【2ページ目】攻略コラム:2019年7月 | WIXOSS|ウィクロス | トレカ通販・買取ならカードショップ -遊々亭-

【2ページ目】攻略コラム:2019年7月 | WIXOSS|ウィクロス

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攻略コラム:2019年7月 アーカイブ

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WIXOSS TAG team GX 振り返り【前半】

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    by 攻略コラム

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    WIXOSS TAG team GX 振り返り【前半】
    はじめに
    疲れました。しみずきです。
    以前に紹介させていただいた個人主催の大会、"WIXOSS TAG team GX"。
    俗称"しみずき杯"が無事(とは言えない気がするゾ...)に終了しました!!

    大会運営、舐めてました......めっっっっちゃ疲れました。


    31チーム(62人)での開催と、大盛況でした。
    先ずはご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

    たくさんのお土産/差し入れも頂きました。
    貰えると思っていなかったのでシンプルにめっちゃ嬉しかったです。

    グダグダな運営になってしまい申し訳ありませんでした。
    色々トラブルも在りましたが、良い勉強になりました。
    次回は反省を活かしてより快適、より楽しめる大会にしていきますので宜しくお願いします。

    途中で止まったマクロ君のことは許してません。

    さて、運営のお手伝いに来て貰っていた"てらたか"氏より
    1. 最終ROUNDのカバレージ
    2. ルリグ分布から見るメタゲーム・ブレイクダウン(環境考察)
    の2つを頂きましたので、そのまま掲載します。
    (いやぁ、楽だぁ。。。)
    お時間ありましたら是非、読んでいってください。

    最終ROUNDカバレージ タローンvsなわとび
    いつもなら、試合風景の前には導入を書いている。
    ライターの自分はカバレージで、ただの試合の内容だけではなく、その背景や感情の全てを含めたその時の臨場感を味わってほしいからだ。
    しかし、今回。サブトーナメントの仕切りや他卓のジャッジを直前まで担当していたため、自分がカバレージ卓へ向かう頃には既に試合準備が始まっていた。
    そこに座っているのは中部と北陸のプレイヤー。関東以外でカバレージが書かれる大会はほとんどなく、急に「カバレージだ!」となったら両者の面白い反応が見られそう、という少しの悪戯心はあるが。
    反応を見るタイミングを逃した後で言っても詮無きことだ。両選手の軽い紹介のみ記載して、試合へと移ろう。

    先手側で流行一直線ルリグの華代を駆るタローン選手は、中部地方の大会でよく目にするプレイヤーだ。
    特に2017年辺りから活躍機会が多く、更に爾改、2止めママなどの軽量級のデッキを手に取っている印象が強い。今回キーセレクションでも2止め華代が登場し、得意なデッキタイプを携えての参戦ということになるだろう。
    後手側、今大会キーセレクション枠としてはオンリーワンであるカーニバルと共に戦うのは、なわとび選手。
    北陸地方の選手ではあるが、最近は中部の大会でよく名前を見かける遠征系のプレイヤーである。
    特徴的なのは、ほとんどの大会でカーニバルを使用していること。オールスターの大会ではアンリミテッドで強化されたカーニバルで何度も優勝を重ね、キーセレクションの大会でもカーニバルで愛知のWIXOSS CUPを制している。今回の使用ルリグももちろんカーニバルで、あろうことかチーム名で自分が5カーニバルを使うと宣言する大胆不敵さだ。
    チーム内勝利数が最も多いのは、現在なわとび選手のチーム。しかしたった1勝差のところに唯一彼に黒星を付けたチームが迫っており、ラストバトルも一切気が抜けない状況だ。タローン選手のチームも、ここで2勝できるかできないかで順位が大きく変わる位置にいる。
    試合準備を終え、ゆっくりと試合を開始した彼らの様子を見ていこう。

    まず先手を取ったタローン選手は、エナチャージ後に<狂想の滅炎>を破棄してコインを獲得する。
    単純なバニッシュスペルとしては少々心許ないカードだが、<APEX KEY>から発射する弾丸としては非常に有用なカードであり、彼のルリグデッキの1つが透けて見えた形だ。
    続けて得たコインを使用し、すぐに<ララ・ルー"ウイリー">をアンロックし、しっかり3枚のリソースを獲得すると、シグニは1面だけ立ててターンを終えた。
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    基本的に先手1t目に1面しか場に立てないというプレイは有効に働きにくいが、<ビカム・ユー>などを警戒するならまた話は別だ。特に華代のような早いデッキが多い環境を想定すると、こういったプレイがいつか勝敗に関わることはある。
    回ってきた後手1t目。なわとび選手もカーニバルをLv1へとグロウしたが、早速なんだか様子がおかしい。
    彼がコインを得るために手札から切ったカードは、<ファイトラ>という今までカーニバルで見たこともないカードだ。
    魔杖>? しかしキーにコインを回さないならカーニバルの強みは大分薄くなってしまう。ではこちらも<APEX KEY>で<滅炎>を採用している?
    筆者が考えているうちに、盤面は動く。なわとび選手は<一途の巫女 ユキ>でライフに眠ったカードを丁寧に確認した後、バニラシグニを2枚サーチしてそのまま立て、アタックフェイズへと入った。
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    タローン選手は<"ウイリー">ですぐ片方を焼き、ルリグパンチは通してライフは5対7となる。
    2弾に分けて登場した5色の使い捨てキーのサイクルの中でも、<"ウイリー">と<鍵ノ型>は他より優秀な性能を持つ。リソースの獲得と面要求の2つを同時に行える<"ウイリー">は2止めデッキにぴったりだ。
    そして、この早期の段階で、華代が続く3点目を取れないわけがない。タローン選手はLv2にグロウし、予想通りに<APEX KEY>と<爛漫>をルリグデッキから公開し、軽快に残り1面をバニッシュし、3面要求でアタックに入った。
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    サーバントの宣言は『2』。なわとび選手はこの3点を防御なしで通す。原子シグニの一撃目......めくれた<カコウトン>が、タローン選手の攻撃をひとつ飛ばす!
    ルリグパンチにはサーバント。なわとび選手はタローン選手の目論見よりライフを1個多く残して自ターンへと移った。
    ただ、後手2t目の動きは芳しくない。手札に持っておくガードとの兼ね合いもあってか彼は下級のサーバント1枚しか場に出せるシグニがいない。そことルリグアタックは通るものの、次ターンも3面要求されることはほとんど確定的となってしまった。
    タローン選手は<Pab>で山札を掘り、<Mdia>をサーバントの前に立ててもちろん3面要求を行う。<爛漫>の宣言は再度の"2"。
    このアタックは<セレクト・ハッピー5>で1点だけ止まり、これでライフはお互い3対3になった。
    切られたサーバントのレベルは"3"だが、これが読み合いのミスなのか、それともなわとび選手が手札に複数レベル帯のサーバントを抱えているのかは、本人以外の誰にも分からない。
    しかし、カーニバルは<爛漫>によるガード不可が、華代は純粋なサーバント量の少なさが。どちらにも不安要素が生まれるこのライフ量は、お互い明確に"敗北"が見えてくる数字だ。
    逆に言えば、このライフ差は相手の敗北が――自分の"勝利"が見えてくる数字でもある。
    なわとび選手は、華代に対する勝利の道筋を作るべく、とうとうこの後手3t目から練り上げたプランの全貌を披露し始めた。
    Lv3にグロウすると、次ターンに貼ればエナコストが0になる<応諾の鍵主 ウムル>をなんとこのターンに展開し、場には追加のシグニを何も立てずにアタックに入った。
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    ここの攻撃はサーバントでガードするタローン選手。前ターンの場を維持していればいい彼は特別に大きく動くことなく攻撃を開始しようとするが。
    「エクシード2」「エクシード1」
    なわとび選手は、下敷きの3枚を、あまり間も空けずに防御に使用した。
    爛漫>で"2"が宣言されたルリグアタックも問題なく防がれ、先ほどとは一転、3面要求を確定化させたカーニバルのターンだ。
    なわとび選手はカーニバルを<†Q†>へとグロウさせる。
    面を全て開けてしまったから出現時も使えず、既にキーを展開してしまったからジョーカーという強みもないが、特に彼がそれを嘆く様子はなかった。
    ただし、<ミミック>を場に出して山札にカードを戻すタイミングでだけ、少し首を傾げた。結局<ミミック><シバイ>サーバントの面でアタックに入ると、<APEX KEY>と<滅炎>が<ミミック><シバイ>を飛ばし、ライフに1点だけの損傷が加わってタローン選手のターンとなる。
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    なわとび選手のライフは未だ3。
    そう。タローン選手が全てのターンで3面要求をしているテンポの速い試合に見えて、なわとび選手はしっかりライフを3枚残しているのだ。
    それは、タローン選手が<大成の爆火>で全面要求をしても、<ハッピー5>でサーバントを回収だけしてしまえば生存が確定することを指す。
    そして同時に――全ての攻撃をライフで受けることにより、LBで防御できる確率を最大値にできるチャンスが、もう一回訪れたことをも指した。
    彼のライフの2枚目から<ファイトラ>がめくれ、これでタローン選手は二度目の不完全燃焼なターンを終えることとなる。
    上手いこと攻撃が進まず、頭を抱えるタローン選手。それを尻目になわとび選手はLv5へグロウすると、<†MAIS†>の出現時効果で<On>を......<On>、を......。プレイヤーどちらも<オクタニトロ>の正式名称が分からず、笑いながら<On>を<ZERO>化指定した。
    その後、3枚しかない残り山札の枚数と相手の盤面をしっかり確認したなわとび選手の手札から、2種目となる『想定外』のカードが飛び出す。
    キーセレクション唯一の手札増強用ドロースペル、<焚発する知識>だ。
    エナにある<ファイトラ>全てをコストに巻き込み、なわとび選手は残りの山札を全て引ききる。
    ファイトラ>は赤コスト用? そんな考え自体が間違いだったらしい。これは単体で機能する強力なアタッカーであり、火力になるLBだった。
    そして華代が生み出すガード制限の問題を、彼のデッキは『ドローを促進し、リフレッシュして、レベルの低いサーバントを再び山札へ送り返す』ことで解決してみせた。
    手札が潤沢になるならば、Lv4のシグニを潤沢に並べられるカーニバルはキーセレクション随一のデッキパワーを誇る。
    一旦<ブルータス>でトラッシュを肥やしつつ、華代が除去しにくいレベル4シグニが3面並ぶ。<マーリン><シバイ><カコウトン>の3大ダメージソースがタローン選手へと襲い掛かった。
    タローン選手もこれには渋い顔を見せる。華代はそもそも高パワーラインに押し勝ちにくい。相手ルリグがLv4になるだけでもそこそこに失速はあるのに、今はLv4が3面だ。
    残る防御が僅かしかない彼は、<ハッピー5>で1面だけを止め、0になるまでライフで攻撃を受ける。
    ......そして、ラストターンに、なわとび選手のゲームプランの最終地点を味わうことになった。
    クラフトされた<落華流粋>、見えていない最後のルリグデッキ、そしてカーニバルがLv5になり山札がリフレッシュしたことで再びエクシードが機能することになった<応諾ウムル>。
    LB防御による節約も含めて大量に残ってしまった防御アーツを見て、「このターンで決めるしかない」とタローン選手がルリグデッキに手を掛ける。
    手をかけて、<時雨の調 ゆきめ>を張ろうとするが、そこに待ったが掛かる。
    戦場には<†MAIS†>。そして、タローン選手のエナに白エナが賄えるカードは、なんとサーバントのみ。
    †MAIS†>のマルチエナ削除効果が、タローン選手の攻めの一手を完璧に潰していた。
    「鯖エナにめっちゃがめちゃったよ......」
    タローン選手がそう呟きはする。
    が、そもそもの話だ。Lv3でエクシードを吐き切るタイミングでは、<APEX KEY>アンロック状態。そして<ゆきめキー>がアンロックできた唯一のターンは、既にカーニバル側の盤面が空いており、そこで<応諾ウムル>の効果を消しても全然旨みはない。つまり、全然アンロックをしたい場面ではない。
    なわとび選手のゲームプランは、つまり、そういうことなのだ。
    華代の動き方として強い<ゆきめキー>による詰め手段を、Lv3でエクシードを吐くことで透かし、唯一出せるターンの効力を弱め、そしてLv5にグロウしてしまった時点で一生封じられる形を作ることで、効力を半分以下に落とす。
    そうやって、本来であれば相手の防御機構を崩しながら戦えるはずの<ゆきめキー>型華代を相手に、十全な防御力を発揮しきる。
    防御力を発揮しきれれば、それはカーニバルの独壇場に他ならないのだから。
    見事に練り込まれたプランを前に、タローン選手はどうしようもなく、最後のアタックへと向かう。
    血晶照射>と<祝福の五光>、そして<燐気応変>。エクシードから<応諾ウムル>の回収効果でレベルのばらけたサーバントを回収されてしまってはいずれにせよ勝てない彼は、無理してでも3面で要求をしてみるしかない。
    全力を尽くしたタローン選手の前に、なわとび選手が形作ったゲームプランの終着点となる1枚のアーツが放たれる。
    バッド・チョイス>。蘇生される2体の<カコウトン>。
    †MAIS†>の効果により<On>を失った華代にとって、そのアーツは回避不可能な2コスト3面防御アーツとして立ち塞がるのだった。


    勝者:なわとび選手

    後半に続きます。

WIXOSS TAG team GX 振り返り【後半】

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    by 攻略コラム

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    WIXOSS TAG team GX 振り返り【後半】
    前半はこちらから。
    メタゲーム・ブレイクダウン(てらたか)
    初の「2人組チーム戦」となったWIXOSS TAG TEAM GX。残念なことに無断キャンセルが発生し登録時点より数チームが減ることになってしまったが、それでも東西南北あらゆる方向から参加者が集まり、合わせて31チーム62人が集った。
    主催の集めた豪華賞品を獲得するべく、そして第一回大会の覇者となるべく全力で勝利を目指した彼ら62人が、それぞれのレギュレーションで何のルリグを選択したか、見ていきたい。

    オールスター
    タウィル 6名
    あや 5名
    カーニバル 2名
    花代 2名
    ドーナ 2名
    ナナシ 2名
    タマ 2名
    サシェ 2名
    ウムル 2名
    ウリス 2名
    ユキ 1名
    リル 1名
    ハナレ 1名
    アルフォウ 1名

    タウィル 6名
    リワトを含めた数ではあるが、オルタナティブ期環境の重鎮を抑えタウィルが使用率約20%とトップに躍り出た。
    その邁進の原動力は、エクスプロードで発売した<黒鍵の巫女 タマヨリヒメ>だろう。
    アドバンテージの取りやすい様々な多色天使、アーツ外防御である<羅原姫 Zr>、そして高い決定力を持つ<先導の堕天使 シェムハザ>。これら全てを詰め込んだ構築が許されたタウィルは、これまで以上の圧倒的なデッキパワーを獲得することとなった。
    研究期間の短さゆえか上位4チームに残ることはできなかったが、今後常に意識しなければならないアーキタイプの1つになることは想像に難くない。

    あや 5名
    使用率第2位となったのが、前環境までも存分に猛威を振るったあや。タウィルに1人分だけ数が劣ったが、他ルリグが団子状態となっている中ではこちらも飛びぬけた使用率と言える。
    今までのノウハウが生きやすいことに加え、5までグロウするタウィルに対して<ブルー・サジェスト>が強いこと、対応力の高さで幅広い相手に対処しやすいことなどが使われた要因だろうか。
    採用するキーについてはナナシや同型を見やすい<レイラ=クレジット>の数が最も多かったようだ。
    ベスト4にこそ残っていないが、最終戦前の段階で「チームが全勝すれば入賞圏内」という位置に複数のあーやが存在したことを考慮すれば、未だ侮れないルリグであることが伺える。
    環境に合わせて細部を変更しやすいのもこのデッキの強みだ。

    カーニバル 2名
    ここ以降は団子状態となるので、入賞ルリグについてのみ触れておきたい。
    アンリミテッドセレクター発売以降常に使用率トップ付近をうろついていたカーニバルが、とうとう使用者2名という少数派になった。
    赤宇宙のギミックの関係でカードパワーの高い構築を作りやすいこのデッキも、使用キーほぼ固定・強力シグニは限定付きばかりというここ最近の新弾状況では構築が代わり映えしづらい。
    しかし、そんな中で優勝したのはカーニバル。<鎧終一触>+<ビカム・ユー>などのマウントが取りやすいパッケージを切り捨て、防御アーツを厚めに採用した構築がこのエクスプロード環境大会を制すこととなった。
    再設置阻止能力を持ったナナシや防御能力をどんどん増やしていく周囲のデッキに合わせ、アーツでの防御面数を引き上げる構築も今後数を増やしていくのかもしれない。

    ナナシ 2名
    2名いるうち2位に1名、入賞圏内にもう1名と、少数ながらも大暴れしていたルリグがこのナナシだ。
    いずれもLv4でグロウを止めるタイプであり、<黒鍵の巫女 タマヨリヒメ>の力を得て、これまで採用が難しかった<THREE OUT><ジャイアント・キリング>などが無理なく採用できる型になっている。
    マイプラ><ポレン>を使った圧倒的なダメージレースの先行から始まり、4にグロウしてからは再配置不可を利用したアグロと<羅菌姫 ボツリネス>の貯菌を利用した耐久寄りなスタイルを使い分けられるのも強みといえる。
    優勝したカーニバルが5戦全勝と快進撃を続けていた所にストップをかけたのもナナシであり、今後増えるようであればカーニバルは苦しい立場に立たされることとなりそうだ。

    ウリス 2名
    ウリスと記載されてはいるが、どちらも<エニグマ・オーラ>の耐久力を利用しながら<紡ぐ者>にグロウする紡ぐウリスだ。
    圧倒的な決定力を持つ<期之遊姫王 †ブラジャック†>+<緑伍ノ遊 フラコスタ>、<紡ぐ者>にグロウするまでに足りなくなりがちな防御能力の隙を埋める<エニグマ・オーラ>、アドバンテージを稼いで盤面を整える下級遊具、という単純明快な構造をしているこのデッキだが、各ルリグの象徴ともいえるこれらのパワーカード同士がシナジーを形成しているのだから弱いわけがない。
    遊具型の<紡ぐ者>から派生したプレイヤーズデッキの極致といえる物に仕上がっており、当大会ではチーム成績第3位、個人成績6勝1敗での入賞を果たしている。

    ドーナ 2名
    ウリスがプレイヤーズデッキの極致といえるなら、5ドーナはプレイヤースキルの極致だ。
    新弾で強烈な強化が来たわけでもなければ、分かりにくいシナジーが存在しているわけでもない。ただ、ルリグアタックに<幻怪妖姫 タマモゼン>、黒ルリグに<幻怪 フゥライ>、スペル軸に<幻怪姫 ネコマター>。下級のアグロに<幻怪 ケセパサ>で起動能力に<幻怪 ベンザイテン>という、溢れんばかりのメタカードを十全に扱うことが求められる。
    そんなドーナは、苦手とされるカーニバルが数を減らした当大会をしっかりと勝ち上がり、見事に第4位の位置についた。
    2名いるドーナのうちもう片方は一時期環境を騒がせた3止めドーナ。
    幻怪 ヒトダマ>で<轟砲 ウルバン>のクラスを怪異にするやいなや、豊富なメタカードを横に置いた<幻怪 フゥライ>に詰め込めるだけコピーさせ、後はレイヤーでそれを引き継いだ<ウルバン>がキーの効果を受けてライフを一気に消し去るという強烈なワンショットで、こちらも入賞圏内に残るデッキだった。

    その他 12名
    前環境で猛威を振るった2止めウムルやダッシュタマ、新環境の華代強化で姿を見かけるようになった花代、依然強力なショット性能を持つサシェと、随所にショット系の影が見える分布であったが、ショットデッキの第一人者である主催しみずきのお膝元といえる大会にも関わらず上位4名にその類のデッキが残ることはなかった。
    多種多様なショット手段が生まれると同時に、それを受ける手段が広がったことを印象付ける結果となったようだ。

    メタゲーム分析
    新弾が発売してからおよそ二週間。前弾では大きく動かなかったオールスター環境は、今弾で激変した。
    キーセレクション強化弾は、もちろんキーセレクション基準でメインデッキのカードが刷られているため、オールスターのメインデッキへの影響は薄い。今までに登場したメインデッキのカードでも、オールスター水準で活躍しているカードはそう多くない。
    その一方で、主にアーツやキー、新規にコインを獲得できるルリグなどは、毎弾毎弾オールスター環境に影響を与えている。特に、ルールに干渉できるカードが与える影響は非常に大きいといえる。<白滅の巫女 タマヨリヒメ>、<カーニバル -K->、<セレクト・ハッピー5>。
    今回の弾においては、<黒鍵の巫女 タマヨリヒメ>が、まさにメタゲーム変化の"鍵を握る"こととなった。
    このキーと相性の良いタウィルやナナシの進出はもちろんだが、"黒ルリグ"に対して黒シグニを手札に揃えられることから良相性な<紡ぐ者>が3位入賞したこと、カーニバルが数を減らしたことによるドーナの入賞、これらも環境の変化と決して無関係とは言えないだろう。
    東西あらゆる地方からプレイヤーが集まった当大会の環境はメタゲームが読みにくく、だからこそ純粋に強化されたルリグが増え、それを刈るデッキが勝ち上れる環境になったのではないだろうか。

    キーセレクション
    ウリス 8名
    メル 6名
    華代 5名
    ウムル 3名
    ミュウ 2名
    ゆうり 1名
    カーニバル 1名
    リル 1名
    ユヅキ 1名
    グズ子 1名
    ユキ 1名
    翠子 1名

    ウリス 8名
    前弾環境に引き続き、ウリスが使用者数最大となった。
    魅惑の冥者 ハナレ>+<幻竜 ボラゴ>に序盤のダメージソースを一任でき、序盤のラインを高パワーシグニで揃えられるこのデッキは、キーセレクションにおいて重要である3t目までの殴り合いで非常に有利だ。
    それに加えて<幻竜 アン=ミラ>を始めとした優秀なダメージソース、ルリグが持つディスペアのおかげで平均以上にある防御回数、後は相手のリソースを搾取する能力とどこを取っても非の打ちどころがなく、デッキパワーはとても高い。
    行動パターンが一本道にしやすいことも長丁場である大型大会においては見逃せない一手だ。考えることが増えると、人間はどこかで必ずミスをしてしまうから。
    第4位に1名、入賞圏内にもう数名がおり、また当大会サブトーナメントのキーセレクション大会においての優勝もウリスとなっている。

    メル 6名
    新弾環境で前日まで一大勢力であった華代を抑え込み、エクスプロード最大母数となったのがメルだ。
    前弾オルタナティブから、『新規ルリグはその強化弾と過去弾を組み合わせるだけでかなり環境で戦えるようになる』という傾向があり、メルも<真・遊月・鍵>による序盤のリソース面火力面両方のバックアップ、複数のバニッシュ耐性付与効果、高パワーラインとエクスプロードだけで戦えるようになっている。
    ウリスがパワーマイナスによるバニッシュをメインとしたデッキであり、バニッシュ耐性がそれに強く出やすいというのも使用者が増える一因になったと思われる。

    華代 5名
    こちらもエクスプロードでの新規ルリグで、第3位に入賞者を送り込んでいる。
    過去の<轟炎 花代・爾改>を彷彿とさせる下級のアグロ能力、<炎真爛漫>による強い制限力が特徴で、このルリグが増えることを見越してデッキ内サーバントのレベルをばらけさせたという構築は非常に多かった。
    序盤にどうアドバンテージを取っていくか、採用している除去アーツは何かなどの細部は異なるが、<時雨の調 ゆきめ>+<炎真爛漫>によってアーツ制限+バーニングで相手より一手先に詰め切ることを狙ったリストが主流だったようだ。

    ウムル 3名
    ひとつ下のミュウも含め、オルタナティブ組+エクスプロード組で全体の3/4を占めるメタゲームとなった。「その他ルリグ」に分類されない最後のルリグとして、3名使用のウムルがランクインだ。
    アンシエント・グルーヴ>により早い段階からマウントを取り、<コードメイズ スカイジュ>+<コードラビリンス アトラン>などによる相手の弱体化などを活用して常に有利な状況を作っていく、コントロールに重きを置いたデッキとなっている。
    入賞圏内にいた2名が使用していたのは、どちらも<コード・ピルルク APEX KEY>+<ゲット・アヴァロン>のパッケージを採用した防御力重視の型だ。<GF リュック>の壁としての優秀さや<GF コンパクト>という相性の良いシグニを生かした構築となっており、スペルを採用したシグニ寄りコントロールといえる。

    カーニバル 1名
    以降はオールスターと同じく入賞ルリグのみの紹介となる。
    カーニバルは使用者1名の最小母数ルリグだったが、その1名が6勝1敗という圧倒的な成績を収めて優勝を果たした。
    従来の<メイル・ストリーム>を使用した型と違い、今回入賞したのは単体でダメージソースになる<コードアクセル ファイトラ>+赤エナを利用して手札を稼げる<焚発する知識>を採用した型だ。
    新規カードごとに役割がほぼ決まっているエクスプロード組・オルタナティブ組に対して<カーニバル †MAIS†>の能力が有利に働く点、重いLBとアーツが早いデッキに対して強い点などは見事に環境とマッチしていた。

    翠子 1名
    カーニバルが6勝1敗という話は上記の通りだが、唯一の黒星を付けたのが使用者1名の翠子だ。
    その構築は、前日に秋葉原で開催された大会でゲスト参戦していた元世界王者master氏の構築とほぼ同じだ。緑ルリグ特有の膨大なエナを<聖援の使者 サシェ> によるサーチ力に回し、早期からダメージソースを維持し続けるものとなっている。
    もうひとつ特筆すべき点は、エクスプロードで登場した非限定Lv4微菌シグニの<羅菌姫 カルシ>と<羅菌姫 プロテイン>により除去耐性持ちのアタックトリガーシグニが終盤の決定力を強化しているところだ。
    エクスプロードで発売された数種類のルリグのための強化を上手く吸い取り、このデッキとその使用者を準優勝へと押し上げた。

    その他 7名
    カードパワーのインフレーションに押し出された形となってか、過去弾のルリグは大きく数を減らした。
    特に前環境でメタ格にいた夢限は華代流行の影響で一気に使用率を落とし、また白ルリグの使用者数は全体合わせてユキ1名のみと非常に少数となった。
    新弾ごとに考えなければいけない対面が増え、メタゲームが大きく動いていることが見てとれる分布といえるだろう。

    メタゲーム分析
    メタゲームとしては、ウリス・華代が使用数最多であろうという下馬評がほぼ正解という結果になる。
    前環境から安定して強いウリス、新環境で続々と入賞を繰り返す華代は現環境を象徴する二大巨頭で、どちらもしっかりと上位チームに残っている。
    そんなメタゲームの中で、カーニバル・翠子のワンツートップは快挙といえる出来事だ。
    特に素晴らしいのが、どちらのデッキも開発段階で考えられていたであろうアーキタイプとは確実に違うリストでの入賞という点である。
    キーセレクションは「新たなWIXOSS」とでも言うべき位置付けであり、デッキ同士で大きな差が付きすぎないようにかなり入念にカードが刷られていることが伺える。それは裏を返せば、事前にデザインされたデザイナーズ系のリストが単純に強く、出回りやすいということだ。
    事実として、最大手であるウリスはおそらく99%デザイナー達の考えたコンセプト通りの戦い方をしているだろうし、二番手のメルもそうだろう。三番手の華代はルリグデッキが多いぶん多少戦法にばらけは出るだろうが、それでもメインデッキに想像を大幅に超えるような強化は投入しにくい。
    四番手のウムルになってようやく多色を混ぜた(恐らく)プレイヤーズ的なコンセプトが登場するが、<コード・ピルルク APEX KEY>の発売のタイミングからすればウムルにおけるスペル+<APEX KEY>という形自体はデザイン段階で考えられていた可能性が高い。除去スペル+<コード・ピルルク APEX KEY>という組み合わせも多分デザイン段階で想定されており、良くて「デザイナーズの想定同士を上手く組み合わせたもの」という位置付けになるだろう。
    しかし、ダメージソースと手札リソースやデッキの循環のために<メイル・ストリーム>+<忍の御頭 ハンゾウ>+<応諾の鍵主 ウムル>というデザインされた構築を破壊したカーニバルは、明確にカーニバルというルリグをデザイナーズの呪縛から解放した。
    時を同じくして、これまでは「序盤からアーツを使ってアーツ対応のシグニを強くしろ」と言わんばかりだった翠子も、<聖援の使者 サシェ>+微菌シグニによる安定感と決定力の増加で、とうとうデザイナー達の思惑を超えたであろう構築が生み出されるに至った。
    エクスプロード環境に来て、キーセレクションはようやく『プレイヤーズデッキがデザイナーズデッキを超える』土壌を手に入れることに成功した。当大会は、それを痛烈に知らしめる結果になったといえるだろう。

    最後に
    如何でしたか?

    カバレージ、メタゲームブレイクダウン共に読み応えがありましたよね。
    僕はありました。

    僕がこういうの読むのが大好きなんで、ウィクロスにもこの文化がもっと浸透すると嬉しいですね。

    それでは"第2回 WIXOSS TAG team GX"でお会いしましょう!!

    最後まで読んで頂きありがとうございました。

    そして95%位記事書いてくれてありがとな!!

エクスプロード環境予想!

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    by 攻略コラム

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    エクスプロード環境予想!
    エクスプロード!からばこです。新パック「エクスプロード」が発売されました。華代さん、メル、ミュウの3人が新規参戦し、ますます盛り上がるキーセレクション。これからの環境を、ドドンと予想してみたいと思います。
    新規3ルリグの特徴や注目アーツ<炎真爛漫>が与える影響、注目ルリグ紹介など、盛りだくさんにご紹介。予想といっても「こんな感じになるんじゃないかな」というふんわりとしたものですが、お楽しみいただければと思います。レッツゴー!
    新規ルリグ紹介
    華代さん:2止め登場!火力と速攻のシェフ・華代
    エクスプロードの目玉は華代さん。オールスターで長く輝いていた「2止め花代」が、キーセレクションにも登場します。
    特徴は、序盤からどんどん攻めていく「速攻」。各種原子シグニを駆使し、「相手のシグニをバニッシュし、アタック」を繰り返す、わかりやすいデッキになります。レベル2や3の段階からガンガン焼いてくるため、防御の薄いルリグはひとたまりもありません。中には「ダブルクラッシュ」「アサシン」を持つシグニもいるため、対戦すると「まだレベル3なのにもうライフが無い!」なんてこともあるでしょう。
    原子のシグニの中には、「トラッシュに置かれたとき」に発動する効果を持つ子もいます。ドローやエナチャージ、バニッシュなど効果はさまざま。ゲームプランに合わせてデッキを構築してあげましょう。発動にエナコストを要求するシグニもいるため、特にエナの管理はかなり重要になります。

    ネックはパワーの高いシグニが除去しづらいことでしょうか。
    レベル1、2のシグニは簡単にバニッシュできますが、3、4となると難しくなります。一応<Nce><Slb>などが12000ラインを焼けるので、対応できないわけではないんですが、エナコストがそれぞれ赤2、3と重いため、連打はできなさそうです。
    On>でアサシンを付与したり、「相手がレベル4になる前にライフを焼き切って、最後の一撃を死に物狂いで通す」プレイングを心掛けたりすればなんとかなるのかなあ、という印象です。

    コインの最大値は5枚。2へのグロウ直後は3枚、ゲーム終盤に赤3で2枚追加できます。
    ルリグの下に敷くカードが2枚である都合上、「<ピルルクキー>」などのエクシードが必要なキーとは相性が悪いので、使い切りのキーが採用されやすいです。<鎮護国禍><ゆきめキー><ララ・ルー"ウイリー">などがおすすめです。
    他にも<APEXキー>を採用して高パワーのシグニをバニッシュするできるようにした構築も。<大成の爆火><祝福の五光>と組み合わせれば、試合終盤でも継続して相手シグニをバニッシュできるため、人気の構築になっています。
    10029.jpg 10009.jpg
    2止めの都合上、ルリグデッキにアーツやキーカードを合計7枚採用できます。防御に関わらないキーはもちろん、ガードや防御に制約をかけられる<炎真爛漫>など、攻撃に寄せた構築も可能です。カスタマイズできる幅が広く、発売当初から非常に人気の高いルリグです。
    序盤から最大火力で突っ走り、相手を焼き払えるのが止めデッキの魅力。キーセレで初めて触れる方も多いことでしょう。その爽快感をぜひで堪能してください。

    メル:栄養取ってるぅ?化学の力でバニッシュ耐性!
    オールスターでは調理のシグニを使っていたメルが、微菌のシグニを従えキーセレに参戦。「チャーム」を駆使して戦います。
    特徴はバニッシュ耐性。<ウェディ><プロテイン>の2種のSRシグニが、チャームを持つシグニにバニッシュ耐性を付与します。チャームは<ビオチン>をはじめとした各種シグニや、レベル4の<メル=ヴェスパー>の効果でつけられるため、思いのほか簡単にチャームがついたシグニがそろいそうです。

    ライフクロスは「ランサー(Sランサー)」や「連続攻撃」でクラッシュしていくことになります。
    序盤は<カーボ><ビタミンB2>、中盤以降は<ウェディ><ビタミンB6><ヨウサン>あたりがアタッカーになっていきます。翠子デッキのような動かし方をイメージしていただければつかみやすいかなと。
    何にせよ、チャームがつかないとどうしようもない状況が多いので、エナや盤面のみならず、チャームの管理(特にチャームを付与するカードの管理)は、とても重要になります。「チャームを付与するカード」と、「チャームがつくことで効果を発揮するカード」がはっきり分かれているため、デッキの構築やプレイングで、役割分担やバランス、運用などをしっかり考えなければいけないでしょう。ここは腕の見せ所ですね。
    プロテイン>の存在から継戦能力もそこそこあるので、除去からの立て直しは意外としやすいです。その分、エナコストの支払いにどのカードを充てるかが重要になってきます。
    バニッシュやパワーダウンには強いものの、ダウンや「アタックできない」の付与など、他の防御手段であっさり止まります。特に人気アーツ<セレクト・ハッピー5>には滅法弱く、チャームがつくことで得られる効果があっさりと消えてしまいます。
    なので、<ハッピー5>が苦手であるということを逆手に取り、<真ユヅキキー><聖マルディウス協会>、コイン技「ベルセルク」などを使い、メインフェイズで相手シグニを除去するという構築も考えられます。この場合、<真ユヅキキー>を発動する序盤用のシグニは何でもよいので、<コレステ><テツブ>など、レベル1,2のバニラシグニにお呼びがかかります。
    同じ環境で<炎真爛漫>が出ることや、2止め華代さんの台頭で夢限が減ることから、<セレクト・ハッピー5>の採用率は、少しは減ると予想されます。減るといっても、採用率9割が8割5分になるかならないか、というところなので、やはり立ち回りでのケアは必須ですね。

    微菌発表時は「調理のメルがウイルス!?」と思っていましたが、栄養素とはびっくりしました。
    ウェディ>の何ともいえない猟奇っぷりが、私の好みのド真ん中です。早速組みましたが、パワー13000以上のシグニがずらりと並んで、バトルしていて気持ち良いです。

    ミュウ:ミュウのポケット銀河系!レベル戦術を駆使しよう
    まさかまさかの水泳部。黒の宇宙シグニとともに、ミュウがキーセレクションに参戦しました。
    ミュウお得意のチャーム戦術は同期のメルが使っており、どんなデッキになるのやらと思っていましたが......。「レベル操作」がテーマのようですね。自分や相手のシグニのレベルを操作しながら戦うデッキです。

    華代やメルに比べて、ミュウは全体的にまとまっている印象です。
    手札補充は<エスキモ><キャッツアイネ><ハッブラ>などで、アタック時除去は<アラクネ><ゴーストジュピタ>などで行えるため、「トラッシュからカードを拾って、場に並べてアタック」という、黒らしい戦術が基本になります。シンプルなデザインに仕上がっていて、わかりやすいですね。
    これだけ見ると「ウリスでいいんじゃない?」と思ってしまいますが、ミュウだからこそのカードが2枚あります。
    まずは<アラクネ>。「あなたのアタックフェイズの間、対戦相手の効果はバニッシュ以外であなたの[宇宙]のシグニを場から移動させない」という、強烈な耐性を付与する効果を引っ提げやってきました。主に、「バウンス」「エナ送り」「トラッシュ送り」を受けなくなります。メルの<ウェディ>たちと違って耐性を持つための条件がないのが魅力的ですね。
    更に<アラクネ>自身もアタック時除去を持っています。アタック時にデッキトップから、宇宙シグニが4枚めくれるまで公開します。最初の4枚が全て宇宙シグニであれば、相手のシグニゾーンを1つ消せます。<フラクタル・ケージ>と全く同じ効果を発揮する、コズミックなシグニです。

    そしてもう1枚が、SRスペル<ネビュラ・コネクト>。
    デッキ内の全てのシグニのレベルを4にする効果と、デッキの上から2枚めくれたレベル4シグニを手札に加える効果を持ちます。どのシグニが手札に来るのか不確定ですが、損失のない手札補充はありがたいです。コストも黒1と非常に軽いのがぐっどです。
    デッキ内のシグニが全てレベル4になっているので、<アラクネ><ゴーストジュピタ>などの効果が最大限に発動しやすくなるのも安心ですね。1ゲーム中に何度も発動したいカードですが、<ネビュラ>を入れすぎることで<アラクネ>たちの効果が発動しにくくなる、なんてこともありますがご愛敬。私は4枚入れます。
    こう書いていくと優秀そうに見えますが、メルや華代と違い、突き抜けた効果を持つカードが少ないのが気がかりです。
    一応<アラクネ>がいますが、効果の確実な発動は単体では行えず、他のシグニもデッキトップを参照する子が多いので、ちょっと不確定なのがネックかなと。<エスキモ>をはじめとした「確実な除去」と、<アラクネ>などの「もしかしたら点数につながるカード」をうまく組み合わせながら攻めていきたいですね。

    環境はどうなる?
    新規に参戦する3デッキを紹介しました。3人とも個性的で、回すのが楽しみですね。
    キーセレクションに参戦したルリグもこれで19人(マユ除く)。新規ルリグが参戦するたびに環境が変わってきましたが、エクスプロードが与える影響は、これまでの弾でもかなり大きくなります。
    その影響を分析しつつ、

    新規3ルリグは「耐性」がキーワード?
    新規ルリグ、とりわけ「メル」「ミュウ」は、両極端の耐性を持っています。メルは<ウェディ><プロテイン>の存在からバニッシュにめっぽう強く、ミュウは<アラクネ>の存在から、バニッシュ以外の耐性(バウンス、トラッシュ送り、エナ送り)に強いです。「同じタイミングで両極端の耐性を持ったデッキが搭乗する」ことが、非常に大きな影響を及ぼすわけです。
    「メルが厄介だからバニッシュ以外の防御アーツを入れよう」と考えてデッキを組んだらミュウが重くなったり、「ミュウがしんどいからバニッシュでの防御を増やそうか」と考えてデッキを組んだらメルに化学実験されたりと、どうしようもないことが起こりうる、ということです。
    また、まんべんなく環境を見ると、どうしても色が異なるアーツを採用せざるを得ません。そこに<炎真爛漫>を引っ提げた華代さんが走ってきます。マルチエナで支払えなくなるため他色のアーツが採用しづらくなるほか、メル、ミュウをまとめて見られる<ハッピー5>の連打も許されないわけです。厄介ですね。
    メル、ミュウが均等に環境に出てくるかはわかりませんし、ピルルクの<キャプテン・フック>や優羽莉の「アルティメットレイド」など、シグニが耐性を持つ場面は他にもあります。キーセレで採用するアーツは、各種耐性を気にしながら選んでいきましょう。

    炎真爛漫が与える影響
    新パックの花形ともいえるルリグレアカード。エクスプロードでは<炎真爛漫>に注目です。
    発動コストが0ということもあり、華代さんのみならず、多くのルリグで採用できます。ガード制約、エナコストやアーツ使用回数の制限など、プレイングやデッキ構築に大きな影響を与えるカードです。かつてオールスターで<燐廻転生>が流行した時のような、「鯖を散らす」ウィクロスが戻ってきました。

    「ガード制限」を持つカードが環境に登場したことにより、デッキ内のサーバントのレベルを散らす必要がでてきます。例えば8枚採用する場合だと、「レベル1×4、レベル2×2、レベル3と4を1枚ずつ」といった具合でしょうか。<爛漫>の採用率にもよりますが、構築の段階で対策できるので、散らしておくことをおススメします。
    試合の際も、「試合終盤は異なるレベルのサーバントを2枚以上手札に抱えておく」「序盤はレベル1でガードしていく」など、独特の立ち回りが必要になってきます。<爛漫>発動後のことを考えながら、サーバントを使っていきましょう。
    もう一つがエナの支払いの制約です。<落華流粋>など多色のコストが必要なアーツを採用している場合は、サーバントの「マルチエナ」に頼るのでなく、その色を払えるような構築が必須です。私が現在使っているメルにも、赤エナの支払いのために<Pbx>が3枚採用されています。「サーバントを散らす」「他色エナの採用」は、キーセレでも大原則になってくるのでしょう。
    なお実戦でも、エナの支払いや防御の使い方にも気配りが必要になります。
    「無色エナはなるべく早めに使い切っておく」「エクシードでの防御をを残しておく」など、意識すれば何とかなる部分も多いです。<爛漫>の採用が予想されるデッキと当たった時は、気を付けましょう。

    ちなみに、<真情リル>のコイン技「オーネスト」と、<爛漫>のアーツ使用制限を組み合わせてワンターンキルを狙うデッキの登場が予想されます。リルとの対戦でオーネストを発動されたら「1」と答えておき、アーツとエクシードで守る、という立ち回りが必須です。2以上を宣言すると、<爛漫>のアーツ使用制限で数字が達成できずに敗北するので、要注意です。

    そのほかの注目デッキ
    環境のダークホース?「ワンショットエマ」
    オルタナティブで登場したルリグ「エマ」が、ここにきて注目されています。<真ユヅキキー>での全面バニッシュとリソース確保を利用し、<ネクスト・フューチャー>や<ペットロケット>を絡めて、1ターンに7点近くのライフクロスをクラッシュするデッキです。
    ライフバーストが絡んだり、<ハッピー5>の「アタックできない」が重いという弱点がありますが、最速で発動すれば2止め華代以上の速度でゲームエンドに持ち込めるという、恐ろしいポテンシャルを秘めています。
    噂を聞いて私もデッキを試作し、都道府県ツアー東京に持ち込んだのですが、「<ネクスト・フューチャー>重ねがけ」はもちろん、「<ハウス>でのダメージによる勝利」「<神話の本>などでの入れ替わり」など、ワンショット以外にも様々な勝ち筋がありそうでした。
    オルタナティブ環境では、同期のウリス、ウムルの後塵を拝すことが多かったエマですが、活躍に注目したいですね。

    原点回帰?「インサイダー黒点翠子」
    オールスターで色々なことができそうな<黒点タマキー>ですが、キーセレクションでは翠子で注目されています。
    「自ターンでのアーツ発動」がコンセプトの翠子。<黒点キー>でシグニやルリグを黒にし、「<インサイダー・サルベージ>」と組み合わせ、アーツを連打しながら戦うデッキです。特に<ドアーフ><イバラヒメ>との相性は抜群ですね。
    黒鍵.jpg
    ルリグデッキを2枠使ってしまうことや、<黒点キー>を場に出し続ける必要があるため、<華代キー>などの優秀なキーが使えないという懸念点もありますが、<4翠子>のアーツ回収効果や、コイン技「テンタクル」もあるため、意外とカバーできそうな予感がします。
    クラクション環境で2強を走っていた「グズ子」「翠子」が融合したようなデッキですね。古豪復活に期待がかかります。


    いかがでしたでしょうか、 ますます混沌とするキーセレ環境。特に「2止め華代」がどこまで台頭してくるかが注目ポイントです。
    これまでの止めデッキのように速攻系になるのか、どっしりと腰を据えて戦うデッキになるのかが楽しみです。メル、ミュウの耐性シグニたちからも、目が離せませんね。
    オルタナティブで活躍していたウリスやウムルがトップを維持するのか。タマやリル、ユヅキなど、かつて環境を席捲したデッキが再び目覚めるのか。それとも、新たなデッキが生まれてくるのか。各地のセレモニーの結果から目が離せませんね!


    おかげさまで、WIXOSSBOXも無事に1周年を迎えました。これからもぜひ、ご利用ください。
    それでは、また次回の更新でお会いしましょう。ではではー!

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