はじめに
大盛況のうちに第一回目の幕を降ろしたディーヴァグランプリ。そこでディーセレというフォーマットに真剣に向き合って以来、この沼に肩まで浸かっている。
何よりもデッキを考えるのがメチャクチャ楽しい!!
芸術性を感じるレベルで統制されたパワーバランスのお陰で多くのルリグに可能性がある。
おそらく誰も到達していないだけで、第2第3の《原子デウス》の原石はそこら中に転がっているだろう。
俺は次世代の最強デックを見つける為、日々ディーセレのことを考え続けた。
......そうしてディーセレが解らなくなってしまった。
ディーセレの相棒として使い込んできた《デウス》。
作中最強チームの名に恥じない、文句なしのディーセレ最強センタールリグだろう。
────────────────pick────────────────
- 最近では何か普通に可愛い気がしてきている
- アニメは4話までしか見てないけどいい感じの生意気キャラなんだろうな
- 好きすぎるあまり、DXMのテーマソング<TORRIGER OF VICTORY>をソラで歌えるようになってきている
ディーセレが解らなくなりすぎて、その《デウス》ですら弱いんじゃないか?という錯覚に陥り始めていた。
このままではマジでヤバいと感じて、本当に真剣にディーセレの基礎から振り返ることにした。
そうして気付いてしまった。
今まで自分が雰囲気でディーセレをやっていたという事実に。
そしてやっぱり《デウス》は強くて、《原子デウス》が現環境最強なのだという事に。
......と、いう事で。
今回は自分の得た学びの言語化を兼ねて、"数字で考えるディーセレ"について紹介したいと思います。
そして、その上で何故《原子デウス》がここまで強いのかもあわせて解説したいと思います。
浅っっっっさ!!!!!!と感じるか、ぼんやりしていたディーセレというゲームの輪郭がすこし見えてくるかは、読む人次第になりますが、是非読んでいってください。
今回のテーマは大きく分けてこの2点
- ディーセレのダメージレースの数値化
- どうして原子デウスは強いのか
1. ディーセレのダメージレースの数値化
◎「DXM(純デウス)ミラーは後手有利!!」
みたいな感じの話を耳にしたことはあるでしょうか?環境の変遷やパワーラインの意識によって多少ブレる部分はありますが、おそらく皆さんこの認識なのではないでしょうか。
しかし、それを言語化しろと言われてパッと出来る人は少ない気がします。
今回はこのデウスミラーを例にしてディーセレのダメージレースの数値化を紹介します。
(※あくまで僕なりの数値化です。人によって基準値の取り方には差異があると思います。)
当たり前ですがこのゲームは"8点"分のダメージを貰うと負けます。
次に、先手後手のプレーヤーが各ターンに与えうるダメージ累計が以下の表になります。
シグニによる要求(3点)+ルリグによる要求(1点)の4点が1ターンに与えうるダメージです。
(後攻1ターン目はシグニを2体しか配置できないので2+1=3点になっています)
1t | 2t | 3t | 4t | 5t | 6t | ||
先 | ― | 4 | 8 | 12 | 16 | 20 | +@※ |
後 | 3 | 7 | 11 | 15 | 19 | 23 | +@ |
とはいえ、上の表は最大値であり相手側の色んな行動で打点は減っていきます。
具体的な防御になる行動は以下の通り。
- サーバントによるガード
- 防御アシスト等のルリグデッキのカードによる防御
- 盤面のシグニによる防御
- 有効LBによる防御
その数字が8以上になったら、8点分のダメージを貰ってるので負け。という感じですね。
例えば先攻5ターン目を例に挙げて考えてみます。
自分が後攻のプレーヤーだとします。
このターンを凌ぎ切り後攻5ターン目を迎えるには、16点分の攻撃を7点以下に抑える必要があります。
その為、16-7=9 で9点分の防御行動をとる必要があります。(※今回+@の追加打点は無いものとします)
- サーバントで2回ガードできたので2面
- 防御アシストを最大限使えて4面
- シャドウのシグニで守った点数が1面
- 高パワーのシグニが除去されずに守った点数が1面
現実的なゲーム展開をイメージするとこんな感じになるんじゃないでしょうか?
ここまでで8点分の防御が出来ているので、後攻5ターン目を迎えられるかは、有効LBが捲れて後1点を守れたか否かで決まります。
なんとなく、"各ターンの与えうるダメージ"と"生存に必要な防御行動の数"の関係は理解できたでしょうか?
それでは此方の考えに当てはめて「DXMミラーは後手有利!!」を数値化してみましょう。
お互いのアシスト・ピース構成
- <マキナウィングスラッシュ>+<マキナバインド>
- <エクスエコー>+<エクスクロスファイア>
- <M.G.D.>
- <TORRIGER OF VICTORY>
ザックリとしたイメージですが、基本的には後手3〜先攻5ターンの間で決着がつくと思います。
ですので、この辺の数値を参照します。
また、《純デウス》は<TORRIGER OF VICTORY>による1打点の+@があるので、先ほどの表に1点を追加します。
他にも、<コードアート ララ・ルー//メモリア>の存在から、<マキナバインド>が最大効率で使用できる状況は少ない為、基本的に2面防御としての運用として考えます。
これ等を踏まえて考えていきましょう。
1t | 2t | 3t | 4t | 5t | 6t | ||
先 | ― | 4 | 8 | 12 | 16 | 20 | +1<TORRIGER OF VICTORY> |
後 | 3 | 7 | 11 | 15 | 19 | 23 | +1 |
1. 後手3で決着のパターン
12(11+1)点を7点以下に抑えられれば生存なので、5点分の防御行動が出来ればOKです。防御アシストで3面守れるので、後2面分をサーバントでガードや有効LBを踏ませるだけで生存します。
<M.G.D.>もあるので、1枚もサーバント引けないかつ、有効LBゼロという状況にならない限りは生存できるので、後手3での決着はレアケースと考えてよいでしょう。
2. 先手4で決着のパターン
13(12+1)点を7点以下に抑えられれば生存なので、6点分の防御行動が出来ればOKです。2回サーバントによるガードが出来れば、<M.G.D.>と防御アシストを合わせて6点分の防御が成立するので運が悪くなければ生存します。
防御アシストの吐き方によっては、<紅将姫 ノブナガ>のダブルクラッシュが通って打点がずれたりなどはありますが、基本的には後手4にもつれ込む流れになるでしょう。
3. 後手4で決着のパターン
ここからが勝敗の分水嶺。ターンを跨ぐことで受ける打点が一気に4点増加します。
16(15+1)点を7点以下に抑える必要があるので、9点分の防御行動が必要になります。
防御アシスト2種と<M.G.D.>で4点分の防御になるとして、残り5点を何かしらの形で防がなければなりません。
運良く3回ガードできたとしても、残り2点は相手の要求が濁るor有効LBを踏ませるしかないわけです。
なんとなくの感覚で、"運が悪いと敗北"から"運が良くないと敗北"に切り替わったイメージが伝わるでしょうか?
4. 先手5での決着パターン
先ほどから更に1点分の要求が増えました。相当LBが暴れない限りは基本的にこのターンで決着を迎えることになります。
後手5は更に4点分(満足に点数要求できるかはさておき)が追加されるので、先手の6ターン目以降は考慮しなくても良いでしょう。
まとめると、3.のパターンを超えられるか否かがデウスミラーの勝負の分かれ目となります。
そして、ソウルや回収能力によって安定した火力を誇る《デウス》の要求が濁ることは考えにくいので、運が良くないと後手4は生存できません。
その為、「DXM(純デウス)ミラーは後手有利!!」という結論に至るわけです。
......と、いうのが第一回ディーヴァグランプリ辺りの環境のお話。
もっと言えば、レベル2のシグニのパワーが軒並み5000だった頃のお話です。
デウスの要求は濁らないと書きましたが、今は違いますよね。
僕の過去の記事でも何回か触れていますが、シグニのパワーラインは上昇傾向にあります。
テキスト・火力至上主義だった頃からパワーラインが見直されるようになった今、先攻と後攻では2ターン目の要求のし易さに雲泥の差が生じています。
極論、《純デウス》のシグニデッキでは2ターン目にパワー8000を超えるシグニの除去が出来ません。
その為、先攻側が10000バニラを2体立てて返すと、そのまま2点分の防御行動になれます。
(まぁ、LBで除去されるとかは往々にしてあるのですが......)
さっきの表の3.の数点分を高パワーのシグニが稼いでくれると考えれば、生存確率はグッと上がります。それこそ、"運が悪くなければ生存"くらいのレベルには。
更に先手側は、レベル2シグニでレベル1を、レベル3シグニでレベル2を......といったように、一つ下のレベルのパワーラインを除去すればいいので、要求が濁り辛いです。
そのため、"4.先手5での決着パターン"での勝利を収めやすくなっています。
という事で、僕の結論としては
パワーラインを意識した構築なら「DXM(純デウス)ミラーは先手有利!!」
になります。
ゲームに活かそう
ここまでで、何点分の防御行動が出来れば、何ターン目まで生存できる。という指標がなんとなくわかったと思います。
この数値情報をゲーム中の状況変化に合わせて、上手に舵取り出来るか否かがプレイングの巧拙に繋がります。
- 全然要求されなかったから、6ターン目を迎えられそうだな......とか
- 全然ガード出来なくて、5ターン目迎える事無く負けそうだから、防御アシストをメインで使って攻めに転じるか......等
状況としては自分は後手で、相手の先攻2ターン目のアタックフェイズ。
相手シグニのパワーラインは12000、7000、5000でした。
<ララ・ルー//メモリア>、<バフォメット(条件達成)>、<イペタム>
普通であればノータイムで殴れる5000のシグニをバニッシュするシーンです。
この時の自分の手札にはパワー5000焼きは可能だが、7000以上のシグニをバニッシュする手段は無し。また、サーバントを3枚所持していました。
この時点で<エクスクロスファイア>と<マキナバインド>の2種が3面防御で運用出来れば、ガード3回と合わせて、6面分の防御になるので後手4を迎えられるのは殆ど確定していました。
逆に、ここで<イペタム>をバニッシュしてしまうと、後手2の要求が2面分濁ってしまいます。
そうなってくると、相手に先手5を迎えられる確率がかなり高くなります。
相手の要求は濁らないと考えれば、有効LB3〜4枚捲らないと負けなので、後手5を迎えるのは基本無理です。
※後手1のアタックで有効LBを捲っている+ガードされている:2面
2点分の要求濁り:2面
相手の防御アシスト:3面
ここまで確定になるので、もう1回ガード+<M.G.D.>or有効LB1枚で先5確定
という判断から、本来守れる1点を捨てて7000のシグニをバニッシュする選択をしました。
結局、目論見通り後攻4ターン目に詰めに持ち込むことには成功しました。
最後、残り1枚のライフクロスからアップ時バニッシュを捲られなければ勝ちの状況から、ラス盾<轟音の炎球>で負けという結果でしたが......
とは言え、後攻5ターン目を迎えられるようなLBの捲りでは無かったので、この選択は正解だったと思います。
ここまでで、ディーセレにおける"ダメージレースの数値化"と、"ゲームにおける活かし方"がなんとなくご理解いただけたでしょうか?
前編はここまでです。
続きは後編で。