
さて先週は「Stride Deckset Harri・Nightrose」が発売されハリー、ナイトローゼの超越デッキがトーナメントシーンでも見かけるデッキとなりました。
スタンダードのみをプレイする方や最近ヴァンガードをプレイする方にはあまり馴染みのないかもしれない"超越"というシステム。
今回はその超越のシステムに関して軽く説明と注意するべき点等を軽く解説していければと思います。
超越とは
初出は劇場版カードファイト!!ヴァンガード ネオンメサイアの入場特典で配布された<ハーモニスク・メサイア>となります。それまでのヴァンガードではメインデッキのみの構築でのファイトを行っていましたが、Gゾーンという新しい要素が追加されました。
そしてGゾーンの実装を皮切りにカードファイトヴァンガードGが始まり超越ユニットとの物語が始まるのですがその辺りはまた劇場版やアニメを見ていただいて......
超越というのは過去の英雄や、未だ見ぬ未来の戦士達が現代に召喚されるという設定があります。
ユニットの未来の姿や古に存在した伝説のユニットを現代に一時的に召喚してヴァンガードとして戦うというシステムです。
何故そんな現象が起きた等はギアクロニクルというクランが絡んでいて云々......
超越を行うにはGユニットという特殊なユニットを使います。Gユニットはメインデッキ等に入れることはできません。そこでGゾーンという概念が発生します。
GゾーンにはGデッキという専用のデッキを用意します。
Gデッキは0枚から16枚までの好きな枚数で構築する特別なデッキになっています。
Gユニットで構築したGデッキが完成したらの用意ができたらファイトの準備です。
ゲーム開始時にGユニットを裏側でGゾーンに置いてファイトを開始します。
超越はライドフェイズ内におけるストライドステップにてコストを支払うことでGユニットを出すことができます。
ストライドステップはライドステップの後に来るタイミングとなります。
なので手札からライドステップでG3のユニットにライド、その後のストライドステップにて超越ということも条件を満たしていれば可能です。
超越の条件としてはお互いのヴァンガードがグレード3以上か自分のターン開始時に自分のヴァンガードのグレードが3以上なら、手札からグレードの合計が3以上になるように1枚以上選び、捨てることで超越を行いGゾーンの裏側のユニットを表にしてヴァンガードサークルに置きます。
手札から捨てるカードに関しては多少制限があったりするのでその辺りはGユニットの効果及びコストをよく読んでください。
そして超越を行うとヴァンガードサークルにGユニットを置きます。
元々ヴァンガードサークルにいたヴァンガードはハーツカードとなります。
超越したGユニットは元のヴァンガードの名称とパワーは見えるように少しズラして重ねて置きます。
ハーツカードとなったユニットのパワーと名称は引き継ぎます。
クレストを加味せず例えば<仮面の奇術師 ハリー>が<道化魔竜 ルナテック・ドラゴン>に超越した場合はヴァンガードの名称は「仮面の奇術師 ハリー」+「道化魔竜 ルナテック・ドラゴン」となりパワーは11000+15000で26000ユニットになります。
超越元のハーツカードであるハリーの名称とパワーは引き継ぎますが能力は引き継いでないのでハリーの能力は無くなっています。
なお誘発した効果は解決できます。なのでストライドステップ中に超越するとハーツカードの超越した効果と超越ユニットに登場時の自動能力があった場合2つが誘発し好きな順序で解決ができます。
ハーツカードの能力は無くなってはいますが超越した時に誘発した能力は待機状態となり問題なく発動ができます。
後は通常通りメインフェイズへと突入しユニットの起動能力やリアガードのコール等を行いバトルフェイズと移行していきます。
ヴァンガードが超越した場合ヴァンガードは超越ユニットのグレードを参照するのでグレード4のヴァンガードが存在することになります。
これにより様々なG4のユニットを参照する効果を適応できたりします。
そしてバトルフェイズ中はG4ユニットのトリプルドライブが適応されたヴァンガードのアタックが可能になります。
そしてターン終了時にGユニットは表の状態でGゾーンに戻っていき基本的に表のGユニットは表のままで新しく超越を行う場合はあくまでも裏のGユニットを表にして超越する必要があります。
既に表になっているGユニットには超越することができません。
またターン終了時にGユニットをGゾーンに戻してからターン終了時効果を解決するのでターン終了時にヴァンガードのグレードを参照する場合はハーツであったヴァンガードのグレードとなりスタンダードでは基本的にグレード3がヴァンガードのグレードになります。
ターン終了時にグレードを参照して効果を発動する系統の効果はグレード3を参照して解決することを念頭に置いておきましょう。
スタンダードにおける超越の行い方
さて、そんな超越システムですが現代のスタンダードでどのように使えるのか解説していきます。通常のデッキでは超越はできず指定のライドラインと規定のGゾーンを用意する必要があります。
まずはライドラインに関してです。
例えばライドラインのG0は<ハピネス・コレクター>、G1は<月光の旋律使い ベティ>にしてG0からG1にライドするとベティ効果により<仮面の奇術師 ハリーのクレスト>を得ます。
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このクレストによって超越が行える条件を満たします。
クレストにより
【永】:あなたは【超越】でき、「ハリー」を含まないグレード3以上にライドできない。
という能力を得てハリーにしかライド出来ないという条件の元超越が行えます。
ついでにクレストの効果を見ていきます。
【永】:「ハリー」を含むあなたのグレード3の元々のパワーは13000になる。(ハーツも含む)
こちらの効果は超越ユニットの時代のG3ユニットのパワーは基本的に11000だったので現代のスタンダード環境のパワーラインである13000にパワーを合わせた形になります。
これにより通常13000のパワーをキープしながらあくまでもクレストによるパワー修正の能力であるので相手によってヴァンガードの能力がなくなっていたとしても元々のパワーが13000というのは維持できるようになっています。
また、注釈があるようにハーツ状態でも適応がされるので超越してハーツになっても13000のパワーは固定されており13000+15000で28000のヴァンガードが維持されます。
【永】:あなたのターン中、あなたのヴァンガードが「ハリー」を含むグレード3以上なら、あなたの表のGゾーン1枚につき、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。
超越のヴァンガードにはペルソナライドアイコンが存在せず代わりにクレストによる前列のユニットパンプが行われます。
ペルソナライドのような10000パンプとドローという豪快なテキストではないですが表のGゾーン1枚につき5000パンプが行われます。
ペルソナライドと違ってドロー効果はありませんが超越回数が伸びていくとペルソナライドを超えるパワーの上昇が得られたりします。
また、ペルソナライドとは違い同名のライドを行わなくても超越していけばパワーが伸びていったりと、クレストならではの利点も存在します。
なおペルソナライドアイコンをヴァンガードが所持していない都合上、<恩寵湛えし聖なる杯>は超越デッキでは使用できません。
【自】【Gブレイク】(2):あなたのターン終了時、このターンのエンドフェイズにあなたのカードがソウルに2枚以上置かれているなら、1枚引いてよい。
この効果はクレストごとにより別の能力が搭載されています。
ハリーの場合はGB2でターン終了時にエンドフェイズにソウルに2枚以上置かれているなら1枚引ける能力になります。
ハリーの超越時の能力により1体はエンドフェイズにソウルに戻る為、外に<ルナテック・ドラゴン>等の能力も解決できれば1ドローができます。
あくまで2枚以上ソウルに置かれたらという能力なので4枚ソウルに置かれたから2枚ドローということはできません。
また1枚引いてもよいという能力なのでデッキアウトがチラつく場合はドローをしないという選択肢を取ることもできます。
ナチュラルに説明を飛ばしましたがGBについて解説します。
GBは表になっているGユニットの枚数が達成していれば使える能力です。
例えばGB2であればGゾーンとヴァンガードサークルに表で存在するGユニットの合計枚数が2枚以上であれば発動できる能力となります。
GB系統の能力は超越を行えないと使えない能力の為序盤からの使用はできない反面強力な能力となっています。
GBの注意点としてはスタンダード環境においてはGB2を持つ<仮面の神竜使い ハリー>に初回の超越を行っても表のGユニットはG4のハリーのみでGB2の条件を達成できず効果を発動できません。
この制限があるため基本的には初回の超越はルナテック・ドラゴンとなります。
スタンダードでなければGガーディアンというカード等により何とかできるのですがまたそれは別のお話となります。
さて少し話が逸れてしまいましたがスタンダードにおいてはライドラインによりクレストを獲得することにより超越の権利を得て超越ができるようになります。
そして超越はできるようになったのでGデッキを準備します。
現状のルールではGデッキは最大16枚のカードで構築ができますがスタンダードにおいては最大8枚のGデッキになります。
これはスタンダード環境においてはライドラインによって使えるGユニットが2種類と定められている為です。
ハリーのライドラインではG4ハリーとルナテック・ドラゴンのみが使用可能で2種類の4枚採用で最大8枚のGデッキとなります。
ダークステイツのGユニットは他にもクロノジェットのGユニットがありますが、クロノジェットはクロノジェット用のGユニットのみ、ハリーはハリー用のGユニットのみが使えるルールなのでその辺りは間違えないようにしてください。
クレストを得ることができるライドラインやクレスト、超越ユニットを用意しないといけない超越デッキ、中々揃えるのに大変そうですがそれを解決するのが今回のようなストライドデッキセットとなっています。
ペルソナライドが使えない分強力な超越というシステムを使える様々な超越デッキですがわりとデッキセットさえ買ってしまえばそれなりに強力なデッキに仕上がっているので開けてそのまま遊んでもデッキとしての完成度が高く楽しめるセットとなっています。
現状デッキセットのカードにはエネルギーを使うカードがないのでその辺りの汎用をデッキ改造として入れてもいいですしG4サポートのカードを入れても良いと思います。
大体の説明は以上となりますので次回は細かい注意点に関して書いていきます。
Stride Deckset Harri・Nightrose発売記念 超越講座 応用編に続きます。