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『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【1】

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    by 攻略コラム

    WS20241202_K_midashi.jpg
    『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【1】
    シャニのタイトルカップを2連覇した記録として、今回はシャニタイトルカップの研究結果を書こうと思います。

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    目次

    プロローグ
    どこから書こうか迷いますが、とりあえず現在流行している8電源シャニの原型と呼べるものを作ったのは多分自分だと思っています。元々対アリスギア用デッキとして組んだのですが、前期の規制で強力なデッキが軒並み規制された影響が大きく、2024後期はこの8電源シャニを中心とした環境になっています。
    ネオスにおける8電源シャニは正直あまり良い選択肢ではないと思っているのですが、今回はタイトルカップのお話です。
    なお、8電源シャニというデッキの基本に関しては、ここでは言及しません。ネオスで使ってるプレイヤーにはこの記事だけでもある程度伝わることを期待していますが、そうでない場合は他の記事を参照してから読んでもらうとより分かりやすいかなと思います。今回はタイトルカップにおける8電源シャニに関して言及したいと思います。

    8電源サンプルレシピ
    クライマックス
    8


    モチベーション
    デッキ記事のデッキコンセプト同様、タイトルカップにおけるその研究のモチベーションは、とても重要な記述です。コンセプトが無ければデッキ考えないですし、モチベーションがなければタイトルカップも出ないんですよね。
    今回のモチベーションは、ビルダーにとっては結構あるあるだと勝手に思ってるんですけど、まぁ一言で言うとプライドですね。
    ひとつのタイトルのひとつのアーキタイプを極めると、そのアーキタイプが流行する訳ですが、ここまで来るのに何度も試行錯誤があるんですよね。何度も失敗して失敗して、最後に結論と言えるような形になった時、それがひとつの集大成なわけです。シャニに関しても同様で、地区でアリスギアを使う裏で沢山試行錯誤してたんですよね。その集大成としてネオスで活躍できるようなデッキが出来たわけです。

    この試行錯誤の部分を結果に反映させること。そのひとつの手段が、タイトルカップの考察なわけです。タイトルカップは同じプールで戦う訳ですから、ビルダーにとってははっきり言って知らないカードは無いんですよ。全て通った道のカードを相手が使ってくる。本気でそのプールに向き合ったビルダーであれば、タイトルカップを勝つことも他のプレイヤーよりも数倍容易なはずです。これはどのデッキビルダーも同じだと思ってます。もちろん実際にタイトルカップに出るか、研究するかは個人の自由ですし、おすすめもしませんが、仮にそのデッキを1から作り上げたビルダーが居た場合、その人が本気で取り組めばタイトルカップを勝つのは比較的容易だと思っています。

    ということでモチベーションは、シャニというプールに真っ向から向き合った証を立てること。という意味でのプライドです。

    ちなみに研究はしましたし研究結果もちゃんと50枚にして地区を迎えたのですが、出場する気は全くありませんでした。ネオスタンダードを勝つつもりでタイカプ以上に本気で取り組んできましたし、ネオス3戦目に行けないグループ1のタイトルカップなんてそもそも出られる訳無いんですよ。

    なんでここに盾2枚あるの......?


    デッキタイプ
    8電源シャニというデッキを通してプールについて完全に理解しているつもりのビルダーが最初に取り組むのは、メタの想定と選択肢の列挙です。間違えてはいけないのが、この時点では8電源はひとつの選択肢に過ぎないこと。ビルダーのアドバンテージはデッキビルドの過程、プールの研究にあり、完成したリストには有りません。そのリストは皆知っていますからね。使うデッキの選択肢はあくまで全てフラットです。

    こういう特定のデッキタイプが流行しているタイトルのメタは想定がとても簡単で、8電源が8割以上を占めることは容易に想像出来ました。これはネオスも同様で、自分で言うのもあれですが、8電源シャニというデッキの完成度が高すぎるのが要因です。研究し尽くされており使用者も多いので知見も多くあり、ネオスでも大流行している要因の一つです。1度こうなると、まず同じタイトルの別のデッキタイプの研究がとても進みづらくなります。シャニの他のデッキタイプを研究しようにも、よほど気に入ったデッキコンセプトが他にない限り、8電源が下火になってからで良いかとなります。これはタイトル抽選というシステムの弊害で、同じタイトルに完成度の高いアーキタイプがひとつ存在すると、他のデッキタイプの研究は一気に進みづらくなるんですよね。ビルダーとしてはそれが正解なのですが、その状況を作り出してしまってるせいで研究が進まないアーキタイプも少なくないのが現状です。思い出されるのは去年ですね。<アレキサンダー>やチョイスの<チェンソーマン>の研究が鈍かったのも、これが大きな要因にあると思います。
    このように8電源がイニシアチブを取ってしまっているメタから、選択肢一覧を作っていきます。こういうひとつ強いデッキタイプがある場合はかなり分かりやすく、このトップメタと、それをメタるデッキの2極化でまとめられます。なぜならこれ以外のデッキは存在理由が無いからなんですよね。トップメタをメタらないデッキは存在出来ないので、メタる方法別にデッキタイプをあげていきます。


    メタの考え方
    次はトップメタのメタについて考えます。トップメタの強みを正確に認識し、それに刺さるような動きを考える訳ですが、ここでビルドの経験が生きます。ビルドの際に上手くいかなかった事、苦労したこと、苦手対面などについて考えれば、自ずとトップメタをメタる方法は列挙出来ていきます。

    まずプール内で実現不可能なメタ要素としては
    • 移動メタ
    • 光景>や<魔石>を絡めたワンショット
    これらが挙げられます。ネオスだと前者は<グリザイア><ホロライブ><アリスギア><ブルアカ>、後者は<ありふれ><ホロライブ><富士見><フリーレン>など。あまり言語化されていない気もしますが、これらはデッキの構造上明確な弱点です。ですが今回はタイトル内で実現不可能なので考慮の必要がありません。
    逆にこの後のメタ要素は、どれもプール内で実現可能なもの。むしろこれだけメタの選択肢があるプールってとても優秀なプールだなと思いました。
    • アンコール封じ
    • トップメタが行きに触るのが困難な盤面の形成
    • CX連動による山圧縮
    これらはどれもプール内で実現する方法があり、それぞれの観点で試していきました。

    アンコール封じ
    1番オーソドックスなメタり方。2/2アンコールを電源で出すのが強みの8電源に対して、そのアンコールを封じるという方法。アンコール前提でデッキが組まれていることもあり、このメタは当たり前ながら強力です。
    プール内の話をすると、アンコールメタの種類は少なく、基本的には全体500の領域移動付与でメタっていくことになります。ただこのカード自体強めのカードなので、デッキパワーを落とさずに搭載しやすいところはとても高評価で、8電源含めてあらゆるアーキタイプに搭載の可能性があります。1枚採用するだけでもゲームに大きく影響を与えることができるカードなので、どのデッキタイプにも実現可能なメタり方です。
    トップメタが行きに触るのが困難な盤面の形成
    これはネオスでも意識されているメタ要素で、特に強力なレベ1時点での<2/2真乃>+<灯織>の11000というパワーライン、及び<2/2愛依>+<灯織>または11000+<>+<灯織>のパワーライン13500に対して、これ以上の数字を作ればそもそも行きに触ることすら困難だよねというメタ要素。ネオスタンダードだと<二乃>を筆頭にこれらの高いパワーラインには悩まされることになりますが、タイトルカップでも実現可能なので検討の余地があります。
    前列としての筆頭候補は<早出しヒールの夏葉>。クライマックスを打つことで単体13000となり、後列のパンプも含めると14000オーバーを達成できます。これは8電源にとって本当に触りづらいパワーラインなので、これをメインに据える価値があります。
    ネオスタンダードだと意識しやすい11000を超える11500のパワーラインですが、タイトルカップでこのパワーラインを意識するのはプールの都合で困難になっています。これを意識できるのは<2/2真乃>+比例応援+エリアのパターンくらいだったので、宝電源以外のデッキではあまり意識出来ないでしょう。
    後列としての筆頭候補は、<記憶の円香応援>。11000達が軒並み14000になるので、ゲーム中ずっと触られないラインがレベ2で簡単に作れる点が強力です。このパターンも電源系統のデッキになることが多いのですが、前期の時点からずっと懸念ではある、同タイトル内の強力なメタ要素になっています。
    こういったパワーライン系のメタ要素を搭載したデッキは、<夏葉>を軸にする場合は宝や門、<真乃>や<円香>を軸にした場合は電源系のデッキになるので、ここら辺のアーキタイプが候補になってきます。面取りと相性の良い扉やチョイスは、このプランだと助太刀を握るのではなく助太刀を打つ必要が無いパワーラインを作るデッキなので、あまり相性はよくありません。
    CX連動による山圧縮
    8電源シャニの強みは面形成系の8電源デッキと同じく、早い段階でのリソース量にあります。反面中盤以降の1ターンあたりの稼ぐリソース量は少なく、アドバンテージを大量に稼ぐ系統の連動を主軸にしたデッキは、構造上のメタデッキになり得ます。 カードパワーの観点で、候補になるのは以下の3種 宝連動>はリバース要求こそありますが高確率で手札が2枚増える連動で、1の宝連動ということありゲーム中のリソース量の観点で軸に据える価値があります。8電源シャニの面はリバースを許してしまうことが多いので、タイトルカップではより強力に使用することができます。
    咲耶>は返しの数字こそ控えめなものの、確実に圧縮率を向上する連動で、連打できればかなり強力な連動です。ネオスタンダードでは返し7500という数字の低さが気になりますが、タイトルカップでは後列込み8000というパワーが、<1連動真乃>に触られない数字なので、ほとんど気になりません。2/2を助太刀で返す動きこそできませんが、そのぶん行きの数字が大きかったり、シフトのおかげで多面連動が狙いやすかったりと、メリットも多いです。総じてこのタイトルカップでは優秀な連動だと思います。
    鈴木>は連動としてはリバース時2ドロー1ディスという、決して優秀とは言えない連動ですが、リバース要求が通りやすいことと手札のクライマックスを切れること、そして何より2レベまでのキャラを上から一方で踏めるパワーが魅力です。8電源側のアドバンテージはせいぜい1連動によるストブくらいなので、こちらが難なく面を踏みながらリソースを稼ぎつつ手札を整えていけると、自然と有利になっていく構造です。<鈴木>を使用した形はデッキとしてまとめるのが少し難しく、上で何をするかを確立できると、強力なデッキになれると思います。
    このように様々なメタを考えると、タイトルカップでのアーキタイプの選択肢がかなり限られてきます。
    候補として試したのは以下のよう。
    • 8門
    • 門電源
    • 宝チョイス
    • 宝電源
    • 記憶型8電源
    これらvs8電源のマッチを一通り行い、感触を確かめていきました。

    8門
    レベル1
    10
    クライマックス
    8


    1連動2連動でアドバンテージを重視した形。8門というクライマックスを打ちやすい構成にしつつ、面を常に踏み続けて山を作っていくタイプのデッキ。青いカードを多く採用しやすくシフトによる連動集めも容易で、かなり安定感のあるデッキでした。
    課題は2つ。ひとつはストックが上手く積みにくかったことで、門を早めにトリガーした時にそのストックを浄化するのが大変で、手札や盤面は綺麗でしたがストックという点では少し不安がありました。
    そしてもうひとつは、8電源側の<めぐる>の詰めが強すぎて、結局ゲームに勝つのはそこそこ大変だったことです。山を作れるので平パンを止めるのは得意ですが、めぐるの1点バーンで刻まれるのが辛く、ヒール量が確保しづらいデッキなので押し込まれてしまうことが多かったです。こちらの<めぐる>は素出し想定なのでコスパは悪く、想定よりも有利にならなかったのが結論です。
    ちなみに2の門連動の数字に関して、115+門+エリア2面の135という値は、記憶型の140に触れない数字。記憶型もメタのひとつとして考えていたので、この数字に届かせる手段として、このデッキでは<ちびノクチル>を採用しています。

    門電源
    クライマックス
    8
    4枚


    8門の詰めで勝てない所を電源で補った形。<1連動>は使えなくなってしまいますが、代わりに電源での<門連動>、<電源連動>早出しが狙えるようになっています。8門と違い最終的に<電源連動>を走る形なので手札の作り方も分かりやすくなりました。
    この形は序盤強い8電源に対して捲るタイミングを、より遅いタイミングにずらしているので、8門よりも序盤は弱い動きになります。また後半も8門ならではの門連打がかなりやりにくくなっているので、<追加の門を用意するカード>も採用しています。道中トリガーする電源も有効に働かないことが多く、デッキとしてはまだまだ発展途上に思います。
    ただタイトルカップでの構成の強みは8門よりも発揮しやすく、より良いゲームができるタイプにはなりました。<電源連動>で詰める所も再現性高く強い山で行えるので、8電源と良い勝負が出来るようになりました。8電源よりも強く電源を使えるのが魅力で、<電源ふゆこ>3面並べて電源で<円香応援>を出す動きは相当強いです。

    2の門連動の数字に関して、115+門+エリアで130が記憶型に届かない話はこの構築でも引き続き悩んだポイントです。ここで素晴らしいカードを発見したので採用しているのが、<思い出足立>です。死にテキストだと思ってたシフト1000パンプのおかげで記憶型も触れるようになっています。

    宝チョイス
    レベル2
    4
    クライマックス
    8


    宝のアプローチは宝チョイスから。強力な<宝連動>でリソースを稼ぎつつ、上は強力な連動である<旧弾チョイス連動>で詰めつつ、高い盤面を構成するコンセプトです。1の緑のアタッカーはどれも優秀なので8電源の盤面も踏み続けることが可能になっており、互角に渡り合える条件が揃っています。
    課題と言えるほどの欠点では無いのですが、あくまで互角に渡り合えるだけで、8電源側のキャンセルやトリガーによっては、メタるこちら側の方が大変で、先に3に上げられるような展開だと決めきれず苦しい展開もありました。これは8電源の基盤が強いから起こることで、アンコールを封じても継続的に後列に次のアタッカーを用意し続けられると、宝を打ち続ける必要がある宝チョイス側が少し苦しいという展開も少なくなかったということです。

    宝電源
    レベル3
    7
    クライマックス
    8


    宝チョイスの道中の難しさを、電源のカードパワーで補った形。宝連動はクライマックスをトリガーしやすいので、宝連動を打ちながら電源をトリガーして<真乃>を着地させるというコンセプトになっています。
    宝のアドバンテージと<真乃>のツインドライブを両立することにより8電源よりも有利にゲームを進めることが可能になっていて、上の<電源連動>もヒールとしてのスペックは悪くないので、デッキとしての完成度は高いかなと思います。また電源を1枚チョイスに変えた、4宝3電源1チョイスというデッキタイプもあり、こちらも強力です。
    宝チョイスから難しくなってしまったのは、<真乃>の経験周り。1レベの時点でレベル置き場に3レベが要求されるので、レベル置き場入れ替えを入れる必要があります。いくつか選択肢がありますが、いずれの場合もそもそも構築上レベ3の枚数をあまり多く取れないという点がネックになっています。レベ3のメインカラーが緑だと宝と色が合うのでちょうど良いのですが、緑の3を多く採用するのは難しく、色の課題はかなり難しかったです。

    記憶型8電源
    クライマックス
    8


    記憶型はなかなか入賞数が少なく、構想自体はそれほど難しくないものの、デッキとしてまとめるのがかなり難しいアーキタイプです。現在でも形は確立してないと考えていますが、この記憶型もメタとして存在するので、考える必要があります。
    試して見たのはこんな感じのレシピ。細部は調整の必要がありますが、14000を押し付ける再現性はそこそこ高くなっています。実際に普通の8電源と対戦すると、構想通り14000は帰ってくることが多かったので、やはり記憶型も候補になりそうです。

    ということでこれらの選択肢を一通り試してみて、いよいよどれを使用するかの選択になります。
    『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトルカップ考察 【2】に続きます。

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