またこの手札入れ替えですが、1回行えるメリットがかなり大きいです。上<海神>や宝が切る候補ですが、これらを複数切りたいことは少なく、2回目以降に比べて1回目の価値が高いわけです。
結果として<海神>2面の隣で1面連動する時に限ると、<宝連動>にも分があると言えます。
また2つ目が、<門連動>のメリットのひとつである<亜希>の存在です。<亜希>で拾える事がメリットですが、そのメリットを活かしてしまうと、思い出が増えてしまいます。これが<海神>の価値を下げる事になるので、結果としてあまり強い動きでは無い事が非常に多くなります。<亜希>は1コストかかるものの思い出を増やすので圧縮そのままで拾えるのがひとつの強み。これが<海神>の強みを圧迫するとなると相対的に評価が下がるわけです。
実際<海神>を圧迫しないように動こうとすると<海神>3面の後に<亜希>を飛ばす必要があり、成功率はもちろんたとえ成功できる時でも、圧殺無しで行うのは指南の業なので、圧迫してしまうのは必至という認識です。
ということでデッキとして見ると<宝連動>にも分があると言える門との比較でした。
3の<宝連動>と<門連動>を比較したとき、返しの数字がかなり違うのでその差が助太刀に出てきます。門軸では返しの数字が高いので、拳で返しつつ追加テキストが生かしやすい、<ルビィ拳>や<思い出拳>が採用されることが多いです。<ルビィ拳>は固定の大きなバーンを打てる<蘭堂>と相性が良く、<思い出拳>もミラーでの<ありや>除去や<連パン>メタとして活躍できます。対して宝軸では助太刀で返るか怪しいので、修正値の高い<35拳>や確実に効果のある<大正浪漫>が採用されやすいです。<35拳>は<蘭堂>との差2000に門の修正値を合わせた3000差を返せるので、この環境では活躍の幅が広かったように思います。
<蘭堂>は記憶を満たすことにより115ヒール+恒常的なバーン+門連動による4点バーンテキストが付き、ここまで来るとかなり強いヒールと言えます。記憶が満たせていない場合は9000ヒール、場合によっては4点バーンすら打てないテキストですが、<海神>の関係で記憶が満たせないことは少なく、4点バーンに関してはほとんど打てると言って良いでしょう。また<2/1>からの擬似チェンジギミックもあり、早い段階からダメージを与えていくことが可能です。反面フルセットで採用するとデッキスロットをかなり食うので、構築の自由度は低くなりがちです。
対比して<宝連動>は9500ヒールに条件付きの不確定バーン連動、最大の長所は<聖剣>早出しが書いてあることですね。<門連動>も早出し出来ますが性質がかなり異なり、早だしヒールで面取りというルートを取りやすいのが宝軸の長所になります。バーンテキストの条件はなかなか厳しく、ちゃんと意識しないと使えない点は<蘭堂>とかなり違うところ。ただノーコストでバーンが飛ぶので山を強くキープしやすいのは<蘭堂>よりも勝っているところです。フルパワー<蘭堂>には総合的なカードパワーで負けています。
比較すると様々な点が違うことが分かるので、あとはどちらを選ぶかだけ。記憶を満たしてフルパワー<蘭堂>を作るか、雑に4点バーンで詰めるか。デッキスロットを意識して早だしヒールで面取りしつつ、記憶を満たしてストック効率よくバーンを乱発するか。自分は後者の方が好みだったということですね。
個人的には6戻り以下が常の8門のデッキをネオスタンダードで使いたいとは思えませんでした。
最終回の次回は、東京地区や全国大会で使った魔改造版レシピの話と、規制後の考察を行っていきます。