
店舗大会「ウィクロスパーティー」の内容や流れなどについて紹介する記事です。2019年に書いた「ウィクロスの世界にレッツゴー!」、2021年に書いた「ウィクロスパーティーに出よう!」の、2024年最新版になります。コロナ禍で色々あったので、時勢に合わせて都度記事をリライトしています。いわゆる<UPDATE>です。
ウィクロス10周年やアーツの登場、ブルーアーカイブコラボなどもあって、ウィクロスは今、非常に盛り上がっています。新しく始めた方や復帰された方も多いようで、そういった方の中には「ウィクロスパーティーってどんな雰囲気なんだろう」「怖くないかな」と、不安になっている方も多いでしょう。
というわけで今回は、店舗大会「ウィクロスパーティー」の流れや内容、マナーや楽しみ方を徹底的に紹介します。これさえあれば、スムーズにウィクロスパーティーを楽しめること間違いなしです!
おことわり
今回紹介する内容はあくまで「一例」で、筆者の経験に則ったものが多くあります。ウィクロスパーティーの流れはもちろん、カードの宣言やシャッフル、時間の使い方に対する考え方などは、店舗様やプレイヤー間によって様々です。「自分のところでは違う」「そうはならない」と引っかかる内容もあるかもしれませんが、ご理解とご容赦の程、どうぞよろしくお願いします。あくまで「一例」です。
実際の場では、参加者とのコミュニケーションや店舗様におけるルールやマナーに即して、バトルや交流をお楽しみいただければ幸いです。
あくまで、一例を初心者に紹介した記事であり、例外が多数あることを念頭にお読みください。
「大会」ではないよ
多くの方が「大会」「店舗大会」と言っているウィクロスパーティーですが、厳密には「大会」ではありません。公式ホームページを見ると「カジュアルバトルを楽しみたい方だけではなく、バトルの腕を磨きたい方も楽しめるイベント」「ファン同士の対戦・交流を目的としたカジュアル店舗イベント」とあります。賞品が出たり、勝敗や優勝者は決まりますが、あくまで「交流会」「店舗イベント」という位置づけです。
なので、「めちゃつよプレイヤーにコテンパンにされるのでは?」「プレイを間違えて厳しく指摘されるのでは?」と不安になる必要はありません。
私も7〜8年近くウィクロスパーティーに出ていますが、毎回楽しい時間を過ごしています。はじめましてのお店で参加しても、皆様温かく迎えてくださりますし、初心者や初めての方ほど、「ようこそ!」と熱烈歓迎される印象です。怯えずに安心してお店に行きましょう。
とはいえ、強いプレイヤーはいらっしゃいますし、全敗してしょんぼりすることもあります。勝ち負けを決めるゲームですし、そこは仕方なし。最初はあまり気にせずいきましょう。
実際に何をするの?
「大会ではない」と書きましたが、ウィクロスパーティーはカードショップで行われる「店舗大会」です。この記事でも「大会」という表現を使います。もっと正確に言えば「参加者とウィクロスの対戦を行うイベント」です。多くの場合、全勝者が1人になるまで対戦を繰り返し、優勝者は特別なカードパック(コングラチュレーションパック)をゲットできます。参加賞や、優勝者と同じ賞品が手に入る抽選会もあります。
大会への参加人数や地域差にもよりますが、1度のウィクロスパーティーで、おおよそ2〜4試合が行われます。楽しいバトルあり、真剣勝負ありのウィクロスパーティーの社交場。全国のカードショップで、おおよそ1週間に1回や2週間に1回の頻度で行われているので、初めての大会参加にはうってつけです。
開催日程やフォーマットは、ウィクロス公式ホームページや、各店舗のSNS、SPS(セレクターポイントシステム)などから確認できます。特にフォーマットについては間違いやすいので要注意。自分が好きなフォーマットに参加しましょう。
同じディーヴァセレクションでも、日によっては「特定のセンタールリグしか使えない」「構築済みデッキのみの限定戦」などの、特別ルールで行われる場合があります。「せっかくお店に行っても出られなかった!」という事態がないように気を付けましょう。私もよくやります。
準備と開催までの流れ
必要な持ち物は「デッキ一式、参加費、ボールペン」です。「プレイマット」もあれば理想ですが、構築済みデッキ同梱の紙プレイマットでもOKです。以前「ウィクロスの世界にレッツゴー!(前編)」で書きましたので、それも参考にしてください。店舗にもよりますが、おおよそ15分前〜開催時間ごろから参加受付が始まります。
レジや大会受付カウンターなどで、大会参加の旨を伝えましょう。分からなければそれっぽい人の真似をするなり、お店の人に聞けばOKです。
ウィクロスセレモニーなど大規模大会になると、事前の受付が必要になる場合がほとんど。店舗のSNSや、大会支援サイト「トナメル」などを確認しましょう。今回は割愛します。
多くの場合は受付の際に参加費を払います。200〜500円や「1パック購入」などが多いです。現金のみの受付も多いので、電子マネー派は要注意。
支払い後、勝敗を記録するスコアシートにハンドルネーム(自分の名前)を記載します。皆様のハンドルネーム、私で言う「からばこ」を書きましょう。ハンドルネームは対戦相手を決める際にアナウンスされます。
大会進行の店員さんが1回戦の組み合わせを決定します。ハンドルネームを呼びながらスコアシートを座席に置いたり、店舗内のディスプレイで発表したりと形式は様々です。
正面に座った方が1回戦の対戦相手です。「よろしくお願いします」とあいさつをし、対戦の準備を始めましょう。
ゲームの準備とシャッフル
ウィクロスパーティーでは1試合あたりの制限時間が設けられているので、全ての席で同時に試合を始めます。準備ができたら「オープン!」ではありませんので、ライフクロスの設置まで終わったら、対戦開始のアナウンスを待ちましょう。お店によっては、準備ができたら始める場合もあります。対戦の準備といってもシンプルです。
- レベル0のルリグを並べる
- 先攻・後攻を決定し、デッキをシャッフルする
- 手札を交換する(マリガン)
- ライフクロスを並べる
デッキを取り出したら、先攻後攻の決定や手札交換の前に、レベル0のルリグを1人、あるいは3人、同時に裏向きで並べましょう。レベル0ルリグを裏向きに置きながら「センタールリグ1人、ルリグデッキ10枚です」「センタールリグ3枚、ピース合わせてルリグデッキ12枚です」などと対戦相手に申告するシーンをよく見ます。
また、「リミットアッパー」やブルーアーカイブの「絆トークン」、「闘争派」で使う「コインカード」など、ゲームで使うカードは、ルリグデッキなどと分けて置いておきましょう。
「これはトークンです」と裏向きにして、相手に伝えておくとグッド。ルリグデッキやメインデッキとスリーブを別にして、区別するようにできると混ざらずによいです。
どちらが先攻・後攻か忘れないように要注意。マーカーを置いたり、「後攻ならルリグを横向きにする」などすれば大丈夫です。
先攻後攻が決まったら、メインデッキをシャッフルします。トランプでやっているようなアレで、デッキの並び順が無作為になるようにしましょう。自分のデッキのシャッフルが終わったら、相手にもシャッフルしてもらいます。
相手のデッキをシャッフルする際は、自分のデッキのシャッフルよりも数倍気を付けましょう。
スリーブに入っているとはいえ、雑に扱うとカードが折れたり傷ついたりします。中には高額・貴重なカードもありますし、そうでなくとも、相手の持ち物を大切に扱うのは当たり前です。丁寧に扱いましょう。
私は相手のデッキをシャッフルする際は、1つのデッキを3つのかたまりに分けて、順番を変えて重ね直す程度にとどめています。その辺りは人それぞれあると思いますので割愛します。
コロナ禍中の対戦の名残で、相手のデッキに触れられない、相手に触れてほしくない場合もあります。
その場合、相手にデッキを3〜4つの山に分けてもらい、こちらが相手に並べる順番を指定してシャッフルをします。その辺りは前回の記事に書いていますのでご参考ください。
シャッフルの方法について、店舗から詳細な方法が指定されればそれに従いましょう。
何であれ、対戦相手とコミュニケーションを取りながら進めたいですね。
デッキに戻したらもう一度シャッフルして、5枚になるようにドローします。
デッキケースなど対戦で使わないアイテムは、机の下のカバンにしまっておきましょう。
対戦開始の合図まで待ちましょう。
対戦中のあれやこれや
それではバトルスタートです。「ドロー、チャージ、グロウ、メイン」と、対戦を進めていきましょう。ここではウィクロスパーティーに初めて出る方や、日が浅い方が知っておきたいことを紹介します。
紹介するのはあくまで私の経験です。実際のバトルでは、対戦相手とコミュニケーションを取りながら、お互いにスムーズに進めていきましょう。
また、対戦相手のエナゾーンやトラッシュ、ルリグトラッシュのカードを確認したい場合は、その旨を伝えましょう。渡されたり、相手がトラッシュのカードを広げたりします。
何であれ、対戦相手のカードを扱う際は丁寧に扱いましょう。
対象を選択する際も、カードに爪を立てたりしないように。スリーブで保護されているとはいえ、爪の形に凹みます。爪は槍です。
カードを使う時も、例えば「<ミャオ>を場に出します。出現時で<オサコ>を払って【ランサー】です」「<Vキューム>の起動能力。エナから電機の<APEXメモリア>を払って、手札の<UPDATE>を使います。対象は<Vキューム>自身」など、どのカードのどの能力を使うか、支払いは何かなどを、はっきり声に出して伝えます。支払うエナや使うカードは、相手がわかるように見せるとグッドです。
アタックフェイズに移行する際も、宣言が大切になります。
ウィクロスでは相手のアタックフェイズ中に、アーツを使ったりアシストルリグにグロウする場合が多いです。ですので、アタックフェイズに入ってすぐにシグニアタックをするのではなく、「アタックフェイズに入ります。こちらは何もないです。何か(グロウやアーツの使用)ありますか?」と伝えると、コミュニケーションがスムーズに進みます。
メインフェイズでも<END OF THE TURN>のような、【スペルカットイン】を持つピースが飛んでくる場合もあります。スペル使用の際も「何かありますか?」と聞きましょう。
以前は飛沫防止のアクリルパネルが両者の間にあったり、マスクをつけた方がほとんどでしたが、今はアクリルパネルもほとんど見なくなりました。とはいえマスクをつける方もいますし、カードショップは賑やかなことも多いので、普段の声量では伝わらない場合も多いです。
「腹の底から叫べ!押忍!」とまではいわずとも、しっかり、はっきり伝えるのがマナーです。言葉や声色、口調などはその時々で変わるかとは思いますが、「はっきり伝える」を心掛けましょう。
聞こえなかった場合や聞き取りづらい場合は、「もう一度お願いします」ときちんと聞き返しましょう。
それもコミュニケーションの一つですし、別に相手を責めるわけではありません。「言った言わない」のままゲームが進んでもやもや......、が一番虚しいです。
カードゲームは、目の前の対戦相手とコミュニケーションを重ねて遊ぶツールです。
アクリルパネルが取り払われ、思う存分対戦ができるようになりました。この日をどれほど待ちわびたことか。コミュニケーションを取れる喜びをかみしめながら、楽しんでいきましょう。
(声を使うので結構喉が渇きます。ペットボトルのお水やのど飴があると便利です)
ですので、プレーや思考に過度に時間をかけるのはよろしくありません。
とはいえ、慣れていないと時間がかかるのは仕方ないもの。対戦前に「始めたばかりで慣れていないので、時間がかかるかもしれません」と伝えておけば、ピリピリするようなことは減ると思います。
自分の使うカードの能力は事前に把握しておく、<ドロー・エンハンス>などアーツを使うタイミングは想定しておくなど、プレイを早めるコツはいくつかあります。バトルを重ねていくうちに慣れていくので大丈夫ですし、「急がなきゃ!」と焦ると逆効果です。少しずつ慣れていきましょう。 もちろんこれは大会の色合いによって変わります。
ウィクロスセレモニーやディーヴァグランプリといった競技性の濃い大会であれば、時間制限やプレイの速度についての意識は一層厳しくなります。意図的な遅いプレーは「遅延」とみなされ、大会規定でゲームロス(強制敗北)や失格になる場合もあります。バトルで決着がつかないと、対戦相手の決勝トーナメント進出の可否など、大会成績にも大きな影響を与えます。
ですので、これらの競技性の濃い大会に出る場合は、制限時間にはいつも以上に気を遣ってください。フロアルールでも「参加者は、告知された時間内にゲームを終わらせられるペースを守る義務があります」と記載されています。
ただ、どうしてもしっかり考えたい局面はあります。その場合は対戦相手に「考えます」と伝え、頭をフル回転させましょう。
重要なシーンで、素早く、正確な判断ができるのも、ウィクロスの実力の一つ。私はいつまでもできません。
カードゲームにおいて「時間」はとてもナーバスで難しい問題です。
大会規定やフロアルールに従うのは当然としても、ルールやマナー、モラルや通年、地域性など様々な要素が複雑に絡み合っている、デリケートな部分です。他タイトルでも定期的に議論になりますよね。
パーティーやセレモニーに参加する場合は、頭に入れておきましょう。
逆に、相手のプレイが早すぎて何が何だかの場合は、「もうちょっとゆっくりお願いします」と伝えましょう。
バトルが終わったら
試合終了後はスコアシートに対戦結果を書き、受付や店員さんなど、所定の場所に提出しましょう。書き方や提出先は店舗によって異なるので、対戦相手や周りの人に聞いてください。他の対戦が終わっていなければ、自分の席で待つことがほとんど。対戦相手と「感想戦」のように試合を振り返ったり、ウィクロスのことを話したりすることが多いです。時間があれば2戦目をしてもいいです。相手の方との空気感でやりましょう。
全ての対戦が終わったら、次の組み合わせが発表されます。移動前に「ありがとうございました」と伝え、次のテーブルに向かいましょう。
所定の回数を繰り返すと優勝者が決まり、参加賞や景品の配布、抽選会などが終わったら終了です。
デッキはうまく使えましたか?バトルは楽しめましたか?それではまた来週!
色々書いたけれど
あれやこれやと偉そうに書きましたが、要するに「対戦相手とコミュニケーションを重ねて、楽しくウィクロスしましょう」に尽きます。カードゲームは対戦相手とのコミュニケーションのうえに成り立つ遊びです。それゆえの難しさや、すれ違いも時にはありますが、そこに楽しさや奥深さ、魅力もたくさんあるのは間違いありません。対面ではもちろん、discordでの対戦や、それ以外の交流の場などでも言えることです。
ですので、カードゲーム初心者であることや、慣れていないことを恥ずかしがらず、相手に伝えてみましょう。「ようこそ!」と温かく迎え入れ、優しく対戦してくれるはずです。
ぜひ、ウィクロスパーティーでお会いしましょう。いつか出会える日を楽しみにしております。
おまけ〜カジュアルな対戦機会いろいろ
ウィクロスパーティー以外にも、カジュアルに楽しめるイベントがあります。簡単ですがいくつか紹介。全国で行われているので、お近くの白窓に参加してみましょう。イベントの雰囲気は主催団体のSNSを見るのが一番です。公式のページはこちら。
勝ち負けに限らず同じ景品がもらえるので、リラックスして対戦に臨めます。同時開催中のイベントを楽しめるのもグッド。
こちらも勝ち負けが関わらない交流会。はじめましての方も多いので、雰囲気を知るのにピッタリです。
今年は5月、7月に開催。7月のスケジュールはこちらからどうぞ。秋〜冬にもやってほしいなあ。
どれも「行けば楽しい」イベントでしょうから、まずは足を運んでみましょう。私もよくいます。