
赤緑エモ G ジョーカーズ調整録
プロローグ
時季は6月も中旬から下旬に移ろうとしている頃、夜にいつものように「マラかっち*」を起動すると、そこには僕のデュエルマスターズにおける師匠、25*がデュエルマスターズをしている姿があった。マラかっち*・・・・自分の所属するわいわい集団。・・・なのだが、毎日夜から早朝までデュエルマスターズをしている為、最近は調整集団と間違われるようになった。
25*・・・・マラかっちのメンバーであり、天才的なチューニングセンスを持つ DMP。過去の彼の代表作として、黒緑次元、黒緑デッドゾーン、全てを破壊するグラスパー、リリアング型ウォズレック等が挙げられる。最近は競技シーンの最前線から退いており、マラかっちでデュエルマスターズをしている姿はかなりレアなものとなっているのだ。
僕はてっきり、最近完成させたリリアング型ウォズレックを更に発展させたデッキを回している、あるいはデュエルマスターズ熱が再燃し、再び競技シーンへ舞い戻ってくるのか等と妄想を膨らませたが、それは所詮妄想でしかなかったということを思い知らされる。
彼が使っていたデッキとは【殿堂コントロール】。(一部の超次元は割愛)
デッキレシピ
25謹製 殿堂コントロール
クリーチャー
計26枚
これを週末の 4.8 倍 CS で使うと彼は言う・・・・・・・・・
しかし当日、彼はこのデッキで6-2オポ落ちという、好成績を残したのである。オポ落ちが好成績というのは違和感がある人も多いかと思うが、赤白ミッツァイルを使用した筆者の戦績は 4-4。他の名だたる強豪プレイヤーたちでも、5-3 や 4-4といった戦績の人が多くいた。それほどに苦しい戦いだった 4.8倍CSでこの結果である。
そこにソリューションのにおいを感じ取ったのは至極当然の事だったのかもしれない(?)
こうしてチューニングの師匠が作ったネタデッキを弟子がガチチューンする、世にも奇妙なデッキ作りが始まった。
目次
1.コンセプト
まずは元々の【殿堂コントロール】の(新殿堂カードを 5種類入れるという以外の)コンセプトをおさらいしよう。このデッキのコンセプトは「ドンジャングルのバリューを押し付ける」これに限る。
→<神秘の宝箱>で<ニコル・ボーラス>、<光神龍スペル・デル・フィン>のような強力なクリーチャーをサーチし、<ドンジャングルS7>によって踏み倒してアドバンテージ差を一気につけて勝つ。<ソーナンデス>、<ムシ無視のんのん/灰になるほどヒート>を使うことで最速4ターン目に起動可能。
灰になるほどヒートが ST であることも優秀で、【赤白ミッツァイル】のような相手には盾から踏ませて勝つパターンも存在する。
また、宝箱でニコルを持ってくる動きはつまり相手の<超竜バジュラズテラ>の効果発動後に自分の赤マナが 1 残るということを意味する。旧殿堂環境で猛威をふるった【ヒラメキウォズレック】対面では、超竜バジュラズテラの返しに<サイコロプス>を合わせることで勝利を目指す。
元々のリストから<ガヨウ神>以外の殿堂カードを抜いて出来る枠は6枠。この枠で自分がしたいことは、サブプランを作るということ。かつ、そのプランはこのデッキが苦手とする<奇石 ミクセル>に対して有効なものであると尚良い。
そのサブプランに自分は心当たりがあった。<グレープ・ダール>+<エモG>だ。
デッキレシピ
エモGジョーカーズ 原案
クリーチャー
計30枚
GR ゾーンは後述。
<グレープ・ダール>はこのデッキで大切なマナの質を高めてくれるだけでなく、5マナの時に相手のミクセルが強くて何もできないという弱点を<エモG>と組み合わせることでケアが可能です。
灰になるほどヒートからグレープ・ダール、エモG共に出せますし、<ムシ無視のんのん>のバトル勝利時の効果でグレープ・ダールを出すことも出来ます。
取り敢えずいい感じのリストに仕上がったので25師匠にTELしてみました。
2.マナカーブ
◆ドラ「25さん、俺良い感じにチューニングした殿堂コントロール使おうと思います。」25「?????・・・・まあそれは良いけどあのデッキに<バングリッド>強いよな。」
◆ドラ「バングリッド?いやでも、3ターン目のマナブーストから入るこのデッキとは相性良くないですよね?積んでも2枚とかで良さそう。(掌をセット)」
25「違うねん。2ブースト積むねん。」
これぞ滋賀のエジソンこと25のチューニングセンス。先ほどセットした掌はおんそくで返されました。
このデッキはビッグムーブが5マナの<灰になるほどヒート>or<ガヨウ神>or <グレープ・ダール>からのJチェンジ。だから3→5のマナカーブで考えていましたが、それである必要は何もありません。
寧ろ、6マナでの<ソーナンデス>とエモGという強力なムーブがある以上、2→4→6の動きが可能な方が良いに決まっています。宝箱自体はサーチカードであり、このデッキのコンセプトである<ドンジャングル>のバリューを高める為に必須なので残し、他のブーストは<フェアリー・ライフ>にするのが良いでしょう。
また、バングリッドX7はどこの枠に入れましょうか?このカードは、マナを手札のように使うことが出来る為実質のリソースカードですが、このデッキのリソースカードと言えば、ガヨウ神くらいなもの。
ものは試し、ガヨウ神を減らし、<ガガガン・ジョーカーズ>を抜いて回してみます。
原案から
<メイプル超もみ人>4枚、ガガガン・ジョーカーズ2枚、ガヨウ神2枚を outフェアリー・ライフ4枚、バングリッド X7 4枚をin
3.デッキレシピ完成
<ガヨウ神>を4枚使える時代に2枚しか採用せずに回す・・・・なんて愚かな構築だ、と思いつつも回した感触は悪くない。ガヨウ神は確かに強力なリソースカードですが、プレイするタイミングが思ったよりシビア。それなら3ターン目にテンポを取りつつ、マナを手札かのように使えるようになる<バングリッド>の方がプレイするタイミングは多い。
バングリッドで攻撃する対象がいない相手についても、<グレープ・ダール>や<灰になるほどヒート>がある分そこまで困ることはなく、唯一困ることと言えば、<ドンジャングル>を引くためにガヨウ神を使う場合があるくらいです。
ドンジャングルを引けなくて困るなら、わざわざテンポロスになり得るガヨウ神を積むよりもドンジャングルを6枚積んだ方がマシ。しかし、4枚までしか同じカードを積めない以上ドンジャングル以外でこのデッキと相性の良いフィニッシャーを探してみます。
候補は<オラマッハ・ザ・ジョニー>と<スターダム・スタージアム>でした。
前者はガヨウ神を抜いて入れるカードとしては役不足感が残ります。手札が十分あるときにこそ、真価を発揮するためです。それに、呪文ロックならば<スペル・デル・フィン>でも十分でしょう。
後者は自身の3点に加えてエモGと組み合わせた時に爆発的に打点が増えることや、今の環境でドンジャングルを投げたら勝ちという場面ではスターダムでも勝ちになる場面が多いです。
ということで、リソースカードはバングリッドのみに絞り、後半のバリューをもっと高める方向にチューニング。また、バングリッドをより生かすために追加の2コストブーストも採用して完成です。
デッキレシピ
赤緑ジョーカーズ完成型
クリーチャー
計29枚
最後に、GR ゾーンについての解説をしておきましょう。
このデッキに採用されている GRクリーチャー射出機はエモGのみ。エモGから出てきて強いのは勿論2打点持ちのクリーチャー。<The ジョラゴン・ガンマスター>、<グッドルッキン・ブラボー>がそれに当てはまるカード。
<バツトラの父>、<パス・オクタン>はシステムクリーチャーである<エモG>、また自分自身を守るための防御よりのカード。横並びするこのデッキと相性が良いです。
<ヤッタレロボ>はドンジャングルの早出しや、1 ターンに2回クリーチャーをプレイするのに非常に便利。
実は、このデッキで最も役割が薄いのは最後の<ゴッド・ガヨンダム>。自分の手札を1枚増やせる便利カードですが、このデッキにはジョーカーズ以外も多く採用されており、手札から捨てるジョーカーズが無い場合や、あったとしてもそれを手札にキープしておく方が強い場合も多い。
そのため、この枠を<鋼特Q ダンガスティックB>に変えるのもアリだと思います。メインデッキにガヨウ神のようなリソース拡充カードを採用する場合はガヨンダムを上手く使えるようになるのでこの限りではありません。
その他の採用候補 GR は<パッパラパーリ騎士>。墓地に行ってしまった<バングリッド>を使いまわす動きは強力ですが、自分の墓地にジョーカーズが自然と落ちるとは限らないので今回は不採用となっています。
4.新殿堂施行後のチューニングについて
新殿堂が施行され、環境からヒラメキウォズレック、赤白轟轟轟が居なくなる(減る)ことが予想できます。特にサイコロプスの役割が薄くなるので、そこを抜いて違うカードを積むと良いと思います。
デッキレシピ
赤緑ジョーカーズ新殿堂対応
クリーチャー
計30枚
超GR
計12枚
【ドラガンザーク】、【ロマノフワンショット】のような墓地を利用するデッキへの対策として<ポクチンちん>を採用しています。
新殿堂でも環境次第で戦えます。是非試してみてください。
5,あとがき
最初、【殿堂コントロール】をチューニングしようと決めた時、まさか<ガヨウ神>までも抜けることになるとは思ってもいませんでした。デッキのビルディングとは奥が深く、強いデッキを作ろうと力んだ時よりも、遊びとしてデュエルマスターズに触っている中で偶然強い構築に行き着くということもよくあります。
今回25さんの作ったデッキは、ある人なら笑い、ある人は白い目を向けるようなデッキでした。しかし、それに注目して、環境デッキとして生まれ変わらせようとした今回の経験をこれからも生かしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。