ねへほもんです。
仕事の都合等で長くお休みを頂いておりましたが、やっと落ち着きました。
今後はプレイヤー一辺倒というよりは、イベント運営や観戦記執筆等、幅広く活動していきたいと考えています。
さて、今回は最近発売したカードゲーマーで面白そうなカードがありましたので、ご紹介したいと思います。
1.夢の加速グロウ
話題の1枚のため、ご存知の方も多いでしょうが・・・こちらです!《ビカム・ユー》
LC ビカム・ユー |
カード種類:アーツ
コスト:無0 色:無 使用タイミング:メインフェイズ 限定条件:なし |
以下の2つから1つを選ぶ。
(1)あなたのルリグが対戦相手のルリグのレベル以下の場合、あなたのルリグはグロウする。ターン終了時まで、あなたの場にあるすべてのキーは能力を失う。(グロウコストは支払う) (2)あなたのトラッシュからあなたのルリグと同じ色のシグニ1枚を手札に加え、カードを1枚引く。 |
速攻や<タマ伍改>等、先後差の小さいデッキを好んで使っていた自分にとっては朗報でした。
「このアーツは〇〇デッキへのメタアーツです」と言ってメタアーツが採用されることがありますが、その意味ではビカムユーは「後攻へのメタアーツ」と言えます。
デッキ分布がバラけがちなウィクロスにおいて、特定デッキへのメタアーツは空振りに終わることが多いですが、後攻は50%の確率で発生する事象であり、対策アーツの活躍頻度が高く腐りづらいのは利点ですね。
グロウフェイズがスキップされてもグロウされる点に着目し、雪月華遊月から突然火鳥風月にグロウし、1点クラッシュ→銃声で仕留める等、
2.相性の良いデッキとは?
まずは、どういうデッキに入りそうかを検討してみましょう。色々と考えるべき視点はありますが、「加速グロウが効果的か?」「ルリグデッキに余裕があるか?」という2つの視点が重要となります。
◆加速グロウが効果的か?
加速グロウはあらゆるデッキにとって嬉しいのは当然ですが、ルリグデッキを1枠使う以上、それに見合う対価を得る必要があります。
Lv3→4へのグロウが戦力の上昇値が最も高いのが一般的ですから、「早くLv4へグロウしたいデッキ」に入れるというのが基本的な使い方と言えるでしょう。
グロウしたターンにいきなり詰めに行く燐廻グズ子、ハンデスで相手のLv4グロウ時の戦力を奪いつつルリグ効果で鉄壁の防御体制を作れるピルルクやミルルン、<フレイン>連打でリソースを奪って制圧できるリワトが代表例です。
Lv4への先乗りが確定することで、Lv4へグロウしたターンにゲームの主導権を握れるデッキにとってはゲームプランが安定すると言えます。
◆ルリグデッキに余裕があるか?
当然ながら、ルリグデッキに余裕が無いと採用できません。
では具体的に、ルリグデッキに余裕があるデッキとは何でしょう?
- アーツ等に割ける枠自体が多いデッキ、すなわち止めデッキ
- 攻撃に戦力を全振りしており、防御アーツが不要なデッキ
- ルリグの防御性能が高く、防御手段を1枚分削っても影響が小さいデッキ
Lv4への先乗りが有効なデッキにとって、今までの一番の脅威は「相手Lv4、自分Lv3の状況で先にゲームを掌握されること」でした。相手の先4を凌ぐために一定の防御手段が必要だったのが、ビカムユーによる先乗りで代替できるようになったと考えると、防御手段を削ることへの抵抗感が薄れるかと思います。
「攻撃は最大の防御」的な発想ですね。
また詰めの精度を上げるという意味でもビカムユーは有用です。
例えば燐廻グズ子では、<翠子>の『カタルシス』・<ピルルク>の『テンタクル』・<ドーナキー>等、ルリグの防御能力による妨害が厄介でしたが、Lv4への先乗りを確定させることでそれらへの対策が不要になるため、詰めの精度を上げる他のアーツを削減することも可能です。
ルリグデッキの空きという視点では、止めデッキも候補に挙がります。
止めデッキの中でも、<雪月華遊月>、3止めアイヤイといった加速グロウが有効なデッキが存在します。
3.相手のビカム・ユー対策
ビカムユーでLv4先乗りが確定!!!となれば話は早いのですが、カードゲームには当然ながら対戦相手が居ます。
相手もビカムユーを使えますし、ビカムユーを採用しないにしても、存在を意識した対策を取られます。
そこで、対戦ゲームならではの注意点をいくつか挙げて、この記事を締めることとします。
◆ビカムユー合戦
両者がビカムユーを採用していた場合、どのような進行になるのでしょうか。
後攻が先に使用し、Lv4へ先乗り
ここでポイントになるのが、「ビカムユーをいつ使うか?」です。
後攻1ターン目で使い、さっさとLv2に上がることで、早く盤面を強化したいというのが当然の心理ですが、相手もビカムユーを採用している場合にはミスプレイングとなります。
先攻2ターン目でお返しに使われるとLv3への先乗りを許してしまうからです。
後攻3ターン目に使うのが合理的で、相手のビカムユーに影響されることなくLv4への先乗りを確定できます。
とはいえ、予選で対戦した等で事前に把握している場合を除くと、相手がビカムユーを採用しているかは分かりません。
「相手のアーツが分からない状態で、ビカムユーをどのタイミングで使うか?」
この問いに絶対の正解はありませんが、そういう読み合い要素こそがカードゲームの醍醐味と言えます。
先攻が使用し、Lv5へ先乗り
5ルリグを採用しているデッキにとってはLv4だけでなく、Lv5へのグロウを早めることも重要です。
基本的に加速グロウ要素が腐りがちな先攻ではありますが、「自分が5ルリグを採用している」かつ「相手がビカムユーを採用している」場合にはLv5への加速グロウをするという役割が加わります。
この点において、5ルリグを採用しているデッキはLv4で止まるデッキと比してビカムユーの採用価値が高いといえます。
但し、5ルリグ採用デッキはアーツ枠が少ないという欠点も存在します。
「Lv5への加速グロウという利点と、アーツ枠が少ないという欠点のバランスをどう取るか?」
これまた難問ではありますが、上で説明した「ルリグの防御性能が高く、防御手段を1枚分削っても影響が小さいデッキ」として、例えばメルでの採用が考えられます。
◆相手のビカムユーへの意識
一部のデッキでは、相手のビカムユーを意識した動きが必要となるデッキが存在します。
オサキループ・燐廻グズ子の先攻時
普通に進めていると、後攻3ターン目にビカムユーを使用されてLv4へ先乗りされるおそれがあります。
そのため、相手のビカムユーを警戒するのであれば、「先攻3ターン目のグロウをスキップし、Lv2でステイする」というやり方があります。
相手は後攻3ターン目にLv3へグロウするでしょうから、先攻4ターン目にグロウフェイズで3に上がり、ビカムユーでLv4へグロウすることで4への先乗りが確定します。
普通に進めればアーツ無しで4ターン目にグロウできる流れのため、ビカムユーを無駄打ちする形となりますが、Lv4への先乗りで得られる圧倒的メリットを考えると、背に腹は代えられません。
雪月華遊月・3止めアイヤイ
先攻3ターン目にビカムユーを使用され、Lv4へグロウされてしまいます。
また、3止め側が先攻の場合、今までは先攻3ターン目(自分Lv3、相手Lv2)と先攻4ターン目(自分Lv3、相手Lv3)の2ターンにわたり、優位な状況で攻めることができましたが、相手に後攻3ターン目にビカムユーを使用されるとLv4へグロウされ、先攻4ターン目における相手の盤面が強固になります。
一見3止め強化に見えるビカムユーの登場ですが、「3止め相手にLv4グロウ前という危険地帯から早く抜け出す」という手段に用いることもできます。
これらの3止めデッキの環境の立ち位置は、ビカムユーの採用率に左右されると言っても過言ではないでしょう。
◆グロウコストの確保
考察において注意が必要なのが、「机上の空論にならないか?」です。
ビカムユーによる加速グロウにおいて、実戦的に障害となりうるのが、「グロウコスト」です。
Lv4への早乗りにおいては、
- エナフェイズの回数が1回少ない
- 相手のアタックフェイズが1回少なく、ダメージによるエナ増加が少ない
- ドローフェイズが1回少なく、エナチャ手段やキーパーツを引ける確率が下がる
そのため、Lv4早乗り重視のデッキと当たった際には、「ノーパン」が有効な対抗策となり得ます。
逆に早乗り側としては、少ないリソースで動きだせるよう、オサキループでグロウコスト不要な<四型金娘 翠子>を採用するといった工夫が必要となります。
3止めでも同様で、後攻2ターン目までにLv3へのグロウコスト(Lv2で1エナ、Lv3で2エナの計3エナ)を用意する必要があります。
いかがでしょうか?
「加速グロウ」という新しい概念がもたらされたことで、ゲームプランの立て方に大きな影響を与えそうですね!
「相手がビカムユーを採用しているか?」という読み合いの要素もあり、よりゲームの面白味が増すことでしょう。
新弾発売までに、《ビカム・ユー》や他の新弾カードを採用したデッキをご紹介していきますよー!
改めてよろしくお願いします<(_ _)>