両手に銃を握りしめる彼女。
ただ一人、孤独に立ち尽くすのみであった。
最愛の相棒<チェイン・B&B>との別れ。
「私は戻れないけれど、貴方には未来がある。私のことは忘れて、新しい道を歩んで・・・」
繭の部屋に送り出した相棒のことを、遊月は忘れられずに居た。
「私には銃しかない。彼女の遺志を引き継ぎ、いつかまた、この"弾丸"で世界を貫いてみせる!」
再び銃を手にした彼女。
しかし相棒を失った代償は大きく、思うように力を発揮できない。
だが、遊月は気付いた。
「1枚だけで彼女の穴を埋めることは出来ない。でも、でも・・・7枚の力を合わせれば、きっと。」
そして彼女は復活の鍵を握る「7賢者」を探す旅に出るのであった。
開幕2エナチャージ。轢断銃声の始まりを告げる者。
1.発端
どうも、ねへほもんです。長々と前書きを連ねてしまい失礼しました。
という訳で、今回の記事のテーマは「2遊月」です。
<ビカムユー>の登場で、多くのデッキの可能性が広がりましたが、その中で最もインパクトのあるデッキは何か?と考えました。
既存の構築に<ビカムユー>を入れるにとどまらず、新規のカードと組み合わせてデッキの実力を大幅に昇華させたい。
「2遊月の復活」
筆者が生み出し、同名アーツの複数採用禁止によって封印されたかに思われた必殺デッキを再び蘇らせる。
復帰第1号のデッキとして、これ以上の選択肢はないでしょう。
2.実戦録(竜星のあらし 非公認大型大会)
筆者は先日、九州へ旅行に行っていました。純粋な観光目的で、ウィクロスをする予定はなかったのですが、フォロワーの方から、
「土曜日に非公認大会があるのですが、いかがですか?」
というお誘いをいただきました。
未踏の地に筆者の十八番を持ち込み、あわよくば結果を残して復活を大々的にアピールする。
そんな展開になればいいなと思いつつ、復活の舞台を福岡県に選びました。
予選
1回戦 グズ子 〇
以前は<ダウト・クリューソス>が採用されており、1回の銃撃に耐えられる印象でしたが、最近は採用率が低下しています。
戦っていると、赤いカードが見え、<燐廻転生>+<Lv4グズ子>の『ダイレクト』の詰め手段を組み込んだ型だと推測されました。
防御が薄いのならと好機と見て、いつも通り相手がLv3のターンに仕掛けました。
<銃声>を2回余裕を持って撃てるだけの十分なリソースを持って詰めの<銃声>を撃ち込み、予想通りカットインはなくそのまま勝利しました。
2回戦 リル 〇
こちらのライフは3。手札にサーバントを抱えており、確定で耐えきれるため返しに詰めに行けば良いと楽観視していると、思わぬ1枚が飛んできました。
3面要求+ルリグガード制限で詰め切られる危機に陥りましたが、<炎得火失>で1面バニッシュしてかろうじて耐えます。
<遊月キー>でマルチエナを焼かれたことも含め、<断罪>3発から<銃声>まで撃ち込めるか怪しいリソース状況でしたが、何とか回し切って<銃声>まで到達しました。
攻撃に寄せた相手の構築に<流転>等のカットインはなく、無事そのまま勝利しました。
ライフ6の維持に相手は相当アーツを消費していたため、<銃声>まで到達しない場合には3面空けからアタックフェイズに入って勝利するプランを考えていました。
序盤に無理矢理ライフを維持された場合には、銃声を諦めてシグニアタックで詰めるのも1つの勝ち筋です。
3回戦 エルドラ 〇
<トオン>には劣るものの、<デメニギス>・<穿孔>の回復、<TAP>のハンデスといったLBも強力です。
あらゆる強力LBを操る天敵に、勝利することはできるのでしょうか?
実戦の経過は以下の通りです。
後攻1T
<アルマイル>を含む2体でアタックし、ルリグアタック込みで3点通します。
しかし、<デメニギス>LBが発動して5点に回復されました。
後攻2T
相手が1面しか埋められなかったため、<アルマイル>込みの3面要求でアタックに入りました。
相手は<アンチ・アビリティ>で<アルマイル>を打ち消して1点分を防ぐも、2点通って残りは3点に。
先攻3T
相手は<クリティカル・ショット>を使用し、何かを埋めてきました。
おそらく"あいつ"でしょう。
後攻3T
非常に悩みました。
<トオン>(予想)を埋められた以上、詰め切ることはできませんが、<トオン>だけは確実に割る必要があります。
<大火の轢断>で2枚割れれば効率が良かったのですが、あいにく手元にはありません。
とはいえまだドローアーツは温存しておきたいところ。
かといってアタックフェイズのダメージで割るという手段では、相手の防御アーツに阻まれる可能性が高いです。
熟慮の末、奇策の勝負手を放ちました。
実戦では予定通り、<トオン>が捲れ、そのままターンを返しました。
後攻4T
先攻4Tに大きな動きはなく、勝利の好機が巡ってきました。
Lv5にグロウされると、グロウ時の大量ドロー等でリソースを揃えられ、<DYNAMITE>連打からLBで回復される可能性があります。
自分のライフが3点で、<グレホザメ>を絡めた連パンによる詰めの存在も考慮すると、ここで決めるしかないと判断しました。
相手ライフは3点と少な目でしたが、こちらは<銃声>1発目で既に5エナを消費しています。
厳しい特攻でしたが、大量ドローで手札を呼び込み、まずは<大火>、続いて<断罪>と2発の轢断を叩き込みます。
後は1発銃撃して詰め切れる・・・はずでした・・・
ラス盾<穿孔>
<大火>のタイミングでLBが発動すれば、ライフが2点となり、もう1発<大火>を使うだけでライフを0にできましたが、ラス盾で捲れたことにより、1点削る→<銃声>で詰めと2回に分けてダメージを与える必要が生じました。
リソース不足が懸念されましたが、最後は<炎得>のギャンブル4ドローで<ユニークスペル>を引き込み、10エナ貯めて<銃声>を2発撃ち込んでギリギリ勝利できました。
<大火>→3エナ
<断罪>→3エナ
<銃声>×3→15エナ
計 21エナ
よくもまぁ、こんなに貯め込んだなぁという印象です。
<三令五申>で回収した<ユニーク>&<銃声>がそのまま勝利に繋がったため、新カードの威力を感じられました。
決勝T
1回戦 あーや 〇
相手がLv3にグロウしたターンが分かれ目でした。
<クリショ>を警戒し、こちらは<ダハーカ>を温存し、ライフ3点以上を維持していましたが、結果的には使われずに済みました。
素で盾に埋まっているのかと警戒しつつ、返しに<大火の轢断>で割りましたが、<トオン>は捲れず、<大火の轢断>×2→<銃声>×2の定番パターンで勝利しました。
単純に<トオン>を引かれていなかっただけのようです。
もし引かれていた場合でも、ライフ3点あれば相手のLv4の攻撃を耐えきれるため、<トオン>だけ割って相手がLv4にグロウした返しに勝利するという、先ほどのエルドラ戦と同様の戦い方で勝てたかと思います。
準決勝 ドーナ 〇
Lv4へグロウされると<ネコマター>が面倒なため、Lv3に決めることが必須です。
決勝 エルドラ 〇
こちらの動きは知られましたが、代わりに相手のアーツ情報(<ドエス>、<アビリティ>、<クリショ>、<ハンチャン>)も把握しています。
また、<穿孔>で回復手段を増やされている代わりに、<トオン>が1枚しか入っていないことも把握しています。
手にした情報を最大限に活かし、効率的にライフを削り、詰めまで持ち込めるかが勝負を分けました。
後攻2Tまで進め、<アルマイル>等で相手のライフを3点まで削り(相手は<アビリティ>使用)、順調な滑り出しでした。
先攻3Tに<クリショ>で<トオン>(らしきカード)を埋められるところまで予選通りでしたが、ここで情報アドを活かした動きに出ます。
後攻3T
<大火>で2枚盾を割れると効率的なのは相変わらずですが、またまた運悪く引けていませんでした。
一方相手の盤面は<ヒナニギス>、<カンブリ>、<TAP>の3体が並んでいました。
相手の防御アーツは<ドエス>のみ。ライフ的に1面しか止められないことに着目し、アタックで<トオン>を割るプランに決めました。
<龍炎の昇拳>で<ヒナニギス>をバニッシュ&<カンブリ>前に<十四年式>を立てて2面要求
作戦は功を奏し、エナの消費なく<トオン>を割ることに成功しました。
相手のライフは僅か3点。優勝の足音が聞こえてきました。
先攻4T
トップ操作無しで放たれた<DYNAMITE>が、戦況を一変させました。
<DYNAMITE>で割られた1枚は・・・?
そこで捲られた1枚は・・・?
ライフに埋まった<デメニギス>の回復が決まれば計2点回復です。
ライフ4点+トップ<デメニギス>という安全圏まで回復され、焦りが生まれました。
<グレホザメ>の1ドローで引かれたのか、更に<ミミック>が登場し、デッキトップを操作されました。
おそらくデッキトップにLBが置かれ、<デメニギス>LBの回復は確定的になったことでしょう。
勝利の足音が遠ざかるのを感じ、再び気を引き締め直しました。
後攻4T
相手の残りライフは5点、追加の回復LBや<TAP>の存在を考慮すると、リソースを十分貯めた状態で詰めに行きたいと考えていました。
落ち着いて全体を見渡すと、<DYNAMITE>の使用で相手の青エナは0枚でした。
ターンを渡してもグロウされない。こちらは<ダハーカ>出しを控え、ライフ3点を維持している。
熟慮の結果、詰めを諦め、そのままターンを渡すこととしました。
先攻5T
相手のトップドローは<ミミック>で置かれた2枚で、おそらく不要なカードのはず。
予想は的中し、特に動かれることなくそのままアタックフェイズに入りました。
結局相手も殴らず、そのままターンが返ってきました。
後攻5T
最終決戦と割り切り、ラストターンに臨みました。
開幕に<大火の轢断>。
<デメニギス>LBが発動し、捲れたのは・・・
というのは嘘で、<ミミック>で仕込んだ3枚目であるため、LB持ちであることは想像が付いていました。
相手のライフは3点ですが、相手の盤面の<グレホザメ>を見て、あるプランを立てていました。
再び<大火>を叩き込み、相手ライフは1点に。
1エナチャ等での無害なLBが発動すると共に、<グレホザメ>の強制ドローが発動します。
残り1点。予選のように、ラス盾が回復LBだった場合には、リソース不足でこちらの負けが決まります。
こちらが優勢なだけに、余計なリスクは負いたくありませんでした。
相手のデッキは2枚。
予選で唯一使っていないアーツを使い、相手の意表を突きました。
最後に<銃声>を打ち込み、安全勝ちを決めました。
エルドラのLB発動のランダム性に苦しめられながらも、全勝優勝を決められ、2遊月の完全復活を証明できました。
後編では構築及び回し方の解説をしますので、こちらもどうぞご覧くださいませ(^^)/