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WIXOSS TAG team GX 振り返り【前半】

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    by しみずき

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    WIXOSS TAG team GX 振り返り【前半】
    はじめに
    疲れました。しみずきです。
    以前に紹介させていただいた個人主催の大会、"WIXOSS TAG team GX"。
    俗称"しみずき杯"が無事(とは言えない気がするゾ...)に終了しました!!

    大会運営、舐めてました......めっっっっちゃ疲れました。


    31チーム(62人)での開催と、大盛況でした。
    先ずはご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

    たくさんのお土産/差し入れも頂きました。
    貰えると思っていなかったのでシンプルにめっちゃ嬉しかったです。

    グダグダな運営になってしまい申し訳ありませんでした。
    色々トラブルも在りましたが、良い勉強になりました。
    次回は反省を活かしてより快適、より楽しめる大会にしていきますので宜しくお願いします。

    途中で止まったマクロ君のことは許してません。

    さて、運営のお手伝いに来て貰っていた"てらたか"氏より
    1. 最終ROUNDのカバレージ
    2. ルリグ分布から見るメタゲーム・ブレイクダウン(環境考察)
    の2つを頂きましたので、そのまま掲載します。
    (いやぁ、楽だぁ。。。)
    お時間ありましたら是非、読んでいってください。

    最終ROUNDカバレージ タローンvsなわとび
    いつもなら、試合風景の前には導入を書いている。
    ライターの自分はカバレージで、ただの試合の内容だけではなく、その背景や感情の全てを含めたその時の臨場感を味わってほしいからだ。
    しかし、今回。サブトーナメントの仕切りや他卓のジャッジを直前まで担当していたため、自分がカバレージ卓へ向かう頃には既に試合準備が始まっていた。
    そこに座っているのは中部と北陸のプレイヤー。関東以外でカバレージが書かれる大会はほとんどなく、急に「カバレージだ!」となったら両者の面白い反応が見られそう、という少しの悪戯心はあるが。
    反応を見るタイミングを逃した後で言っても詮無きことだ。両選手の軽い紹介のみ記載して、試合へと移ろう。

    先手側で流行一直線ルリグの華代を駆るタローン選手は、中部地方の大会でよく目にするプレイヤーだ。
    特に2017年辺りから活躍機会が多く、更に爾改、2止めママなどの軽量級のデッキを手に取っている印象が強い。今回キーセレクションでも2止め華代が登場し、得意なデッキタイプを携えての参戦ということになるだろう。
    後手側、今大会キーセレクション枠としてはオンリーワンであるカーニバルと共に戦うのは、なわとび選手。
    北陸地方の選手ではあるが、最近は中部の大会でよく名前を見かける遠征系のプレイヤーである。
    特徴的なのは、ほとんどの大会でカーニバルを使用していること。オールスターの大会ではアンリミテッドで強化されたカーニバルで何度も優勝を重ね、キーセレクションの大会でもカーニバルで愛知のWIXOSS CUPを制している。今回の使用ルリグももちろんカーニバルで、あろうことかチーム名で自分が5カーニバルを使うと宣言する大胆不敵さだ。
    チーム内勝利数が最も多いのは、現在なわとび選手のチーム。しかしたった1勝差のところに唯一彼に黒星を付けたチームが迫っており、ラストバトルも一切気が抜けない状況だ。タローン選手のチームも、ここで2勝できるかできないかで順位が大きく変わる位置にいる。
    試合準備を終え、ゆっくりと試合を開始した彼らの様子を見ていこう。

    まず先手を取ったタローン選手は、エナチャージ後に<狂想の滅炎>を破棄してコインを獲得する。
    単純なバニッシュスペルとしては少々心許ないカードだが、<APEX KEY>から発射する弾丸としては非常に有用なカードであり、彼のルリグデッキの1つが透けて見えた形だ。
    続けて得たコインを使用し、すぐに<ララ・ルー"ウイリー">をアンロックし、しっかり3枚のリソースを獲得すると、シグニは1面だけ立ててターンを終えた。
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    基本的に先手1t目に1面しか場に立てないというプレイは有効に働きにくいが、<ビカム・ユー>などを警戒するならまた話は別だ。特に華代のような早いデッキが多い環境を想定すると、こういったプレイがいつか勝敗に関わることはある。
    回ってきた後手1t目。なわとび選手もカーニバルをLv1へとグロウしたが、早速なんだか様子がおかしい。
    彼がコインを得るために手札から切ったカードは、<ファイトラ>という今までカーニバルで見たこともないカードだ。
    魔杖>? しかしキーにコインを回さないならカーニバルの強みは大分薄くなってしまう。ではこちらも<APEX KEY>で<滅炎>を採用している?
    筆者が考えているうちに、盤面は動く。なわとび選手は<一途の巫女 ユキ>でライフに眠ったカードを丁寧に確認した後、バニラシグニを2枚サーチしてそのまま立て、アタックフェイズへと入った。
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    タローン選手は<"ウイリー">ですぐ片方を焼き、ルリグパンチは通してライフは5対7となる。
    2弾に分けて登場した5色の使い捨てキーのサイクルの中でも、<"ウイリー">と<鍵ノ型>は他より優秀な性能を持つ。リソースの獲得と面要求の2つを同時に行える<"ウイリー">は2止めデッキにぴったりだ。
    そして、この早期の段階で、華代が続く3点目を取れないわけがない。タローン選手はLv2にグロウし、予想通りに<APEX KEY>と<爛漫>をルリグデッキから公開し、軽快に残り1面をバニッシュし、3面要求でアタックに入った。
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    サーバントの宣言は『2』。なわとび選手はこの3点を防御なしで通す。原子シグニの一撃目......めくれた<カコウトン>が、タローン選手の攻撃をひとつ飛ばす!
    ルリグパンチにはサーバント。なわとび選手はタローン選手の目論見よりライフを1個多く残して自ターンへと移った。
    ただ、後手2t目の動きは芳しくない。手札に持っておくガードとの兼ね合いもあってか彼は下級のサーバント1枚しか場に出せるシグニがいない。そことルリグアタックは通るものの、次ターンも3面要求されることはほとんど確定的となってしまった。
    タローン選手は<Pab>で山札を掘り、<Mdia>をサーバントの前に立ててもちろん3面要求を行う。<爛漫>の宣言は再度の"2"。
    このアタックは<セレクト・ハッピー5>で1点だけ止まり、これでライフはお互い3対3になった。
    切られたサーバントのレベルは"3"だが、これが読み合いのミスなのか、それともなわとび選手が手札に複数レベル帯のサーバントを抱えているのかは、本人以外の誰にも分からない。
    しかし、カーニバルは<爛漫>によるガード不可が、華代は純粋なサーバント量の少なさが。どちらにも不安要素が生まれるこのライフ量は、お互い明確に"敗北"が見えてくる数字だ。
    逆に言えば、このライフ差は相手の敗北が――自分の"勝利"が見えてくる数字でもある。
    なわとび選手は、華代に対する勝利の道筋を作るべく、とうとうこの後手3t目から練り上げたプランの全貌を披露し始めた。
    Lv3にグロウすると、次ターンに貼ればエナコストが0になる<応諾の鍵主 ウムル>をなんとこのターンに展開し、場には追加のシグニを何も立てずにアタックに入った。
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    ここの攻撃はサーバントでガードするタローン選手。前ターンの場を維持していればいい彼は特別に大きく動くことなく攻撃を開始しようとするが。
    「エクシード2」「エクシード1」
    なわとび選手は、下敷きの3枚を、あまり間も空けずに防御に使用した。
    爛漫>で"2"が宣言されたルリグアタックも問題なく防がれ、先ほどとは一転、3面要求を確定化させたカーニバルのターンだ。
    なわとび選手はカーニバルを<†Q†>へとグロウさせる。
    面を全て開けてしまったから出現時も使えず、既にキーを展開してしまったからジョーカーという強みもないが、特に彼がそれを嘆く様子はなかった。
    ただし、<ミミック>を場に出して山札にカードを戻すタイミングでだけ、少し首を傾げた。結局<ミミック><シバイ>サーバントの面でアタックに入ると、<APEX KEY>と<滅炎>が<ミミック><シバイ>を飛ばし、ライフに1点だけの損傷が加わってタローン選手のターンとなる。
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    なわとび選手のライフは未だ3。
    そう。タローン選手が全てのターンで3面要求をしているテンポの速い試合に見えて、なわとび選手はしっかりライフを3枚残しているのだ。
    それは、タローン選手が<大成の爆火>で全面要求をしても、<ハッピー5>でサーバントを回収だけしてしまえば生存が確定することを指す。
    そして同時に――全ての攻撃をライフで受けることにより、LBで防御できる確率を最大値にできるチャンスが、もう一回訪れたことをも指した。
    彼のライフの2枚目から<ファイトラ>がめくれ、これでタローン選手は二度目の不完全燃焼なターンを終えることとなる。
    上手いこと攻撃が進まず、頭を抱えるタローン選手。それを尻目になわとび選手はLv5へグロウすると、<†MAIS†>の出現時効果で<On>を......<On>、を......。プレイヤーどちらも<オクタニトロ>の正式名称が分からず、笑いながら<On>を<ZERO>化指定した。
    その後、3枚しかない残り山札の枚数と相手の盤面をしっかり確認したなわとび選手の手札から、2種目となる『想定外』のカードが飛び出す。
    キーセレクション唯一の手札増強用ドロースペル、<焚発する知識>だ。
    エナにある<ファイトラ>全てをコストに巻き込み、なわとび選手は残りの山札を全て引ききる。
    ファイトラ>は赤コスト用? そんな考え自体が間違いだったらしい。これは単体で機能する強力なアタッカーであり、火力になるLBだった。
    そして華代が生み出すガード制限の問題を、彼のデッキは『ドローを促進し、リフレッシュして、レベルの低いサーバントを再び山札へ送り返す』ことで解決してみせた。
    手札が潤沢になるならば、Lv4のシグニを潤沢に並べられるカーニバルはキーセレクション随一のデッキパワーを誇る。
    一旦<ブルータス>でトラッシュを肥やしつつ、華代が除去しにくいレベル4シグニが3面並ぶ。<マーリン><シバイ><カコウトン>の3大ダメージソースがタローン選手へと襲い掛かった。
    タローン選手もこれには渋い顔を見せる。華代はそもそも高パワーラインに押し勝ちにくい。相手ルリグがLv4になるだけでもそこそこに失速はあるのに、今はLv4が3面だ。
    残る防御が僅かしかない彼は、<ハッピー5>で1面だけを止め、0になるまでライフで攻撃を受ける。
    ......そして、ラストターンに、なわとび選手のゲームプランの最終地点を味わうことになった。
    クラフトされた<落華流粋>、見えていない最後のルリグデッキ、そしてカーニバルがLv5になり山札がリフレッシュしたことで再びエクシードが機能することになった<応諾ウムル>。
    LB防御による節約も含めて大量に残ってしまった防御アーツを見て、「このターンで決めるしかない」とタローン選手がルリグデッキに手を掛ける。
    手をかけて、<時雨の調 ゆきめ>を張ろうとするが、そこに待ったが掛かる。
    戦場には<†MAIS†>。そして、タローン選手のエナに白エナが賄えるカードは、なんとサーバントのみ。
    †MAIS†>のマルチエナ削除効果が、タローン選手の攻めの一手を完璧に潰していた。
    「鯖エナにめっちゃがめちゃったよ......」
    タローン選手がそう呟きはする。
    が、そもそもの話だ。Lv3でエクシードを吐き切るタイミングでは、<APEX KEY>アンロック状態。そして<ゆきめキー>がアンロックできた唯一のターンは、既にカーニバル側の盤面が空いており、そこで<応諾ウムル>の効果を消しても全然旨みはない。つまり、全然アンロックをしたい場面ではない。
    なわとび選手のゲームプランは、つまり、そういうことなのだ。
    華代の動き方として強い<ゆきめキー>による詰め手段を、Lv3でエクシードを吐くことで透かし、唯一出せるターンの効力を弱め、そしてLv5にグロウしてしまった時点で一生封じられる形を作ることで、効力を半分以下に落とす。
    そうやって、本来であれば相手の防御機構を崩しながら戦えるはずの<ゆきめキー>型華代を相手に、十全な防御力を発揮しきる。
    防御力を発揮しきれれば、それはカーニバルの独壇場に他ならないのだから。
    見事に練り込まれたプランを前に、タローン選手はどうしようもなく、最後のアタックへと向かう。
    血晶照射>と<祝福の五光>、そして<燐気応変>。エクシードから<応諾ウムル>の回収効果でレベルのばらけたサーバントを回収されてしまってはいずれにせよ勝てない彼は、無理してでも3面で要求をしてみるしかない。
    全力を尽くしたタローン選手の前に、なわとび選手が形作ったゲームプランの終着点となる1枚のアーツが放たれる。
    バッド・チョイス>。蘇生される2体の<カコウトン>。
    †MAIS†>の効果により<On>を失った華代にとって、そのアーツは回避不可能な2コスト3面防御アーツとして立ち塞がるのだった。


    勝者:なわとび選手

    後半に続きます。

WIXOSS TAG team GX 振り返り【後半】

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    by しみずき

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    WIXOSS TAG team GX 振り返り【後半】
    前半はこちらから。
    メタゲーム・ブレイクダウン(てらたか)
    初の「2人組チーム戦」となったWIXOSS TAG TEAM GX。残念なことに無断キャンセルが発生し登録時点より数チームが減ることになってしまったが、それでも東西南北あらゆる方向から参加者が集まり、合わせて31チーム62人が集った。
    主催の集めた豪華賞品を獲得するべく、そして第一回大会の覇者となるべく全力で勝利を目指した彼ら62人が、それぞれのレギュレーションで何のルリグを選択したか、見ていきたい。

    オールスター
    タウィル 6名
    あや 5名
    カーニバル 2名
    花代 2名
    ドーナ 2名
    ナナシ 2名
    タマ 2名
    サシェ 2名
    ウムル 2名
    ウリス 2名
    ユキ 1名
    リル 1名
    ハナレ 1名
    アルフォウ 1名

    タウィル 6名
    リワトを含めた数ではあるが、オルタナティブ期環境の重鎮を抑えタウィルが使用率約20%とトップに躍り出た。
    その邁進の原動力は、エクスプロードで発売した<黒鍵の巫女 タマヨリヒメ>だろう。
    アドバンテージの取りやすい様々な多色天使、アーツ外防御である<羅原姫 Zr>、そして高い決定力を持つ<先導の堕天使 シェムハザ>。これら全てを詰め込んだ構築が許されたタウィルは、これまで以上の圧倒的なデッキパワーを獲得することとなった。
    研究期間の短さゆえか上位4チームに残ることはできなかったが、今後常に意識しなければならないアーキタイプの1つになることは想像に難くない。

    あや 5名
    使用率第2位となったのが、前環境までも存分に猛威を振るったあや。タウィルに1人分だけ数が劣ったが、他ルリグが団子状態となっている中ではこちらも飛びぬけた使用率と言える。
    今までのノウハウが生きやすいことに加え、5までグロウするタウィルに対して<ブルー・サジェスト>が強いこと、対応力の高さで幅広い相手に対処しやすいことなどが使われた要因だろうか。
    採用するキーについてはナナシや同型を見やすい<レイラ=クレジット>の数が最も多かったようだ。
    ベスト4にこそ残っていないが、最終戦前の段階で「チームが全勝すれば入賞圏内」という位置に複数のあーやが存在したことを考慮すれば、未だ侮れないルリグであることが伺える。
    環境に合わせて細部を変更しやすいのもこのデッキの強みだ。

    カーニバル 2名
    ここ以降は団子状態となるので、入賞ルリグについてのみ触れておきたい。
    アンリミテッドセレクター発売以降常に使用率トップ付近をうろついていたカーニバルが、とうとう使用者2名という少数派になった。
    赤宇宙のギミックの関係でカードパワーの高い構築を作りやすいこのデッキも、使用キーほぼ固定・強力シグニは限定付きばかりというここ最近の新弾状況では構築が代わり映えしづらい。
    しかし、そんな中で優勝したのはカーニバル。<鎧終一触>+<ビカム・ユー>などのマウントが取りやすいパッケージを切り捨て、防御アーツを厚めに採用した構築がこのエクスプロード環境大会を制すこととなった。
    再設置阻止能力を持ったナナシや防御能力をどんどん増やしていく周囲のデッキに合わせ、アーツでの防御面数を引き上げる構築も今後数を増やしていくのかもしれない。

    ナナシ 2名
    2名いるうち2位に1名、入賞圏内にもう1名と、少数ながらも大暴れしていたルリグがこのナナシだ。
    いずれもLv4でグロウを止めるタイプであり、<黒鍵の巫女 タマヨリヒメ>の力を得て、これまで採用が難しかった<THREE OUT><ジャイアント・キリング>などが無理なく採用できる型になっている。
    マイプラ><ポレン>を使った圧倒的なダメージレースの先行から始まり、4にグロウしてからは再配置不可を利用したアグロと<羅菌姫 ボツリネス>の貯菌を利用した耐久寄りなスタイルを使い分けられるのも強みといえる。
    優勝したカーニバルが5戦全勝と快進撃を続けていた所にストップをかけたのもナナシであり、今後増えるようであればカーニバルは苦しい立場に立たされることとなりそうだ。

    ウリス 2名
    ウリスと記載されてはいるが、どちらも<エニグマ・オーラ>の耐久力を利用しながら<紡ぐ者>にグロウする紡ぐウリスだ。
    圧倒的な決定力を持つ<期之遊姫王 †ブラジャック†>+<緑伍ノ遊 フラコスタ>、<紡ぐ者>にグロウするまでに足りなくなりがちな防御能力の隙を埋める<エニグマ・オーラ>、アドバンテージを稼いで盤面を整える下級遊具、という単純明快な構造をしているこのデッキだが、各ルリグの象徴ともいえるこれらのパワーカード同士がシナジーを形成しているのだから弱いわけがない。
    遊具型の<紡ぐ者>から派生したプレイヤーズデッキの極致といえる物に仕上がっており、当大会ではチーム成績第3位、個人成績6勝1敗での入賞を果たしている。

    ドーナ 2名
    ウリスがプレイヤーズデッキの極致といえるなら、5ドーナはプレイヤースキルの極致だ。
    新弾で強烈な強化が来たわけでもなければ、分かりにくいシナジーが存在しているわけでもない。ただ、ルリグアタックに<幻怪妖姫 タマモゼン>、黒ルリグに<幻怪 フゥライ>、スペル軸に<幻怪姫 ネコマター>。下級のアグロに<幻怪 ケセパサ>で起動能力に<幻怪 ベンザイテン>という、溢れんばかりのメタカードを十全に扱うことが求められる。
    そんなドーナは、苦手とされるカーニバルが数を減らした当大会をしっかりと勝ち上がり、見事に第4位の位置についた。
    2名いるドーナのうちもう片方は一時期環境を騒がせた3止めドーナ。
    幻怪 ヒトダマ>で<轟砲 ウルバン>のクラスを怪異にするやいなや、豊富なメタカードを横に置いた<幻怪 フゥライ>に詰め込めるだけコピーさせ、後はレイヤーでそれを引き継いだ<ウルバン>がキーの効果を受けてライフを一気に消し去るという強烈なワンショットで、こちらも入賞圏内に残るデッキだった。

    その他 12名
    前環境で猛威を振るった2止めウムルやダッシュタマ、新環境の華代強化で姿を見かけるようになった花代、依然強力なショット性能を持つサシェと、随所にショット系の影が見える分布であったが、ショットデッキの第一人者である主催しみずきのお膝元といえる大会にも関わらず上位4名にその類のデッキが残ることはなかった。
    多種多様なショット手段が生まれると同時に、それを受ける手段が広がったことを印象付ける結果となったようだ。

    メタゲーム分析
    新弾が発売してからおよそ二週間。前弾では大きく動かなかったオールスター環境は、今弾で激変した。
    キーセレクション強化弾は、もちろんキーセレクション基準でメインデッキのカードが刷られているため、オールスターのメインデッキへの影響は薄い。今までに登場したメインデッキのカードでも、オールスター水準で活躍しているカードはそう多くない。
    その一方で、主にアーツやキー、新規にコインを獲得できるルリグなどは、毎弾毎弾オールスター環境に影響を与えている。特に、ルールに干渉できるカードが与える影響は非常に大きいといえる。<白滅の巫女 タマヨリヒメ>、<カーニバル -K->、<セレクト・ハッピー5>。
    今回の弾においては、<黒鍵の巫女 タマヨリヒメ>が、まさにメタゲーム変化の"鍵を握る"こととなった。
    このキーと相性の良いタウィルやナナシの進出はもちろんだが、"黒ルリグ"に対して黒シグニを手札に揃えられることから良相性な<紡ぐ者>が3位入賞したこと、カーニバルが数を減らしたことによるドーナの入賞、これらも環境の変化と決して無関係とは言えないだろう。
    東西あらゆる地方からプレイヤーが集まった当大会の環境はメタゲームが読みにくく、だからこそ純粋に強化されたルリグが増え、それを刈るデッキが勝ち上れる環境になったのではないだろうか。

    キーセレクション
    ウリス 8名
    メル 6名
    華代 5名
    ウムル 3名
    ミュウ 2名
    ゆうり 1名
    カーニバル 1名
    リル 1名
    ユヅキ 1名
    グズ子 1名
    ユキ 1名
    翠子 1名

    ウリス 8名
    前弾環境に引き続き、ウリスが使用者数最大となった。
    魅惑の冥者 ハナレ>+<幻竜 ボラゴ>に序盤のダメージソースを一任でき、序盤のラインを高パワーシグニで揃えられるこのデッキは、キーセレクションにおいて重要である3t目までの殴り合いで非常に有利だ。
    それに加えて<幻竜 アン=ミラ>を始めとした優秀なダメージソース、ルリグが持つディスペアのおかげで平均以上にある防御回数、後は相手のリソースを搾取する能力とどこを取っても非の打ちどころがなく、デッキパワーはとても高い。
    行動パターンが一本道にしやすいことも長丁場である大型大会においては見逃せない一手だ。考えることが増えると、人間はどこかで必ずミスをしてしまうから。
    第4位に1名、入賞圏内にもう数名がおり、また当大会サブトーナメントのキーセレクション大会においての優勝もウリスとなっている。

    メル 6名
    新弾環境で前日まで一大勢力であった華代を抑え込み、エクスプロード最大母数となったのがメルだ。
    前弾オルタナティブから、『新規ルリグはその強化弾と過去弾を組み合わせるだけでかなり環境で戦えるようになる』という傾向があり、メルも<真・遊月・鍵>による序盤のリソース面火力面両方のバックアップ、複数のバニッシュ耐性付与効果、高パワーラインとエクスプロードだけで戦えるようになっている。
    ウリスがパワーマイナスによるバニッシュをメインとしたデッキであり、バニッシュ耐性がそれに強く出やすいというのも使用者が増える一因になったと思われる。

    華代 5名
    こちらもエクスプロードでの新規ルリグで、第3位に入賞者を送り込んでいる。
    過去の<轟炎 花代・爾改>を彷彿とさせる下級のアグロ能力、<炎真爛漫>による強い制限力が特徴で、このルリグが増えることを見越してデッキ内サーバントのレベルをばらけさせたという構築は非常に多かった。
    序盤にどうアドバンテージを取っていくか、採用している除去アーツは何かなどの細部は異なるが、<時雨の調 ゆきめ>+<炎真爛漫>によってアーツ制限+バーニングで相手より一手先に詰め切ることを狙ったリストが主流だったようだ。

    ウムル 3名
    ひとつ下のミュウも含め、オルタナティブ組+エクスプロード組で全体の3/4を占めるメタゲームとなった。「その他ルリグ」に分類されない最後のルリグとして、3名使用のウムルがランクインだ。
    アンシエント・グルーヴ>により早い段階からマウントを取り、<コードメイズ スカイジュ>+<コードラビリンス アトラン>などによる相手の弱体化などを活用して常に有利な状況を作っていく、コントロールに重きを置いたデッキとなっている。
    入賞圏内にいた2名が使用していたのは、どちらも<コード・ピルルク APEX KEY>+<ゲット・アヴァロン>のパッケージを採用した防御力重視の型だ。<GF リュック>の壁としての優秀さや<GF コンパクト>という相性の良いシグニを生かした構築となっており、スペルを採用したシグニ寄りコントロールといえる。

    カーニバル 1名
    以降はオールスターと同じく入賞ルリグのみの紹介となる。
    カーニバルは使用者1名の最小母数ルリグだったが、その1名が6勝1敗という圧倒的な成績を収めて優勝を果たした。
    従来の<メイル・ストリーム>を使用した型と違い、今回入賞したのは単体でダメージソースになる<コードアクセル ファイトラ>+赤エナを利用して手札を稼げる<焚発する知識>を採用した型だ。
    新規カードごとに役割がほぼ決まっているエクスプロード組・オルタナティブ組に対して<カーニバル †MAIS†>の能力が有利に働く点、重いLBとアーツが早いデッキに対して強い点などは見事に環境とマッチしていた。

    翠子 1名
    カーニバルが6勝1敗という話は上記の通りだが、唯一の黒星を付けたのが使用者1名の翠子だ。
    その構築は、前日に秋葉原で開催された大会でゲスト参戦していた元世界王者master氏の構築とほぼ同じだ。緑ルリグ特有の膨大なエナを<聖援の使者 サシェ> によるサーチ力に回し、早期からダメージソースを維持し続けるものとなっている。
    もうひとつ特筆すべき点は、エクスプロードで登場した非限定Lv4微菌シグニの<羅菌姫 カルシ>と<羅菌姫 プロテイン>により除去耐性持ちのアタックトリガーシグニが終盤の決定力を強化しているところだ。
    エクスプロードで発売された数種類のルリグのための強化を上手く吸い取り、このデッキとその使用者を準優勝へと押し上げた。

    その他 7名
    カードパワーのインフレーションに押し出された形となってか、過去弾のルリグは大きく数を減らした。
    特に前環境でメタ格にいた夢限は華代流行の影響で一気に使用率を落とし、また白ルリグの使用者数は全体合わせてユキ1名のみと非常に少数となった。
    新弾ごとに考えなければいけない対面が増え、メタゲームが大きく動いていることが見てとれる分布といえるだろう。

    メタゲーム分析
    メタゲームとしては、ウリス・華代が使用数最多であろうという下馬評がほぼ正解という結果になる。
    前環境から安定して強いウリス、新環境で続々と入賞を繰り返す華代は現環境を象徴する二大巨頭で、どちらもしっかりと上位チームに残っている。
    そんなメタゲームの中で、カーニバル・翠子のワンツートップは快挙といえる出来事だ。
    特に素晴らしいのが、どちらのデッキも開発段階で考えられていたであろうアーキタイプとは確実に違うリストでの入賞という点である。
    キーセレクションは「新たなWIXOSS」とでも言うべき位置付けであり、デッキ同士で大きな差が付きすぎないようにかなり入念にカードが刷られていることが伺える。それは裏を返せば、事前にデザインされたデザイナーズ系のリストが単純に強く、出回りやすいということだ。
    事実として、最大手であるウリスはおそらく99%デザイナー達の考えたコンセプト通りの戦い方をしているだろうし、二番手のメルもそうだろう。三番手の華代はルリグデッキが多いぶん多少戦法にばらけは出るだろうが、それでもメインデッキに想像を大幅に超えるような強化は投入しにくい。
    四番手のウムルになってようやく多色を混ぜた(恐らく)プレイヤーズ的なコンセプトが登場するが、<コード・ピルルク APEX KEY>の発売のタイミングからすればウムルにおけるスペル+<APEX KEY>という形自体はデザイン段階で考えられていた可能性が高い。除去スペル+<コード・ピルルク APEX KEY>という組み合わせも多分デザイン段階で想定されており、良くて「デザイナーズの想定同士を上手く組み合わせたもの」という位置付けになるだろう。
    しかし、ダメージソースと手札リソースやデッキの循環のために<メイル・ストリーム>+<忍の御頭 ハンゾウ>+<応諾の鍵主 ウムル>というデザインされた構築を破壊したカーニバルは、明確にカーニバルというルリグをデザイナーズの呪縛から解放した。
    時を同じくして、これまでは「序盤からアーツを使ってアーツ対応のシグニを強くしろ」と言わんばかりだった翠子も、<聖援の使者 サシェ>+微菌シグニによる安定感と決定力の増加で、とうとうデザイナー達の思惑を超えたであろう構築が生み出されるに至った。
    エクスプロード環境に来て、キーセレクションはようやく『プレイヤーズデッキがデザイナーズデッキを超える』土壌を手に入れることに成功した。当大会は、それを痛烈に知らしめる結果になったといえるだろう。

    最後に
    如何でしたか?

    カバレージ、メタゲームブレイクダウン共に読み応えがありましたよね。
    僕はありました。

    僕がこういうの読むのが大好きなんで、ウィクロスにもこの文化がもっと浸透すると嬉しいですね。

    それでは"第2回 WIXOSS TAG team GX"でお会いしましょう!!

    最後まで読んで頂きありがとうございました。

    そして95%位記事書いてくれてありがとな!!

その名はキング・クリムゾン!!

    posted

    by しみずき

    タイトルトップ.jpg
    その名はキング・クリムゾン‼
    はじめに
    2019年4月20日。
    WIXOSSのブースターパック"オルタナティブ"の発売前日。

    男は悩んでいた。

    †ロケットダッシュUMR†
    †ダッシュの仕方、知ってるか?†
    †"ロスト・テクノロジー"の価格を2倍にするデッキ†
    †貴方のアーツを1枠歪ませるデッキ†
    †脳内シュミレーションの終着点†
    †THE UNFAIR†

    ...etc

    翌日、華々しいデビューを飾り、WIXOSS界に一石をブチ込むであろうデッキ。

    その紹介に相応しい文句が中々決まらなかった。

    誇張なしに1年半温め続けた、渾身の理不尽デッキ。
    その最後の1ピースが解き放たれるのだ...

    ......

    ...... ......

    ...... ...... ......


    ......この書き方難しいですね、やめます。

    今回のタイトルにもなっている"キング・クリムゾン"は、某漫画に出てくるスタンド能力の名前です。

    (奇しくも"常に僕の1歩前を行く男 ねへほもん"とタイトルのテイストも被ってしまった......)

    端的に言えば"時間を消し飛ばす"能力です。
    • 階段を登ろうとしたら、登り終えていた。
    • 歩こうとしたら、既に数歩先にいた。
    等、相手に時が消滅したと錯覚させる能力です。

    これをウィクロスに置き換えると......

    "ライフクロスを割る"という時を消し飛ばし、"ライフクロスが割れた"という結果だけが残る。

    そうです。
    あれです。

    今回は、"BLUE UML"での<奏世の鍵主 ウムル=エット>の登場。
    それによりレベル1でコインを獲得出来るようになって完成に至った最新鋭のデッキ。

    2止めウムルの紹介をしたいと思います。

    今後、使ってみようかなーって方は勿論のこと。
    「名は聞くけど、実際どう動いてくるのか分からない」って方も、絶妙なところでの対策の糸口が見つかるやも知れないので、敵を知っておいて損はないと思います。

    お時間ありましたら、ぜひ最後まで読んでいってください。

    デッキレシピ

    デッキの動き
    兎にも角にも、このデッキのコンセプトとなるムーブを解説しましょう。
    最速の動き出しとなる後攻1ターン目を例とします。

    プロキシでも良いので、カードを手元で動かしながら流れを追うと解り易いと思います。

    ◎初動条件
    ※<ロスト・テクノロジー>が2枚以上ライフクロスに落ちていないこと

    これだけです。

    ()内はエナと手札の推移です。
    1. ターン開始時に2ドロー⇒エナチャージ(※緑で払える札)⇒グロウからコイン獲得。
      (手札5、エナ1)
    2. 一蓮托生>を使用。緑で払える札+<ダゴン>をエナへ。
      (手札5、エナ2)
    3. ビカム・ユー>を用いてレベル2へグロウ。
      (手札5、エナ1)
    4. 決闘文具>を使用し、<ロスト・テクノロジー>(※以下<ロステク>)と<シャテキ>をエナへ。
      (手札5、エナ2)
    5. シャテキ>を支払い再度<決闘文具>を使用して<ロステク>x2をエナへ。
      (手札5、エナ3)
      ※この時点で、エナゾーンは<ロステク>3枚。
    6. 月鍵の巫女 タマヨリヒメ>をアンロックし<アステカ>を手札へ。
      (手札6、エナ3)
    7. アステカ>を出し、グロウコストに使った<ダゴン>を蘇生し1ドロー。
      (手札6、エナ3)
    8. 猛威継承>を使用し、エナの<ロステク>3枚を含む5枚を手札、残りをエナへ。
      (手札5、エナ4)
    9. 月鍵の巫女 タマヨリヒメ>をトラッシュし、<アステカ>+<レザディ>を手札に。
      (手札7、エナ4)
    10. レザディ>を出し、効果で2体目の<レザディ>をトラッシュし相手シグニを-2000。
      (手札6、エナ4)
    11. 1枚目の<ロステク>を使用。場の3体(<アステカ>+<ダゴン>+<レザディ>)をトラッシュし2点。
    12. アステカ>を出し、<ダゴン>蘇生1ドロー。
      (手札5、エナ3)
    13. トルネード・サルベージ>を使用し、<アステカ>x1、<レザディ>x2を回収。
      (手札8、エナ2)
    14. レザディ>を出し、効果で3体目の<レザディ>をトラッシュし相手シグニを-2000。
      (手札7、エナ2)
    15. 2枚目の<ロステク>を使用。
      (手札6、エナ1)
    16. アステカ>⇒<ダゴン>蘇生1ドロー、<レザディ>で4体目の<レザディ>をトラッシュ⇒<ロステク>3発目。
      (手札4、エナ0)
    17. 残った手札で、盤面つくって3面要求!!


    後は、トラッシュの<ドライ=ラミア>や<アンシエント・サプライズ>、<ベルフェゴール>等を用い、対戦相手が倒れるまで3面要求を繰り返します。

    "初撃<ロステク>3発" これがこのデッキの唯一にして最大の武器です。

    上記の流れは、本当に最低限の動きで、 等を組み込むことで、上記の<ロステク>3発に<烈情の割裂>を加えられたり、ドローを進めることで後続のアタッカーを引きやすくなります。
    他にも、<アステカ>、<レザディ>を予め引いていた場合には、<タマキー>や<トルネード・サルベージ>のタイミングで<ベルフェゴール>等のアタッカーの回収ができます。
    また、先攻の場合は2ターン目の始動になる為、ドローが多い+<ビカム・ユー>を手札補充に回せるので、後攻時に比べ3リソース分多く手に入ります。

    エナフェイズも2回来るので、<一蓮托生>で<ダゴン>を置いていた所を好きな札に変えることが出来ます。
    ここで<烈情の割裂>や<PEEPING DECIDE>にエナに置くことで、<猛威継承>時に確定で手札に加えられるので、詰めの精度が向上します。

    ここで改めて始動条件を見てみましょう。

    たったこれだけの条件で上記の動きがほぼ約束されている為、初動<ロステク>3発からの3面要求の再現性は非常に高いです。

    このデッキの強み
    現代WIXOSSは僕の大好きなワンショットという行為に対してめちゃくちゃ厳しくなっています。

    銃を向ければ、<セレクト・ハッピー5
    エナを絞っても<セレクト・ハッピー5
    ダブクラ・バニ耐・ダウン耐・アサシンどれだけ付与しようが<セレクト・ハッピー5

    ...<セレクト・ハッピー5>君。強すぎでは!?

    他にも、<炎のタマ>や<クリティカル・ショット>+<トオン>等、ワンショットに対しての回答は非常に多くなっています。
    そして、しっかりとショットをいなされ、4以降にグロウされると多様なルリグによる防御性能で詰まされてしまう...

    と、凄まじく向かい風な環境になっています。

    しかし。
    現在はレベル5までグロウし、持ち前のルリグ+シグニによる耐久力で戦う環境でもあります。
    ライフクロスが7枚あることを前提として、十全に防御性能を発揮出来るレベルになるまで耐えれるよう、アーツ選択をしているデッキが殆どです。

    "初期ライフクロス7枚"

    この文字通りの"後ろ盾"があるからこそ、純粋な防御面数では無く、ショット等に対する対抗策や、ルリグの防御性質を補完するようなアーツを選択できています。
    その"後ろ盾"が崩れた場合、防御面数を捨てたアーツだけで、本領を発揮できるターンまで生き残れるデッキが一体どれだけあることか...

    その答えがこのデッキの強みです。

    各カードの解説
    アンシエント・サプライズ
    コンセプト遂行用に6枠使った後、ラスト1枠を何にするか迷った末の原点回帰。
    現代ウィクロスにおいて完全にアーツパワー不足に見えますが、中々侮れません。

    ロステク>3発ムーブを行うと、自然にトラッシュが20枚近く溜まっている為、メインデッキでの処理が難しい、3ターン目の8000ラインのシグニをまとめて除去することができます。

    引きに依存してしまう、除去の"ムラ"を無くしてくれ、「レベル4までに押し切る」と言うデッキのコンセプトに非常に合致している1枚です。

    また、ウリスの<エニグマ・オーラ>をケアできるのも優秀です。

    ...とは言え、何かと差し替えるならこの枠になるでしょう。

    ビカム・ユー
    後手1ターン目からレベル2へワープグロウし、コンセプトムーブを遂行することで、この手のコンボデッキにおいては対策必須となる<リンゼ>を置き去りにできます。

    また、先手後手ひとしく3ターンの間、致死圏からの要求が出来るようになり、じゃんけんによる破壊力のムラが少なくなります。

    先述しましたが、先手の場合には単純に2アド生むアーツとなる為、手札、エナ、アタッカー全ての面で余裕ができます。

    決闘文具
    ロステク>をエナに集める役割が主ですが、いざという時には1面防御になる点も覚えておきましょう。
    vs3遊月には<シャテキ>と合わせて構えれば1ターン延命できる場合もあります。

    後はコンセプトムーブ遂行以外の役割は無い為、割愛。

    シグニデッキ
    ◎LB
    コードアンチ レザディx4
    構想段階で効果を読んだ際、<ロステク>のコストになりつつ、
    • ダゴン>をトラッシュに落とす
    • 面を空ける
    という、2つの仕事を1枚でこなしてくれ、更には枠に余裕のあったLB持ち。
    あまりの噛み合いに公開当時は大喜びしました。

    当然4です。

    ライフに複数枚埋まってしまったり、道中で必要以上に引いてしまうと面空けが滞ります。
    そうならないよう、<アステカ>+<ダゴン>or<物語>でドローする前に出すよう心がけましょう。
    また、<タマキー>でのサーチ枚数を抑え、<トルネード・サルベージ>等で1枚の<レザディ>を複数回使う等、残数には注意しながら回すようにしましょう。

    怠惰の魔王 ベルフェゴールx4
    アンサプ>同様、コンセプトムーブを遂行すると、トラッシュ15枚以上+黒シグニ7枚以上という条件を自然に達成できる為、非常に運用しやすいです。

    盾が0の状況で、<ベルフェゴール>が動けば勝ちという状況であれば、アタックするための条件を崩さずに要求を取り続けることができます。

    7000というパワーラインは序盤では処理しにくいこともあり、非常に強力なフィニッシャーです。

    安易に複数面たてると、<セレハピ>等の除外で条件を崩された際に、1枚で2点止められてしまうので、トラッシュは余裕をもって構えるようにしましょう。

    幻獣 定時ほー&甲たそx3
    ガン不利対面であるあや、リワトに対してワンチャン作るために多めに搭載。

    レイラキー>が無い前提ですが、あやに対して"<定時ほー>が発動したら負け"ラインまで押し込めると、デッキを回す為の<コンルス>や<SLASH OUT>を咎め、サーバントやトラップの供給難易度を上げてくれます。

    また、盾0<クリショ>タイミングに2面立てる事が出来れば、埋めた札が<トオン>だろうが何だろうが貫通して止めを刺すことが出来ます。

    リワトに対しても盾0の状況で相手が3色天使を揃えて来た場合に、2面立てることで止めを刺せます。

    ですが、手の内が割れてしまうと相手は3色揃えて来ないでしょう。その場合にはバニッシュが来ない点を突いて、<フルフル>を採用すると良さそうです。
    アサシンによる攻めはあやにもワンチャン刺さるので、結構強そうです。

    惨之遊 †シャテキ†x3
    黒色として持って来て、緑として払える。それだけです。

    2枚でも良い枠ですが、初動で山札に1枚は必要(サバ+<物語>がある場合は例外)な札であり、マリガン時に引いてしまうと山を見る際にヒヤヒヤするので、安寧を求めて3枚。

    コンボの道中で引いてしまうと完全に腐るので、<托生>⇒<決闘文具>の際に山に残っている分は極力エナに避けておきましょう。

    ドライ=ラミアx2
    コンセプトムーブ中にトラッシュに置いておき、余ったエナや、盾から得られるエナを用いてパワーを問わない除去として運用できます。

    引きに依存せず、除去を行えるので詰めの安定性向上に寄与してくれます。

    2枚以上欲しい対面は、それ以上あっても勝てない場合が多いのでこの枚数が適当だと思います。

    ◎非LB
    コードアンチ ダゴンx3 / コードアンチ アステカx4
    説明不要のデッキのエンジン。
    めっちゃ使い倒して、めっちゃドローします。
    1試合で5~6回は蘇生します。

    ダゴン>は基本的に1枚トラッシュにあれば良く、<托生>や<レザディ>から簡単にアクセス出来る為、3枚にしています。

    2枚でも良いですが、
    • 初動で<物語>を2枚引いた時には、2枚目がトラッシュにあると動きやすい
    • 単純に"レベル1シグニ"や"古代兵器シグニ"として、道中でドローすると嬉しい
    等の点からこの枚数です。
    アステカ>は4確です。減らす理由がありません。

    コードアート †H・M・F†x1
    ロステク>3回使用した時点で出現時の-3000の条件を達成でき、安定した除去札として運用できます。
    構想段階で苦手としていた、ウリスに<フェイタル・パニッシュ>が積まれていることが多く、1枚で3面守られしまうのを防ぐ為に、パワー8000になれるこのカードで要求を重くしていました。

    最近では<フェイタル>はあまり見なくなりましたが、普通に除去の使い勝手が良いので続投しています。

    選択する物語x4
    アステカ>+<ダゴン>という盤面コストを捻出するのにうってつけのパッケージを採用している為、<猛威継承>時に握れていればそれだけで+1アドになります。

    また、ドローを進めることで、アタッカーや<割裂>、<PEEPING DECIDE>等のカードに触りやすくなります。
    エナを増やすことで、<ラミア>や<アンサプ>のコストを構えに行ける等、どのタイミングでも腐ることがほぼ無いので4確です。

    ロスト・テクノロジーx4
    このデッキの主役。
    強い以外に語ること無いです。

    スペルカットインで妨害された際には、その結果を見てから残りの古代兵器をトラッシュに送るかどうかを決めることが出来ます。

    仮に<ジャイキリ>をカットインされ、1体がデッキトップに送られた場合。

    残りの2体の古代兵器は強制的にトラッシュに行くのではなく、場に残すことも出来ます。

    ですので、被害を最小限に抑える事が出来ます。

    手札の古代兵器に余裕がある場合は全面トラッシュに送り、<アステカ>+<ダゴン>で山札を掘り、アタッカーや詰め札を探しに行く場合もあります。

    語ること有りました。

    烈情の割裂x3
    • 自身のルリグ:レベル1
    • 相手ライフクロス:1枚
    • 相手エナ:4
    • 要求:3面
    この状態から始まるWIXOSS。
    楽しいですね。

    また、コンセプト遂行後にリフレッシュに入ってしまった場合、<アンサプ>、<†H・M・F†>、<ベルフェゴール>、<ラミア>等の全てのアタッカーが機能不全に陥ります。

    その際にはエナも結構溜まっていることが多いので、<割裂>で無理やりトラッシュを肥す場合もあります。

    必要になる対面も多く、後攻時は素引きに頼らないといけない為、体感ですがこの枚数に落ち着きました。

    黒以外のカードは増やし過ぎると、<猛威継承>前に引き過ぎた際に困るので枚数配分は悩ましい所。

    PEEPING DECIDEx1
    このデッキの動きと非常に噛み合っている詰め札。

    対戦相手は生存するために、打てるアーツは全て使用してきます。
    ジャイキリ>だろうが、<アイフレ>だろうが、<クトゥル・アビス>だろうが出し惜しみしていたら受けきれません。

    本来であればルリグ止めとして機能するはずのアーツ。
    それを無理やり使わせた後、このスペルによるサーバント奪取には、ゲームを終わらせる威力があります。

    不採用枠
    スペル・サルベージ
    一番最初のレシピでは採用していました。
    ロステク>が2枚以上盾埋まりした状況をケアできます。
    しかし、2枚以上埋まる確率はそこまで高くなく、仮に2発しか打てなかった場合でも3面要求を繰り返すことで、勝てる場合もあります。

    また、後攻の場合に<物語>が絡まないと、<スペサル>のコスト捻出をする為に動きが歪んでしまいます。

    その為、除去の安定性を向上させる<アンサプ>と入れ替わりで抜けました。

    一覇二鳥
    苦手なあーや、リワトに採用されているサバは基本的にはレベル1ばかりです。
    その為、アーツを吐かせ、ライフクロスを0枚にすればこのアーツで勝つことが出来ます。

    が、余りにもピーキーなので採用には至りませんでした。
    また、新弾にて<炎真爛漫>がリリースされる為、サバのレベルを散らす風潮になりそうなのも向かい風です。

    採用は、環境次第といったところですね。

    コードアンチ ヘンジ
    ウリスに搭載されている可能性のある<魅惑の冥者 ハナレ>。
    所謂<ハナレキー>で詰まない為の札。
    (パワーライン上、古代兵器が3面立たず、<ロステク>が撃てなくなり詰む。悲しい。)

    しかし、先手ならまだしも後手の場合には、<ダゴン>で得られるリソースが無い場合、そのターンの盤面形成さえおぼつきません。
    唯でさえ、対ウリスは<割裂>を噛ましてリソースを絞り、<エニグマ・オーラ>を牽制しながら戦わないと勝てない相手です。

    盾落ちの可能性も考慮し、素直に割り切った方が良いと判断し不採用。

    各体面の立ち回り
    どの対面に対してもコンセプトムーブを遂行し、<割裂>でエナも絞れた場合には、
    • ベルフェゴール>でエナを与えず要求する。
    • 面空けしてエナを与えてでも多く要求する。
    等の選択肢が生じるので、各ルリグ毎にアーツを予想して効率よく要求を行いましょう。

    一例を挙げるとカーニバルに対しては、<ベルフェゴール>だけで攻め込むと、<鎧終一触>や<カーニバル -K->破棄だけで守られてしまうので、必ず1面以上あけるようにしましょう。

    また、対戦相手のデッキに<ビカム・ユー>+<リンゼ>が両採用されている場合(サシェやアルテマ等)には、先攻を取ったからと言って、レベル1に先乗りしてしまうと大変なことになるので注意しましょう。

    相手も0でステイしてきた場合には、レベル0でグロウを止めてしばらく戦うことになります。

    手札超過やサーバントによるガードでトラッシュを肥やし、<アンサプ>の条件を達成してからグロウします。

    サシェの場合は5枚(コイン獲得で+1枚、<托生>で+1枚)。
    アルテマの場合は<セレハピ>があるので、キーでアンコールされることも加味して9枚構えましょう。
    ※0で止めている間にリソースが増えるので、<決闘文具>打ち切りでも良い場合は8枚でOK。

    何面<リンゼ>を立てられようが、5000マイナスオールで流して、<ロステク>連打に移行します。

    ビカム>の分、防御が薄く、序盤のルリグアタックが通っていれば、盾0から要求出来る為、通しやすいです。

    最後に
    如何でしたか?
    かなりの自信作で動きも完全にパターン化出来ており、手作りAIでも回せるんじゃないか!?って位に簡単です。

    僕自身"オルタナティブ"発売から使い続けて今に至るまで、
    • WIXOSS大感謝祭:圏外
    • WIXOSS CEREMONY(名古屋ホビステ):3位
    • らいだぁ杯:優勝
    • WIXOSS CEREMONY(秋葉イエサブ):優勝
    • WIXOSS CEREMONY(秋葉イエサブ):BEST8
    • WIXOSS CEREMONY(名古屋ホビステ):BEST16
    • ラボフェス:優勝
    と、7つの大型大会に出場しましたが、かなりの好成績と勝率を叩き出しています。

    楽して勝ちてぇ...

    という精神状況になった際、最適なデッキです。
    気が向いたら使ってみてください。

    以上です。

    最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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