今回は短めに。先攻後攻の記事に書こうと思った内容なのですが、趣旨は先攻後攻とは少し違うので別記事で。
なお、このマリガンという単語。WS公式用語ではないので一応。TCGで言うともともとMTG用語ですが、初期手札の引き直しに相当する行動はしばしばマリガンと呼ばれます。
ちなみにこれは人名で、マリガンさんの特別ルールから始まったようです笑
WSにおけるマリガンは、1度だけ任意の枚数控え室に置くことで同じ枚数を引くというシステムです。
慣れてくると何気なく思うマリガンですが、MTGやChaosなどほかのゲームと比べるとその特性はユニークと言えます。
WSにおけるマリガンの特徴の一つが、この控え室に置くというシステムです。よくあるマリガンは山札に戻すことが多いですが、WSでは控え室に置きます。
もしも山札に戻す仕様だったら、初手のCXを容易に山札に戻すことが出来ていましたし、相対的にブックトリガーがもう少し強かったことでしょう。
しかし控え室に置く仕様なので、それを踏まえて構築やプレイを考える必要があります。

マリガンには大きくわけて2種類あり、WSは任意の枚数交換出来るタイプです。
全部交換しないといけないタイプに比べて、より質のいい交換が期待出来ます。
クロックドローも含めて、とても手札交換の機会が多いゲームと言えます。
このように、任意の枚数控え室に置くというマリガンシステムなので、マリガン枚数によって山の枚数が異なる状態からゲームが始まることになります。
特に1周目の山は早く削り切ることが推奨される事から、できる限りマリガン枚数は多くしたいところ。
アタックによりストックを貯めることでより強力なカードをプレイ出来るようになるシステム上、登場コストのないキャラを複数展開するのはどのデッキにおいても大事なことになってきます。
手札が登場コストのかかるキャラばかりでは、展開が著しく遅れてしまうので、マリガンでは登場コストのかからない0や1のキャラを集めるのがセオリーとなります。
デッキによっては、その際に併せて打ちたいクライマックスやイベントなども握ることが多いですね。
システム的な特徴はここまで。以下では、応用的なポイントを。
どれを切ってどれを残すかは、対戦相手の情報を除けば、たかだか初手5枚の組み合わせです。
自分のデッキから5枚引いてきた時にどれを切ってどれを残すのかは、ルールを作って決めてしまうのをオススメします。
この5枚ならこれとこれ、この5枚ならこれとこれとこれ、というように瞬時に決められるようなルールです。
もしもデッキの感触が良くない場合は、マリガンのルール自体を変えるわけです。
なぜルールを決めるのか。時間の節約という面もありますが、マニュアル化することによって改善しやすくする意味が大きいです。
もしもマニュアル化せずにその都度考えて決定していた場合、勝率が大きく上下した際に、何が良かったり悪かったりして勝率に変動があったのかが見えにくくなってしまいます。デッキが悪かったのか、環境が悪かったのか、配置が悪かったのか。
考えられる要素はたくさんありますが、これらの候補の中に「マリガンが悪かった」が入ってくると、さらに原因究明は困難になってしまいます。
マリガンをはじめとしたプレイング面は、比較的固定しやすいファクターなので、ルールを決めてマニュアル化することで、そのマニュアルが良いのか悪いのかで評価出来るようにしておくことをオススメします。
単にルールといっても抽象的なので、いくつか例を添えておきます。














これらはあくまで一例です。なにか判断の指標を作ることが大事だと思います。
マリガンのルールは当然、デッキに依存するわけです。
0を沢山引きたい、1のキャラを揃えたい、連動のセットを揃えたい、経験要員を引きたい
などなど。
扉や門などを採用してる場合は、マリガンで切って拾えるようにしておきたいですね。
デッキを組んだ段階で、こういう動きがしたい!という理想があると思うので、それに合ったマリガンを見つけましょう。
一例ですが、経験タイトルを使う時に、経験用の高レベルキャラをマリガンで残すかどうかはよく話題になります。


特にレベル指定の経験の場合、高レベル帯のカードが多いデッキになりやすいので、マリガンもしっかり効果的に行いたいところです。
僕は最初、高レベルキャラも切るというルールを作り、実戦していました。
マリガンの質が良くなる代わりに、経験を満たせない可能性を負ったルールです。
これでかなり回したところ、特定の色の高レベルカードをマリガンで2枚以上切った場合の勝率が芳しくなかったので、2枚以上抱えた場合は1枚は残すというルールに修正しました。
もっと細かいところまで決めているのですが、ルールを決めると、このような効果が期待出来ます。
マリガンで1枚も切らないことをノーマリと呼んでいるのですが、これのメリットについてお話します。
単に切りたいカードがない場合はノーマリになりますが、『切りたいカードがあっても少し我慢してノーマリにする』場合のメリットです。
ノーマリのメリットは、こちらの情報を相手に一切与えないという点です。主にタイトルやデッキタイプに関する情報を与えないで済むのがノーマリのメリットです。
先攻の場合は、せいぜい後攻のマリガン判断を鈍らせるくらいの効果しか期待できませんが、後攻だと話が変わります。
というのも、対戦相手は先攻1ターン目を、こちらのデッキの情報が一切ない状態でプレイしなければならないからです。
先攻1ターン目にどう動くのかは、対戦相手のデッキタイプに依る場合も多いので、小さくない影響力があると言えるでしょう。
一例としては、艦隊や化物語などの後攻3パンが容易なタイトルを使っている場合、タイトルについての情報を隠すことにより有利な展開になることがあります。
後攻3パンが容易なタイトルはまだまだ少ないため、先攻1ターン目の移動ワンパンは、とても無難な行動と言えます。
4000ワンパンと移動ワンパンの選択だと、通常移動ワンパンの方が無難とされます。


これは移動が相手に3パンを強いるため、相殺やクライマックスなどで踏まれるおそれのある4000よりも生存率が高いとされるからです。
が、先に上げたような後攻3パンしやすいタイトルの場合は、4000よりも移動の方が割りやすい場合が多く、この差で有利がつくことが多いわけです。
もちろんノーマリというのはそれだけ手札の質が低下してしまうので、あまり機会は多くないと思いますが、特に後攻の時はタイトルを隠すメリットが無視出来ない場合も多いので、頭に入れておくといいかもしれません。
最後に、相手のマリガンについて考えてみます。
相手の手札の良さは、マリガン枚数と相関関係があると考えていいでしょう。
沢山切った場合はマリガン後の手札も良くないことが多く、マリガン枚数が少ない場合はマリガン後の手札も良い場合が多いということです。
もちろんマリガン枚数が多いとそれだけ不確定要素が増えるので確率的な話ですが。
3500ワンパンのような手札の質勝負をしかけるかどうかは、マリガン枚数で判断する事が多いです。
先攻5マリからのドローゴーはあまり手札の質が良くないと判断し、後攻でも積極的にパンチすることが多いです。
逆に0マリからのドローゴーは手札が充分良いと判断し、後攻で手札が良くてもドローゴーすることが多いです。
確率的な話なので裏目になってしまうことも多いですが、悩んでしまう場面では相手の手札はどれくらい良いのかなということにも、注意してみるといいかもしれません。