とうとう、2018年度初のGP決勝戦が開催されますね。
同時に、この名古屋GPが、神姫環境における最後の大型大会となります。
大坂→東京→仙台→福岡と、神姫環境はこれまでに4回も大型大会が開かれました。
最初の大阪では神姫宙単が優勝し、次の東京では神姫月単、仙台で通常月単が優勝してからの、
福岡フェスタでは固め型の雪単が優勝するという、今シーズンは優勝デッキが被ることのない、
今までになく、かなりの良バランスを保った環境だったと思われます。
日単サイドから見ると、大阪ではまだ意識の外にあった形のデッキとして、周りの足元を掬いにかかり、
東京ではその強さが認知された故、日単メタの日単が流行りましたが、
結果としては「日単をメタった日単」が他のカラーにふるい落とされ、スタンダードな日単が壇上に登りました。
仙台では既に強みと弱みが知れ渡ってしまっており、使用者がガクッと減ってしまいった印象が強いです。
しかし、福岡では神姫限定構築の日単が決勝まで上り詰めるという、かなりの好成績を残しました。
僕としても、久方ぶりに日単を握れて楽しかったですね。
LyceeOTの1年目において、日単には大分お世話になったので、また握れてよかったです。
...仙台ではボッコボコのボコにされてしまいましたが、リベンジマッチのシングル戦で優勝出来たので、
まあ悪くはないかな...と、言ったところです。シングル戦の楽しさも知れましたし。
さて、話を元に戻しましょう。今日は日単の話をします。
以前、「名古屋フェスタに向けて」、というタイトルの記事を執筆させて頂きまして、各種カラーリング毎の強みと、
各色に相対した場合の動き、得手不得手なマッチアップについて...etcを書き綴らせていただきました。
今回も同じく全色解説していく...のは体力的にも知識的にもしんどいので、日単だけに留めようかと考えております。
GPへと臨む方は既に握るデッキを決めているとは思いますが、
折角ですので、参考程度にでもお読み頂ければ幸いです。
この記事が、名古屋へ向けて準備を進めている皆様の、プラスになれば喜ばしい限りです。
各種マッチアップについて
さて、本題に入っていきます。本記事を書くにあたり、今回も色ごとにおけるマッチアップ時の有利・不利についても触れたいと思います。
ただし今回は「日単使いから見た環境考察」なので、日単を握った際の感想がメインになります。
前回と同じく、下記のような感じで記載していきます。(あくまで主観です)
- ◎ → 得意。出来るだけ落としたくないマッチングです。
- ◯ → 概ね得意。順当に行けば勝てますが、ひっくり返される可能性もあります。
- - → 拮抗。ミラーや、甲乙つけがたいマッチング等はこれに当たります。。
- △ → 若干苦手。順当に行けば負けることもあるが、構築やプレイング差でひっくり返せる可能性もあります。
- × → 苦手。苦しい戦いを強いられる可能性が高いです。
日単というデッキについて
情報としては少し古いですが、↓に東京フェスタでのレポートのリンクを貼らせて頂きます。東京フェスタレポート【でちん】
基本的な動きとしては、<ソル>を基点としつつ、移動キャラをローコストで盤面へ多数展開し、
相手の防御が固まる前にダメージを刻み、最終的に豊富な詰め手段でゲームを決めるアーキタイプとなります。
殴り合いに付き合ってくれる相手ならば、<SRネロ>や<Pエリナ>を中心とした移動キャラで攻め続け、
相手の攻撃を<Pペパロニ>や<アンズー>でいなしつつ、
最終的には<きのこ>や<ヘルモーズ>等の詰め手段でゲームを決めに行きます。
相手がじっくりと盤面を固めて来た場合でも、<ガラティーン>等の高APキャラで貫きつつ、
<SRネロ>等の殴ったあとで動けるキャラを用いて、相手の盤面を無理やりこじ開けつつ、
他の移動キャラで殴り、これまた<きのこ>や<ヘルモーズ>等の詰め手段で勝ちにいくことが出来ます。
総じて言えば、移動キャラのコストを<ソル>で軽減しつつ、優秀なブロッカーで相手の攻撃を誤魔化し、
豊富な詰め手段でゲームを〆にかかることが可能なデッキタイプと言えるでしょう。
受けに特化しつつ、ねちっこい攻めが得意な月相手は苦手と言えるかもしれません。
ちなみに、上記のレシピでは投入されていませんが、<スヴァローグ>や<Pチミマル>を投入することで、
打点を高めつつ、守りも強固な形に変化させることが可能です。
余談ですが、日単が一番輝く場面は、「環境初期」の混沌としたシチュエーションだと思っております。
相手が対抗策を練り切る前に駆け抜けるのがベストだと思っておりますので、
環境が煮詰まった現在、日単の立ち位置は少々厳しいかもしれません。
...が、今環境、ある程度全てのデッキにチャンスがあると思っておりますので、
ゴールデンタイムを逃してしまったとしても、まだまだ全然戦えると意識しております。
さて、そろそろ本題に沿って、各色相手の相性について綴っていきます。
対月
相性:△(若干苦手)~×(苦手)
今環境、というか名古屋GPでトップシェアを占めるであろうと考えられるカラーです。
理由としては、特筆して苦手なデッキが少なく、<酒呑>というパワーカードを擁しており、
慣れ親しんだ<たけのこ>型や、<邪竜>を用いたタイプ、<待った>を搭載したアーキタイプ等、
試合開始直後に月単と認識出来ても、何が飛んでくるか分からない怖さを持っているところにあります。
(特に<邪竜>型は、日単から見ると、かなり苦手と言っても過言ではないかもしれません。)
相手が先攻で<マシュ>→<酒呑>と繋げてきた場合、天を仰ぐ場面も多々あります。
この場合は<マシュ>の対面に<スヴァローグ>を合わせ、打点で負けないようにしつつ、
他のアタッカーでもきっちり打点を刻み、相手が<マシュ>による恩恵を受け切る前に、
<きのこ>や<ヘルモーズ>で強引に押し切りたいところです。
(ただし、<きのこ>は相手の<メリュジーヌ>に除外される危険性も孕んでいます。)
また、<フラン>による間接打点を誤魔化す方法が無いことや、<万古>等で打点を誤魔化されたり、
<スヴァローグ>を<邪竜>+<ネロ・ブライド>を絡めた形で討ち取られたら、厳しい展開になるでしょう。
相手が<たけのこ>を搭載している場合は、日単ほどでは無くとも射程は長めなので、
如何に自分のペースでゲームをメイク出来るかが鍵になりますが...月相手に毎回<酒呑>を出されるとは限らないので、
出されたときにどうするか、を考えるのも大事ですが、出されなかったときのチャンスを逃さないようにしたいですね。
対雪
相性:◎(得意)
日単を握る理由のひとつとして、雪というカラーリングに対して有利なゲームを仕掛けられるという点があります。
相手もドロソとして<綾地さん>を投入していますが、恩恵を得られるまでにラグがあることと、
雪単の代名詞である<山の翁>が刺さりにくいことは大きなメリットでしょう。
(ただし、移動キャラを出すにしても出来れば<ソル>経由で出しておきたいところですね。)
この場合は、<謎のヒロインX>を投入していれば、相打ちというアクションがメリットとして生きてきます。
オーソドックスな固め型だったとしても、<ガラティーン>+SP2でAPが7まで伸びるので、
生半可な盤面構築では止めきれないことも多々あります。
(AP0~1の相手に<SRネロ>でアタックした後、移動して、他の移動キャラで滑り込んでいくことも可能ですしね。)
また、相手が<アモン>+<ディアボロス>の能力で盤面をガチガチにしてきたとしても、
起動能力によるスリップダメージが蓄積していくので、意外と詰めに辿り着きやすくもあります。
しかしながら、相性的に有利とは言っても、負けるときは負けるものです。
油断せず、気を引き締めて戦いたいところですね。
対花
相性:△(若干苦手)
神姫月単の隆盛により、環境にあまり存在しないデッキタイプですが、絶対にマッチングしないとは限りませんね。
基本的に相手のアタッカーの方が、登場コストから見た打点効率に長けているので、
<ソル>を絡めたスタートが切れないと、少々厳しい展開になります。
(こちらも2コストDMG3でビートをしかけても悪くは無いのですが、
後ろに並ぶキャラは花単側が優秀なので、分の良い戦いではありませんね。)
盤面がどうしても膠着しがちなので、<SRネロ>等の能動的に盤面の穴を作れるキャラが重宝します。
きっちり固められると<ガラティーン>単体では突破しづらいですが、それでも一箇所ぐらいは通るはずなので、
多少押されていも、こちら側に逆転の詰め手段があれば、何とかひっくり返すことは不可能ではありません。
ただし、相手が2コスAP3/DP1/SP2でAFを埋めつつ、後列もきっちり揃えてきた場合、
こちらがぬるい手で勝負をしかけても、返り討ちにあってしまうのが関の山です。
また、<SRエリナ>で減速しようとしても、<U卯花>で無効にされることも多いので、
きっちり打点を通していくことを念頭に置くことが重要だと思われます。
対宙
相性:×(苦手)
あくまで個人的な感想ですが、かなり厳しいマッチアップと言えるでしょう。
理由としては単純明快で、日単の基本戦術である<ソル>→「移動キャラ」という展開が、
相手の<忍者>一枚で機能停止しがちになってしまうことにあります。
両者共、<忍者>一枚で簡単に攻撃を止められてしまいます。
(特に<SRネロ>は<忍者>のDPを貫くのに合計SPを「3」以上求められます。
そして、日単ではSP「3」を簡単には捻出することが出来ません。)
こういう場面に置いては、魔力放出の<アルトリア>が光りますね。
そもそも<ソル>→「移動キャラ」→移動宣言に対し、<ロンゴミニアド>を打たれた場合、
返しにDMG5のファッティを出されるだけで、ゲームが終了する可能性もあります。
対策としては<看板娘>等がありますが、相手もハンドを投げてガンガン殴ってるタイミングで、
ハンドを三枚抱えつつ動くのは難しいですね...まあ、そこは月単がずば抜けてるだけですね。
戦い方としては、出来るだけ2ハンドDMG3で攻めることを念頭に置く、等でしょうか。
<ガラティーン>や<めぐる>は素のAPが高く、<アペシュ>は他のAFキャラのサポートに回れます。
2ハンドキャラならば<忍者>と相打ちしても痛くは無い...ですが、相手も2ハンドブロッカーを連打してきた場合、
テンポを持っていかれ、ずるずる負けてしまう可能性もあります。
あと、単純に<ジャンヌオルタ>等のDMG4がキツイので、こちらも相打ちキャラを多めに搭載したいところです。
そこら辺は<スヴァローグ>が働いてくれたりするので、構築段階で考えるべきことも多いですね。
課題を上げて行けば取り留めもなくなってしまいますが、
実際に対戦してみて、これは困った...という場面に遭遇したとき、
その問題に対する回答をきっちり用意することが大事だと思っております。
苦手なデッキと戦いを重ね、負けが込むのはげんなりしますが、
回数を重ねないと見えてこないこともあるので、相手に回して嫌なデッキほど、多く練習した方がいいと考えております。
これは、日単対宙単に限ったことではなく、対戦ゲーム全般に言えることかもしれませんね。
対日
相性:-(拮抗)
これに関しては、「同じデッキ」なら概ね先攻を取ったほうが有利です。
<ソル>→移動キャラでスタート出来れば、相手に同じスタートを決められたとしても、
こちらが一歩先んじている分、基本的には不利になることは無いでしょう。
ただし、こちらが「中型メイン」の日単だった場合、<スヴァローグ>や<Pチミマル>を搭載した日単と相対したとき、
仮にこちらが先攻を取っていたとしても、こちらのアタックが何処も通らず、その上相手の<スヴァローグ>を止められず、
大差を付けられて負ける可能性もあります。
EX1の事情を考えると、中々どうして構築力を問われますね...
完全なミラーならどうしても引きや先攻後攻差で勝負が決まってしまうこともありますが、
同じ日単と言っても構築に差があったりするので、一概にこう!とは言い切れないですね。
ちなみに、<ガラティーン>や<めぐる>をガン積みするのは基本として、<アペシュ>等の低コストDMG3を多めに積んで、
<謎のヒロインX>で支援していく型も結構お洒落です。
...お洒落ですが、結局<酒呑>相手にはしんどいのに変わりがないので、なかなかどうして難しいところですね。
対神姫月単
相性:○(概ね得意)
日単を握る理由その2として、神姫月単に対して、比較的有利を取れる所にあります。
こちらが先行だった場合、基本的には移動キャラ2体エンドが望ましいでしょう。
間違っても<ソル>からスタートしたり、<ガラティーン>を場に出さないようにするのが鉄則です。
相手が先攻だった場合、基本的には<モルドレッド>単騎でターンを回してくるはずです。
それに対し、こちらは<SRガイヤール>を<モルドレッド>に合わせ、<Pエリナ>を追加することにより、
<モルドレッド>の攻撃を1ターン遮断し、先攻と後攻の差を入れ替える事が可能です。
日単は詰め手段が豊富で射程が長いので、一歩遅れると、思いの外早いうちにゲームを決められてしまいます。
しかし、神姫月単側としても不用意にアタッカーの追加を行うと、<モルドレッド>に<Pペパロニ>を合わせられ、
これまた打点で大きく差を付けられてしまいます。
(<神龍眼>等のカードで場のキャラを増やさずに打点を追加しようとしても、これまた<Pペパロニ>で解決されますね。)
また、日単側の強みとして、盤面のキャラを移動キャラで固めることにより、
神姫月単の強みである、<ポセイドン>や<アルテミス>を実質無力化出来るのも大きなメリットです。
ただし、<スヴァローグ>は横移動しか出来ないので、オーダーチェンジを持ったキャラを搭載していない限り、
積極的に場に出すのは好ましくありませんね。
気をつけるべきところを念頭に置き、淡々と攻め続け、相手の攻撃は出来るだけ受け流し、
豊富な詰めカードでゲームを決めにかかればよろしいかと存じます。
対神姫日単
相性:-(拮抗)
拮抗と書きましたが、実際のところ、そう断言するのは難しいところですね。
相手は<ダルタニアン>という規格外の移動キャラを所持しているので、
Mix日単の数倍<ソル>を上手に使うことが可能です。
ハイスピードなゲーム展開をしかけて来ることが予想されます。
生半可な受け方では簡単に殴り抜けられてしまうので、こちらもきっちり打点を刻みつつ、
<きのこ>や<ヘルモーズ>で1手先に詰めを仕掛けられると御の字かと推察しています。
...まあ、こちらが<スヴァローグ>+<Pチミマル>等の受け手をきっちり構えていると、
相手も迂闊に<ダルタニアン>の能力を宣言出来ないので、そういった絡め手も重要かもしれません。
正直言って対戦経験が少ないので机上の理論となってしまいますが、
基本的には日単ミラーの延長戦、(ただし、序盤~中盤は相手が強い?)と思われます。
何にしても、相手のアタッカーは3コスト以上が中心なので、
<ソル>が居ない場合は少し鈍るかもしれません。
ただし、<ダルタニアン>と<ソル>のシナジーが抜群なので、<ソル>絡みのスタートを切られた場合、
為す術も無く負けてしまう可能性もあるので、対人戦での練習はきっちり行うべきでしょう。
序~中盤は相手の打点の方が早いと思われるので、相手が詰めに移行するタイミングを見極めつつ、
こちらの射程の長さを活かした戦い方を心がけたいとこですね。
そんな感じです。
おわりに
さて、今回もお付き合い頂き、誠にありがとうございました。LyceeOTも無事一周年を迎え、カードプールが増え、メタを張るのが難しくなってきましたね。
混沌とした環境は楽しくもあり、「メタ読み」を通すことが難しくもあり、
一筋縄ではいかないグランプリになりそうです。
僕自身はファイナルの権利持ちなので、ちょっとしたローグデッキで参加しつつ、
最近楽しさに目覚めたシングル戦の方も視野に入れている今日このごろです。
...いやはや、シングル戦、意外と面白いんですよね。
普段は使われないようなカードにもしっかりと役割があり、MIXとはまた違ったメタの回り方がありつつ、
シングルならではの定跡なども覚える必要があるので、オーガスト以降もますます楽しみです。
それでは、今日もでちんはKOOLに去るぜ!